ハンターが飛び込んだ先がダンジョンなのは間違っているだろうか? 作:あんこう鍋
彼をおにいちゃんキャラにしたかったのです。
したかったのです!
コメントいただきありがとうございました。
ベル・クラネルは逃げていた。
『韋駄天走り』という言葉を知っているだろうか? 意味は『非常に早く走ること』。
横には身長差をもろ共とせずに並走する現在の状況の原因になったパイの姿がある。ステイタスの差なのかそれとも彼女自身の努力の結果なのか。
とにかく、現状の説明を簡潔にすればベル達、二人は韋駄天の如く走りながらも追いかけられている。
「これも全部パイさんのせいですよぉぉ!!」
「とにかく今は逃げるが勝ちかなぁぁぁ! ベルぅぅ!」
ベル達は10体のミノタウロスから逃げ出していた。
それも、非効率極まりない大振りのフォームで逃げていた。
重たく響く足音を背に、恐怖で泣きそうになりながらも、ベルは走馬灯のように思い出す。隣の馬鹿師匠の奇行と愚かな自分の行動の結果――こうなった経緯を・・・・・・。
――――――――――――――
ベル・クラネルは己の判断を後悔していた。
ヘスティアとパイの再会はそれはもうひどい有様だった。
ダンジョンの帰りにパイとたまたま出会ったベルは夕飯に誘ってくれたパイを連れ――その足でホームの廃教会に招待した。
しかし、ヘスティアを紹介した時。ベルは間違いを自覚した。出会い頭の双方の取った行動は顔を歪ませると言ったものだ。勿論悪い方向でだ。
きっと、ベルは考える。「僕の知らない所で何かしらの因縁があったのだろう。」そう思える程度には推測できる。そういう雰囲気。
「まさか、神綱:ロリ巨乳目:ヒモニート科:駄女神属のヘスティアが、ベルの主神とは・・・・・・どういった縁でそうなったのかな? ん~?」
「トビ子君は相変わらずだね・・・・・・まぁ、今のボクは駄神綱:ロリ巨乳目:バイト戦士科:駄目駄女神属だから前より成長したんだぜ?」
「なんだと!? では、もうニートともヒモともいえないかな。ぐぬぬ・・・・・・やるじゃないかな。見直したかな!」
一体何を言ってるんだこいつら。
なにやら生物の説明みたいな紹介の仕方で、会話をしている二人を少し引いた場所でベルは冷めた目で、馬鹿げた口論を続ける二人をで眺める。
どこか、懐かしそうに話すヘスティアの話を聞きながら『うなづく』パイも最初ほどの嫌悪の表情ではなかった。よくわからないけど、そういう挨拶みたいなものなのかもしれない。
「じゃあ、私がココから去った後に追い出されたのか。自業自得かな」
「うっ・・・・・・確かにその通りだけどさ。とにかく、今はヘファイストスに少しでも、借りたお金を返すために働いてはいるよ」
「えっ!? 神様・・・・・・借金してるんですか?」
「ああ、ベル君には関係ない話だよ、前に世話になっていた友神の個人的な物だから。ボクが責任もって返すし。これ以上ベル君に負担をかける訳にもいかないしね」
「そうだよ、ベル。この駄目駄女神・・・・・・なんか。『ドキドキノコ』みたいかな・・・・・・とにかく、コレは甘やかしたらダメな類のやつかな」
「・・・・・・遭いも変わらず辛辣だね。トビ子君はなんで、ボクの事をそこまで目の敵にしてるんだい?」
「その、首とお腹の間にあるものが萎んでくれたら。崇拝するかもしれないかな?」
「まさかの、ボクのアイデンティティーの否定!?」
それから、お茶を交えて落ち着いたころ、ヘスティアがパイに【ファミリア】の勧誘をしたが・・・・・・。
「・・・・・・ごめんかな。実はミアハさんの所に入っちゃったんだよ」
「ダメ元で声をかけただけだから、別にきにしなくていいよ。それにしてもミアハの所なのか、よーしこれからは、ボクもお得意様になっちゃうぜ!」
「あ。そういうのはいいかな?」
「辛辣ぅ!?」
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ベル達は、現在ヘスティアに問われ。今までのパイとベルの訓練の話をしていた。
話を聞き終えると、ヘスティアはベルがいままでで見たことのないような露骨に嫌そうな顔をしていた。
「君達・・・・・・一体、何を基準にして訓練しているんだい? ダンジョンに何を求めてるんだい?」
「さぁ・・・・・・? 少なくとも私は出会いは求めてないかな?」
「はぁ・・・・・・いや、ボクも悪かったよ。じゃあ、次はベル君のステイタスを更新しようか?」
「あっ、お願いします。神様」
