織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と殺し合いと楯無

 

俺と簪は訓練室でのトレーニングを終えるとそれぞれに分かれた

簪には授業がある。俺は警備の仕事だ。問題なのは楯無の方だ

さっき携帯電話にメールが来ていた。スタジアムに来いと

俺は嫌な予感をしていた。まさかとは思ったが

そのため対IS用銃弾を持ってきた。スタジアムに到着するとそこには楯無が自身の専用機を展開していた

 

「どういう趣向だ?」

 

「あなたを殺すのよ」

 

「そいつはずいぶんと過激な思考だな。お前も一線を越えてみたくなったか?権力で脅すのではなく血で血を洗う戦争ごっこに」

 

奴はこういった。どうとでも解釈すれば良いと

我慢ができない領域まで行ったのだろう

 

「お前の妹はうまく育てばIS乗りとしては優秀な成績を得れるだろうが。俺を殺したらお前は嫌われるな」

 

「分かっているわよ!でもこれ以上は見逃す事はできないわ!」

 

俺はため息をついた。これだから嫌いなんだ。こういうやつが

 

「悪いが今は勝負をしたい気分じゃないんだが」

 

「ならこうしましょう。あなたが勝てば当面の間は現状維持。私が勝てばIS学園への編入」

 

「それはできない話だ」

 

こっちの仕事にも差し障る。それに表ざたになったら仕事ができなくなる

楯無は良いわと言うと俺にISの武器を向けた。

その時だった。またしても千冬姉が出てきた

 

「朝から騒動を起こすな」

 

「俺は起こしていない。あいつが最初にケンカを売ってきただけだ」

 

千冬姉にそう言うと俺はスタジアムを出ていくことにした

誰が学園内で自分が持っている専用機を展開する事はお断りだ

証拠の抹消する時間がない。IS学園に入るくらいなら俺はすべての縁を断ち切って学園を出ていく

裏の社会で影のように生きる

 

「楯無。進んでしまった時計を戻す事はできない」

 

俺はそう言うとスタジアムから出ていき巡回警備に戻っていった

生徒たちは今日もこれから厳しい座学と実技があるとため息をつく者と頑張ろうとする者の2種類に分けられる

俺はどちらかと言うと実戦が好きだ。座学は面倒だからだ。何事も体で覚えるのが一番だ。

もちろん基礎訓練は重要だが

 

「まったくもって困ったものだ」

 

廊下を歩いているとラウラ・ボーデヴィッヒと出会った

俺は無視しようとしたが、相手から話しかけてきた

 

「あの事件の真相を調べた」

 

「そうか」

 

俺はそれだけの返事をするとすれ違おうとするとラウラが俺の腕をつかんだ

 

「確かにお前の言うとおりだった。私も裏事情を知っていれば以前のようなことはしなかった。悪かった」

 

「別に俺にとってはどうでもいい事だ。謝られても俺は仕事をしただけだからな」

 

俺はそう言うとその場から歩いてラウラから離れていった

 

「1つ聞きたい。猟犬として今の世界をどう見る?」

 

「そうだな。仮にの話だがISさえなければ、俺は殺し屋なんかにならなかった。それだけは言える」

 


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