その正体は何か?平和を願う賢神トリンはデーボス軍の秘密を探るため、黄金の地から5人の強き竜の者たちを集結させた。その名は…
『キョウリュウジャー 参上!』
ブレイブ21 『大爆発!人参ロケット』
〈ナレーションSIDE〉
タッグマッチトーナメントから暫くたった7月6日、IS学園の一年生はというと
「もうすぐ海見えるんじゃないかな~」
「海ついたら何して遊ぶ~?」
「ビーチバレーとかどう?」
臨海学校がある為、バスで目的地へと向かっていた。女子たちはワイワイにぎやかになる中、千秋はというと――
「………………」
何かを思い悩んでいるようであり、そこをセシリアに指摘される。
「千秋さん、顔色がよろしくないようですが何かあったのですか?」
「えっ?あっ、いや…何でもないよ」
「そうですか、何かあったら言ってください。何でも相談に乗りますから!」
そう言って彼女はにこやかに笑って話を終えると千秋は一人考え事をする。
(超光騎士…ビークルモードとロボットモードを併せ持っていて自分の意思を持ち、さらには明確に言葉を発することまで出来て…ビークルモードはISで使用することによって各種武器が強化されてデーボ・モンスターとまともに戦えるようになる…か)
超光騎士とは前回の戦いでキョウリュウレッドから贈られてきたもので実際に千秋はこれで巨大ゾーリ魔を倒している…が
(…果たして僕が持っていていい物なのだろうか?)
強大すぎる力を手に入れたことへの不安がそこにはあった。
「…………」
そして千秋とは別の席に座っている霧花は窓から見える景色を見ながら千秋とはまた別の考え事をしていた。その理由はレオナルドがアンキドンの獣電池をチャージし終えて旅立つ直前の事である。
~~~回想~~~
「大牙、これからの戦いは激しさを増します。だから…」
そう言ってレオナルドは自分の獣電池を大牙に渡した。
「!? いいのか?」
「Yes!問題はないです!アンキドンもあなた達と一緒に戦いたいのです!」
「そうなんだ!後でアンキドンにこれからもよろしくって伝えておかないと!」
光汰が言うと睦月が彼の肩に手を置いて一言いう。
「そんなこと言ってたらステゴッチに嫉妬されるんじゃないか?」
「え!?いやちょっと!そんなこと…どうなんだろう?」
「有り得るんじゃないか?ステゴッチは光汰の事を大事そうにしているみたいだし」
瞬に言われて男子勢が賑わっている中、霧花はレオナルドに近づいて話しかける。
「レオナルド、シャルロットの件についてだけど有難うね」
「What?何の話ですか?」
レオナルドが首を傾げて言うので霧花は説明する。
「貴方なんでしょ?2年前のフランスでシャルロットを助けたキョウリュウジャーって、ほらデーボ・ウイルスン戦の時にアリーナにいた金髪の娘よ」
「Why?僕はあんな娘見たのは初めてですよ。ましてや2年前にフランスへ行ったことなんてありませんし、そもそも僕がキョウリュウジャーになったのは1年前ですよ?」
「…え?」
シャルロットを助けたのがシアンではない…その事実に暫く何も言えないでいた霧花であった。
~~~回想終了~~~
そして現在に至る。霧花はシャルロットの方へと顔を向けて未だにその謎について考えている。
(じゃあ…シャルロットを助けたキョウリュウジャーって一体…誰?)
霧花がそんな事を考えていると
「……
隣にいた美喜のいびきが聞こえる。椅子を少し倒した状態で寝ていたが隣りであるためなのか、耳に響いて結構うるさいのだ。
「……
美喜の寝言が聞こえる。一体誰の事なのか?仲のいい友達?いや、『さん』付けならば目上の人物であろう。ともかく何かしらの夢を見ていることは理解できた。
(
霧花はキョウリュウジャーとして、こんなにもだらしなく寝ている彼女にちょっとした関心を覚えていた。いつ敵の襲撃が来るかわからない……そんな状況でここまで安らかになれる彼女の事が、ある意味羨ましいのかもしれない。
「
何やら夢の続きが聞こえる。何やらその真紀さんとやらに何かあったようだ、すると彼女は片腕を上げてボールを掴むような動きを見せる。
(……何をする気なのかしら?)
霧花がそのように疑問を抱いていると……
「ボールボーイ!」
いきなり叫びだして上げていた腕を振るいだす。そしてその腕が霧花に当たりそうになるが--
ガシッ!
霧花はすかさずその腕を握りしめる。その衝撃によって美喜が目を覚ました。
「あなた何やろうとしてるのよ……」
「うにゃ……うん? ボールボーイ、テンタクルのアジトは見つかったのか?」
どうやらまだ完全には目が覚めていないらしく、寝ぼけてそんな事を言い出したのだ。流石にこれには霧花も堪忍袋の緒が切れ……
ガシッ!
