ISの世界の強き竜の者   作:大鉄人ワンセブン

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プロローグその1です。




序章 始まり
プロローグ1 誘・拐・事・件


 誘・拐・事・件 

 

 

 〈一夏SIDE〉

 

 

俺はいつも姉の千冬姉や双子の弟の千秋と比べられていた。

ほとんどの奴らは俺を『織斑千冬の弟』としか見てなかった。

 

 

千冬姉や千秋は「気にするな」と言ってくるが時間がたつにつれそれも段々と嫌味にしか聞こえなくなってきた。

 

 

唯一弟と肩を並べられることが出来たのが剣道だった、けど『ブリュンヒルデの弟なら出来て当然』と認めなかった。だから俺は習っていた流派とは違う自分だけの型をつくろうとした。

 

 

けど当主からは『邪道』と言われて破門させられかけた。千冬姉や箒達によってそれは免れたが俺は影でその型を磨き上げていった。

 

 

認めてもらうために…皆に俺自身を認めてもらうために…

 

 

第二回モンド・グロッソ決勝戦当日、俺は千冬姉に招待されて会場に向かったがその途中、俺は誘拐された。そして今は倉庫に実行犯と思われる奴らと一緒にいる。

 

 

「お前ら、何のつもりだ!」

 

 

俺は必死にもがくが抵抗できない。

 

 

「俺たちはある人に頼まれてお前を誘拐したのさ。狙いはお前の姉、織斑千冬の辞退だ」

 

 

「…そういう事か」

 

 

つまり俺は人質っていうわけか、所詮俺はそんなものか、

 

 

「お、俺さ、実は織斑千冬のファンなんだけどさ…こっち来たらサインとか貰えないかな?」

 

 

「お前はバカか!?誰が身内を誘拐した奴にサイン渡す奴がいる!?」

 

 

…まったくその通りだ。というか千冬姉は誰にもサインなんて渡さない気がする。

 

 

「に、にしても遅くないですかね。織斑千冬」

 

確かに遅い……一体どうなってるんだ?

 

 

「た、大変です!」

 

 

「ど、どうした!?」

 

 

「織斑千冬が決勝戦に出てるんです!」

 

 

「な、何だと!?」

 

 

千冬姉が…決勝戦に出てる?…何の冗談だ?

 

 

「おい、テレビをつけろ!」

 

 

男の一人が指示を出す。すると本当に千冬姉が映っていた。

 

 

「うっひょー!織斑千冬じゃん、よし、いけ!そこだ!」

 

 

「アホ!何応援してんだよ。緊急事態だぞ!」

 

 

漫才みたいなことを誘拐犯たちが言っていたがどうでもよかった。そんなことよりも俺は…俺は…。

 

 

「ハッ、どうやらお前は実の姉に見捨てられたらしいな」

 

 

その男に言われて俺は現実を見るしかなかった。千冬姉に見捨てられたという現実を…。

 

 

「あれ?何だこの動き?」

 

 

「お前まだ見てたのかよ。で、どうした?」

 

 

「織斑千冬の動きが変なんです」

 

 

『は?』

 

 

俺も他の誘拐犯たちもそいつの言ってることに理解できなかった。

 

 

「あ、いや、なんというか…いつもの織斑千冬らしくないというか…」

 

 

「お前どんだけ織斑千冬のファンなんだよ。気持ち悪いわ!」

 

 

まったくその通りとしか思えなかった。

 

 

「で、どう変なんだ?」

 

 

「いや、その…見れば分かるんで」

 

 

そいつはそう言うと画面から離れた。誘拐犯や俺はその画面を見た。そして勝敗がついたその映像を見たとき、俺は信じられないものを見た。

 

 

「あぁ?なんか変なところでもあったか?」

 

 

「いや、あんな動き、今まで見たこと無いんすよ」

 

 

「…俺の剣だ」

 

 

『は?』

 

 

「あれは…俺の剣だ」

 

 

そうだった、千冬姉が使ったのは俺がつくった剣の型だった。何で…千冬姉が…。

 

 

「ケッ、どうやらおまえの姉はお前を見捨てただけじゃなくお前の剣も奪ったみてぇだな!」

 

 

あれは俺のなんだ…何で千冬姉が…。

 

 

「ところでこいつどうします?織斑千冬のサイン貰えないならこいつには何の価値も無いじゃないですか」

 

 

「お前まだそんなこと考えてたのか!?まあそれもそうだな…どうするか」

 

 

「おいお前たち。あんまり騒ぐんじゃないよ」

 

 

『あ、姉御!!』

 

 

「こいつの使い道にいいのがある。こいつの実験台さ」

 

 

女はそういうと赤い液体が入った注射器を取り出す。

 

 

「な、何すかそれ?」

 

 

「なんでも上が盗んだものらしくてね。誰かに使ってデータを取るように言われてきたのさ、危ない薬の類ではないみたいだから大丈夫よ」

 

 

女はそういうと俺の腕の袖をめくり上げた。

 

 

「何しやがる!?」

 

 

「ほら動くんじゃないよモルモットが。お前たち、そいつを抑えろ」

 

 

「了解!」

 

 

俺は誘拐犯たちに押さえつけられる。クソッ!

 

 

「ごめんね、でもこれが君の運命なのよ」

 

 

そういうと女は俺の腕にその薬を打った。

 

 

「うがっ、あがが…あ、熱い」

 

 

「なんか、苦しんでるみたいだけど大丈夫なのこれ?」

 

 

熱い…胸が…苦しい。俺はまだ死にたくはない!

 

 

俺は……俺は!

 

 

  〈千冬SIDE〉

 

 

「一夏…無事でいてくれ」

 

 

私は決勝戦を終えた後、政府の者から一夏が誘拐されたと聞いて急いで飛んでいった。幸いドイツ軍の協力もあり、誘拐場所はすぐに判明した。そして今はその現場の目の前にいた。

 

 

「一夏ぁぁあ!どこだぁぁあ!!」

 

 

しかしそこには一夏はおろか誘拐犯も居らず、代わりに粉々になったISと何者かが争いあったような激しい傷跡、そしてところどころに血痕が残っていた。

 

 

「一夏…一体何処へ…」

 

 

私はただ、そうつぶやくしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

一夏が打たれた薬は本編に直接関わりませんが後々正体が判明します、一夏が苦しんでるのはネタバレになりますが一時的な副作用のようなものです。女の言う通り薬物などの危ない薬ではありません。

粉々になったISは誘拐犯の女のものです。

あの後一夏がどうなったのかは今はあえて書きません。

そして最後に、千秋君は次話『プロローグ2』からでます。
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