ISの世界の強き竜の者   作:大鉄人ワンセブン

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お久し振りです。約半年振りの投稿となります。大分遅れてしまいまい申し訳御座いませんでした。

それと、前回の話(主に前半部分)を今後の展開上、変更しています。


ブレイブ28 『二次移行! 白式・燦然』

 《ナレーションSIDE》

 

 

大牙に激昂された千秋は今、砂浜をただひたすら走っていた。激昂された直後は旅館に向かおうとしていたが、ラウラからの通信によって彼女たちが福音との戦いへ赴こうとしている事を知った千秋は自分も戦うことを伝えて彼女たちの後を追いかけていた。

 

挿入歌:『光る風』

 

(僕は、また親しい人達がいなくなるのが怖かった。でも、そんなのは当たり前なんだ。大事なのは……自分が信じた事を裏切らないこと! だから……!)

 

千秋は入学してからの事を思い出していた。入学したばかりの頃は実の姉がIS学園で教師をしていた事や箒と再会した事、セシリアに決闘を挑まれたり、その前には美喜や霧花とも知り合った。

 

そしてセシリアとの決闘で自分のISが第一形態移行(ファースト・シフト)したり、その最中にデーボ・モンスターが現れ、自分達の攻撃が効かなかった。

 

そんな絶望的な状況の中で現れた謎の戦士達、キョウリュウジャーとの出会い、そして獣電竜と言う巨大な機械の恐竜達、どれも自分が小さい頃から憧れていた集団ヒーローのようであった。

 

(そこから……シャルロットやラウラ達と出会ったっけ? あの時のラウラは結構キツかったな……)

 

転校初日のラウラの事を思い出して少し苦笑する千秋であった。

 

(そこから歌原さんが造ったシムが僕の面倒見始めて……タッグトーナメントではラウラのISがデーボ・モンスターに乗っ取られて暴走したんだっけ……そしてキョウリュウレッドとの共闘して撃破した……それから……)

 

これまでの思い出が蘇ってきた千秋は、いつの間にか先程箒と美喜と共に任務で発進した浜辺まで着いていた。ここに来る迄の疲れから、両手を膝に当てて少し息切れを起こしてハァハァ言って呼吸を整えている。そしてすぐに足を伸ばして白式を展開しようとすると、そこへ一人の人物が声をかける。

 

「それは命令違反ではないのかしら?」

 

「……久留宮さん」

 

近くにあった椅子に座って足を組んでいる霧花であった。彼女は千秋達が待機命令出ているにも関わらず出撃しようとしている為、彼にその事を伝えている。それが彼女なりに心配しているのか、それとも命令に背こうとしている者に対しての厳しい対応なのか、その表情からはどちらかなのか読みづらい雰囲気を醸し出している。否、自身の意図を読まれないようにしているのかもしれない。だが、それでも……。

 

「命令違反だって何だっていい! ただ僕は僕が信じたこと、僕自身がやれることをやるだけだ!」

 

「そう……なら」

 

霧花は千秋の横まで行くと自身のIS《ウォルクル》を展開し、左腕の関節を曲げて上にあげるとウォルクルの左腕にブレスレット型の装備である《アクセプター》が装着される。

 

「アクセス・フラッシュ!」

 

霧花は右手首をアクセプターの青色のボタンに当てるとウォルクルが光だして輝きだす。その眩しさに千秋は手で顔を隠して目を瞑り、暫くして光が止んで手を退けるとそこには完全装甲形態のウォルクルがいた。

 

「久留宮さん、それって……」

 

「本来は命令違反だけど、彼女たちだけじゃ危なっかしいからね。今回だけよ。まあ、命令違反なんて何時振りか分からないけど」

 

ウォルクルはその機体を変形し始め、変形し終えたその姿はさながら戦闘機を模した姿へと変形する。

 

「さあ、乗りなさい。皆が待っているわ」

 

霧花が告げると千秋は白式の待機状態である腕輪を見る。そして彼はその腕を空高く掲げて白式を展開させて身にまとう。そしてそのままビークルモードへと変形したウォルクルの主翼に乗っかり、そしてウォルクルは発進する。

 

そして大牙から貰った拡張パーツが僅かながらクリスタル色に発光していたが、二人はまだこの事には気付いていなかった。

 

                    ◇

 

旅館から離れた海上200メートル程の沖合、遥か上空には巨大な積乱雲が発生している最中に『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』はいた。そしてその回りには銀の福音を囲むように、『ブルー・ティアーズ』、『甲龍(シェンロン)』、『ラファール・リヴァイヴ・カスタム(ツー)』、『シュヴァルツェア・レーゲン』、『打鉄弐式』の6つのISが並んでいる。そしてラウラの『シュヴァルツェア・レーゲン』によるレールガンの砲撃を合図に次々と各専用機の遠距離武装を放つが、福音はそれらをエネルギー弾によって打ち落とされていく。

