ISの世界の強き竜の者   作:大鉄人ワンセブン

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お久し振りです。前回の次回予告や今回のタイトルから過去編突入っぽくなってる印象を強く受けますが、本編を早く進めたいために全然過去編になりませんでした。申し訳ございません。


ブレイブ25 『大牙の過去』

 〈ナレーションSIDE〉

 

 

大牙はガブリスコードに送られた通信機を取り、何者かと連絡を取る。何者かが分からないために大牙は珍しく(?)慎重に進めようとする。

 

 

「え~と……こちら、桐生大牙。まず最初にそちらの名と要件を伺いたい」

 

 

大牙が慎重に通信相手と連絡を取ろうとするとスピーカー越しに無線相手からの連絡が入る。

 

 

『ダーッハッハッハッハッ! 久しぶりじゃの~大牙っち~ワシの事覚えちょるか~?』

 

 

「……!」

 

 

その声に何か思い当たる人物がいるのか、大牙は顔を強張らせると右手でハンドルを握り、左手で無線機を伸ばすと声を出す。

 

 

「お前は……お前は……!」

 

 

そして、通信相手に対して大牙は叫ぶように声を上げる。

 

 

「お前はシュヴァルツ!」

 

 

『ディア~ッハッハッハッハ~イ! おのれ~、虫けらどもめ! 我が兄貴、マッチョNo(ナンバー).5の仇、今ここで取らせて貰うぞ! うぅ~兄ちゃん……って違あぁぁぁう! ワシじゃよ、ワ・シ!』

 

 

「あれ? 違った?」

 

 

大牙は左手で握っていた無線機を元の場所に戻した後、頭を掻く仕草をしていると隣に座っていた睦月が"やれやれ"と言うように両手の(ひじ)を肩の位置まで軽く上げる動作をする。

 

 

「違ぇよ大牙、こいつは『ビーストウォーズ』のメガトロンだ!」

 

 

『あた~! って、だ・か・ら・違あぁぁぁう!』

 

 

「あれ? おっかしいな~?」

 

 

睦月のアホな考えも当然のごとく外れ、通信先の相手はちょっと怒り出している様子である。そこへ後部座席にいた光汰が、何かを思い付いたように顔を出し、無線機に向かって指を指す。

 

 

「あ、分かった! この声シャークラーだよ!」

 

 

『ちょっと待った~! 困るっすね~自分に断りもなく対決始めてもらっちゃ~』

 

 

『はい分かった。それでは一番はシャークラーだ、好きな歌を存分に歌うがいい』

 

 

謎の人物は本日3度目となる見事な声真似を披露すると今までのやり取りを見て自分も参加したくなったのか、ガブリスコードがキャプテントンボーグの声を出して参加してきた。

 

 

『う、歌だとぉ~!? ってこれも違うわぁぁぁ!』

 

 

「うわ、ノリ良いなこのおっさん」

 

 

『ワシじゃ、ウルシェードじゃよ大牙っち! ワシを何だと思っとるんじゃ!』

 

 

「……歌舞伎小僧?」

 

 

『何で疑問系なんじゃ!』

 

 

通信先の相手は大牙の大学時代の恩師、ドクター・ウルシェードその人であった。睦月達は前日に話を聞いていたのでその人物に対して誰なのかと言った疑問は特には無かった。

 

 

『というかお主等! ワシの声で遊んでないでもっと年寄りを労らないか!』

 

 

(え?) (なあ、この爺さん)(いくつなの?)

 

 

(確かもう60ぐらいのハズだぜ)

 

 

『コルァ! 聞こえとるんじゃよ大牙っち! ワシはまだ59歳と11ヶ月+20日じゃ!!』

 

 

「否定できる年でもねぇ!」

 

 

ドクター・ウルシェードが大牙達の会話に敏感に反応するが、年齢が年齢のためか睦月に突っ込み返される。

 

 

「……あの、ところで本当に何しに無線を寄越したんですかプロフェッサー? 2、3年くらい前からメール送っても返信来ないですし」

 

 

