織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と専用機と連続殺人

 

あの騒動からというもの、しばらくしてから学園には静かな空気を取り戻した

これでようやく安心できると思っていた。だが、世界は静かにいる事を許そうとはしないようだ

俺には迷惑なことこの上ないのだが

 

「一夏」

 

「千冬姉。何か用か」

 

「お前がISが持っているとかなり噂になっている。真実を話してくれ」

 

あの生徒会長ははっきり言ってあきらめが悪い。千冬姉に話を持っていくと

 

「仮に持っていたとしてどうしたい?俺は猟犬だ。必要だったら殺しもする」

 

「それが家族でもか」

 

「俺が優先するのは契約だ。互いに納得した契約だから動いている。それに俺に手を出したらどうなるかは裏の連中はよくわかっている」

 

既に裏社会には俺の名前は通っている。猟犬でありフェンリルの弟子であるという事は

だからこの程度の噂話が出たところで立場が変わる事はない。千冬姉は納得していない表情だったが

フェンリルに手を出したらどうなるかは各国の裏社会が知っている。今までに生き残った者はいない

弟子と言うだけでも、俺1人だ。だから簡単には手を出さない。出せないのが実情だ

 

「束との契約を優先するのか?家族よりも」

 

「俺に家族はもういない。千冬姉も俺のことを忘れてくれ」

 

俺はいづれ消える運命にあるからなと伝えると

 

「一夏!私は!」

 

「千冬姉。こうなったらもう止める事はできないんだ。時計の針が戻らないのと同じで」

 

俺はそう言うとその場から離れる事にした。千冬姉は俺に何かを言いたそうだったが何も言わなかった

廊下を歩いていると楯無が近づいてきた。俺はあえて何も話しかけず無視をすると楯無から話をしてきた

 

「織斑先生でも説得は無理だったみたいね」

 

「これは警告だ。次は誰かが犠牲を払う時になるぞ。その時には慈悲なんて期待するな。誓ってやる。猟犬を怒らせるとどうなるか」

 

「どうなるのかしら?」

 

俺は耳元である連続殺人の話をした

 

「あなた!まさか!」

 

「さぁな。それを証明したいなら実現させてみよう」

 

わかったわと言うと楯無は歩いて去っていった。その連続殺人は表向きはただの連続殺人だが

実際は裏の世界ではある犯罪組織のメンバーを殺すためのものだ。これは猟犬として依頼された仕事の中で最も大きい

金額もすごかったが、俺1人ではできなくてフェンリル先生の力も借りて行った

その時に得た経験として噂話だとしても。たとえ疑惑だけでも十分なのだという事だ

真実などどうでも良い。聞いた本人がどうとらえるかで行動が変わってくる

そういう事を学んだ。1度でも疑惑を持てばそれは後々効果が出てくる事になる

小さな疑問点を言うだけでも大きな波紋を呼ぶことができる


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