ここは天宮市と呼ばれる日本の都市。その天宮市にある来禅高校で今、異常なことが起こっていた。来禅高校の敷地内にいる人々が意識を失い始めた。この異常事態を起こしたのは時崎狂三と呼ばれる生徒である。彼女はただの人間ではなく、精霊と呼ばれるもの、識別名は《ナイトメア》、数多くの人を殺害、喰らいつくした精霊である。今現在、彼女は《時喰みの城》という結界をはり、結界内の人々の寿命を奪い取っている。
さて、そのような精霊がなぜそのようなことをし、なぜこの高校にいるのか。彼女の現在の目的は五河士道を喰らうこと。危機にさらされた五河士道を助けようと、夜刀神十香、鳶一折紙の二人が屋上に向かっている。
二人は間に合うのか、はたまた、他のだれかが五河士道を助け出すのか、この後の話はご自分の目でお確かめを…
パタンッ
「ふ~ん、そんなことが起こっていたとはねぇ。ま、あたしには関係のないことかな。」
《時喰みの城》、この結界内で平然と椅子に座っている女子生徒がいた。彼女にはこれといった特徴はない。髪の色が奇抜?派手な服装?特徴的な話し方?そんなものは一切ないどこにでもいる普通の女子高生だ。であるならば、なぜこの結界内で平然としていられるのだろうか。
「あら?なぜあなたのような普通の人間が結界内で動けているのでしょう?」
そんな女子高生が椅子でのんびりと本の続きを読もうとしていると、時崎狂三が現れた。
「う~ん、これは想定外かな?まさか、本に載っていない行動をするなんてね。ねぇ、今から私は倒れるから見なかったことにしてくれない?お願いだから、ね?」
女子高生のこの言動に驚いたのか、時崎狂三は一瞬呆けたが、
「それは駄目ですわぁ。あなたに少しだけ興味を持ってしまったのですもの。」
時崎狂三はそういうと、古式の歩兵銃を女子高生に向け、発砲する。
この状況で普通の女子高生であれば、死んでいただろう。
「茜鷹」
ただし、何の力も持たない女子高生の話であればだけどね。
女子高生がつぶやくと彼女の持っている本から何かが飛び出し、銃弾をはじく。
「なっ!?」
弾かれた銃弾は時崎狂三の顔を掠める。
銃弾をはじいた正体、それは、小さな赤い鳥のようなものだった。
「そ、それはいったい…」
「これのこと?」
女子高生は鳥のようなものを触れながら、
「これはね、ディスクアニマルという式紙みたいなもの、といえばいいのかな?けど、教えたところで意味はないかな?」
「ど、どうしてですの?」
時崎狂三はいいようのない寒気を覚えながらも尋ねる。
「だって、あなたはここで死ぬからね。あ、でも、あなたって死んでも平気なんだっけ?でも、殺しておこうか。あなた、私の邪魔になりそうだからね。」
時崎狂三は彼女を危険だと判断し、銃を発砲する。だが、茜鷹によってすべての銃弾が落とされる。そんなことを続けているうちに、女子高生の準備が整ったようだ。
「今日はこのライダーにしよう。」
彼女は手に持った本から緑色のゲーム機のようなもの、そして、同じく緑色のカセットのようなものを取り出す。
『バグルドライバー
『ガッチャーン』
彼女は音声が鳴ったそれ、バグルドライバーⅡを腰に装着すると、カセットのようなものを起動する。
『仮面ライダークロニクル』
起動した後、彼女はドライバーの右ボタンを押すと待機音が流れ始める。
時崎狂三は彼女の行動を妨害しようとするが、茜鷹がそのようなことをさせない。
『ガシャット』
カセット、いや、ガシャットは彼女の手から離れ、ドライバーに差し込まれた。そして、
「変身」
ドライバーに上部のボタンを押す。
『バグルアップ』
『天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!』
彼女の姿が変わった。顔に仮面が装着され、体にはスーツ、そしてアーマーを身にまとっている。全身は黒と緑といった配色だ。