『おー、そうじゃったそうじゃった。実は今、ちょっととある調べ物をしておってな。それを整理してたら懐かしい物が出たんじゃよ』

 

 

「懐かしい物?」

 

 

『ほれ、大牙っち達と初めて一緒に撮った最初で最後の写真じゃよ』

 

 

「あぁ~、8年前の……あれは確か……」

 

 

大牙はかつて学友達とウルシェードの元で師事していた頃を思い出す、それはまだ世間にISが発表される前の出来事……。

 

 

~~8年前~~

 

 

大牙(12歳)はアメリカの大学に在籍し、パソコンを使ってとある研究レポートの作成に取り組んでいた。しかし、彼の頭脳をして、どうしても解決できないところがあった。彼は今、とある公園のベンチに座って必死にファイルに纏めたレポートに頭を悩ませていた。

 

 

「あぁ~もう!」

 

 

大牙は拳を握ってストレスを発散させるようにベンチの腰掛けを叩く。

 

 

「考えるのやめた! アリストテレスだってそうして王冠の謎を解いたんだし!」

 

 

パソコンの電源を切ってレポート課題の作成を一旦止め、ベンチでぐったりしながら休んでいる。悩んでいてもただ頭を痛めるだけであるし、一旦休憩を取ってから始めると解決策を思い付くことがあるためでもある。そんな彼も大学生とはいえまだ12歳、公園で遊ぶような年かと聞かれると、人それぞれのため微妙なところであるが、少なくとも彼はただ子供達が無邪気に遊んでいるところを見て、少なくとも自分の回りは平和であると言う事を実感していていた。

 

 

「……ねぇ、そこで何してるの?」

 

 

「ん? ……ってうわぁ!」

 

 

そこへ、休憩を取って首を後ろに傾けていた大牙に声をかける子供が1人、声の高さからして女の子であることは察しが付いたが、大牙が顔を上げるとその子の顔が、自分の視界に入り込んでしまうくらいに近づいていた。彼は予想外の出来事に慌てるあまり、立ち上がろうとするにも女の子が目の前にいたためにバランスを崩し、横に倒れてしまいベンチの肘掛けに頭をぶつける。

 

 

「いって~……あのね、そこまで近づかれるとお兄さんも答えにくいんだけど? 俺は子供相手だからって甘くないからね!」

 

 

「……自分だってまだ子供じゃん」

 

 

「おい」

 

 

その子はまだ8~9歳ほどだろうか? 少なくとも自分より年が下なのは明かだろう。しかし、その目は年頃の子供のようにハキハキしたようなものではなく、寧ろ落ち着いている感じが強く、そして何故か片手に熊のぬいぐるみを抱いている。

 

 

「ハァ、まあいいや。君の質問に答える前に、こっちも聞きたいことがあるんだけど?」

 

 

「……何?」

 

 

少女は大牙の質問に首を軽く傾ける。

 

 

「君の名前は?」

 

 

「……美喜」

 

 

「へぇ~美喜ちゃんか、いい名前じゃん。俺は大牙、桐生大牙だ。よろしくね」

 

 

「……うん」

 

 

大牙はその少女、美喜に自分の名前を言うとここで自分が何をしていたのかを説明する。すると彼女は大牙が研究していた内容に興味を持ったらしく、そのレポートを見せてくれと言い出す。大牙も見せるだけならと思いパソコンを立ち上げて先程まで纏めていたレポートを見せると、美喜は真剣な表情をして文章を読んでいき、そしてとある計算式を見て何かに気付く。

 

 

「……ここ、間違ってるよ」

 

 

「え? あ、本当だ! スゴいな美喜ちゃんは」

 

 

「別に、分かりにくいけど、割りと初歩的なミスだよ? だから後々行き詰まってるんだし」

 

 

「ぐっ、それを言われると……でもお陰で何とかなりそうだよ。有り難う」

 

 

大牙は美喜に礼を言うと彼女はベンチから立ち上がり、大牙に向けてペコリと頭を下げて返事を返す。

 

 

「じゃあ私はこれで」

 

 

「お、おぅ……」

 

 

