マザロザif 完結   作:アーク1

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外伝3は、この素晴らしいキリアスに祝福を!のプロローグと同じ内容になります。

この素晴らしいキリアスに祝福を!はこのすばとSAOのクロスオーバー作品で、舞台はこのすばがメインになります。




マザロザif 外伝3 キリトとユイ その1

ー桐ヶ谷和人さん、貴方は死にましたー

 

ここは、どこだ?俺はどうしたんだ?

 

混乱していた俺は、今日の出来事を思い出してみた...

 

 

「ごめんね。キリト君。今日のデートなんだけど、ユウキがどうしても私とALOでスリーピングナイツの皆と遊びたいって言うんで、又、今度にしても良いかな?」

 

そうだ、今日は学校が終わったら明日奈とデートをするはずだった。

 

でも、ユウキに強引に誘われた明日奈は断りきれずの、今日のデートは中止になった。

 

俺は、笑って許したけど、やっぱり寂しい気持ちはあった。

 

明日奈も、そうだったろう。だからこそ、明日奈の方からデートに誘ってきたんだと思う。

 

ー今日は、俺を優先してほしいー

 

きっと明日奈は、俺がそう言えばユウキの誘いを断っただろう。

 

ユウキに時間がないのは理解してるし、俺自身、ユウキを気に入ってるけど、寂しいものは寂しい。

 

はっきり言えれば楽なんだけどなぁ。

 

俺は、何度目かのため息をついた。

 

「元気を出してください。パパ。きっとママもパパと一緒にいたいハズです。」

 

携帯端末から、そう励ましてくれてるのはユイ。そう、ユイ。俺の娘だ。

 

元々メンタルヘルスカウンセリングプログラムとして作られたユイは、人の感情の変化に敏感だ。

 

俺が落ち込んでるのを感じて、慰めてくれているのだろう。我が娘ながら、すばらしいと思う。

 

「そうだよな。ユイだって、プローブを使うのをユウキに譲って、我慢してるんだもんな。」

 

そもそも、あのプローブはユイの為に作った物だ。それを、ユウキ...というかアスナの為にユウキが使うのを許してくれたのは、ユイなのだ。

 

俺は、それからユイととりとめのない話しをしながら、下校した。

 

川越まで戻り、家路をゆっくりと歩いていると、目の前の道路をボールを追いかけて、女の子が飛び出してきた。

 

そこに、トラックが猛スピードで走ってきている。

 

「危ない。」

 

俺は、女の子を助けるために走った。

 

女の子を抱き寄せるが、回避する暇は無さそうだ。

 

俺は、自分の体を盾にするしかないと、女の子を庇う。

 

衝撃が、体を襲った。浮遊感があり、その後さらに衝撃。撥ね飛ばされてどこかにぶつかったんだろう。

 

何故か、冷静にそんな事を考えながら、俺の意識は暗転した...

 

 

私の名前はユイ。パパである桐ケ谷和人とママである結城明日奈の娘。

 

その日は、パパと話しをしながら家へと帰っていた。

 

パパは、ママといられないことに落ち込んでいる様だったから、私がパパと会話することで、気分転換になればと思ったのだ。

 

その考えは上手くいっていたと思う。

 

川越に着く頃にはパパは、笑顔を見せるようになっていた。

 

そこから家に向かう途中、パパが切迫した声で叫んだと思うと、私の視界はぐるぐると回った。

 

恐らくは、パパが携帯端末を放ったのだと思うが、携帯端末のカメラからの視覚情報では、何があったのかまでは把握できなかった。

 

その後、すぐに大型のクルマのブレーキ音とドンッという大きな音...

 

パパ?パパ...何かあったんですか?

 

いくら話しかけても返事がない。

 

私は、嫌な予感がした。でも、まずは情報を把握しなければ。

 

確か、ここの近くに監視用の防犯カメラがあったハズ。

 

私は、ネットワークから防犯カメラの視覚と同調させて、現場を見る事にした。

 

少し時間がかかったが、何とか成功した。

 

そこには...血溜まりの中に倒れるパパの姿が映し出されていた。

 

そんな...ウソ...

 

私は、携帯端末に戻ると急いで救急車を要請した。

 

 

救急隊が到着した。私を見て驚いた様だが、今はパパの搬送が優先。

 

私は、パパと救急車に乗りそのまま病院に搬送された。

 

しばらくすると、パパの妹の直葉さんと、母親の翠さんが駆けつけてきた。

 

パパの携帯電話の電話帳から、家族に連絡が行ったのだろう。

 

私は、現在の情報を二人に伝えた。

 

すでに治療が終わっている事。危険な状態であること。

 

そうこうしていると、パパの手術を担当した医師が改めて説明にやって来た。

 

「はっきり申し上げて、今彼が生きているのは奇跡に近い。彼の精神力だけで死に抗っていると言って良い状態です。」

 

「ご家族の皆さん、彼に励ましの言葉のをかけてあげてください。きっと今は、彼の大切な人の声が、一番の薬になるハズです。」

 

それを、聞いた直葉さんはパパの仲間に電話をした。

 

パパの情況と、パパに、声をかけてもらう為に。

 

ママ以外は、すぐに駆けつけてくれた。

ママには、連絡が付かなかったらしい。

 

きっと、まだALOにいるのだろう。

 

私は、ALOに行って直接ママに伝えようと思った。でも、それはできなかった。

 

この端末から、出られない。恐らく、放られた時にネットワーク接続の部品に障害が出たんだ。

 

防犯カメラに視覚を同調させる時も、予定より時間がかかった。それが、時間が経ってか、完全に故障してしまったのだろう。

 

そんな...これではあのときと同じではないか。

 

アインクラッドで、自身の存在意義を果たす事ができず、ただ見ている事しかできなかったあの時...

 

今の自分の存在理由は、パパとママの役に立つ事。

 

それが、パパが大変な時にただ眺めている事しか出来ない。

 

私は、必死にパパを応援した。非科学的だとはわかっているけれど、今は、それしか出来ることがなかった。

 

でも、私達の願いも虚しく、パパの心電図モニターは...ゼロを示した...

 

パパは...

 

桐ヶ谷和人は...死んだ...

 

嫌、嫌、いやぁぁぁぁぁぁ。

 

瞬間、大きな黒い波が、わたしの意識を飲み込んだ...

 

私は、その波から抜け出そうと何かを掴んだ気がした...

 

そこで、私の意識は完全に途絶えた...

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