ブレイブ17 『出会いは突然!2人の転校生』
〈ナレーションSIDE〉
「何?デーボ・タンゴセックがやられただと?」
氷結城ではカオスと戦騎達による会話があった。前回のキャンデリラによる喜びを集める作戦の裏でドゴルドはカオスからの密命を受け、キョウリュウジャーがデーボ・バティシエと戦っている間に怒りの感情を集めつつIS学園の生徒を洗脳しようという作戦だったのだがその作戦を担当していたデーボ・タンゴセックと連絡が取れなくなっていた。これは歌原美喜がアメシスターを
「あぁ、全く腹立たしいぜ…一体どこの誰が俺のデーボ・モンスターを倒したのか…それに聞けばキャンデリラのデーボ・モンスターもなんか変だったようだしな…」
「そうなのよ~、いきなり変な感じになって急に暴れだしたりして…折角の作戦が台無しよもう!」
「うーむ。これは一体全体…」
「キャンデリラのデーボ・モンスターを操ったのは俺だ」
そこへ1人の怪人が現れ、カオス達がその方向へ向く。
「む、貴様はデーボ・ウイルスン!生きていたのか!」
「ダァホ、この俺様がそう簡単に死んでたまるか。500年前のヨーロッパでの戦いではラミレスとかいう髭面のジジイにやられたが今度はそうはいかねぇさ。それに現代はISっつう兵器があるらしいじゃねえか、そいつを使った作戦をしたくてな…」
「…何か考えがあるのか?」
デーボ・ウイルスンの発言にカオスは問いを投げかける。
「ま、見てなって。時間はかかると思うがな…」
そしてデーボ・ウイルスンは妖しく笑うのであった。
〈千秋SIDE〉
―――三年前―――
「37度2分…まだ微熱か、下がったけどまだあんまり動いちゃいけないな…」
姉さん、兄さんの剣を使って戦うとか言ってたよね…兄さんには黙ってくれと言われたけどいわゆるサプライズだよね、兄さん驚くかなぁ…。僕はそう思いつつ時計を見た。
「そろそろ決まる頃かな?テレビ付けないと…」
僕はテレビのスイッチを入れるとそこには姉さんと決勝戦の対戦相手が映っていた。暫くは互角だったけどすぐさま姉さんが動いた…確かにこれは兄さんの剣だ…。ヤッパリすごい、こんな芸当僕じゃちょっとやそっとじゃできないよ。
結果としては姉さんが優勝した、僕はお祝いの電話をするため早速姉さんの元へ掛けた。
『もしもし、千秋か?』
「うん、そうだよ姉さん。2連覇おめでとう」
『よせ、それより一夏だ。早くあいつの驚いている顔を見たいからな』
「ハハハ…驚いてる顔って、兄さん剣に関しては本当にすごいからなぁ…」
『言うな千秋、お前ははっきり言って出来過ぎだ。剣こそは一夏に敵わないがお前も中々のものなんだ。その上他の分野でも異常な程の出来だ、それが一夏にとって物凄い重荷となってしまっているんだ。そう言う系統の発言はよせ』
「いや、そんな…僕はただ…」
『いいんだ。悪気で言ったわけでないのは分かっている、これからは気をつけてくれ』
「……はい」
(姉さんの言う通り僕は昔から色々なことができた。剣こそ兄さんに敵わないがそれ以外では圧倒的に勝ってしまっている。それ故の嫉妬なのか兄さんは僕を少し避けている、僕としては昔のように兄弟で仲良く他のみんなと遊びたいんだけど…)
僕がそう考えると姉さんから電話が入る。
『済まない千秋ちょっと待ってくれ、政府の人来たんだ。何か連絡があるらしい』
姉さんはそう言って電話から声が聞こえなくなった。ただ回線を切っていないのかハッキリとは聞き取れないが話し声が聞こえる。僕は気になって耳を電話に当ててよく済ませる。すると姉さんの声が聞こえた。
『何だと!?一夏が誘拐された!?場所はどこだ!早く言え!!』
『お、落ち着いてください!我々とドイツ軍が協力して捜査しているのでもう少しすれば…』
『落ち着いて何かいられるか!一夏…一夏ぁぁぁぁぁぁあ!』
……………え?兄さんが…誘拐された?何の冗談だよ…そんなの嘘であってくれよ。家族が…兄さんが……いなくなる?