そして美喜はスタスタと歩いて行った。しかし、一体彼女は何者なのだろうか? 自分でも気付けなかったレポートの間違いに気付き、それを即座に指摘する。つまり、彼女はその式の回答を理解したとも言える。そんなことを考えていると大牙の頭を誰かの手がワシャワシャと掻いてくる。

 

 

「な~にやってんだよ大牙、また公園(ここ)で1サボりか?」

 

 

「あぁ~っ! いつもいつも止めろって言ってるだろジェームズ! 俺はもうそんなことされる年でもねぇんだよ!」

 

 

「ハッハッハッ! いくらお前が天才だとしても、俺から見たらまだまだ子供だからな」

 

 

"ジェームズ・トント"大牙の学友の1人である20代の青年である。しかし、年齢の差の関係から大牙を子供扱いすることも多いが彼の頭の良さはキチンと認めており、本人の中では大牙の事を勝手に相棒扱いするほどである。

 

 

「それよりもさ、今の子ってあれだろ? 最近日本から越してきたって言う訳アリの子」

 

 

「……? 訳あり?」

 

 

「あぁ、よくは知らないけどあの子、何でもその故郷の日本で家族が死んじゃったみたいでな、唯一の親戚の祖父の元に引き取られたって話だぜ?」

 

 

「……家族、か。それは辛いだろうな、それもあの年で……」

 

 

家族を失う……それは誰にとっても悲しい事である。実は最近大牙は、両親から自分達は本当の親で無いことを知らされた、今一緒にい住んでる家族が自分とは血の繋がりが無い事に最初はショックを受けていたが今はそれをそれなりに受け入れている。でも彼女の場合は血の繋がった家族を1度に失ってしまったのだろう。幼いときからずっと一緒に暮らしてきた、親であれば自分を育て、兄弟(きょうだい)姉妹(しまい)なら自分と共に育ってきた存在、それを一度に失う……それも10歳にも満たない子供がそれを経験するのはどれ程辛いことなのか。それは当の本人にしか分からないであろう。

 

 

「ま、そう言うことだからお前もあの子の事を気にかけるなら気を付けろよ。ああいう深い心の傷を負った子供は下手に接すると傷を抉るように更に深めちまうだけだからな」

 

 

「ああ、分かってるよ」

 

 

その日の夜、大牙は自宅に戻って課題を終わらせ、その後はそのまま1日を過ごしてベットに寝ついた。そして翌日も朝から同じ公園に来ていた。理由は特に無い。ただ、自宅の近くと言うこともあれば、大牙もまだ12歳の子供である。同世代の他の子供と一緒に遊ぼうと言う欲もあるからだ。と、言っても時間帯が時間帯のためか、他の子供達は皆学校に通っているおり、誰1人として同年代の子供はおらず、日本の基準としてまだ小学校に通う前くらいの年齢の子とその保護者しかいなかった。

 

 

「……あーあ、ヤッパリこんなところへ遊びに来る10代って俺だけかぁ~……暇だなぁ~……って痛ッ!」

 

 

大牙が公園の芝生の上で寝転がっていると、頭に何かが勢い良くぶつかる。感触からして柔らかいものだろうと察しはついたが、勢いが出ていたために頭部に痛みを感じる。

 

 

「あ~もう、何なんだよ一体……って、ボールかこれ?」

 

 

自分の頭部に当たったボールを触ったり、地面へ落としてみると軽く弾んだ事や時間帯からして使っていたのは小さい子供が何かしらのボール遊びをしていたのだろうと考えていると案の定、自分より背の低い子供達が大牙のところまでやって来る。

 

 

「お兄ちゃん、そのボール返して」

 

 

「ん? あぁ、ゴメンゴメン。ほら」

 

 

大牙は子供達にボールを返すとその子は大牙にお礼を言って他の子供達の元へと帰っていく。大牙は子供達が無邪気に遊んでいるところを見て日本にいた頃の事を思い出していた。みんなでヒーローごっこやったりヒーローごっこやったりヒーローごっこやったりと。

 

 

「……ねぇ」

 

 

「ん? うわぁ! って美喜ちゃんか」

 

 

