俺の名前はサトウカズマ。
女神アクアの導きのもと、この世界に転生した勇者候補の冒険者だ。
え?どうやって転生したかって?
そうだな...俺は、日本で生まれ日本で育った日本人。
ある日、女の子が(農業用トラクターに)轢かれそうになっている所を助け(る必要は無かったの。トラクターは女の子の前で停止したから)、代わりに(トラックに轢かれたと勘違いしてショックで)死んでしまい(おまけにオシッコもらしながら)アクアの元に導かれ...って...ウルサーイ。
さっきから、()を付けて人のモノローグに余計なことを追加してるのは誰だぁ...
(私じゃないわよ?カズマさんの現実を読者に伝えようとしてるなんて事はしてないわ。)
「おい、アクア。お前の台詞が()で記されてるんだが?」
「...私じゃないわよ?」
「今さら遅いわ。このクソビッチが。お前があの時、キリトに接するみたいに俺に対応してたら、俺はまともな特典を選んで、こんな苦労させられる事もなかったんだ。反省しろ駄女神。」
昨日は、アクアのイチオシの転生者『キリト』に出会った。
アクアがまともな女神をしている所を初めて目撃した気がする。
あんな態度で俺を案内してたら、腹いせにアクアを異世界に持っていくなんて...罰ゲームみたいな特典を勢いで選ぶ事もなかったのに...
クソ...あの時の選択が今でも悔やまれるぜ...
「ハァ?昨日も言ったけど、カズマとキリトを同列に扱うなんて、私とアンデッドを同列に扱う位失礼なことなのよ?」
...あんまり変わんなくね?
「ねえ?今、変なこと考えなかった?」
クソッ...変な所で鋭い...
「気のせいだろ?それより、お前がそこまで言うんだ。あいつらの戦いっぷりを見てやろうじゃないか。それで、もし大したこと無かったら、俺に今までの態度を謝って、俺を敬え。」
チート能力は貰ってるんだろうが、あいつらはこの世界に来たばかり。どうせ今は大したこと無いだろう。
「ハンッ。良いわよ。その代わりもし彼らが、本当に凄かったら、カズマの奢りでものすごい高いお酒をいっぱい飲ませてもらうわよ?」
俺たちは、にらみ合いながら、同時に立ち上がる。
「二人とも落ち着け。彼らは、もうクエストに行ってしまってるかもしれないだろ?」
ダクネスが仲裁に入るも、
「私も興味あります。ゆんゆんがパーティーを組む人たちの実力を知りたいですし...」
めぐみんも俺たちに賛同した為、ダクネスはやむ無く折れて、四人でギルドへ向かった。
...キリト達は、まだギルドにいた。
正確には酒場の方で軽食を取りながら、今日の打ち合わせを行っているようだ。
俺たちは、キリト達に近づき挨拶をした。
「よぉ。昨日はどうも。」
ちょっとセンパイ風に声を掛ける。
「...えっと...どちら様?」
あっ...そう言えば、昨日こいつらに声を掛けてたのはアクアとめぐみんだけだった...
「あぁ。俺は、サトウカズマ。アクアのいるパーティーのリーダーをやってる冒険者だ。」
「アクア様の?そうか。ルナさんが言っていた上級職が集っているパーティーって言うのは君たちの事か。それに、その名前...君も転生者だよな?」
キリトは、直ぐに察したらしい。なかなか鋭いな...こいつ。
「それじゃあ、俺たちも自己紹介しないとな。俺は、桐ケ谷和人。ここではキリトと呼ばれてる。職業は、ソードマスターだ。」
「私は、結城明日奈。ここではアスナよ。職業はアークプリースト。よろしくね。」
「私は、ユイです。職業は...ナビゲーターです。こちらのお二人の娘です。よろしくお願いします。」
「「「娘ぇぇぇぇぇ!!!」」」
『娘』の単語に驚く俺たち。
「ユイは、こんななりだし血が繋がっている訳じゃない。それでも俺とアスナの娘だよ。」
「うん。血の繋がりなんて無くても、私たちは心で繋がっている。」
「ありがとうございます。パパ、ママ。」
そこには、三人の空間が出来上がっていた...
そこはスルーして、最後の一人に視線を向ける俺たち。
「わ、私の事はみんな知ってるんだし、自己紹介はいらないと思うんだけど...」
「そんなことはありません。私の知っている彼女はパーティーを組むような娘じゃ無かったですから。名乗って貰わないと、とても同一人物とは思えません。」
めぐみんがゆんゆんにダメだしをする。
ただ、弄っているようにしか見えないが...
「わ、わかったわよ。名乗れば良いんでしょ?周りに人がいる前で恥ずかしいけど...我が名はゆんゆん!アークウィザードにして、上級魔法を操る者。いずれは紅魔族の長となる者...」
ゆんゆんは、顔を真っ赤にして自己紹介をした。
「あ、知ってますよ?」
めぐみんがシレッと言い放った。
...ゆんゆんは、泣いて良いと思う。
「じゃあ、次はこっちの番だな。」
「さっきも言ったけど、サトウカズマ。職業は...冒険者です。」
職業を小声で言ってしまうのは、周りが全員上級職のせいだ。
これが、ダストのパーティーならまだ気後れなんてしないんだが...
「私は、ダクネス。クルセイダーだ。よろしく頼む。」
「我が名は、めぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者。いずれは、爆裂魔法を極める者!」
二人も続き...
「私は、アクア。ここではアークプリーストです。キリトさん達も、同じ冒険者仲間として気楽に接して下さい。」
女神アクア様が、降臨なされていた...