嘘だ…嘘だ…そんなの嘘だァァァァァァァア!!!
――――――――――――――――――――――――
「―――ァァァァァァァア!…ハァ…ハァ…ゆ、夢か…」
あれは…兄さんがいなくなった日の夢、何で今になってこんな夢を…。
『全く、ナニかに
な、何だ今の声!?
「だ、誰だ!?何処にいる!?」
『何処って…君ノ目の前にイるダろ?』
目の前?目の前って…ベッドに机、その上にはスタンドライトにシリンダー…シリンダー?そんなの僕部屋に置いた覚えないけど…。
『ようやく気づいたナ!』
するとシリンダーが変形してロボットのような形になった…って!?
「え!?何これ!?てか誰!?」
『誰っテ…特警ウインスペクターのマスコット、デミタスを知らないノか?僕はそれをモデルに作られたシム8000だよ』
「イヤイヤイヤ!デミタスは知ってるよ!てかまんまデミタスじゃん!てかその名前絶対にソルブレインの『クロス8000 』とエクシードラフトの『情報探査衛星シム』から取ってるよね!?」
『ご名答、お嬢から聞いたとおりだナ、日本4大特撮シリーズに関してだけは中々のものダ』
「お嬢…‥?」
『僕を作っタ人さ、だからお嬢』
「いや、その理屈はおかしい…気がする」
『マ、お嬢から君のサポートを任されていルから暫くは宜しくネ』
「何それ!?僕聞いてない!?」
『…‥君は何処ノ探偵事務所の所長デスカ?』
「そんなつもりで言ったわけじゃないよ!」
『あと、今から食堂行けば充分学校に間に合うヨ、急げw』
「あぁ!もう分ってるよ!」
何だかんだで僕の部屋に物凄く五月蝿い新しい住人(?)が出来た日であった。
因みにシムは五月蝿いから部屋においていった。
〈ナレーションSIDE〉
IS学園1年1組では…
「やっぱりハヅキ社製のがいいかな?」
「え~?ハヅキのってデザインだけって感じがしない?」
「そのデザインがいいのよ!」
ある日の朝、クラスの女子達が手にISスーツのカタログを持って自分の意見を交わしている。
「そういえば織斑君のってどこのやつなの?」
「確か特注品だって聞いてるよ。男性用のスーツが無いから急ピッチで仕上げたとか」
「そうなんだ、歌原さんのはどこの?」
「作った!」
(……作った?)
美喜の発言に千秋を含めた一同は『???』といった表情をしていた。それに女子の一人が問い掛ける。
「作ったってどういう事?」
「自分で作ったって事!」
『………えぇぇぇぇぇぇぇ!』
その発言に驚く一同、ISスーツを自作した生徒がいると聞いて驚くのは無理もないだろう。実際彼女はこんな性格であるが学業はかなり優秀である。以前行った学力テストでは千秋と並んで学年一位を取るほどだ。だがまさかここまでとは誰も思っていなかったのだろう。
「ISスーツは肌の表面の微弱な電位差を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、それによってISは精密な動きを行うことが出来るようになります。一般的な小口系拳銃による銃弾程度なら完全に受け止めるほどの耐久性もありますよ。衝撃を防ぐことは出来ませんが」
そこへクラスの副担任である山田先生がISスーツに関する説明を行いながら現れた。
「山ちゃん詳しい!」
「え?…や、山ちゃん…?」
「さっすが山ピー!」
「や、山ピー!?」
(山田先生、随分いろんなあだ名つけられたな〜)
「凄いよマヤヤン!」
「ま、マヤヤン!?」
山田先生はクラスの生徒達に付けられたあだ名に戸惑っていると今度はクラス担任の織斑千冬が入ってくる。
「諸君、おはよう」
『お、おはようございます!』
「今日からは本格的な実践訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各人気を引き締めろ。ISスーツが届くまでは学校指定のものを使用するように。忘れたら水着か下着で受けてもらおうか」
(冗談なのか本気なのかわかんないよ!)
