サトシの兄な転生者   作:ゼノアplus+

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ハッピーバースデー

17話

 

 

アローラパンケーキレースの翌日、いつも通りに出勤した俺はHRの時間まで職員室で書類仕事をしていた。プラスルが頭の上にいるので若干バランスを取りながら、だ。そんな時……

 

 

「サトル先生!!今すぐ来て!!」

 

 

マオちゃんが大急ぎでやってきて俺の名前を呼んだ。ほかの先生方もなんだなんだとマオちゃんを見ている。

 

 

「どうした?」

 

「リーリエがお世話してる卵が孵ったの!!」

 

「ッ!!わかった、すぐにいこう。プラスル起きろ」

 

「……プラ?プラ!!」

 

 

待ちに待った日がやってきた。ククイ博士がいないが仕方ない。とりあえずは俺達だけで向かう。

 

 

「ガルさん達をつれてきていれば良かったかな」

 

 

新たな生命の誕生の瞬間。ゴーストポケモンにとっては複雑な心境だろうが、そうだからこそ立ち会わせてやりたかった。ちなみに、ボーさんとプラスルしかいません。他のメンツはのんびりするってよ。

 

そうして教室までたどり着いた俺は、刺激しないように一旦部屋の外から様子を見た。しかしその時……

 

 

「みんな!!これを見てクレッフィ!!」

 

「ぐはぁっ!?」

 

「プラッ!?」

 

 

後ろから走ってきたオーキド校長が俺にぶつかり、俺が吹っ飛ばされた。校長の手には、俺達がアローラに来た時に渡したタマゴが。しかも少し発光している……え、そう言う感じ?

 

起き上がって校長が机にタマゴを置くと、タマゴが帰ってカントー地方のロコンが生まれたのだった。

 

 

「コォン……」

 

「コゥン?」

 

 

ふと隣を見れば、リーリエが世話をしていたタマゴの方からもアローラのロコンが孵っていた。両方ロコンとかどんな偶然やねん……

 

 

「リーリエはどうしてロコンに触らないんだ?」

 

「あー……いつもので触れないっぽくて」

 

 

ふむ……自分が世話をしていたタマゴでも無理か。まあしょうがないだろう。トラウマ系は仕方ない。なぁボーさん?

 

 

カタカタッ……

 

 

ふっ……ごめんって。腰のボールが揺れてボーさんが抗議してきた。

 

 

「コゥン……」

 

 

アローラロコン……ああ、長いからリーリエがタマゴの時に呼んでいたシロン、と呼ぼう。シロンはやはり生まれたばかりで不安なのか、リーリエの方に近づいた。

 

 

「へう……」

 

 

リーリエが変な声を出している。まあ慣れていくしかない。頑張れリーリエ。そして、サトシ達が順々に自己紹介をして行った。途中サトシが凍らされたり燃やされたりと一悶着あったが、孵ったばかりの子にテンション高く詰め寄るのも良くない。

 

 

「じゃあ次、サトル先生!」

 

 

スイレンちゃんの声で、俺もシロンに近寄った。

 

 

「やぁ、サトルって言う。コイツはパートナーのプラスルだ。生まれたばかりで不安な事もあると思うけどよろしくな」

 

「プラプラ〜!!」

 

「…………?」スンスン

 

 

簡単に挨拶したらシロンが首を傾げながら擦り寄って来て俺の匂いを嗅いでいる。

 

 

「コォンッ!!」

 

「うわっと……結構冷たいなぁお前。アッハハ……くすぐったいぞ」

 

 

突然腹部にタックルしてきたのでなんとか捕まえる。そして顔を擦り付けてきた。なんで懐かれてるんだろうなぁ俺。カントーロコンは好奇心旺盛なタイプで、ポケモン達ともすぐに仲良くなっていた。プラスルもいつのまにかな。

 

 

「あれ?先生に懐いちゃったみたい」

 

「今のところ、リーリエと先生にしか懐かないっぽいね〜」

 

「どうしてでしょうか?」

 

 

みんながシロンを眺めながら疑問を口に出していく。いや、正直俺も分からん……

 

 

「ふむ……おそらく、サトル先生がその子見つけてきたからじゃないかナックラー!!」

 