済まないが外で待機しててくれないか? と言う神様の言葉に素直に部屋から出ていくパイ。すると嘆息をつくヘスティアにベルは心配そうな視線を送るが、ヘスティアは疲れたような笑いで“なんでもないよ”と言う。
ベルは、キョトンとしながらもいつもどおり上着を脱いでベッドにうつ伏せに寝る。慣れた動作でヘスティア腰に乗り、その白魚のような指に針を指に指す。滲んだ血がベルの背に落ちるとステイタスの表示がされる仕組みだ。
ベル・クラネル
Lv.1
力 :I 4 →:I 47
耐久 :I 1 →:I 1
器用 :I 60 →:I 89
敏捷 :I 21 →:I 79
魔力 :I 3 →:I 21
《スキル》
【狩人之心《ヒト狩リ行コウゼ》】
・モンスターとの戦闘時の【経験値】の取得上昇。
・パーティを組む事でステイタスの上昇。
・笛を吹くと体力を微量回復することが出来る。
【狩猟】
・ドロップアイテムをモンスター死亡時一定時間以内“剥ぎ取る”事ができる。
【調合】
・素材と素材を組み合わせることで別の物を作ることができる。
・一定の確率で【もえないゴミ】を生成する。
【憧憬一途《リアリス・フレーゼ》】
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈による効果向上。
―――――――――
ヘスティアは痛む胃を抑えたい衝動を押さえ込んでいた。
(トータル140オーバー……ちょっとまってくれよぉ・・・・・・今までの≪スキル≫だけでも問題なのに、なんでこんなレアスキル持ってきちゃうんだよぉベルくぅん)
本気で涙が出そうになってきたヘスティア。しかも“早熟する”? なんなんだこれ?
この子が純粋な事はここで半年も一緒に過ごしていると嫌でも分かる。
(問題は・・・・・・このスキルを発現した何かが、なんなのか・・・・・・だよね?)
「ベル君。ちょっと聞いてもいいかい?」
「? はい。なんですか? 神様」
「すごく、ステイタスが伸びているんだけどさ、ひょっとして最近なにかあったのかい?」
「ああ!? すいません・・・・・・実はですね」
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ベルの話を聴き終え、考える。前までこんなスキルが発動していなかったので、パイとの再会が原因である可能性は低い。となるとサポーターで同行した小人族の少女か、あのロキの所の【凶狼】か【剣姫】か・・・・・・。
「その小人族か剣姫が怪しいよなぁ・・・・・・」
「え? なんですか?」
「いや、大丈夫。何もないよ。さてこれがベル君のステイタスだよ」
そう言って。ヘスティアはベルにステイタスの写しを渡す。ベルはその紅玉のような瞳を丸くさせて、そのステイタスを見ている。すると、此方に視線を返してくるが、何が言いたいのかはよくわかっているので“決めていた答え”を返す。
「たまに聞く、“成長期”ってやつじゃないかい? それに、ミノタウロスなんて格上と戦って生き残ったんだ。それぐらいの質の高い【経験値】だったとしても、不思議はないよ」
「そうなんですか・・・・・・。あれ。あの、このスキルの欄なんですが・・・・・・」
「おっと、ボクも少し混乱していたようだね。期待させてごめんよ。ベル君には新しいスキルはでてないよ・・・・・・。そろそろ、トビ子君を呼んで来てくれないか?」
「あっ・・・・・・そうですね、ちょっと行ってきます」
そう言って上着を着て外へと向かうベル君を視界で追いながらも、心の中で溜息を突く、前にベル君から聞いた「君はどんな冒険者になりたいんだい?」という質問に対して。『僕は、英雄みたいな存在になって、そして、ハーレムを作りたいんです!』。
っと、堂々と邪気もなく言い切った。純粋・・・・・・? な少年に対して、優しい微笑みが自然にできたのは自画自賛してやりたいくらいだ。いままでどういう環境で育ってきたのか。十中八九、ベルの『祖父』が原因である。
「とにかく、次の『神の宴』の事を思えば胃が痛いよぉ・・・・・・」
シクシクと痛む胃の壁と相談していると、外からベルとパイが帰ってくるのがわかった。しかし、どうも様子がおかしい事に気づく。
「ベル。大丈夫かな。【コレ】はきちんと閉まってるし。そうそう割れたりしないかな!」
「違うんですよ! 【ソレ】が同じ部屋にあるって事が怖いんですよ! 外じゃないんですよ? 室内なんですよ?」
「ただいまー、ヘスティア。ねぇねぇ、別にモンスターのフンから作ったアイテムを、この部屋に持ち込んでも……いいかな?」
「即刻。上の教会の端っこに置いておくんだ。神威を使うことも辞さないからな!」