因みにIS学園の指定水着はスクール水着、体操服もブルマーである。一体それ等関係の責任者はどんな趣味を持っているのか……。
「では山田先生、ホームルームを」
「は、はいっ!今日は転校生を紹介します!しかも2名です!!」
『えぇぇぇぇぇぇぇ!』
いきなりの転校生紹介にクラス中がざわつく。この時期に転校生が同時に2人、驚かないのも無理もない話だ。そして教室のドアが開くとクラスのざわめきが止まる。それは転校生の一人に原因があった。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さんよろしくお願いします」
「お、男……?」
誰かがそう呟くとシャルル・デュノアはにこやかな顔をして答える。
「はい。この学園に僕と同じ境遇の方がいると聞いて――」
『きゃ……』
(あ、これはまずい!)
(これはヤバイわね…)
(急いで耳を塞がないと!)
千秋、霧花、美喜の3人は途端にこれから起こることを察知し、耳を塞ぐ。
『きゃあああああああああーーーーーーーーーーっ!!』
「男子!2人目!」
「しかもうちのクラス!」
「守ってあげたくなる様な、織斑くんとは違う感じ!」
「お母さん、今私はすごく幸せです!」
「生きてて良かった〜〜〜〜〜〜〜」
かなりの大声でそんな事を叫ぶ一組の女子一同、そして霧花、美喜、千秋3人は…。
(骨格、輪郭、声からして…こいつ女ね…)
(女の子…だよね?男装の趣味でもあるのかな?)
(僕の他に男子か〜…特撮だと例えば地底帝国チューブのメギド王子が実は女性だったってことがあったけど…まさかね)
それぞれそんな事を考えていたがその後、千秋はまた別のことを考えていた。
(首から下げているのは…石?いや中になにかあるな…琥珀とかかな?)
千秋はシャルル・デュノアが首にしている何かの牙のようなものが入った石が気になった。女子はアクセサリーとしか見ないだろうが千秋としてはそれが何か古代生物の骨等が入っているのではという好奇心があった。しかしそれを聞くのはまた機会があった時にしようと思った。
そしてもう一人の転校生、彼女は左目に眼帯をしており、ただひたすら黙っていた。
「……挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
「ここではそう呼ぶなと言ったはずだ。織斑先生と呼べ」
「了解しました」
彼女は千冬に返事を返すと背筋を伸ばすなどをして姿勢を整える。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「え?それだけですか?」
「そうだ」
山田先生に聞かれた質問に対してそのように返す。あまりにも暗い雰囲気にクラス中が沈黙している中、千秋と霧花、そして美喜はというと。
(姉さんを教官って呼んだ…ドイツの人か…)
(ラウラ・ボーデヴィッヒ?……あぁ、確かドイツの
(片目に眼帯って…アレ医療用とかのじゃないよね?……中二病なのかなぁ?)
そんな事を考えているとラウラは千秋に近づいてくる。
「?……えっと、何?」
「! 貴様が!」
パァン!
「痛っ!何するの!」
「………認めん、貴様があの人の弟など!」
彼女はいきなり千秋の頬を叩いた。何が何なのか分からず戸惑う千秋達であった。
「あー…ゴホン!ではホームルームを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに来るように。ISの模擬戦闘だ、2組と合同でな。では解散!」
千冬の号令と同時にクラスの女子達は一斉に気替えに入る。千秋もシャルルと共に更衣室へ移動しようとするとシャルルが千秋に話しかけてくる。
「君が織斑君?初めまして…でいいのかな?僕は―――」
「今はいいから急いで更衣室へ移動しよう。女子が着替え始めるからさ」
千秋は説明すると同時にシャルルの手を取り、アリーナへ移動する。
「男子は開いてる更衣室で着替えをするんだ。実習のたびに移動しないといけないからこれがまた大変で」
「そ、そうなんだ…」
(…な、何だろうこのぎこちない感じ…)
千秋はシャルルの返答に戸惑っていたがそこへ早くも情報を入手した他のクラスの女子たちが駆けつける。
「あっ!噂の転校生発見!」
「織斑君と一緒よ!」
「しかも手をつないでる!」
(……手をつないでるのは仕方ないよ、やましい意味があるわけでもソっち系の趣味があるわけでもないし…)
「者ども出会え出会えい!」
「いざ出陣!」
『エイエイオーーー!!』
(何この展開!?クソッ、シムがいればシークレットメダル使って…いや、別になにか悪いことしたわけじゃないからどの道出来ない!てか最後の方の人達絶対狙ったよね!?)
