「成瀬結一、苗字だけではなく名前の漢字も同じ、ただし読み方は違う。」
成瀬と言う苗字だけでも珍しいと言うのに、名前の漢字も一致。
転入生、落とし物、名前の一致、これは何かの運命なのか?
まぁ、気にすることも無いか、運命なら運命に従うのみ。
自己紹介が終わり、席の場所を決めている。
「席は、そこが空いてるからそこの席にするか。」
工藤は、俺の隣の席を指さしていた。
ちなみに工藤とは、担任の先生の名前だ。
それにしても俺の隣の席なんで空いてるんだ?昨日までそこの席に人いたぞ。
「工藤、ここの隣の席の人どうしたの?」
「こら成瀬、先生と呼びなさい、それとそこの席の人は昨日学校をやめた。」
都合よすぎて草。
俺は、そうなんだと言って椅子に座った。
席も決まって、朝のホームルームが終わった。
「成瀬さん?」
とりあえず懐中時計を返さないといけないから話しかける。
「ん?えっとー?」
そう言えばまだ名前を知らないんだったか。
「あ、成瀬結一(なるせゆういち)です。」
「ゆういちさんですね、まさか名前の漢字が同じなんて、珍しいこともあるんですね、あと私の事をゆいって呼んでいいよ。」
このゆいって子は、かなりフレンドリーな人みたいだな、とりあえずこれを返すか。
「ゆい、そう言えば朝これを落とさなかった?」
懐中時計をポケットから取り出して見せた。
「え、あ!」
結一は、びっくりしたようで、焦っていた。
「わざわざ拾って届けてくれたんですか。」
「まぁ、落とし主も知ってたし、かなりアンティークなものだからね、直接渡した方がいいと思って。」
「ありがとうございます!」
「これは大事な宝物なので、無くしたら大変でした。」
いやすごく大事な物なら、落とすなよと心の中で呟いた。
「これは死んだおじいちゃんから貰った大事な時計なんです、本当に拾って下さりありがとうございます!」
「あれ、あなたそう言えばさっき私のことを見てた人ですよね。」
あ、これはまずいかも変態扱いされる。
「この学校の制服じゃなかったので少し気になって。」
「あ、やっぱりそうか、良かった、顔になにか着いてるかと思いましたよ。」
あ、良かった、結一は俺の事を変態扱いしなかった。
「この学校のことよく分からないので、今日お昼に学校が終わるので、終わったあとこの学校をなん内して貰えませんか?無理なら無理しなくていいですよ。」
う、そんなこと言われたら、断れない、しかも上目遣いはずるい。
「分かったよ、今日は予定ないからいいよ、どうせ家に帰っても暇だし。」
「やったー!ありがとうゆういちくん」
ゆいは、飛びっきの笑顔でそう言った、俺も弱いな、この笑顔には勝てる気しない。