なんて危険な物をもってくるんだ! ヘスティアの真顔での采配にベルも青ざめた表情で必死に首を縦に降っているのであった。
―――――――――
『豊穣の女主人』は今日も盛況である。
パイ・ルフィルは何度か接客と調理でお世話になった店の前でポケーっと口を開けていた。結局、胃が痛いのでと辞退したヘスティアに胃に優しい料理を作ってあげた。
「ああ、美味しいよ。胃にやさしいよ・・・・・・すごく嬉しいよ・・・・・・」
涙すら流してパイ特性のオートミールをすするヘスティアに憐憫すら感じたパイは少しの間はそっとしておこうと心に決めた・・・・・・それはともかく、パイはベル二人で“ベルの行きたいお店”に行ってみると、そこはパイもよく知る店だった訳だ。
「こんばんは、シルさん。約束通りきましたよ」
ベルが何かに気づいたのか、パイもよく知る人物に声をかける。声をかけられた人物も、笑顔で向かい入れる。
「こんばんは、ようこそいらっしゃいました! ってあれ? ベルさんと・・・・・・パイ? どうしたの? 今日は仕事入ってないですよね?」
「こんばんはかな、シル。えっとね、今日はお客さんとして来たかな・・・・・・入れそうかな?」
「そうだったんですか。ええ、大丈夫ですよ・・・・・・お客様、二名入りまーす」
中々に盛況な店内のカウンターに通された二人の前に大柄な女性が顔を出す。その相手の一人が知人であった事に軽く、驚きながらも不敵な笑顔で話しかけてくる。
「おや、シルの言ってた坊主ってのは随分と可愛らしいねぇ・・・・・・それに、パイ。あんたが客でくるなんて初めてじゃないか?」
「ミアの女将さん、私も中々に忙しい身であるかな。今日は友人であるこの子と夕飯を一緒にしようと誘ってみると、行きたい所があるって言われてね。道案内を頼んだらココだったって訳かな」
「あれ? パイさんはここに来た事あったんですか?」
「来たというよりも、たまーに忙しい時とかに、臨時の従業員として働いて貰っているんだよ。案外と人気なんだよ? っとそれよりも、坊主・・・・・・シルから聞いたけどあたし達をビビらせるぐらいの大食漢なんだって?」
「「・・・・・・え? なんでそれを?」」
驚いたような顔をする客二人に、あら? っと口元を抑えるシル・・・・・・そんな、身内の行動にやや呆れたような顔をする店主のミアは、シルに少し強めに視線を送ると、シルは小さく舌をだしてそそくさと仕事に戻っていった。
「とりあえず、念の為に予算を多めに持って来てて助かったかな。取り敢えずこれで、適当にお願いするかな」
そう言って、パイは腰からヴァリスの詰まった袋をカウンター越しにミアに手渡す。「中身は二万ヴァリスあるかな」と言うパイに、ニヤリとミアの表情も楽しげになる。
「はいよ――ところで、酒はどうする?」
「私は、度数の少ないやつで料理に合うのを順々に度数を上げていく感じでお願いするかな」
「僕はーー初めてなので弱くて飲みやすいのがあれば・・・・・・」
二人の注文を受け取った。ミアが厨房へと入ってゆき、しばらくすると金色の髪のエルフの店員が酒らしき飲み物を持ってくる。
「おまたせしました。しかし、パイがお客さんとしてくるというのは・・・・・・実に新鮮だ、そこのヒューマンの少年も楽しんでいって欲しい」
「紹介するよ、ベル。この人はエルフのリュー。ここの店員さんだよ」
「はじめまして、ベル・クラネルと申します。パイさんにはいつもお世話になっています。今日は遠慮なく楽しませていただきますね」
「礼儀正しい少年だ・・・・・・では、クラネルさん。パイ。ごゆっくり――」
小さく微笑みながら離れてゆくリュー以外にも、他の店員の猫人ヒューマンの女性・・・・・・全員が美人である・・・・・・が次々と時間を作ってパイに挨拶してくる。全員分の挨拶が済んだ頃に注文の品が到着してくる。
さて、料理が運ばれてみれば、それはかなりのボリュームのある色彩あふれる料理の数々であった。ミアも二人にしては多いヴァリスに奮発した節もある。しかし、ミアは知らなかった。『ハンター』と呼ばれる人種と、それに弟子入りしてしまった人間の普通が、自らの常識に当てはめてはいけないという事を・・・・・・。
「わぁ――とっても美味しそうですよ、パイさん!」
「相変わらず、ミアの女将さんの料理は美味しそうかな!」
では――っと揃って手を合わせる二人。そして「「いただきます!」」っと告げた瞬間――料理が端から消えていった。流石にこの世界に来て“向こうみたいな『ハンター』らしい食事の仕方”はしていないパイ。
