やはり俺がシンフォギアの世界にいるのは間違っている   作:にゃにゃにゃす

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行方不明な八幡くん達
行方不明 3日目


月の欠片から地球を救った日から3日が過ぎた本日。

風鳴弦十郎の住う屋敷のとある1室では、1人の少年と3人の少女がちゃぶ台を囲うように鎮座していた。

 

 

「ってなわけで、起きたらここだったわけ。OK?」

「つまり、装者の情報を各国にも、表にも出さない為に行方不明扱いと言うわけだ。理解できたか?立花。」

「えっと…んん?よく分かりせんでしたが、分かりました!」

「何にも分かってねぇのかよッ!おい、この寝坊助のオツムはどうなってやがんだよ!」

 

先程、最後の1人である響が目覚めて此処に連れられてきた今現在、自分達の置かれた状況を説明していたのだが…やれやれだ。

頭の痛い子である響には、よく意味がわからなかったらしい。

あとで、現国…いや国語の勉強をさせなくちゃいけないと思います。

 

「それにして、皆無事で良かったぁ……。」

「八幡に感謝しなくてはな。大気圏突入時に我々を白雪ノ華で燃え尽きぬ様に庇ってくれたのだから。」

「それを言うなら、アタシにも感謝しろよ?気絶したお前等を八幡と2人でなけなしのミサイルに乗せて地上に降りたんだからよ。」

 

 

いやはや、マジで死ぬかと思ったわ。全力を出し切った響は血を吐いて気を失うし、大気圏突入してから姉さんも意識を手放すし。

何とか意識を保ったままでいれたクリスが最後の力を振り絞ってぶっ放したミサイルに乗って地球に帰還しました。

まぁ、直後に俺とクリスも意識無くしてんだけどね。

 

「クリスちゃんが仲間になってくれて良かったよ!ありがとう!」

「なッ、馬鹿、抱きつくなッ!!」

「良いではないか〜良いではないか〜。」

「…調子に、乗るなッ!」

 

腰に引っ付いた響にクリスは引き剥がそうとするが、そんなハンパな引き離し方じゃ無理だぞ〜。

無論、経験則である。

 

俺と姉さんは、座ってのんびり緑茶を啜りながら、2人を眺めておく事にした。

だって巻き込まれたくねぇし。

 

「さて…熱りが冷めるまではここに居るとして…コレからが大変よ。」

「あぁ…まさか、俺の住んでるマンションが3階から上が吹き飛んでるなんてな。引越ししなきゃならん。」

 

これには参った、自宅に荷物とりに行ったら三階建てに変わり果ててんだもんよ。

部屋の中は物が倒れまくってたし…幸い破損物がテレビくらいで済んでたのは奇跡だよね。

ただ、例の部屋の本棚が全て倒れて文献があちらこちらに散らばってるのを見た時は意識が一瞬だけ遠のいちまったよ。

 

「いや、そうではな「はぁ!?じゃ、アタシは何処に住めばいいんだよ!?」

 

何か言いかけた姉さんを遮ったクリスは、響を引っ提げたままちゃぶ台を叩いて抗議してきた。

ん?っと響は呆けたと思えば、カッと目を開いて俺に詰め寄る。

いや、なんだよ!

 

「まさか…クリスちゃん、ハチ君の家に住んでるの!?」

「…匿ってただけだ。たぶん、クリスには二課に所属してもらうと思うから、マンションが充てがわれるだろーよ。」

「そうじゃなくて!若い男女が同じ部屋で暮らすなんて……翼さんもガツンと言って上げて下さい!」

 

キーッと擬音が聞こえそうなくらいに騒ぐ響と対照的に、ズズ…っと緑茶を啜る姉さんはえらく落ち着いてて、なんか怖いんですけど?

 

「ガツンと言うも何も、私は雪音が八幡の家にいる事は知っていた。」

「は?…え?何で知ってんの!?」

「雪音の捜索を誰に咎められるわけでもなく中断。私の復帰ライブの時の異常。さらにスカイタワーで助っ人は雪音。…これだけヒントが在れば容易いわ。」

「……。」

 

怖い怖い怖い怖い怖いッ!!

この人、江戸川君なの!?

隠し事したら、そんな簡単に推理されちゃうんですかい!?