「えーと…何で皆こんなに騒いでるの?」
「それは僕達が男だからだよ。ISを操縦できる男子って僕達だけじゃん…」
「え?…あ!うん!そ、そうだよね!!」
こうして更衣室へ到着した千秋達、千秋は急いで着替えようとする。
「わあっ!?」
(え?なに今の…)
千秋はシャルルの反応が気になって後ろを向く。
「どうしたの?」
「い、いや何でもないよ。でも…その、あっち向いててね?」
「それくらいは別にいいけど…」
しばらくして千秋達は生替えを終えて更衣室を出る。グラウンドに急ぐ中、千秋はシャルルのISスーツを見た。
「何か着やすそうだね、何処の?」
「これはデュノア社特性のオリジナルだよ」
「デュノア社?確かシャルルの名字も…」
「僕の父が経営している会社だよ。フランスで一番大きいIS関係の企業なんだ」
「へぇ!社長の息子さんかぁ…凄いじゃん!」
「い、いやそんな事ないよ…それに千秋だって凄いじゃん、あの織斑千冬さんの弟なんて!」
「そ、そうなの?」
(姉さんの弟だからって昔から色々あったけど…そんなこと言われたのは久し振りかな?あんまり嬉しいとは思ってないけど)
「それにさ!織斑先生と言えばヤッパリあれだよ!第二回モンド・グロッソ決勝戦で見せたあの動き」
「!」
シャルルの言葉を聞いた千秋の顔が強張る。だかシャルルはそれに気付かずに話を続ける。
「僕あれ大好きなんだ!織斑先生が二連覇できたのはアレのおかげでもあるしそのおかげで優勝できたようなものだから最早代名詞とも――」
「シャルル…」
「え?ど、どうしたの?顔が…怖い…よ?」
シャルルに言われて千秋はハッとなり、すぐに顔を元の表情に戻す。
「その話は…出来れば…いや、出来るだけしないでほしい…」
「???…何かあったの?」
「……………………うん」
「そう…ごめんね」
「いや、いいんだ。僕も少し言い過ぎたかもしれない」
それは千秋と千冬の2人にとってタブーに近い話だった。実際に織斑千冬が第二回モンド・グロッソで見せた動きは彼女の代名詞とも言えるほどになっていた。しかし、千秋…特に千冬にとってはただある悲劇を生み出す産物でしかなかった。
(アレのおかげで確かに姉さんは勝てた…でも、あれは本当は兄さんが作ったものだ、姉さんはただ兄さんの努力を認めさせたかっただけ…でもその結果が何だ?兄さんが得るはずの全てが姉さんのものになってしまった。僕も姉さんから聞いていて知っていたのに…少し考えれば分かるものに気付けなかった僕達はバカだ。いや、何より…あの日兄さん達を失ってしまった事が何より辛かった…だから姉さんはあれ以来一切あの剣を使っていない…許されなくたっていい…ただ生きているならもう一度会いたいよ…兄さん…)
そんな事を考えているうちに2人はグラウンドに着いた。
◇
「今日は戦闘を実演してもらう。凰!オルコット!」
「な、何故わたくしまで!?」
「あんた五月蝿いわよ、千冬さんに言われたんだからさっさと準備しなさいよ…」
「そんな事言われましても…」
ブルー・ティアーズを展開するのを渋るセシリアに千冬が近づき、ポンッと肩を叩く。
「オルコット、少しはヤル気をだせ……
「やはりここはわたくし、セシリア・オルコットの出番ですわね!」
「あんた物凄い単純ね…」
(姉さんは何を吹き込んだんだ…)
千秋は急にやる気を見せたオルコットを見て千冬が彼女に何をしたのかが気になっていた。
「それで、わたくしの対戦相手はどなたですの?どなたでも掛かって来て構いませんわよ」
「じゃあ私が相手してあげようか?」
自信満々のセシリアに霧花が立候補するがそれを聞いてセシリアの体が少しだけ震える。
「い、いえ…遠慮します…わ…」
「フッ、冗談よ…」
霧花の言葉を聞いて安堵するセシリア、そして千冬がゴホンと息をつく。
「落ち着け、対戦相手は――」
「イヤァァァァア!誰か〜〜〜」
そんな声がして千秋たちが上を見ると山田先生がISを装着していたがこのままでは地面に激突するのが見えていた。
(ヤバイ、助けないと!)
