遠くへ来た、思い出の地へ歩めば。そこは別の風景だった   作:ARice アリス

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部屋主銀河連邦士官、特異宇宙的狐娘存在に巻き込まれる第三種接触JK

 

彼女がランダムジャンプによって二階の床を突き破り、住居一階の管理人の部屋のバスタブを重鎧で叩き割っている頃

 

 

彼の執務の一日が始まった。今日も三十六階のビルディング、といっても縦長くあっても中身は異空間となっており。実在の質量とは異なる広さ、機能面も考えられ、だいたい30平方ワンフロアごと彼の室長室となっていた。これは警備上の問題も解決しており、ビルの入り口には個人認識パスコードにより歩くと各階層に短距離質量空間移動が可能となるのだ

 

今日も鍬と鎌、レッドスターの遺志を継ぐ極円環圏共和国との国境における情勢悪化の煽りを受け

宇宙空間漂流難民(デブリ・ドリフィングス)キャンプの治安悪化について

各階層の銀河国連の連邦食糧危機責任者と国防軍、政府関連企業との打ち合わせを国家重要会議チャンネルのサーバーを通して

時折サンドウィッチ、惑星天然水などを各々口にはさみつつ、仮想会議を行っていた

 

ボランティア体験を行い、病床や水不足にあえぐ現場を見てきた国連のお偉いさんは部署による指向性の違いにより公述に速記として載せられない言葉のスラング等の荒々しさが軍部関係者へと目立ったが政治家連中が緩衝材として角を納めた。

 

『大尉、』私の室内エリアにコール音と共に思考加速が早まった

 

これは緊急の通信の場合に発生する軍事行動警告だ。重要人物などの危険事態に対して電子頭脳の演算領域を各惑星および軍船から代替わりしながら体感と義体の加速を行うのだ。

 

 

土星大気圏宇宙間エレベーターに設置されている高部位置に慣性重力制御するこの構造都市は

窓を見ると外円東部の民間エリアから黄色い警告カラーへと街が色を変えた

 

「何が起きた。」『異空間、ランダムジャンプです。我々の科学力を上回る異物です』

 

「…今まで人類が惑星調査とコロニー乱開拓政策の開発によって発見された

  古代生命体とやらはせいぜい石器時代の爪痕だと聞いたが?」

 

『判りません、艦船移動用のエネルギーとも付きません。

  百メートル単位で現在、区画では真空隔離しております

 発見された反物質容器は教皇貴族連合のものと一致しております』

 

反物質、スキャンの結果内容物は気体状の物。

 

『自動的に安全領域まで区画分離し、様子を見ます。民間人の救助については』

 

「ああ、ありがとう。管理人とは顔を合わせた仲だが、う"ん、公私は弁える。」

 

 

『保管物には人害となる恐れもありますが。調査として無人偵察ユニットによる観察を行っております』

 

 

『保管物が同様の反物質、それも最悪の場合で不安定状態であれば

 微振動によってこの惑星の半分が消し去ることとなります。

 なので大尉には離脱していただき…

 緊急事態につき高速艇である雷撃軽駆逐艦ヴァリィキリアに乗船してもらいます』

 

「そこから惑星間ワープか」

 

『のちに優先順位としてはそのように』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワープ完了、状態、真空。範囲、地形、土星上宙空間上百メートル間隔の隔離空間。民間人一名。

 

 

「なん、何?……うん、大丈夫、怖くない。こわくないよ…よし、よ~し。」

 

 

「母さんに連絡してみるか…って通信切れてる…当たり前か…」

 

 

 

「異星人拾っちゃった。」とりあえず空気と酸素マスクを使用した若干14歳のハイスクール…の

 

…親の転勤の関係でここに引っ越してきた翠掛かった玉虫色ロールテール髪の女子高生は

 

狐耳しっぽの赤子を抱き。ベッドに腰かけ途方に暮れていた

 

 

 


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