『ハンター』らしい食事の仕方とは、とにかく詰め込む。食事など栄養補給だとでも言いたげにガツガツと食べる。別に誰かに奪われる事を危惧している訳でもなく純粋に食べるスピードが速いのだ・・・・・・そして、その姿もはっきり言って宜しくない。
最後には、満腹である事を示すように腹を叩いて満足げに食事を終える。いつもの事だと、料理を作ったアイルーが自らの料理の感想を尋ねると。「ボリューム満点な“味だった!”」や「神秘的な“味だった!”」など、独特の返答が帰ってくる。
とにかく、『ハンター』は量もよく食べる。一般人からすれば、七人前近い大量の料理も平気で平らげてしまうのが『ハンター』である。伊達に、腹が空いたからと言って狩りの途中でこんがりと焼いた、大きな肉を軽食みたいなノリで食べてしまう訳である。
そんな、『ハンター』もいくら食べ方について気を付けていたとしても、食べる量の事までは考えない・・・・・・つまり――
「「とってもおいしい! おかわり!」」
厨房で悲鳴すら上げる暇なく、店内のすべての従業員が文字通り“ビビってしまう”ほどの量の食事が始まったのであった。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ミア・グランドは後に語る・・・・・・「パイが毎回、賄いを遠慮する理由がわかった」っと・・・・・・。
腹も満たされたパイが、度数の強い酒をちびちび飲んでいると、入口の方が何やら騒がしくなってきた。隣のベルも気になったのだろう、背後を確かめるように振り返ると、あっ・・・・・・っと、気の抜けた声を漏らす。
他の客も、ひそひそと話出し――入口から入店してきた集団のエンブレムを目にした瞬間――目を反らしてゆく。
団体の客として入ってきたのはここ【オラリオ】で最大勢力と言われている【ファミリア】の一つ【ロキ・ファミリア】であった。
予約しておいた席に落ち着いた集団は、用意されていた料理と酒が行き着いたところで。赤毛の少女の音頭で宴会が始まる。
「みんなぁ! 遠征おつかれさん! フィンも元気になったし、今日は無礼講や! 飲んで騒げや!」
その、言葉を皮切りに【ロキ・ファミリア】の面々が互いに話を交えながらの酒席を楽しでゆく・・・・・・。そのタイミングで、シルが近づいてくる。
「【ロキ・ファミリア】ですね。うちのお得意様でよく使ってくれるんですよ? そういえば、パイは初めてだった?」
「うん、そうかな。それにしてもフィンって確か、あそこの団長だったよね? 元気になったって?」
パイの質問にしばらく口元に指を当てて虚空を見つめるシル。そして、自分なりに結論が着いたのか「あまり、いい話じゃないけど」っと言って説明する。
「実は、一年ほど前の事なんだけど、その【ロキ・ファミリア】の団長と団員が正体不明の怪人に襲撃される事件があったらしいの。団長は無事だったらしいんだけど、その時の怪人を逃しちゃって・・・・・・きっと、それ以降も気を張っちゃったんでしょうね・・・・・・。それに、その怪人はなんでもとても汚いものを投げてくるみたいで、ウチも裏口でやられちゃって・・・・・・あの時のミア母さんの怒りようといったら・・・・・・」
「へ・・・・・・へぇ~、そんな事があったのかな? こっ、怖いかな?」
「でしょー? まぁ、もう一年以上、その怪人も姿を現していないっていうし。大丈夫だとおもうけどね・・・・・・っと、ごめんなさい。ベルさん。すこし、話し込んでしまいました」
「いえ、大丈夫ですよ」
笑顔で話すベルとシルとパイだが、パイは内心冷や汗ダラダラである。(その事件は記憶に新しい物で犯人は私です。)などと言う訳にもいかず、『栄養剤』と『元気ドリンコ』だけでは償えそうもない事をやらかしたと再認識していた。しかも、たまーに思い出したかのように怒っていたミアの理由も初めて理解した・・・・・・そういえば、リリルカを助ける為に【アレ】を投げたのも・・・・・・思い返せばこの辺だったような・・・・・・。
まぁ、それなりに賑わう店内。妙に悪目立ちしない限りはバレたりしないかな・・・・・・っと考えていたが・・・・・・
「あっ・・・・・・パイだ」
あっさりと、以前の依頼人であるアイズ・ヴァレンシュタインに見つかるのであった。ちなみに、定期的に剣の師事は続けており、ベル同様飲み込みの速さ故にパイも喜んで続けている。
「や・・・・・・やぁ~、アイズ。この間ぶりかな?」
「なんや、アイズたんもウチの近くにきいや・・・・・・って、『便利屋』やないか! 例の件では世話になったなぁ!」
