織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

21 / 112
一夏と組織と関係

 

あのISの襲撃は俺にも想定外だった

まさか俺の目の前でやるとはなかなか度胸のある組織だ

 

『一夏さん、襲撃をかけてきたISは姿を消しました』

 

「了解した。総員警戒態勢を維持しつつ、安全確認を完了させて生徒たちを安全確保に努めろ」

 

『了解』

 

「まったく、ほっとする」

 

俺はすぐに携帯情報端末で半径10km圏内の対空レーダー設備を使用して安全チェックを指示した

万が一の場合でも即座に対応できるような状況作りをするためだった

 

『わかりました。現在のところこの圏内に飛行物体は民間旅客機の物だけです』

 

「引き続き警戒監視を。何か変化があればすぐに連絡しろ」

 

指示を終えると俺は押し倒した二人に手を差し伸べて立ち上がるのを手伝った

 

「あなたに助けられるなんてね」

 

「俺もだ。それじゃな。俺も仕事があるからな」

 

これから打ち合わせだ。いろいろな部署に確認もしなければならない

正直なところ面倒だが仕事のうちだ

 

「俺はとりあえず警備室に行く。あと、自分の身は自分で守れ」

 

俺はそう言うと駆け足で警備室に戻ると非番の職員も来て安全チェックに追われていた

 

「正面ゲート付近の守りを固めろ」

 

格下の俺の指示に誰もが従うのは最初に赴任した時に全員と訓練をして倒したからだ

誰もが俺の指示を最優先で聞くことを伝えるとともに定期的に格闘術を教えている

俺の場合少し行き過ぎた訓練になる事もあるがそれくらいがちょうど良い

 

「念のため銃器を所持しておけ」

 

『了解』

 

武器庫代わりにしている倉庫に向かうとそれぞれ銃を取りに行く。交代で。

警備室を空にするわけにはいかないからだ。今は特にだ

 

『ピーピーピー』

 

連中からの連絡だった。まったくもって迷惑な事を

 

「いったいどういうつもりだ?」

 

『私達としては今回のことは悪いと思っているわ。タイミングが偶然重なったの。今後は気を付けるわ』

 

「その言葉を信じて良いんだな」

 

『ええ、我々の組織のために今後はこういう事は無い事を確約するわ。あなたの目の前では断りなく仕事はしない』

 

「そうしてくれると俺は助かる」

 

俺に面倒をかけられると苦労する事になるのだ。俺の役目は主に篠ノ之箒を守る事だ

学園の安全に関しては最優先事項ではない。あくまでも2番目の課題であり1番目は束さんから依頼された箒の安全だ

 

「一夏君。当面は武装させて警備に入る」

 

「ああ、そのほうが安全だ。各員には緊張感を持って警戒を促しておくことを忘れるな」

 

「了解」

 

あとはこの出来事をどう処理するかだ。おそらく学園側は誰が犯行に及んだのかはわからないだろう

もちろん俺も不可侵協定がある以上どこの組織とは言うつもりはない

一線は超えない事にすることが重要なのだ

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。