「……え? 痛い痛い!何するの霧ちゃん!?」
「さあ? 貴方のこの腕に聞けば?」
「そ、そんなこと言われても……ギャアアアアアア!!!」
霧花は美喜の腕を思いっきり握りしめた。その威力ときたら大したもので……しばらくバスの中は彼女の悲鳴が響き続けたとさ。
◇
しばらくして目的地である旅館へと着き、教師たちの案内で旅館の入り口まで着く。
「それではここが今日から3日間お世話になる
「「「お願いしま~す!」」」
「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があっていいですね」
IS学園の生徒たちが挨拶すると旅館の女将さんが返事を返した。女将さんは一年生を見ているとある所で目が止まる。
「あら、こちらが噂の……?」
それは千秋であった。世界初の男性IS操縦者と言われている彼の事はここでもその名が知られているようだ。
「ええ、まぁ。 今年は男子がいるせいで浴場分けが難しくなって申し訳ございません」
「いえいえ、そんな事無いですよ。賢そうで良い印象を受けますよ。将来はしっかりした男の子に成長しそうですよ」
「買いかぶりすぎです。織斑、しっかりと挨拶しろ」
「お、織斑千秋です。よろしくお願いします」
「あらあら、これはご丁寧にどうも。清州景子と申します」
そう言って女将さんは丁寧に頭を下げて、お辞儀する。
「それでは皆さん、お部屋の方へご案内いたします。担当の仲居がそれぞれの部屋まで案内しますので、自分たちの部屋の名前を確認して下さい。海に行かれる方は別館の方で着替える事が出来るようになっているのでそちらをご利用下さい」
女子一同はハーイと返事し、旅館の部屋へと向かう。しかしここで困ったことが一つ、千秋の部屋である。彼は自分の部屋が何処なのかを知らないのだ。
「織斑、お前の部屋はこっちだ。ついてこい」
織斑千冬に言われて千秋は彼女についていくとそこには『教員室』と書かれた紙が貼ってある部屋にたどり着いた。
「えっと、姉さ……織斑先生、これってつまり……」
「ああ、最初は個室という話だったんだが、それでは100%就寝時間を無視した女子どもが押し掛けて来るだろうという事になってな」
「はあ、そうですか」
「とにかく、今日はこれから自由時間だ。部屋でのんびりするなり、海で泳ぐなり、ヘルヘイムの森に迷い込んで果実を食べるなり好きにしろ」
「いや!最後のは100%ありえない‼」
とんでもない事をさらっと口に出した織斑千冬であった。
〈千秋SIDE〉
「……」
「……」
僕と箒ちゃんが更衣室のある別館へ行く途中で鉢合わせしていた。ただそれだけなら何も問題はない。しかし、今僕らの目の前には道端にウサギの耳が生えている。何とも珍妙な光景であるのだ、さらにはそこに『引っ張ってください』と書かれていた。
「ねえ、箒ちゃん。これって―――」
「知らん。私に聞くな」
言い切る前に否定されちゃったよ……。でもそうなると間違いない、これはISの開発者であり箒ちゃんの姉である篠ノ之束さんに違いないよ。だってこんな事する知り合いはあの人くらいしか思い浮かばないもん。
「えーと。抜くよ?」
「好きにしろ。私には関係ない」
箒ちゃんはそう言って別館の方まで走って行ってしまった。まだ束さんの事苦手なのかなあ?
一人残された僕は取り敢えずウサミミを引っ張ることにした。
スポッ
抜けた、ウサミミを抜くことには成功した。けどそこには
「あら、千秋さんではありませんか。ここで一体何をしていまして?」
そこへタイミングが良いのか悪いのかはわからないがセシリアさんがやってきた。
「ああ、ちょっとそこにあるウサミミを――」
キィィィィィン……。
ん?何かが近づいてくる音が聞こえる?これは……空から?僕とセシリアさんは首を上に上げるとそこには人参型のロケットが――
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァン!
爆発した!何事!?そ、それよりも……
「束さぁぁぁぁぁぁん!」
僕はあの人参ロケットに乗っていたであろう人の名前を叫ぶ。いくら束さんでもあの爆発にはどうしようにも出来ないと思っていたら……
「ヤッホー!あっくーん!」
爆発した煙の中から束さんが出てきた。しかもあろうことかあれだけ派手な爆発であったにもかかわらず、無傷の状態で手を振りながら、もう一方の手で傘をぶら下げて
「た、束さんお久しぶりです」
「うんうん!おひさだね。本当に久しいね!ところで箒ちゃんは何処かな?さっきまで一緒にいたよね?」
「えーとですね……」
まさか束さんと会うのが嫌だから何処かへ行ってしまったとは言えない僕であった。本当にこういう時ってどうすればいいのだろうか。
「まあ、私が開発したこの箒ちゃん探知機ですぐに見つかるよ!」
「何気にスゴイものを作りましたね!あとさっきの爆発は一体……」
「ん?あーあれ?束さんにもよく分かんないよ。大方誰かに狙撃されたんじゃない?」
「狙撃!?」
何か思っていたよりもすごい事になってた……。てか何処の誰かは知らないけれどあのロケットって束さんによるものだよね?そんなのを破壊できるなんてよっぽどスゴイもので攻撃したんじゃないのかな?