「ロキさんはお久しぶりかな! あのあと団長さんの調子はどうかな?」
「あー、変に調子ようなりすぎて、ちょっと気色悪いテンションになっとったわ。今はもう戻っとるけどな」
「何をやってるんだい? ロキ・・・・・・この人たちは?」
「おお、フィン。丁度いい所に来たな、この白髪のお嬢が以前の栄養剤を譲ってくれた『便利屋』のパイや」
「え!? あの栄養剤をかい? そうだったのか・・・・・・ありがとう。おかげでとても助かったよ」
胃を痛める原因を作って、後に栄養剤を送る。酷いマッチポンプに対して心の底からの笑顔を浮かべるフィンにパイの少ない良心が痛み出していた。
「そっ・・・・・・そうかな? うん喜んでもらったならよかったかな?」
その後はお互いの席へと戻り酒や料理を楽しんでいた。しかし、そうなると会話のネタも少なくなってゆき、ついつい最近の話題などになってくる。
「でもさー今回の遠征は散々だったよねー【大双刃《ウルガ》】も溶けちゃうしさー」
「ぶつくさ言わないの、命あるだけましでしょ?」
「ティオネはそう言うけどさーってそういえば、帰りに逃げ出したミノタウロスさ結局どうなったの?」
「そういえばそうね、アイズ。たしか貴方とベートが最後まで追いかけてたわよね?」
第一級冒険者のアマゾネスである、【大切断】のティオナ・ヒリュテとその姉の【怒蛇】のティオネ・ヒリュテは同僚の【剣姫】のアイズに当時の様子を尋ねる。
「うん、ベートさんが気持ち悪かった」
「アイズ? 聞き取れてなかったら悪いんだけど、私達、ミノタウロスの話題してたのよ?」
「ごめん、端折りすぎた。実は・・・・・・」
アイズがミノタウロス逃亡の一部始終を語ると「うへぇ・・・・・・」っと姉妹の顔が歪む。
「「えっ・・・・・・なにそれ、そんなの“【凶狼】”じゃないじゃない、デレデレワンコじゃない」」
「ね・・・・・・気持ち悪いでしょ?」
「「確かに!」」
「お前ら、人に喧嘩売ってんのか?」
どこか異質なガールズトークに青筋を浮かべて引きつった笑みを浮かべているベートがその会話の中へと入ってゆく。
「あっ、デレデレワンコ」
「出たわね、ツンデレデレワンコ」
「あっ、気持ち悪くないベートさんだ」
ティオナ、ティオネ、アイズの順に好き勝手に言われる青年、ベートは心の中で涙した。
「ねぇねぇ。ベル。もしかして【凶狼】ってあそこで一瞬で老け込んだ狼人の青年の事かな?」
「えっ!? あっ、そうですよパイさん! あの人がベート・ローガさんですよ!」
「なんと? なら挨拶とお礼言わないといけないかな」
遠巻きに会話を聞いていたパイがベルに確認を取ると、二人は席を立ってベートの近くまで歩いてゆく。
ティオネとティオナもパイの存在に気づき視線を向けると、アイズも近づいてくるのが例の少年だとその時初めて気がついた。
「こんばんはかな、私は『便利屋』のパイだよ? そちらのベートさんにお礼を言いに来たかな。べートさんベルとリリを助けてくれてありがとうかな!」
「こんばんは、【ロキ・ファミリア】の皆さん、僕はベル・クラネルです。ミノタウロスの件ではべートさんに助けていただきました。」
『便利屋』の異名は【オラリオ】にも浸透しているので、ティオネもティオナも直ぐに「ああ、貴女が例の・・・・・・」っと理解する。
「ん? おお、ベルじゃねぇか・・・・・・礼なんざいらねぇよ・・・・・・ところで」
「ああ、この人は僕の師匠にあたります」
やっと、心の折り合いを付けたべートが返事を返し、となりの『便利屋』とやらとの関係を聞こうとするが、それをベルが先手をとって紹介する
ベルの事を一目置いているベートは知らずのうちに目の前の女性を見る、強そうには見えないが底を測れるような気もしない。不思議な感じの人間であるとべートの中にある野生の本能が告げている。
「ほぅ・・・・・・ベルの師匠ね・・・・・・」
「ついでにいえば、私を鍛えてくれている人でもある」
「「「マジで!?」」」
まさかに身内からの言葉にその場にいたアマゾネス二人とべートが驚愕の事実に同時に叫ぶのであった。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そのまま、【ロキ・ファミリア】の中で談笑していたベルとパイの話題は、基本的にベルのものとなっていた。ティオナもベルとは英雄譚という共通の話題で盛り上がり。それを呆れながらも聞くティオネとアイズとべートはパイと戦闘面での議論を交わしている・・・・・・そして、夜も更けた頃
「でも、あの時にミノタウロスとの戦闘はすごかったよ。パイの弟子だったって事で納得はできた」