 

「それに、八幡はヘタレ。例え、誰を部屋に連れ込んだとて何も起きはしない。…八幡が襲われない限りは。」

「〜ッ!!?誰が襲うかッ!」

 

お顔を真っ赤っかにしたクリスの叫びが、俺の耳にダメージを与えた。

マッカンをあげるから…だからお願い、目の前で叫ばないで。

 

「だ、そうだ。立花の心配するような事は起きていない。それに雪音が匿われる前はよく私が泊まっていたから安心よ。」

「いや、何処の世界に姉を襲う弟がいるよ?」

「血は繋がってはないでしょ。忘れたの?」

「あ…そうだったわ。」

 

素で忘れてた…いや、これは洗脳か!?

 

言われて気づく、血は一滴も繋がってなかったわ……ま、中身はよく知ってるし絶対に欲情しないけど。

神に誓えるくらいに、自信満々ですよ。

 

「なッ…私だけが、ハチ君の家に行った事がないなんて……」

 

手を床に付けて、全身でショックを表す響だが……別によくない?

俺の家に来ても何もないよ。

 

「入るぞ〜。」

 

ガラガラと襖は開かれ、家主である司令の登場。

いつになく、疲れてますね…ま、アレだけの事があったんだ仕方ないよね…。

 

「八幡、お前の部屋の荷造りを済ませに行くぞ。家主不在のまま国宝級の書物を置いておくわけにもいくまい。」

「了解ッス。」

「あ、アタシも行く。着替えとかあるし。」

「私の私物もある故、同行します。」

「あ、あの!私も手伝いに行きます!」

「お、響が来てれんの?メッチャ助かるわ。」

「ほ、ホント?えへへ。」

 

うん、ホント。意外にも響の家事レベルは高いしな。

 

そして訪れた我が愛部屋。

 

「あんまりキョロキョロしないでくれない?」

「いや〜、ハチ君の実家の部屋みたいだね。殺風景。」

「やかましいわ。」

 

物がなくて片付けられてると言いなさい!今は、止む無く荷物が散乱してるけど…。

 

封印結界を貼ってある部屋のドアを解除し、散らばった文献類を先代毎に仕分ける作業が始まった中、響が呪具に手を伸ばそうとしておりました。

 

「それに触れたら呪われんぞ。最悪、死ぬ。」

「うひぁ!?あ、危なかったぁ…!」

「呪具は俺が持ち運ぶから触るなよ。絶対に…触るなよ?」

「…振り?」

「違う。」

 

淡く光る右手を呪具に翳し、了子さんが前にがやったように俺の体内に量子化させと内蔵する。

正式には、俺の周辺の亜空間に移したんだけどね。

 

「わぁ…便利だねぇ。」

「自分の荷物運びに利用しよう、なんて考えるなよ?」

「…あっはは……そんな事考えてないよ?」

 

嘘つけ。目があちこちにバタフライで泳ぎまくってんじゃねぇか。

わかりやすいな、この娘は。

 

と始まった荷造りだったが……

いや〜着替えやら、一般家庭の電気製品とかは直ぐに運び出されたから良いんだよ。

ただ、盛大にぶち撒けられた文献類が思いの外時間がかかるかかる。

 

終いには藤尭さんと友里さんまで応援にきてくれましたよ、はい。

 

 

「ほっ…やっ…とぅッ。」

「響ちゃん、凄い捌けてるわね。」

 

せっせと文献をダンボールに仕分けていく響を見た友里さんが感心してるけど、アナタも話しながらマッハですやん。

藤尭さんも早い早い。

前回、空門ノ杖の封印場所を探す時も思ったが、やっぱりエリートなんだよね。

 

「まぁ、昔から片付けやらは得意なんスよ。」

「ちょっと意外だな…響ちゃんは散らかす方が得意そうに見えてたから認識を改めなくちゃな。」

「藤尭さん、酷〜い。私、部屋を散らかした事なんてないですよ〜。」

「あはは、ごめんごめん。」

「八幡、7代目の分は大方入れ終わった。こっちは8代目だからバラけたヤツがあったら入れてくれ。」

「あいよ。クリスも悪いな。」

「べ、別にやる事がないから仕方なくだ、仕方なく!」

「さいですか……。」

 

軽口を叩きながらも着々と進む仕分け作業。

途中参加のクリスもせっせと働いてくれて大変助かる。

本当に、二課の皆さん優秀だよね。

 

さて、問題は……

 

「えっと……10代目様は…ここだな。」

「…翼さん、そのダンボールは6代目様です。」

「え、えぇッ!?…じゃ〜……ここ…だったかしら?」

「おい、そりゃ8代目だ!つーか、ついさっきアタシが説明したばかりだろッ!?」

「あ、あぁ、そうだったな…では…どれだったのだろうか…。」

 

 

見事にポンコツ具合を曝け出し、文献を片手にオロオロと彷徨う姉がいた。

 

つ、使えねぇ〜!!

