織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と千冬姉と束さん

 

俺はいつも通りターゲットが住んでいるマンションを離れた所から狙撃するつもりで配置についていた

今日の依頼はすこし妙だった。あまりにも金が良かった。1人殺すだけで1000万円も出すと

それほどの理由があるのか。とりあえずは目の前の仕事を片付ける事にした

今回使うのは狙撃銃の中でもかなり強力なものだ。バレットM82を使用しての長距離射撃だ

実はターゲットから1kmは離れている。これだけ離れているのには理由がある。

ターゲットが住んでいる場所が警察機構とかなり近くだからだ

 

「まぁ、大丈夫だと思うがな。1kmも離れていたら勘づかれないだろう」

 

いよいよ狙撃のタイミングをはかった。女はリビングのソファに座っていた

俺は女がテレビを見始めたのをスコープで確認すると発砲した

弾は毎秒853mで進み。女の頭を吹き飛ばした。

 

「これで仕事は完了だな」

 

あとは帰るだけだという時に携帯端末にコールがかかってきた

束さんからの連絡だった

 

『いっくん。今大丈夫?』

 

「ええ、仕事を終えたばかりですが少しくらいなら時間はありますよ」

 

すると束さんはまた悪い事をしたんだねと言ってきた。確かに俺は罪人だが、殺された方にも責任はある

平等な社会を望んでいたなら俺に狙われることはなかったのだから

 

『実はね。ちーちゃんがうるさいんだよね。私がいっくんをたぶらかしたって』

 

「面白い冗談ですね」

 

『そうだよね。私にはそんなつもりはないんだけど。あんまりうるさいと困っちゃうんだよね』

 

「もしかして千冬姉を殺せとでも?」

 

『そんなことをお願いするわけないでしょ。でもね。少しはお仕事を控えてもらえると嬉しいなっと思って』

 

束さんまで言ってくるとは相当裏が深いという事になる

 

「どうしてですか?」

 

『ちーちゃんがかなりしつこいんだよね。束さんも困っててね。少しだけで良いからお願いできないかな?』

 

「いくら束さんのお願いでもこっちは生活と評判がかかっているので」

 

ご要望には沿う事はできませんと言うといっくんは強情だねと返してきた

仕方がない事だ。俺のような仕事をしていると依頼はいくらでもある

すべて断っていたら今後依頼が来ないようになるかもしれない。それでは困るのだ

確かに俺は壊れているかのかもしれない。殺人を何とも思っていないのだから

 

『とりあえず箒ちゃんのことは守ってね』

 

「その件ならお任せください」

 

俺はライフルを分解して片付けるとバイクでIS学園に戻る事にした

今日の仕事はこれで終わりだ。明日は朝から忙しい。何か学年別対抗試合があるからだ

警備にはさらに厳戒態勢で行わなければならない


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