「まぁ、技術に関してはなかなかにすげえな・・・・・・それは認めてやるよ」
「それでも・・・・・・べートさんとアイズさんに認めて貰えた事は・・・・・・嬉しいです」
「・・・・・・なぁ、調子には乗るなよ? ベル」
「・・・・・・え!?」
べートの突然の否定を帯びた言葉にベルは戸惑いのを隠すせず硬直する。そんなベルを見てベートは伝えるべき言の葉を続ける。
「いいか? 俺は雑魚が嫌いだ。確かに、ベルの事は俺も認めている。それは確かだ、それでもお前は“雑魚でしかない”。高Lv.の戦いに置いて技術で補える点は【ステイタス】の壁を補う事は・・・・・・出来たとしてもだ。本に書いているみたいな、大昔のダンジョンのモンスターを・・・・・・それこそ“生身”で倒せるような連中がいるならば、例外だが。少なからず、お前はミノタウロスに“致命傷を与えられなかった。”・・・・・・“努力を重ねようと、気持ちが前に進もうと、結果に繋がらないとどうにもならないのが”冒険者だ」
「それは・・・・・・いえ、べートさんの言う通りです・・・・・・。あの時、“助けてもらって”なかったら僕達はどうなっていたか・・・・・・」
ベルの素直な反応にべートは苦笑を浮かべる。
「そうだな、“助けてもらう”内はお前は“雑魚”でしかない、いつだって危険は常にあると思うのが冒険者だ。それを考えない奴は・・・・・・強者からすれば“雑魚と呼ばれてもし彼方ない”だろ・・・・・・だから――」
ベートはベルへ向けている視線をさらに強くし――睨むようにしながら告げる。
「――雑魚じゃあ・・・・・・この俺の隣には釣り合わねぇって事を覚えておくんだな」
そのべートの言葉に先程まで“何処かにやけていた”ベルの表情が強ばった。そして知らずに握った拳の感触に自らが感じた感情の正体を知る。
(悔しい! 実力不足なのもあるけど、なにより、この人にあんな事を言わせてしまった自分が・・・・・・情けなくて、悔しい!)
歯を食いしばり、耐えるようにうつむくベル・・・・・・。そして、数秒の時を経て、確かな意思をその紅玉の瞳に満たし。目の前の・・・・・・憧れの対象――へと向ける。
「・・・・・・強くなります! いつか、あなた達と肩を並べられるような・・・・・・そんな冒険者になります!」
「ふむ・・・・・・よくぞ、言ったかな、ベル!」
そこで、パイが話に乗りかかる。視線を合わせてくる、真剣な表情のベルを見据え――パイは頷き、ベルも頷く。
「強さとは一日で物にならないかな・・・・・・だからこそ、私はベルにこんな言葉しか言えない・・・・・・」
「はい・・・・・・大丈夫です。今までもそうでした、そしてこの時も・・・・・・僕達にはあの言葉があります」
「「ひと狩り行こうぜ!!」」
まったく同じタイミングで叫んだパイとベルは即座に『豊穣の女主人』の入口へと駆け出す。
最後に入口で振り返った、パイが「ミアの女将さん! もし今日の分足りなかったら後日もってくるかなー」っとだけ伝えると夜の街へと消えていった。
嵐のような一幕に呆然と見送る『豊穣の女主人』の女将と店員・・・・・・そして【ロキ・ファミリア】の面々。
「全く・・・・・・らしくねぇな」
そう言って、瞳を閉じながらも自らの席に乱暴に座るべート。息を吐いて目を開けると、そこに広がる光景は・・・・・・何やら感動に瞳を閏わせるフィンやロキ達古参達と、気味悪いものを見るような同レベルのメンバー。そして、なにやら、今までの見方を変えようとしている。下のLv.の連中・・・・・・。
「・・・・・・なぁ、フィン、ババア、ジジイ・・・・・・俺、ひょっとしてやっちまったか?」
なんだかんだで想定外に事が進んでいると理解し、冷や汗をかいているべートは唯一の変わらない常識人へと助けを求めるが・・・・・・。
「べートがあんなに他人の事を考えてくれていたなんて・・・・・・僕も年齢を取ったか・・・・・・涙脆くなったものだ」
「仕方ない・・・・・・フィンはこの一年、あの『妖怪フン投げ』の驚異に常に気を張って居たのだ。今ぐらいは『団長』の肩書きを抜いてもいいであろう」
「リヴェリアの言う通りじゃ! フィン。お前は働きすぎじゃ! お前の気持ちと行いは、ちゃんと後世に繋がれておる!」
「せやな! ウチもべートの事「ツンデレな空気の読めない奴」やと思ってた! でも、それは間違いやった!」
「・・・・・・」
(いやいや・・・・・・どうしたよ? こいつら・・・・・・ここ一年はフィンの野郎が気を張っていたのは知っていたが・・・・・・そんだけやばい案件だったのか?)