突然熊のぬいぐるみを持った少女が現れて大牙に声を掛けてきたので大牙も驚いているが、顔を向けると相手が美喜であることに気が付いて会話を交わす。

 

 

「大牙君はどうしてここにいるの?」

 

 

「お、俺の名前覚えてくれてたんだ~。ま、質問に答えるとするなら暇潰しってところかな? 美喜ちゃんは?」

 

 

「別に……ただ」

 

 

「ただ?」

 

 

「イチカが公園好きだったから……」

 

 

「イチカ?」

 

 

美喜は腕に抱いていたぬいぐるみをぎゅっと強く握りしめて声を少し低くして喋る。大牙は美喜の口から出てきた"イチカ"なる人物の事について疑問に思い、首を傾けると美喜はそれを察してか、さらに口を開く。

 

 

「威厳の"威"に"誓う"って書いて威誓(イチカ)。私の弟」

 

 

「……すっごい漢字のあて方だね」

 

 

「その割には弱虫で泣いてばっかりだったけどね」

 

 

(名前負けしてんじゃねぇか……)

 

 

まあ子供は泣くのが仕事と言うし、仕方無いか。と大牙は付け足していると美喜がボール遊びをしている子供達の方に顔を向けている。それを見た大牙はとある考えが浮かんで美喜に声をかけてみる。

 

 

「なあ、もしかして美喜ちゃんもあの子達と一緒に遊びたいとか思ったりしてる?」

 

 

「べ、別に……」

 

 

美喜は口ではそう言ってるが、目を大牙から反らすようにプイと向けており、若干遠慮してるように見られた。大牙はそれを見て美喜の頭に手を置いてポンポンと軽く撫でる。

 

 

「じゃあ俺があの子達に声を掛けてきてあげようか?」

 

 

「え? ちょ……」

 

 

美喜が何か言おうとしたのも束の間、大牙は彼女の返事も聞かずにボール遊びをしている子供達の元へと駆け寄る。

 

 

「お~い! 君達~」

 

 

大牙がボール遊びをしている集団の子供達に声を掛けると、子供達は大牙の方向へ顔を向け、一体何の様なのかを考えて子供達は互いの顔を見合いながら首を傾げている。

 

 

「悪いんだけどさ、あの子と一緒に遊んでくれないかな?」

 

 

大牙は子供達に美喜と一緒に遊ぶように話を付けようとするが……。

 

 

「えぇ~ヤだ~」

 

 

「……え? え?」

 

 

「だってあいついつも声掛けてもロクに返事しないし遊ぶだけ無駄だって」

 

 

どうやら美喜は以前この子達に遊びに誘われたらしいがそれを次々と断っていたようだ。それが続けば子供でも付き合いが悪いことぐらいは覚える。だから次第に誘わなくなったのだ。大牙はどうにかしようと頭を悩ませていると、子供が持ってる片手で何とか握れそうな大きさのボールを見てあることを思い付いた。

 

 

「じゃあさ、お兄ちゃんがボールを使った日本の遊びを教えてあげようか? 勿論あの子も一緒に」

 

 

大牙が美喜の事を指差しながら子供達に言うと子供達はお互いの顔を見ていると暫くしてから互いに頷き、大牙の方に顔を向ける。

 

 

「それなら良いよ~」

 

 

「私日本に興味あるから!」

 

 

大牙の周りに子供達が集まってきて、興味津々の眼差しを向けている。大牙は一旦美喜の元へ戻ると彼女に話しかける。

 

 

「お~い! 話つけてきたぞ~」

 

 

「……ていっ」

 

 

美喜は持っていた熊の縫いぐるみを大牙に向かって振り回すと、大牙はそれをすかさずジャンプして避け、彼女の頭を撫でる。

 

 

「あのなぁ、人が親切でやってるのに……あ、もしかして遊んだことないから照れたとか?」

 

 

「……わ、分かったよ! 遊べばいいんでしょ! 遊べば!」

 

 

それを聞いた大牙は彼女を連れて子供達の元へ戻ると大牙は手にボールを持って子供達に向けて日本のボール遊びについて説明する。

 

 

