織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と家族と仕事

 

俺はIS学園の広場のようなところでベンチに座って缶コーヒーを飲んでいた

 

「あとは部屋に帰って寝るか」

 

以前よりも高い防犯設備を導入した。なにかあれば俺の携帯端末で確認できるようにしている

缶コーヒーを飲み終えると俺はベンチから立ち上がり歩き出そうとした

 

「一夏」

 

「千冬姉。何か用か?」

 

「もう1度戻ってこないか」

 

「それは無理だ。千冬姉。俺は壊れているから戻ったところでまた同じ道に戻るだけだ」

 

時計の針は歩むことを忘れないように永遠に進んでいる。

俺も同じだ。もうあの温かい場所に戻る事はできない

裏社会で生きていくしかもう道は残されていない

 

『ピーピーピー』

 

「どうかしたか?」

 

俺の携帯端末に着信が入ってきた。

千冬姉には用事ができたと言ってその場から離れて電話に出た

 

『一夏君。元気そうね』

 

相手はココ・ヘクマティアルだった。

 

「ココさん。そちらは今どこに?」

 

『南アフリカよ。1つ仕事頼まれてくれないかしら』

 

いろいろとサービスをするわという言葉に可能なら対応しますがと返した

依頼内容はシンプルだ。彼女の兄であるキャスパーの取引相手とトラブったという事だ

ならキャスパー自身が動けばいいのだが別件で忙しいとのこと

そこでココさんとよく知る仲である俺に話が回ってきたようだ

 

「チェキータさんは知っているんですか?」

 

『猟犬に任せるならかまわないと』

 

「場所は?」

 

今端末を送るわと言うとある組織の拠点だった。女性至上主義者の拠点とされているところだった

受けてくれたら報酬として1000万円払うと。ちなみに派手に花火をぶちかましてくれとの依頼だった

 

「わかりました。数日以内には結果が出せると思いますので」

 

情報端末に送られてきた情報によるとターゲットはキャスパーの支払いをしたが偽札だった

バカな事をしたものだ。彼らにそんなことをすれなどうなるか。俺だって後が怖い

 

「一夏!もう殺しはやめろ!」

 

「今更だ。俺はテロリストとして生きていく。だからもう関わるな。織斑千冬さん」

 

俺はそう言うとその場から去っていった。その後ろでは千冬姉が泣いていた

だが俺にはどうする事もできない。この家業に入った以上一緒にいれば狙われる

だったら決別するしかないのだ。たとえどんなに深い仲でもだ。

それが宿命なのだから。俺は狙撃ライフルやC-4などの爆薬を取りに行った

あのヘクマティアルを怒らせるとどうなるか。後悔してもらう事にした

ちなみに今回の仕事で最大の難関は狙撃ポイントが限られるからだ

そこである協力してくれそうな人間に連絡を取った

 

「大至急頼みがある。報酬は出すからヘリの操縦を頼みたい」

 

 


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