幹部・・・・・・それも、【ファミリア】のトップ3と主神の対応に何処か引いた気持ちで見つめるべート。次に同じLv5の仲間達へと視線を向けると――異常なモノでも見るような五つの視線が突き刺さる。
「・・・・・・なんだよ? バカゾネス、アイズ、ラウル・・・・・・それに、レフィーヤまで・・・・・・」
「うわっ!? べートが人に気を使うなんて・・・・・・気色悪ッ!?」
「ちょっと、ベート大丈夫? なにか変な物、拾い食いしたの!?」
「・・・・・・えっ?」
ベートは耳を疑った。今までなんだかんだでケンカしてきたアマゾネスのティオネ・ヒリュテの暴言とその双子の妹のティオナ・ヒリュテの本気で心配する声につい戸惑い、間の抜けた声を上げてしまった・・・・・・そして。
「べートさん・・・・・・【ディアンケヒト・ファミリア】に行こう。アミッドならきっと治してくれる」
「えっ!? ええっ!? べートさんっすよね? えっ? 偽物とかっすか?」
「ちょ・・・・・・ちょっと、ラウルさん、偽物は失礼ですよ!? えっと・・・・・・もしかしたらお酒を飲みすぎただけかもしれませんし・・・・・・多分」
「・・・・・・えっ?」
【ファミリア】の剣士であり、同じLvであるアイズの言葉も中々に酷い物であった。淡い想いを向けている相手からの真顔で【聖女】の治療を推奨されてしまったベート・・・・・。アイズのよくある、天然なのか真面目なのか判断に迷う。
続いて、【ファミリア】の貧乏くじ担当のラウルとレフィーヤの二人が慌て、混乱している。ラウルは何故か、只管に周りを見渡し。レフィーヤに関しては「酔ったら。お水ですよね!」と言いながらもコップに酒を注いで渡してくる。明らかにパニックになっていた。
酷い言われようである。ベートは手渡された酒に口をつけながらやるせない気持ちになっていた。べート自身も決して【ファミリア】内でほかの団員達と仲良くしているなどと日和った事などしていないという自覚はあった。だからこそ力を示した。少しでも前に進み、その在り方でベート・ローガと言う強者の姿を示してゆく。そんなやり方をあえて選び行動してきた。
しかし、今回の事で思った・・・・・・想いだけでも、力だけでも・・・・・・伝わらねぇんだな・・・・・・っと。
後の話になるが。【ロキ・ファミリア】で『ベートがデレデレになっちゃった事件(ロキ命名)』の後でLvの低い団員達が少しでも現状を変えようと鍛錬に励み。賑わう訓練場で時たま悪態を付きながらも団員のアドバイスや面倒を見ている狼人の青年の姿があるとか・・・・・・。
――――――――――――――
「突っ込むかな―!」
「はい! いきます!」
パイ・ルフィルはベル・クラネルと共にダンジョンを駆けていた。
強さに憧れる少年と共に走り抜けてゆく階層はどんどんと下層へと向かってゆく。きっとベル一人ならばある程度の段階で止まっていたのだろうが、今回は動くトラブルメーカーと一緒である。無論そのトラベルメーカーはパイである。
パイは、相変わらずの何処かズレた価値観の元行動した。だからこそ“彼女を信じたベルは後悔することになる”っといよりも、村での鬼畜な修行で懲りていない少年であるベルも大概なのだが・・・・・・。
そして・・・・・・階層は恐ろしい速度で道中の敵を蹴散らし・・・・・・たどり着いた場所は・・・・・・一三層であった。最初の死線(ファーストライン)とも呼ばれる中層域であり。馬鹿でもない限りは準備もロクにしないLv1が来る場所ではない。
テンションは無駄に上がり、酒の力で後先考えていない二人はさらに暴挙に出る。目の前には更に地下へとつながる『穴』がある。
そう・・・・・・忘れてはいけない。この『ハンター』の悪癖を・・・・・・。なにか、変なセンサーでも搭載されているのか。穴の方向を無意識に認識したパイは、隣のベルの手を急に掴むと、一瞬、戸惑うベルを無視し――そのまま穴へと飛び込んだ。
「って! パイさん! それは流石にないですよおおお・・・・・・ぉぉぉ・・・・・・」
穴へと落ちてゆく少年の悲鳴がエコーを残してダンジョンに残響を残す。一匹のウサギのようなモンスターのアルミナージが何処か同情を含めた視線を穴へと落ちていった冒険者へと向けていた・・・・・・ひょっとしたら同類と思われたのかも知れない。
そして、落ちた先は・・・・・・たくさんのミノタウロスの群れのど真ん中であった。
そして――冒頭に戻るわけである。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ベル・クラネル
