さて、めでたくパーティーを結成した俺たちだが、何故かリーダーを俺がすることになった。
リーダーシップと言う点では、アスナの方が遥かに向いていると主張したのだが、ゆんゆんは人見知りでアスナとは初対面。
アスナはアスナで、俺がやるべきだと主張し、ユイも賛成してしまった為、俺の意見は敢えなく却下となった。
まあ、パーティーに関してはやっていく内に問題点も出てくるだろう。
打ち合わせで時間が随分と経った。
もう、外は夜だ。俺たちは、そのまま宿の食堂で軽食を取り、休むことにした。
そこで、問題が発生した。
「そう言えば、アスナさんは今日はどこに泊まるんですか?」
ゆんゆんのその一言が、発端だった。
「ああ、二人部屋を取ったから、今日はゆんゆんと二人で泊まって貰うつもりだ。金は俺が払うから。」
「え!?私はキリト君と同じ部屋がいいんだけど?」
アスナから、直ぐに反対意見が出る。
「そ、そうですよ。アスナさんは、キリトさんを追いかけてここまで来たんですよ?一緒にいてあげる方が良いと思います。」
ゆんゆんもアスナを支持する。
でもなぁ、ここには他の冒険者も泊まっている。
ただでさえ、ここ二日のハイペースなクエスト攻略で目立ち始めてるのに、アスナのようなハイスペックな女の子と一緒に泊まる...なんて事になったら、どんなやっかみを受ける事か...
俺が悩んでいると、
「パパ、私も今日はパパとママと一緒に寝たいです。」
ユイのお願いが炸裂する。
ハァ...まぁ、良いか。どうせ、明日から同じパーティーを組んでれば嫌でも噂になるだろうし、先に噂が立てばアスナへのちょっかいも減るだろう。
それに...俺だって本当はアスナと一緒にいたいんだ...
「わかった。じゃあ、俺とアスナが相部屋で。ゆんゆんは一人部屋を使ってくれ。」
「やった。」
「それでお願いします。(初対面の人と二人きりなんて、なにを話したら良いかわからないし怖いもん)」
素直に喜ぶアスナと本音が少し漏れてるゆんゆん。
「じゃあ。明日は8時にロビーに集合。明日は冒険者ギルドにアスナの冒険者登録と、俺たちのパーティー登録をしに行こう。」
そういって俺たちは、それぞれの部屋に向かった。
「ゴメンね、キリト君。ワガママ言って。」
部屋に着いた俺たち。
一段落すると、アスナがそう話してきた。
「それは構わないさ。俺だってアスナと一緒にいたかったしな。まあ、多分明日には、他の冒険者に冷やかされそうだが...。でも、珍しいな。アスナが周りに人がいるのにあんなに積極的になるなんて。」
そう、俺はそれが不思議だった。
再会した直後は、感極まっていたから仕方ないだろうけど、冷静になった今、普段のアスナなら周りの目を気にしてゆんゆんと相部屋を選びそうなものなんだが...
「うん、あのね。キリト君、私...キリト君と離れたくない...。もう二度と...もし、キリト君が私の知らないところで、また死んじゃったら...そう思うと怖くて...本当に怖くて...」
アスナが不安そうな顔で答えた。
俺は、その言葉を聞いて心底後悔した。
そうだ...。俺は向こうの世界で、アスナを残して死んだんだ。
それこそ、別の世界に転生なんて言う漫画のような事が起こらなければ、アスナを一人にしてしまうところだった。
あのとき、ヒースクリフから俺を庇ってアスナが消滅した時に感じた空虚。
それをアスナが味わっていた時に、アスナに会えない寂しさはもちろんあった。でも、俺は...この世界を楽しんでいた...
「ごめん。」
俺は、いてもたっても要られず、アスナを抱きしめた。
「良いんだよ。こうしてキリト君に会えたんだもん。私は、それだけで幸せ。だから...もう、私を残して死なないでね。私を、ずっと離さないで。私も、ずっとキリト君から離れないから。」
俺たちは見つめ合って、言葉の代わりに、誓いのキスを交わした。
もう、二度と離すものか。死ぬときは一緒だ...
「私も、一緒ですよ?パパ、ママ。」
あ、ユイを忘れてた...
いつの間にか、妖精から人間形態になったユイがそばに立っていた。
俺たちは、弾けるように離れ...たりはせず、ユイを交えて抱き合った。
ああ、これから三人ずっと一緒だ。
それから、どれくらいそうしていただろう。
名残惜しいが、明日もやることは多い。そろそろ寝ないとな。
ベットは2つある。
「ユイ。今日はアスナと寝るか?」
俺が聞くと、
「パパ、今日はパパとママと三人で寝たいです。」
「私もそうしたい。」
二人に、そう言われた。
「って言ってもな、流石に三人で寝るほど大きいベッドじゃないぞ?二人でもギリギリだし。」
俺が現実的な意見を言う。
「じゃあ、私がピクシーに戻ります。それで、二人の間で寝たいです。」
「うん。二人分なら身を寄せ合えば、なんとか寝れるよ。」
結局、二人に押しきられた。
「わかった。じゃあ、寝るぞ。」
俺たちは、ひとつのベッドに入った。
「おやすみ、キリト君。大好きだよ。」
「ああ。俺もだよ。アスナ。愛してる。」
俺たちは、抱き合って眠りに着いた。
こうして、君と触れ合える。
今日、この日に感謝を。