「白s「アメシスター!」越された!?」
美喜がアメシスターを展開、そこからハーメルケインを取り出して口に当てて吹き始める、このハーメルケインにはギルの笛を元にした能力が…つまり他のISを操ることが出来る能力があるのだ。しかし、吹いている間は無防備になるといる欠点があり、その上今この状況では知らない人にとってはただハーメルケインを吹いているようにしか見えないのだ。
しかし、彼女の見事なコントロールで山田先生は何事もなく無事に着地できた。
「あ、あれれ?と、取り敢えず無事に着地出来ました!」
千秋達はホッとし、ハーメルケインを吹いていた美喜の方を見ると彼女は指を2本立てて『ピースピース!』と言った感じで向けていた。
(いや、歌原さんハーメルケイン吹いてただけでしょ?何自分がやりましたみたいなことしてるのさ…)
「うむ。さて小娘どもさっさと始めるぞ」
「…あの、2対1ですか?」
「なんか卑怯な気が…」
「どちらかと言えばハンデだ。山田先生はこう見えても元代表候補生でな、今のお前たちでは勝てんさ」
勝てないと言われ、鈴とセシリアは山田先生との実践を始める。中々のものであったが山田先生がリードしていた。
「見ているだけはつまらないだろう、そうだな…デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみろ」
「あ、はい。山田先生が使用されているのはデュノア社製『ラファール・リヴァイヴ』です。第2世代最後期の期待ですが、そのスペックは初期第3世代にも劣らないもので、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴の機体です。現在配備されていr――」
「ああ、一旦そこまでだ。もうとっくに終わっているぞ」
シャルルの説明を聞いていた千秋は戦闘がどうなったのかをすっかり忘れていた。改めて見ると山田先生が勝っていた。
「ま、まさかこのわたくしが…」
「あ、あんたねぇ何動きを何度も先読みされてるのよ…」
「鈴さんこそ!無駄に衝撃砲を撃っておいて…しかも回避されてるではありませんか!」
「ぐぐぐぐぐっ!」
「ぬぬぬぬぬっ!」
(仲悪っ…)
この戦闘を通して千秋が実感したことであった。
◇
時は過ぎてお昼頃、屋上にて千秋、箒、セシリア、鈴、シャルルの5人が屋上へと来ていた。
「へぇ~皆中々美味しそうにできてるね」
「まあな、私は昔から家の手伝いで料理をしていたからな。これくらい大したことはない」
「私は中国に戻ってから練習したのよ。自分で料理出来るようになっといた方が後々便利だからね」
箒と鈴の料理は実際になかなかのものである。皆で少し食べあったりしたが全員が旨いの一言であった。
「あ、あの千秋さん、できれば私のも食べて欲しいのですが…」
セシリアは自分が作ったサンドイッチを千秋に差し出す。千秋もとりあえず見た目は問題無かったため、口に入れようとする。
シュルルルルルルル…ガキィィィイン!
「「「「「!?」」」」」
そこへ突然、何かが飛んできてサンドイッチを弾き飛ばした、それは青いカードであった。千秋はカードを取って確認するとそれには『
「え?ギルティカード?何でこんなことろに?」
「そのサンドイッチからは危険な匂いがするからだよ!」
そこには美喜と霧花がいた。何故二人がここにいるのか?千秋たちは聞くことにする。
「何で二人共屋上に来ているの?」
「今日、食堂に睦月さんいないんだよ〜」
「それで売店の方で弁当買ってこっちに来たわけよ」
なる程、と千秋たちは納得した。睦月の作る料理は学園でもなかなかの評判を呼んでおり、彼がいる時だけしか食堂で食べないという生徒もいたりする程だ。そして千秋達はもう1つの疑問を問う。
「あの…何でギルティカードを?これ殺人兵器とかを排除する時に使われるカードだよね?てか再現度すごいね!?」
「だって何か危ない匂いがしたんだも〜ん。シーちゃん味見した?」
「え?い、いや味見はしてませんわ…
(セシリアさん最後の方何て言ったんだ?)