嘘みたいにポンコツ過ぎんだろ?

 

本人はいたって真剣なんだよ、あれで。

すげぇスローで且つ間違いまくると言う、フォローのしようがないポンコツ具合にダンボールを運び出そうとした指令は呆れ顔だしね。

 

戦闘とは打って変わり、まったく頼りない。

 

「姉さんは、さっき買ってきたお茶を配膳してくんない?」

「くっ…私は戦う事しかできないのかッ…!?」

 

悲壮感を撒き散らしながらトボトボとリビングへと出て行く姉さんを見送り、さて作業再「うっわわッ!?紙コップが倒…あぁッ!!」

 

おい、ちょっと待て。

何かリビングが騒がしいんだが?

悲鳴やら騒音で何となくわかるよ。姉がやらかしたって事くらいは。

 

 

作業再開から数秒で中断し、リビングへ移動してみると……

 

紙コップは倒れ、ペットボトルのお茶半分強を床にぶち撒け、お茶請けに買っていたクッキーは粉へと痛ましい姿に変貌していた。お茶もクッキーはこんな非道で、悲惨な末路を辿る為に作られた訳じゃないだろうに…。

 

「もう八幡、見てらんない。」

 

身内のしでかした事への羞恥心と居た堪れなさで、顔面を両手で覆っちまう。

俺、何にも悪い事してないのに…凄く恥ずかしいよ…。

 

 

「私は…紙コップにお茶を注ぐ事すら…できないのか…。」

「いや、そりゃ人として割りとヤバいだろ…。はぁ〜…八幡、雑巾とバケツを頼む。ほら、アタシがやるからアンタはそこら辺に座ってな。」

 

 

見かねたクリスがペットボトルを姉さんから奪い、シッシッと払った後に完璧にお茶を注ぎ分けて行く。

それを体育座りで羨ましそうに、ジー…っと見つめる姉。そして、雑巾とバケツを持った俺。

……なんだよ、コレ。シュール過ぎんだろ。

 

 

「ほら、入れ終わったから持っていってくれよ。」

「…不承不承ながら了承しよう。」

「はいはい。」

 

クリスからお盆を受け取った姉が例の部屋に入って「ぅわわゎッ!!?」「翼さんッ!?」

 

なんか…姉の焦った声と響の叫び声が聞こえた気がする。

なんならその後に、バシャァア!と聴こえたんだけど、たぶん疲れからくる幻聴だよね?

 

「マジかよ…あの人、ヤバ過ぎるだろ。」

「……。」

 

やめろ、その言葉は俺に効くから!!なんなら効果抜群で急所に当たったから!!

 

恥ずかしさに身悶えそうになるが、何とか耐え忍び、いざ行かん!例の部屋へ!!

 

「……。」

「…あぅ…うぅ…。」

「あ、あはは……ファッ…クシュッ!!」

「どなたか状況を説明してくださらないかしら?」

「あまりの事態に、八幡君の口調が変わってしまってるわよ。」

「あー…翼さんが床で滑りお盆が飛んで、宙を舞うお盆は司令が受け止めたものの…紙コップから飛び出たお茶が文献を濡らさないようにと響ちゃんが受け止め今に至る、と。」

「……。」

 

 

俺は無言のまま懐から赤いカードを取り出して、姉さんに突きつけた。

え?と言って固まる姉だったが、意味を理解した司令が姉さんを担いで外へ出ていった。

 

「一発退場なのね…」

「いえ、イエローカード2枚です。リビングにもお茶をぶち撒け、クッキーは粉々っスよ。」

「「……。」」

「ファッッックションッ!!」

「うん、響は帰りな。夏前とは言え流石に風邪引く。」

「ふぁい。」

 

 

てなわけで、響は風鳴邸に戻してから俺とクリス、司令と情報班コンビで掃除と片付けを行い、なんとか夜には全てを終わらせる事ができた。

 

4人には感謝を込めて冷えたマッカンを渡したら、クリス以外は受け取り拒否された。……解せぬ。

 

2人で飲むも、流石に1人2缶が量的限界だったので、余った1本は迎えに来てくれたマッカン仲間の緒川さんに進呈しました。

メッチャいい笑顔で受け取ってくれたから、よしとしよう。

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