「まあ私は気にしないけどね!バイビー!」
そう言って束さんは何処かへ行ってしまった。
「あの、千秋さん……今のお方は一体?」
セシリアさんが聞いてきた。そうか、セシリアさんは生で見るのは初めてなのかな?
「ん?ああ、今のは篠ノ之束博士。箒ちゃんのお姉さんでISを造った張本人」
「え?えええええええええ!?それって各国が探し続けてるあの篠ノ之束博士ですか!?」
「そ、その篠ノ之束博士」
やはりと言うべきか、セシリアさんは仰天して開いた口が塞がらない状態になっていた。てか人ってこんな感じになること本当にあるんだね。
「まあいっか、取り敢えず僕はこれから海に行く予定だけどセシリアさんは?」
「は、はぁ……わたくしもその予定でしたので」
「じゃあ後でね」
僕はそう言って更衣室へと急いで走った。
〈ナレーションSIDE〉
その頃、歌原美喜と久留宮霧花はというと……
「歌原さん?廊下を歩いていたらダイダロスを展開して何いきなりダイダロスファイヤーを空中に向けて撃ちだしてるの?」
「いやぁ~何か変なロケットが見えたからデーボス軍の新たな作戦が始まったのかと思って……」
「だからってロクに確認もせずに撃つのは非常識だと思うのだけど?」
「うっ! ご、ごめんないさい……」
こんな会話が続いていた。
◇
「あ!織斑君だ!」
「わー意外と体引き締まってる~!」
千秋は水着に着替えて浜辺へ行くと先に来ていた女子達から黄色い歓声を受けていた。当の本人は少し気恥ずかしそうだが……。
「ほーら、せっかく着替えたんだから、千秋に見てもらわないと」
「ま、待て。私にも心の準備というものがあってだな……」
そこにシャルロットと……謎のミイラ人間がいた。さすがに千秋や周りの女子達も若干引いていた。
「えっと……シャルロットの隣にいるのって……」
そこへ水着に着替えた美喜が颯爽とらわれ、謎のミイラ人間の前に立つ。
「出たな、ミイラ人間!ドドンゴを復活させようたってそうはいかないぞ!」
いきなりと言うべきかやはりと言うべきか、いつものように特撮ネタをかましてミイラ人間の前に立つ。
「ま、待て、何の話だ! 私だ、ラウラ・ボーデヴィッヒだ!」
「「え?」」
千秋と美喜はそのミイラがラウラだと言ったことに驚いて2人は顔を合わせると美喜がラウラに向けて指を指す。
「彼女、こんなキャラだったっけ?」
「……さあ?」
美喜の問いに千秋が返す。すると2人の言葉を聞いてラウラ(?)の体がプルプルと震えだす。
「ええい!見せればいいのだろう!それならお前たちも信じてくれるのだろう!!」
ばばばっと体中に巻き付けてあった包帯を脱ぎ捨てるとそこに現れたのは確かにラウラ・ボーデヴィッヒ本人であった。思っていたよりも水着が似合っていたために2人は
「わ、笑いたければ笑うがいい……」
ラウラが言うと美喜が真っ先に口にする。
「意外っちゃあ意外だけど……結構似合ってるじゃん」
「僕もそう思うよ、決して恥ずかしがることないよ」
「ほ、本当か?」
「そんな事で嘘つく必要なんてないでしょ?」
「う~……」
千秋の一言で
「ねえねえ! こんなところでのんびりしてないで早くみんなで遊ぼうよ! あっちでビーチバレーとかやってるよ!」
「うん、そうだね! ほらラウラも!」
「待て!無理やり引っ張るな!」
こうして4人は浜辺で他の女子と混じって水泳やビーチバレー、何故か美喜が持って来ていたスイカをつかってスイカ割りをしたりと1日を堪能した。
――次回予告――
臨海学校の1日目も夜となり、職員室へと呼ばれた専用機持ちのメンバーたち。彼女たちはそこでモンド・グロッソの悲劇を知ることとなる。
そして2日目に
だが、一部の生徒がデーボス軍の作戦によって突然苦しみ始めてしまい、千冬は大牙に助けを求めた!
次回 ISの世界の強き竜の者
『遂に登場!第4世代機【紅椿】』
やっと更新出来た……ちょっとスランプになってる。
あとネタバレになるような質問は受け付けませんよ!(例:一夏はどうなったのか?)