彼女はコートをはためかせる。
「茜鷹、戻っていいよ。」
茜鷹は本の上に降り立つと、ディスクになり、本に吸い込まれるようにして消える。
「な、なんですの、その姿は?」
「この姿はね………あの、正宗さん、いきなり話しかけるのはやめてもらえますか?…え?代われ?…はぁ~わかりました。時崎狂三、私の代わりに説明してくれる人がいるから代わるね。」
彼女の頭が大きく揺れる。揺れはすぐに収まったのだが、まとっていた雰囲気がかわった。
「初めまして、私の名前は檀正宗。この体の主人格である彼女、
「い、いえ、わかりませんわ。」
時崎狂三は突然人格が変わった女子高生、多々目騎亜の言葉、いや、檀正宗の言葉に戸惑いながらも答える。
「答えは君を勧誘に来たからだ。」
「勧誘?」
「私は永遠に愛されるゲームを作りたいと思ってる。そのゲームを作るために精霊の力を使うつもりなのだが、精霊と出会うことがなかったのでね。作ろうにも作れなかったのだよ。ゲームの具体的内容は決めているがそれを構成するための力がない。そんな時、君がここに来てくれた。さて、ここからが本題だ。私のもとに来ないか?そうすれば、死ぬこともない。さぁ、どうする?」
檀正宗のその言葉に、
「キヒ、キヒヒヒヒヒ、お断りしますわぁ。なぜ、あなたのような人間の下につかなければなりませんの?」
「ふむ、私の勧誘を断るか。はぁ~ならば仕方がない。」
時崎狂三は檀正宗、仮面ライダークロノスに銃口を向ける。
『ポーズ』
その音声が鳴った瞬間、世界の時が止まった。この止まった時間の中をクロノスはゆっくりと進む。
「時崎狂三、本体でないにしろ勧誘してみたのがやはり、彼我の実力差さえも分からないただの小娘だったか。」
クロノスは左のボタンを押す。
『キメワザ』
『
時崎狂三にキメワザが決まる。
『リスタート』
止まっていた時が動き始める。時崎狂三は壁を突き破り外に飛ばされていった。
「ふむ、次は本体に話をしに行こうか。だが、もう終わっているようだな。」
机に置いている本のページが捲れ、白紙だった場所に文字が浮かび上がっていた。
五河士道は妹である五河琴里によって、危機的状況を脱することができた。しかし、五河琴里は暴走し、時崎狂三を殺そうとする。五河士道は時崎狂三を守るため盾になるが、意識を失いラタトクスの戦艦フラクシナスに回収されることになったのだった。
「多々目騎亜、主導権を返そう。」
檀正宗は騎亜に主導権を返す。体の主導権が戻った騎亜は変身を解除し、本の中にベルトとガシャットをしまう。そして、怪しまれないように気絶したふりをする。
騒動から30分後、救急車が来たため、他の生徒たちとともに運ばれていく。
騎亜は病院に運ばれた後に検査されたが異常はなかった。だが、念のため入院することを勧められたが、それを拒否した。医者も無理強いするつもりがなかったため、止めることはしなかった。
ようやく解放された騎亜は家に帰る。
「今日は久しぶりに疲れたなぁ。」
疲れた騎亜は寝る準備をするとすぐに寝てしまった。
こうして騎亜の一日は終わる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
?「時崎狂三の力の一つ、《時喰みの城》は騎亜には効果がなかったようだな。」
?「まぁそれは予想ができてただろ?それより、クロノス。精霊と戦った感想を教えてくれよ。」
ク「能力を全く使ってなかったが、確かなのは、我々よりも弱い。だが、精霊の能力はゲームに使えると確信している。私としては協力という関係を築いていきたいと思っている。」
?「フハハハハ!協力したところで商品価値がなければ消すつもりだろう?」
騎「ねぇ、静かにしてくれないかな。せめて、私に聞こえないようにして。じゃあ、お休み。」
「「「………………」」」