「あのな、日本には『数え歌』ってのがあって、そのうちの1つの『あんたがたどこさ』って言うんだけど……」

 

 

~~回想終了~~

 

 

「てな、事があったっけ?」

 

 

「……大学関係なくね!?」

 

 

「いやな、そこから"あ~んたが~た~何~処さ~?"って歌ったりして暫くしたらそこからゾーリ魔が出てきてさ、それをキョウリュウバイオレットがガブルキャノンで撃ってさ、煮てさ、焼いてさ──」

 

 

『喰っとらんじゃろ!』

 

 

「冗談ですよプロフェッサー、まあ、キョウリュウバイオレットに助けられたってのは本当なんだよ」

 

 

「……そっちの方が大事じゃね!?」

 

 

自分達からしたら半ばどうでもよかった過去の話よりもそれを打ち切った後の話がキョウリュウバイオレットなる戦士に関わる事で、明らかに自分達の先輩に当たる人物であることは容易であった。そこからの話曰く、キョウリュウバイオレットに助けられたことが切っ掛けで、ゼミで現場に残されたデーボス細胞の研究を行っていたこと、そこから得た1億年前の超古代文明に関わる出来事を解明し、発表したことで色んな名誉ある賞を受賞し、その時に記念写真を撮った事を話し出した。そしてその時の写真が出てきたと言うのだ。

 

 

「にしてもキョウリュウバイオレットね~……きっとすごい人なんだろうな~」

 

 

「でもその頃から活動してたってことはもういい年なんじゃないのか?」

 

 

「大ベテランだよな~」

 

 

瞬や睦月がキョウリュウバイオレットに関して考察を述べると車内から笑い声が聞こえてくるが、そこからスピーカー越しにドクターから通信が入る。

 

 

『そうかそうか~それを聞いたらキョウリュウバイオレットもきっと喜ぶのぉ~』

 

 

「何で嬉しそうなんですか」

 

 

『まぁ、細かいことは気にするでない。ほな、さいならぁ~♪』

 

 

そこからドクターとの通信は途絶え、大牙はホッと一息つくとそのあとは自分達に関わる事に関する話題となる。と、そこで睦月が回想の中に出てきた一人の女の子の話題を振る。

 

 

「そう言えば話に出てきた美喜ってIS学園に同じ名前の子がいるけどまさか──」

 

 

「──同一人物です」

 

 

「何かキャラ違くね!?」

 

 

睦月は美喜と何度か顔を会わせたことがあるため、どんな人物か知ってはいるが、記憶にある彼女と今の話から聞いた彼女とは全然違う印象であった。大方、今の話から何となく予想はつくが。

 

 

「大体大牙君が美喜さんに関わっていく内にあんな感じになったってところ?」

 

 

「……まあ、そうだけど……まさか帰国するときに告白されるとは……」

 

 

「「「え!?」」」

 

 

「お前、告白って……! 美喜(あいつ)が言ってた婚約者ってお前の事か!」

 

 

睦月は以前美喜(彼女)が自分には婚約者がいるなんて話をしていたのを覚えていたが、まさかそれが目の前にいる幼馴染みの事だとは思ってもいなかったため、後部座席にいる二人と共に驚いている。

 

 

「あいつそんなこと言ってたのか、でも確かにそんなやり取りしたし……」

 

 

「したんだ……」

 

 

「俺が条件として出したお題にも難なく答えたから……」

 

 

「それでか。でもお前的にはどうなんだよ」

 

 

睦月に美喜の事を問われた大牙は首を少し傾げているが、すぐに口を開く。

 

 

「まあ、趣味も合うし。何よりあいつの頭脳はかなりのモノだからな~。顔やスタイルも良いし」

 

 

(不満では)(ないんだ……)

 

 

大牙にとっては美喜は『大事な仲間』としてみているが、異性としては別段悪くないらしい。ただ、デーボス軍との戦いがある内はそういった恋愛事に関することはお預けだとか。

 

 

「それにしてもさ~、霧花の奴、この日に限って宿泊行事~? タイミング悪すぎだっつうの!」

 

 

