魔法先生ネギま ~なんか違うネギせんせー~   作:アリアンロッド=アバター

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二話 仕置き

「ホッホッホ、よく来たのう。英雄の息子……ネギ・スプリングフィールド」

「初めまして、ネギ・スプリングフィールドです。あなたがこの麻帆良学園の学園長、近衛近右衛門さんですか……聞いていた通りですね」

「ほぉ、ワシのことを? 一体誰からじゃ?」

「筋肉ダルマ」

「……お主、あ奴を知っておるのか?」

「知っているというか、僕が押しかけて弟子にしてもらったというか……。まぁ、一応師弟関係ではあります。たまに仕事に連れてってもらうこともあるので、仕事仲間でもあるかな?」

「なんと……! あ奴の弟子じゃと!? それに、仕事と言うのは……」

「勿論、傭兵の仕事ですよ。魔獣退治とか盗賊の討伐とか……いろいろと」

「その年で……か?」

「ははっ、父さんやあの筋肉ダルマも似たようなものでしょう? 好きでやってますのでご安心を。腕っぷしの方も、まだまだ修行中とはいえ、それなりのモノだと自負していますので」

「ふぅむ……。孫のいる身としては、お主のような子供に戦い何ぞさせたくないのじゃがのう……。じゃが、お主にはすでに覚悟がある。覚悟を決めた者を止めることは出来ぬからの。それに、高畑先生が知っておって止めぬと言うなら大丈夫なんじゃろうな。お主がそういう生き方をすることに対して、これ以上は何も言わぬよ。ただ、この学園にいる間くらいは、戦いから離れてゆっくりと教師に専念したらどうじゃ?」

「修行ですから、僕に出来る限り最高の先生をすることを約束しますよ。……さて、挨拶はこのくらいにしておきましょう」

 

 そう言って僕は、今まで纏っていた外行用の雰囲気をガバリと脱ぎ捨て、かぶっていた猫を住処に帰す。気持ち威圧感を放ち、殺気を漲らせた。

 

 そして、きっと目の前の妖怪のような老人……麻帆良学園学園長、近衛近右衛門を睨みつける。学園長……もう妖怪爺でいいか。妖怪爺は、僕の視線を受けてビクッと肩をこわばらせた。

 

 怯えても無駄だよ。一か月間ために溜めた文句の嵐……。今ここで、解き放つッ!

 

「ど、どうかしたかの……?」

「どうかしたか……じゃないわ! 何を考えてるんだアンタ!?」

「ひ、ひぃ!? な、なんじゃあ!?」

「なんじゃあでもないわ! ちゃんと魔法学園で聞いてきてるからな。僕の修行先を麻帆良学園に指定したのがアンタだって事。なぁ、学園長? 僕が何歳か、ちょっと言ってみ?」

「か、数えで十じゃったかのう?」

「そうだよ! この国の歳の数え方ならまだ九歳だよ! これも調べたことだけど、この国じゃ教師どころか働くことすらできない年齢だよね!?」

「そ、それはそうじゃが……君は魔法使いじゃ。そのくらいの困難、乗り越えて見せて……」

「僕に教師をやる力があるとか、そう言うのはどうでもいいの! いや、そこも十分問題あるけど! 僕が言いたいのはそこじゃない!」

「で、では、何を言いたいのじゃ?」

「教師になるってことは、僕に教えられる生徒がいるってことだ。どのくらいの期間か分からないけど、僕に……『魔法使いになるために教師をやらされる』人間に教わる生徒がいるってこと。それが良いことか悪いことかくらい、言わなくても分かるよね?」

「…………」

「教師として人に教えることを目標として教師になった人間と、そうじゃない人間。どっちに教えてもらいたいかなんて、考えるまでもなく前者だ。……僕は、力が欲しい。魔法使いとして、戦闘者として、強力無比な力を欲している。それ以外には何も考えていないくらいにね。けど、その過程に、何ら関係ない未来ある若者を巻き込むことを良しとするほど、落ちぶれちゃいないと思ってるよ」

「……そうじゃのう。お主の言うことは、正しい。正直に言うとな、ワシはそこまで考えておらんかった。ただ、お主の話をメルディアナの学園長に聞いておっての。お主にはにはこの修行が必要じゃと思ったんじゃ」

 

 と、妖怪爺は真剣な口調で言った。ふむ……ふざけた修行内容だと思っていたが、この妖怪爺にも何か目的があってこの内容にしたのだろうか? まぁ、どっちにせよ、生徒たちの心情を思えば、僕が教師なんて即刻辞めるべきなんだろうけど……。

 

「一応聞いておくけど、修行内容を変更する気はない?」

「ないの」

「……そう。なら、僕は僕なりに教師ってものをやってみるよ。はっきり言って、ロクなことにならないと思うけど……」

「いやいや、そんなことないぞ。ネギくんならきっとよき教育者になってくれるはずじゃ」

「……その根拠は?」

「勘じゃの」

「…………」

「ホッホッホ、じょーだ」

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル、契約に従い我に従え高殿の王……」

「んんんん!? ちょっ! 待つのじゃネギくん! こんなところで極大呪文はダメじゃぁああアアアアアア!!」

 

 慌てて逃げようとする妖怪爺。真面目な話の途中に変なジョークを混ぜるのが悪い。さぁ、最高峰の雷魔法を食らうがいい!

 

「ぬ……ぬぉおおおおおお! ムラクモ・ルラクモ・ヤクモタツぅうううううううう!!」

「来たれ巨神を滅ぼす燃ゆる立つ雷霆、百重千重と重なりて走れよ稲妻ぁ!!」

 

 

「喰らえッ! 『千の雷』!!」

「ぜ、全力防御ぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」

 

 

 ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

 

 妖怪爺へ、無数の雷撃が突き刺さり、大爆発を起こした。威力をかなり抑え、範囲も限定的にしたため周りへの被害は出ていない。

 雷撃が収まると、そこには全身を真っ黒こげにした妖怪爺の姿が。髭をもじゃもじゃにして、「ケホっ」と煤を吐いた。

 

 ふぅ……仕置き、完了。

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