この素晴らしいキリアスに祝福を!完結   作:アーク1

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本編開始となります。
前日譚が気になる方は、マザロザifをご覧ください。

時系列的には、カズマたちがアルカンレティアに湯治に出掛けている頃から始まります。


この素晴らしいキリアスに祝福を!

アスナと合流することが出来た俺は、まずは、落ち着いて話をするために宿に向かった。

 

宿の扉を開くと、ゆんゆんがロビーで落ち込んでいた...

 

「どうしたんだ?ゆんゆん。」

 

俺が、尋ねるとゆんゆんが泣きながら抱きついてきた...

 

ゆんゆんの突然の行動に、パニックになる俺...

と、同時に俺の背後から、とてつもない殺気を感じる...

 

うん、アスナだよね。

これ。正直、振り返りたくない...

 

まずは、ゆんゆんを落ち着かせて、離れないと...

 

「お、落ち着いて。ゆんゆん。何かあったのか?」

 

すると、ゆんゆんは。

 

「めぐみんが、私を無視するんです~」

 

と、泣きながら答えた。

 

とりあえず、離れてもらって事情を聞くと、友達の家を訪ねたが、いくら声をかけても誰も出てこなかった。

と言うことらしい。用事ってそれか。

 

「なあ、ゆんゆん。もしかして留守だったんじゃないか?そもそも、今日その...めぐみんって子と会う約束してたのか?」

 

このゆんゆんは、俺以上のコミュ障だからなぁ。

 

待ち合わせの約束なんてしないで、相手がくるまでひたすら待ち続けてたりしそうなんだよなぁ。

 

この三日間の付き合いで、俺は、ゆんゆんの性格をなんとなく把握していた。

 

すると、ゆんゆんは、

 

「あっ...」

 

と、ようやくその事に思い至った様子。

そして、笑いながらごまかそうとした。

 

やはり、約束してなかったんだな...

 

まぁ、とりあえず、こっちは解決だな...

後は...後ろに控えるラスボスをどうにかしないと...

 

「えーと、アスナさん。まずは、話を聞いて貰えますでしょうか...」

 

そう、言いながらアスナの方を振り向くと...

鬼がいました...

 

えぇ、もうヒースクリフなんてこの視線だけで殺せるんじゃね?って言う程の絶対零度の視線を放つアスナ...

アスナの顔がなまじ整っているだけに、静かに怒った表情は、相手に恐怖を与える...

 

なんとか、勇気を振り絞り口を開く。

 

「アスナ。何に怒ってるのかは理解できるけど、誤解なんだ。彼女は、俺の恩人で今のパーティーメンバーだけど、決してそんな関係じゃないから...」

 

俺は、ゆんゆんとの出逢いとこれまでの経緯について、説明する。

 

「ふーん。私が、キリト君のことで、哀しみに暮れている時に、キリト君はこんな可愛い子と一緒に楽しくしてたんだねー。」

 

全然納得してくれなかった...

 

「いや、本当に彼女とはなんでもないんだ。」

 

「うるさい。この一級フラグ建築士。なんで、キリト君は、私のそばを離れる度に、女の子を連れてくるの。」

 

「いや、本当に勘弁してください。」

 

折角、アスナとまた会えたのにこんなことで口論したくなんて無いんだ。

俺が、誠心誠意謝ると...

 

アスナが笑いだした。

 

「あはは。ゴメンね、キリト君。本当は、キリト君が彼女を宥めてる間に、ユイちゃんから経緯は聞いてたの。関係も含めてね。」

 

つまり、俺はからかわれたのか...

 

「人が悪いぞ。アスナ。」

 

俺が抗議を挙げると...

 

「これ位、良いでしょ?私が悲しんでる時に、女の子と一緒にいたのは事実なんだから...」

 

全く、その通り...

 

「ご免なさい」

 

俺は、土下座を敢行した。

 

事態が落ち着いたので、俺たちは改めてお互いに自己紹介をすることにした。

 

宿に来るまでに、口裏を合わせるために、今までの、俺が捏造した設定はアスナに伝えてある。

 

「始めまして。ゆんゆんさん。私は、アスナ。キリト君と同じ所から来た、キリト君の...恋人です。よろしく。」

 

「敬語は、良いですよ。私の方が年下みたいですし...わ、私も、自己紹介させてもらいます。」

 

あ、アスナに紅魔族の事を伝えるの忘れてた...

 

「我が名は、ゆんゆん。アークウィザードにして、上級魔法を操る者。いずれは紅魔族の長となる者!」

 

うん。俺が以前驚かなかったからかな。

 

ゆんゆんは、恥ずかしがらずに名乗り口上を述べた。

 

アスナは、多少引いていたが、堪えたようだ。

 

「よく、引かなかったな。アスナ。」

 

「うん。これもユイちゃんから聞いてたから...」

 

家の娘は、本当に良くできた娘です。

 

「キリトさんとは、三日前からパーティーを組んでいます。」

 

そう、ゆんゆんが切り出した。

 

「ああ、ゆんゆん。それなんだけど、アスナも、冒険者ギルドに登録させて、パーティーを組もうと思うんだ。」

 

俺がそう話すと、ゆんゆんが泣きそうな顔になった...

これは、アレだな。解散すると勘違いされてるな。きっと。

 

「それで、ゆんゆんにも出来れば正式にパーティーに入って欲しいんだけど、ダメかな?」

 

ゆんゆんは、一も二もなく頷いた。

 

ゆんゆんは、優秀な魔法使いだ。

 

それに、アスナは俺と同じ特典を持ってきたようだし、登録すれば上級職も選べるだろう。

 

死と隣り合わせの冒険者家業だが、この二人と一緒なら安定して戦えるだろう。

 

前衛の俺、前衛後衛どちらも出来て、尚且つヒーラーのアスナ。後衛で火力の高いゆんゆん。かなりバランスの良いパーティーになりそうだ。

 

まずは、レベルを上げないとな...

俺は、これからの日々に思いを馳せ、顔を綻ばせた。

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