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

「あ、そう言う事か。お前タマゴの時から覚えてたんだな〜。嬉しいぞこのやろう」

 

「コン!!」

 

 

まあ確かにラナキラマウンテンでキュウコンからタマゴを受け取ったのは俺だが……あ、今度兄ロコンにも会わせてあげたいな。

 

 

「え、ちょっ……え?先生がシロンを見つけてきたの?」

 

「兄ちゃんいつのまに……」

 

「あー……この前、ウラウラ島に行くことがあってな。折角だからラナキラマウンテンに行ったら色々あったんだ」

 

 

少し内容を濁して言う。その方がいいだろうし。

 

 

「うん、一回降りてくれ」

 

「コゥン」

 

 

素直に俺の腕から降りてくれる。うん、いい子だ。

 

 

「そういえば、校長。両方生まれたって事は、タマゴの観察は終了ですか?」

 

「ああ確かに。でも、このままこのロコン達を育ててみるのはどうだろう?」

 

 

俺がふと、校長に聞いてみたがどうやら良い方向に進みそうだ。

 

 

「この子は……サトル先生、育ててみるカイロス?」

 

「コン?」

 

 

校長がカントーロコンを抱きながら俺に聞いてきた。うーん……

 

 

「コン!!」

 

「ぬ?」

 

 

どうやら校長の方がいいらしい。じゃあ決まりだ。

 

 

「校長の方が良いみたいですよ」

 

「そのようだね。じゃあこの子は私が、その子は君達で育ててみるといい」

 

 

校長が生徒達にシロンを任せることにした。まあその方が良いだろう。

 

 

「なあ?」

 

「コン?」

 

「誰と一緒にいたい?」

 

 

俺はしゃがんで、シロンに聞いた。大体答えは分かってるし、他のみんなも笑っている。でもこういうのはこの子の意思確認も大事だ。

 

 

「コォン……コンッ!!」

 

 

少しずつ歩みを進めたシロンは、リーリエの前で立ち止まって吠えた。

 

 

「え……わたくし?」

 

「リーリエちゃんがいいらしい。皆は不満か?」

 

「「「「「「「まさか!!」」」」」」」

 

 

満場一致だ。

 

 

「あとはリーリエちゃんが良いかだ」

 

「えっと……わたくしでいいのですか?」

 

「コォン?……コン!!」

 

 

嬉しそうに声を上げて何かを待っている。ここまで来ればやることは一つ。

 

 

「リーリエちゃん、これを」

 

「モンスターボール……分かりました!!」

 

 

俺は常備している未使用のボールを渡し下がる。

 

 

「すぅ……行きます!!モンスターボール!!」

 

「あてっ!?」

 

 

かなりの大振りで投げられ、大きく弧を描いたボールはゆっくりと直撃、サトシの頭にだ。

 

 

「コン」

 

「あっ……」

 

 

転がったボールを見たシロンはそれに近寄り、自分からスイッチを押してボールに入った。特有の音が鳴り、最後にカチッと鳴った。自分からボールに入ってくるのを見るとヒトモシだったころのデラさんを思い出す。イッシュで出会った時はわざわざ俺のカバンのチャックを空けてボールに触れてきたからな。プラスルが食ってたヒウンアイスに味をしめたっぽいんだよ。ああ、思い出したら久しぶりにヒウンアイスを食べたくなってきた。

 

 

「シロン……ゲットです!!」

 

 

この日、一人のポケモントレーナーが誕生した。彼女はその身にトラウマを抱え、ポケモンを触ることが出来ない。それでもポケモンに対して真摯に向き合い、良く勉強し、理解しようとする姿勢はとても評価できる。ジムリーダーとして、先生として、そして何より少し先輩のトレーナーとして、彼女が望むなら出来るだけ手伝おう。

 

 

「サトル先生!!時間があればその……一緒に帰りませんか!?」

 

「……へ?」

 

 

どうやら俺の出番は、すぐに来たらしい。

サトルの6体目は?

  • (ピカチュウ大好き)ミミッキュ♂
  • (海で出会った)プルリル♀
  • (いたずら大好き)カゲボウズ♂
  • (ポケヒロイン!)ムウマ♀
  • (タイプは被らないように!)ユキワラシ♀
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