 

「クッ! 何て強さだ!」

 

「これほど厄介な相手(IS)は始めてですわね……」

 

福音の想像通り、いや、それ以上の性能の高さに苦戦していたが、それでも彼女達はそれぞれの武装を展開しては攻撃を仕掛ける。しかし、福音はその機動力の高さからそれらの攻撃をかわしたり、先程と同じようにエネルギー弾を放って攻撃を相殺してくる。だが、その隙を逃さない人物が一人いた。

 

「ジャンバルカン・マキシムモード!」

 

打鉄弐式のパイロットである簪はかつて美喜から授かった武装、ジャンパーソンの《ジャンバルカン》とファイヤーのマックスキャリバーを合体させたマキシムモードで福音を狙い撃つ! 警視庁特別救急警察隊、通称『特警(とっけい)ウインスペクター』の隊長であるファイヤーが使用するマックスキャリバーは後に登場したウインスペクター最強のレスキューツール『ギガストリーマー』とジョイントを合体させることで、その威力は1発で50cm四方の鋼鉄の塊を蒸発させ、M1エイブラムス戦車を5秒で消滅させるプラズマ光波弾を発射する『マキシムモード』になる。そしてジャンパーソンのジャンバルカンはギガストリーマーとほぼ同じ構造をしており、尚且つギガストリーマーが作中でレスキューツールとして製作されていたのに対して、ジャンバルカンは戦闘用に製作されている。そして、この二つの力が合わさることで、より強大な攻撃が可能となるのだ。それによって銀の福音は海中へ向けて落下していく。

 

「終わったの……?」

 

その言葉を誰かが肯定しようとした時、海中が突然光だし始めた。突然の事に驚いている最中、ラウラが声を上げる。

 

「マズイ! 第二形態移行(セカンドシフト)だ!」

 

その言葉に反応したかのように海中へ落下したはずの福音が新たな形態へ変化し、そして彼女達への敵意を剥き出して先程とは比べ物にならないほどの強力な攻撃を浴びせ始める。その攻撃に苦戦する専用機持ち達であったが、エネルギー塊のような翼が新たに生え始め、そこから発射されるエネルギーの雨に防戦一方であった。そして、先程の攻撃の仕返しとでも言うように福音は一機のISを標的に定め、それまで拡散して放っていたエネルギー弾の雨を一点に集約した巨大なエネルギー砲が発射される。

 

「!? 簪さん!!」

 

簪も打鉄弐式を操作して攻撃を回避しようとしたが、余りの大きさと速さに間に合わないと判断して目を瞑った。

 

だがその時、不思議な事が起きた。彼女の前方に迫ったエネルギー砲が突如として打鉄弐式を避けるように拡散し始め、四方八方へと散っていったのだ。突然の出来事に敵味方はおろか、当の簪自身も何が起きたのか理解出来ないでいた。

 

と、その時!

 

「!? 皆、後方へ退避しろ!」

 

そこへ、ラウラが自身のシュヴァルツェア・レーゲンのハイパーセンサーに何かが接近してくるのを察知し、全員を後方へ退避させるとそこへ来たのは1つのミサイルであった。そしてそのミサイルは福音へ狙いを定めてるかのように徐々に距離を縮めていく。そして福音もそのミサイルを打ち落とそうとするが、丸で意思を持っているかの如くそのミサイルは福音の攻撃を素早く回避していき、やがて福音へと直撃する。

 

「今のは一体……?」

 

ミサイルが飛んできた方向へ目を向けると、そこにいたのはウォルクルに乗ってきた白式であった。そして千秋はウォルクルから離れて雪片弐型を展開し、霧花もビーグルモードを解除する。それを見た専用機持ち達は彼が来たことに安堵するとより気迫が増した表情となる。

 

「ここからは私達のステージだ!」

 

「さあ、ショータイムですわよ!」

 

「ひとっ走り付き合って貰うわよ!」

 

「クライマックスに行くよ!」

 

「命……燃やすぞ!」

 

そして彼女達は各々の武装を駆使して千秋が福音の元へ行きやすいようにサポートし始める。だがそれでも福音は攻撃を止めないどころか更に激しさを増していく。

 

(例え……例えどんな状況でも……少なくとも『今』は──!)