「仕方ないだろ、流石に休むわけにもいかないし、IS学園に何かあったらそっちを対処するのに貴重な戦力なんだぜ。寧ろお前が何かしようものなら逆に殺られてんぞ」

 

 

睦月は大牙に冗談なのか本気なのか分からないセリフに両手を交差させて肩を握りながら体をブルッと震わせる。

 

 

「そうだ。今度さ、改めて皆との親睦を深める形でカラオケでも行かない!? 美九も呼んでみるよ」

 

 

「カラオケかぁ~別に俺は良いぜ。誰かさんのせいでドえらい事になりそうだけどな」

 

 

「なっ! 睦月、それ俺の事を言ってるのか! 俺だって特撮以外の歌の1つや2つ歌えるぞ!」

 

 

「ハッ、まあ楽しみにしているよ」

 

 

男性陣で勝手にカラオケによる親睦会を企画して盛り上がる中、車両前方を確認していたガブリスコードの目(ライト)に何者かがこちらを狙ってくるのを捕らえる。

 

 

『みんな! 伏せろ!』

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

車内にいる大牙達は上半身を伏せるとガブリスコードの車体に銃撃音が響き渡る。銃撃音が止んでいる隙に大牙達がガブリスコードから下りると目の前にいたのは──

 

 

「!? ゾーリ魔!」

 

 

「カンブリ魔までいるぞ!」

 

 

何故か目の前にゾーリ魔やカンブリ魔が複数いるのだ。更にそこから短冊や笹の葉等を纏ったようなデーボ・モンスター達も現れる。

 

 

「ハァ~イ、キョウリュウジャー。僕は美しき七夕の化身、デーボ・タナバンタ、キャンデリラ様達からの命令により、君達を倒しにかかかるよ。見よ、この僕の美しいBody!」

 

 

「な、なんだあいつ?」

 

 

『どうやら無駄にキザなデーボ・モンスターのようだな』

 

 

「てかあいつ。七夕の化身とか言ってるけど、七夕と言えば織姫と彦星だろ?」

 

 

キョウリュウジャー達がタンゴセックに対して印象等を述べているとタナバンタは大牙の台詞の"織姫と彦星"と言うフレーズに過剰に反応する。

 

 

「あぁ、織姫と彦星……15光年も離れた二人はどうやっても一年に一度会うことなど不可能……悲しき夫婦だ事……」

 

 

タナバンタは七夕に関する話を一人で勝手に話初めて、勝手に泣き出し始める。そんな光景に大牙達も首を傾げているとそこへキャンデリラとラッキューロが現れ、ラッキューロは腹のガマ口からピコピコハンマーを取り出してポカポカ叩き始める。

 

 

「ちょっと、お前何やってるんだよ~。このキザ野郎!」

 

 

「お止めくださいラッキューロ様、僕は彦星と織姫の二人が如何に儚く、1年に1度会うことが絶対に出来ないと言う事を科学的に証明せねb──」

 

 

「七夕の怪人の癖に科学語るなよ!」

 

 

((((いや、そこは人それぞれだと思う))))

 

 

ラッキューロのツッコミに対して疑問に思う大牙達4人。キャンデリラが右手を口に当てながら左手の手首を上下に動かしながらデーボ・タナバンタについて話し出す。

 

 

「もぉ~このデーボ・モンスターったら変わっててね。でもそこら辺は気にしないでね。“Keep Smiling”よ~♪」

 

 

訳の分からない光景に大牙達は困惑するが、直ぐ様それぞれ腰のホルダーからガブリボルバーと獣電池を取り出すと、横にいたガブリスコードが大牙達の後方へバックしながらクラクションを鳴らす。

 

 

『皆、“Start Your Engine”だ!』

 

 

「分かってるって」

 

 

「「「「ブレイブイン!」」」」

 

 

大牙達はそれぞれのガブリボルバーに獣電池を装填し、ガブリボルバーを所持しているのは反対の手でガブリボルバーのシリンダーに当てながら構える。

 

 

「「「「キョウリュウチェンジ!」」」」

 

 