Lv.1
力 :I 47 →:E 471
耐久 :I 1 →:D 573
器用 :I 89 →:F 391
敏捷 :I 79 →:E 489
魔力 :I 21 →:I 61
《スキル》
【狩人之心《ヒト狩リ行コウゼ》】
・モンスターとの戦闘時の【経験値】の取得上昇。
・パーティを組む事でステイタスの上昇。
・笛を吹くと体力を微量回復することが出来る。
【狩猟】
・ドロップアイテムをモンスター死亡時一定時間以内“剥ぎ取る”事ができる。
【調合】
・素材と素材を組み合わせることで別の物を作ることができる。
・一定の確率で【もえないゴミ】を生成する。
【憧憬一途《リアリス・フレーゼ》】
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈による効果向上。
「「言い訳を聞こうか?」」
感情の抜け落ちたような瞳で簡潔に問いただすヘスティアと自分の主神のミアハにパイは愛想笑いで返す。ここは【ヘスティア・ファミリア】の本拠である、朝になっても戻ってこない眷属を心配して外で待っていたヘスティアは廃墟みたいな教会に近づく影を見つけ近づくと・・・・・・そこには悲惨という言葉すらも生ぬるいような己の眷属の姿とその眷属を背負ってくる知人の姿であった。
ベルは・・・・・・生きてはいるけど、絶対安静の状態であった。ミイラみたいに全身を『青の薬舗』から持って来たポーションで浸した包帯で巻かれている。事情を知らなければ誰か分からない状態である。とはいえ『ポーション』や『回復剤グレート』も使っているので。後遺症もなく明日にはいつもどおりに戻っているだろう。
ミノタウロス十体にボコボコに殴られても、生きていたら案外何とでもなるもんだ。パイは遠い目をしながらも、この世界の技術の高さに感心していた・・・・・・さて
「いやぁ。ミノタウロス相手にどこまでいけるかって思ったんだけど、まだ今のベルじゃ厳しかったみたいだね・・・・・・まぁ、そんな気はしてたかな」
「君は僕の子供を殺す気か!?」
ヘスティアの叫びにパイもやりすぎた事もあって素直に頭を下げる。そして言い訳になるけどと断りを入れてから話す。
「いやぁ・・・・・・ブラッドザウルスも倒せたからいけると思ったかな」
そんなパイに呆れた溜息をつくミアハもパイにこの世界の常識を教える。
「一応、知らなかったと思うから教えておくぞ? パイよ。外のモンスターはダンジョンのモンスターに比べると格段に弱いのは・・・・・・存じているか?」
「・・・・・・え・・・・・・? そうなの・・・・・・かな? えっと・・・・・・ミアハさん? ちなみに、こっちじゃ三十階層で出現するらしいけど。外のは大体どのくらいなのかな?」
「十一階層あたりのオークよりすこし強い程度・・・・・・とは話に聞いてる・・・・・・」
「まじかぁ・・・・・・よくあそこまで戦えたかな・・・・・・流石はベルだね」
感心しているパイに手を振ってヘスティアがツッコム。
「いやいや、そもそも何をしたらあんなになるんだい? 怪我然り、ステイタス然り」
「えっとね。十三階層で穴の中にダイレクトジャンプした後に、ミノタウロスの群れの真ん中に着地したんだけどね。そこからかな、流石に多勢に無勢って事で逃げ出したの」
「・・・・・・うん、そこに関してはツッコマないぞ! 続けてくれ」
「それで、私が戦って倒すのは簡単だったから、ベルに私の『オーダーレイピア』を貸して、戦わせる事にしたのかな。いやーあの時のベルの動きは中々に凄かったかな、人間死ぬ気になったらあんな風に動けるんだって思ったかな」
「・・・・・・で?」
「まぁ、それでも流石に多勢に無勢で、一発ミノタウロスの一撃を受けたらそのままフルボッコ・・・・・・ヘスティア・・・・・・?」
そこまで語り、パイは目の前に女神がとても。とてーも昏い笑顔を浮かべている事に気づく、もはや闇落ち一歩手前と言われても仕方ないレベルである。
「ふふ・・・・・・ふふふ・・・・・・」
「いや! まって欲しいかな! 直ぐに『閃光玉』で助け出して、『回復剤』は飲ませたかな!」
「そうか・・・・・・それで済むと・・・・・・オ・モ・ウ・ナ・ヨ? トビ子クン?」
どうやったのか、ソファーに座った状態から跳躍したヘスティアは奇声を上げながらパイに突撃する、猫のようなケンカを開始した二人の凸凹な童顔な二人を何処か、引いた目で見ていたミアハは、呻くベルの介抱を行うのであった。
ベル君。結局ボロボロになる。