織斑一夏の裏家業   作:アイバユウ

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一夏と簪と威嚇

 

その日の夜、俺はいつものように警備のため巡回していた

もう誰もが眠っている時間である午前0時だ

静かな時間だと感じていたがそこに緊張感があり張り詰めた空気を漂わせた人間が現れた

 

「一夏」

 

「千冬姉、何かあったのか?」

 

「どこまで知っている」

 

何をとは俺は聞かなかった。おおよその察しはついていた。ここ最近千冬姉はいろいろと調べ事をしていたことを

悪いとは思ったが職員室に設置している盗聴器の音からある程度把握していた

 

「さぁな」

 

「一夏、もう人殺しはやめてくれ!お前を失いたくない」

 

「何度も言ったはずだ。千冬姉。今更引き返したところで待っているのは死だけだ。ならたとえ血にまみれた道でも歩むしかない」

 

俺はそういったが事実だ。今更、俺が普通の人と同じ生活ができるはずが無い

多くの血を流してきた。だからこそ狙われるのは分かり切っている

いくらフェンリルの弟子だからと言っても一般生活に戻れば状況は変わる

ならこの修羅の道を歩んだ方が良い

その方が生きていきやすい

 

「一夏!」

 

「千冬姉。俺達は実験の産物だ。でもだ、今更モルモットになるつもりはない」

 

俺は振り返る事はしないで歩き始めた。

もう何もかもが遅すぎているのだ。その後も歩き続けて巡回業務をこなしていった

 

『ピーピーピー』

 

「織斑一夏だ」

 

『元気にしているかしら。1つ仕事をお願いできない?報酬はそれなりに出すわ』

 

電話の相手はココ・ヘクマティアルさんからのものだった。

内容はいたってシンプル。ある人物に警告をしてほしいというものだ

警告だから殺す必要はないとのこと。あくまでも脅しだけで良いと

報酬は出すとのことだった。俺は分かりましたと言うと携帯情報端末に関連データを送るように依頼

すぐに情報は送られてきた。通話が終了すると俺は1度携帯電話を取り出して簪に渡している携帯電話にかけた

 

『何ですか?』

 

「簪、実地訓練に興味があるなら付き合え」

 

『すぐに用意します』

 

「気づかれるなよ」

 

10分ほど寮の前で待っていると動きやすい服装に着替えた簪が到着した

俺と簪はバイクに乗り込むと都内に向かって、バイクを走らせ始めた

 

「どうして誘ってくれたんですか?」

 

「今回は依頼は殺しじゃないからな。いきなり人を撃つのは嫌だろ。今回は驚かすのが目的だ。報酬はもらっている」

 

途中にある広い駐車場にバイクを止めるとすぐにヘリがやってきた

俺がさっきココさんから連絡を受けてすぐに手配した。もちろん自衛隊のヘリだ。護衛艦から発艦してもらった

自衛隊の関係者に協力を求めたところ意外なくらい簡単に許可が下りた

どうやらココさんの手配のようだ。感謝しないといけないな

 

ターゲットは都内の高級高層マンションに住んでいる。ヘリを使っての狙撃だ。

俺は持ってきた対物ライフルであるバレットM82を組み立てた

 

「やってみるか」

 

俺は簪にそう言った

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