シリンダーを回したメンバーは、ガブリボルバーから流れるサンバのリズムに合わせて躍りだし、後ろではガブリスコードが同じくリズムに合わせてライトを点滅させ、敵であるキャンデリラ達も踊り出している。

 

 

「「「「ファイヤー!」」」」

 

 

ガブリボルバーからキョウリュウスピリットが飛び出し、それぞれの体を包み込み4人は変身を遂げる。

 

 

「さあ、行くぜデーボス軍!」

 

 

ここに、1つの戦いが幕をあげようとしていた……。

 

 

 

──次回予告──

 

 

デーボ・タナバンタ達とキョウリュウジャーとの戦いが始まった! 戦いの中で登場する新たな技。必殺の、ブレーザーカノン砲シューティング。そして、両陣営は戦いの最中、戦場へと近付いてくる積雷雲の裂け目から一筋の赤き眼光を目撃する!

 

 

次回、ISの世界の強き竜の者

 

 

『走れ超マシン! 唸れ、新必殺技』

 

要するにいつも通りの特撮技か……。

 




睦月「今回少しだけ大牙の過去と美喜との関係も判明したわけだが……」

大牙「扱い雑だな~」

作者「ゴメン。でも本当にここで過去編をやると本当に長くなりそうなんだよ。書ける機会が来たら書くから」

光汰「そう言えば美喜ちゃんと大牙君の関係っていつから決まってたの?」

作者「それは最初っから」

瞬 「てか大牙、(当時)8才の子に対して話しかけるなんて……ロリコン?」

大牙「違ぇ! 年齢的には日本では小学生同士の会話だぞ!」

睦月「とは言ってもな~……」

美喜「ちょっと待った~!」

大牙「うぉ!? お前、急に来やがって。しかもいきなり抱きつくな!」

美喜「ぶ~ぶ~、いいじゃんいいじゃん!」

睦月「(リア充……)(滅ぶべし……)

瞬 「何か怖いぞ睦月……」

大牙「そう言えばお前、本編であんな目に会ったのに良いのか?」

美喜「後書きだから」

瞬 「便利だな」

光汰「そう言えば歌原さんは何をしに来たの?」

美喜「そうだった! ほら、2015年は年明けから4月まで特撮に関してスゴ~く色んなニュースがあったじゃん! それをいくつか振り返ろうかと」

作者「あぁ~確かに」

睦月「確か、幻の仮面ライダー3号スクリーンに登場や4号のDVDに、仮面ライダーチェイサーだろ」

瞬 「他には、ニンニンジャーにニンジャレッドとハリケンレッドにアカレンジャーのレジェンドにスターニンジャーの登場だよな」

作者「僕はハリケンジャー直撃世代でスゴく嬉しい! あの頃は……皆ブラウン管だったな~」

光汰「思い返すのそこですか……」

大牙「それもあるがな、他にも色々と特撮ファン歓喜の出来事はいくつもあった!」

睦月「例えば?」

大牙「インターネットが普及した今こそ、かつて以上にヒットするだろうと言われている伝説の作品『電光超人グリッドマン』のアニメ化!」

睦月・光汰・瞬「「「あぁ~!」」」

作者「動くシグマを見れる日が来るとは思わなかった……」

大牙「当時はインターネットが普及してなかったからな。当時、中には付いていくのに苦労した子供達もいたとかいなかったとか」

美喜「他には他には~レオパルドンが本家に登場!」

睦月「確かにあれは驚いた」

作者「作品自体は本家の太鼓判が押されてたけどね」

大牙「本家にはレオパルドンについて難色を示した方々もいたらしいが」

光汰「それがハッキリと公式に認められた瞬間」

瞬 「他には何があるんだ?」

光汰「何かあったっけ?」

作者「本物のアステカイザー誕生とか」

大牙「マシンマンの新規収録主題歌とか」

光汰「バド星人が真実の口に水ぶっかけた事とか?」

美喜「コイン怪獣が宇宙忍者に黙って何かやることとか?」

睦月「本当に色々あるな!?」

瞬「もうそろそろ良いだろう、今回はここまでだ」

作者「これからも!」

全員「よろしくお願いします!」





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