 

「諦めたりは……しない!」

 

その時、大牙から渡されたアイテムから出ていた光が激しさを増し、突如として白式を包み込んだ。

 

                    ◇

 

千秋が目を開けるとそこは見知らぬ空間であった。先程いた海上とは違い、何もかもが真っ白になっていて、それでいて距離感が掴みにくい空間であった。

 

「ここは……一体? 僕は……どうなったんだ?」

 

「別に、お前はな~んとも、なっちゃいないんだぜ♪」

 

「え?」

 

後方から誰かの声が聞こえ、その方向へ体を振り向かせるとそこに一人の男がいた。

 

「自己紹介からいくとするか? 俺の名は──」

 

「あ、あああああああ! 浅倉猛!」

 

「違う! 良く間違えられるが、俺の名前は“暁”、“涼村暁”だ。正確にはそいつの性格を元にしたデータの集合体みたいなもんらしいけどな。難しいことは分かんねぇや」

 

そこにいたのは、かつて放送されていた日本の特撮番組『超光戦士シャンゼリオン』の主人公、『涼村暁』であった。しかし、千秋はこの作品をあまり知らないのだ。それ故に容姿が似ている浅倉猛と勘違いしたのである。

 

「ちょ、ちょっと待って! ……え? 浅倉じゃないの?」

 

「だから、違うって言ってんだろ! 俺の目を良く見ろ。この純粋で汚れの無いピュアな目を! な、俺が浅倉じゃないって事は分かっただ──」

 

「だぁぁぁぁ! ちょっと待って! これ何!? 何か突然変な光に巻き込まれて、そこから見慣れない空間にいて~の? 浅倉猛がいて~の? でもそれは浅倉じゃないって主張して~の? ……つまり綺麗な浅倉がいて~の? ……あぁ、もう! 何か浅倉猛のイメージが崩れて行くぅぅぅ!」

 

「だから違うって言ってんだろこの分からず屋!」

 

「止めて! 話し掛けてこないで! 出来れば近寄らないで! そして同じ息吸わないで! 本当に浅倉猛のイメージが崩れてくるから!」

 

「おい、いくらなんでもそれは酷すぎだろ!? 俺はお前の為にここに来てるのに厄介払いかよ!」

 

「僕の……為に?」

 

「あぁ、そうだよ。本当は俺好みの綺麗な女の子にこの力を託したかったんだけどさ、大牙の野郎がお前の為に作っていったようなモノなんだ。しっかりと受けとれよ。時期に俺の意識(データ)も消えていくしな」

 

「え? それってどういう──!」

 

「そんなの決まってるだろ。やっぱり俺は、決まりすぎって事よ♪」

 

暁がそう言うと千秋の視界は次第にボヤけていき、そして最後には何も見えなくなっていた。

 

                   ◇

 

そこは先程と変わらぬ風景、自分達が福音と戦っていた場所であった。先程の事は夢だったのか? そのように思う千秋であったが、先程まで手にしていた大牙から貰ったパーツがバイザーのような物に変化していることに気が付いた。

 

「これ……は……何?」

 

「あれって……!?」

 

千秋はそれがなんなのか、どのように使えばいいのか全く分からずにいたが、そのアイテムに心当たりがあった簪は千秋の近くまで飛んでいく。

 

「あ、簪さん。これ……多分被るんだよね? でも自爆……は流石に無いだろうけど一体どうすれば──」

 

千秋が混乱していると、簪はそれを取り上げて千秋の頭部に被せ始める。

 

「え? ちょちょちょちょっ何々々!?」

 

「私から言うことは二つ。それの名前は『シャンバイザー』そして変身コードは『燦然』よ!」

 

「……What?」

 

簪の唐突な説明に何が何だか分からないでいたが、簪はシャンバイザーのバイザーを下ろす。すると白式がクリスタル色に発光し始め、そのボディを包んでいく。そして光が晴れ、姿を表したのは全身を包み、体型若干マッシブになった完全装甲型のIS、そしてその色はクリスタルの様に透き通りつつも、若干の白さを残した機体であった。その新しくなった自分の機体を千秋は手足を動かして見ていた。

 

『これが……僕の新しい力……!』

 

ここに、新たな力を得た白式『白式燦然』が誕生した。

 

──次回予告──

 

新たな力を得た白式を纏った千秋! 果たしてその実力は如何に!?

 

そして訪れる福音との最終決戦(ファイナル・バトル)

 

次回、ISの世界の強き竜の者

 

『決着! そして……』

 

次回、衝撃の展開!?

 

 

 




先週から新しく始まった『動物戦隊ジュウオウジャー』……去年二十歳になったのでイエローとホワイト以外は年下なのか……複雑だなぁ……。
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