「じゃあ‥千秋君に何かあったら……責任取れるの?」
美喜の珍しく低い声に一同はビクッと体が震える。そしてセシリアは何を思ったのか自分のサンドイッチを口に運ぶ。
「‥…えい!」
パクっ
セシリアはサンドイッチを口に運ぶと暫くしたら固まって全く動かなかった。丸で石像にでもなったかのように動かなくなっていた。
「‥………気絶しているのかな?」
「とにかく保健室へ連れて行った方がいいわね。篠ノ之さん、織斑先生への連絡を頼むわ」
「あ、あぁ…了解だ」
こうしてお昼の時間は終わった、因みにセシリアはその後の授業を欠席したそうな。
(殺人兵器とまではいかなくとも結構危険だったんだ…危なかったー)
◇
こうして時間は過ぎ…千秋とシャルルは寮の部屋へと戻ってきた。
「はぁ…今日は散々だったよ…」
「本当だね、IS学園ってもっと気難しい雰囲気があるかと思っていたけど何だか楽しい感じだね」
「まあ、五月蝿い人もいるけど…」
『そレって僕ノ事?』
その声に千秋とシャルルが反応、2人は声のした方向を顔を向ける。
「こら、シム!勝手に喋るんじゃない!」
『別に何ヲしようガ僕の勝手じゃないカ』
「そ、そういう問題じゃ…」
「あの、千秋…それは?」
『僕ノ名前はシム8000ダヨ、宜しくネ』
「えっ?あ、宜しく…って!?何これ!?」
シャルルはシムの存在を目のあたりにして非常に驚いていた。いきなり小型のロボットがフレンドリーに話しかけてきたらそりゃあ驚くだろう。
「製作者は今のところ不明だけど僕のサポートをしてくれるらしい…」
「へぇ~賢いんだね!」
『イヤイヤ、そんな事なイよ、嬢ちゃんだって中々の
(……え?)
「何言ってるのさシム、シャルルは――」
「イヤッホー千秋君!お邪魔するよ!!」
「何で私まで…」
千秋がシムに言いかけたところで部屋のドアが開き、そこから美喜と霧花の2人が現れた。霧花の方は無理矢理連れてこられた感じであるが。
「二人共どうしたのこんな時間に…」
千秋は2人が何故自分の部屋に来たのか疑問に思っていた。すると美喜がその口を開けて説明する。
「それはね~、デュノア君に用があるんだよ!」
「え?ぼ、僕?何かな…」
シャルルは少し慌てた声で返事を返す。そこからしばらくの沈黙があったが暫くしてから美喜がある事を問いかける。
「君……本当はデュノアちゃんでしょ?」
その瞬間、その部屋は再び沈黙に包まれた。千秋は信じられない顔を、シャルルは何故バレたのかという顔をしていた。
――――――――――――――――――――――――
――次回予告――
シャルルが実は女である事を知った千秋達。3人(+1)はそこからシャルルの過去を聞く事になる。なんと彼女は愛人の子であったのだ、さらにその母親は2年前、デーボス軍に殺されたという事、首にかけているペンダントはその時に自分を助けてくれたキョウリュウジャーから貰った物だという衝撃の事実を知る。
デーボス軍の動きが活発になりはじめたのは今年からのはずでは?
一体2年前のフランスで何があったのか?
そんな疑問を抱き、霧花は大牙に連絡を入れる。
そこで彼女は3年前から1年間だけ、ある戦騎とその配下のデーボ・モンスターが一時的に復活していたという事実を知る。
次回、ISの世界の強き竜の者
『衝撃!デュノアの過去』
因みに前回出てきた車の件ですが誰からも来なかったという結果に…。
友人と意見を出し合った結果『ガブリスコート』という名前に決まりました…ネーミングセンス無いな〜考えた自分…。
でも賛成してくれた友人に感謝!