やはり俺がシンフォギアの世界にいるのは間違っている 作:にゃにゃにゃす
チリも積もれば山となる様に……色々と重なり更新が遅くなってしまいました。すいません。
次回からフロンティア事変編を始めようと思います
頑張れ、翼ちゃん!!その1
感動の再会やら、未来からのお説教をくらうなどがあってから数日。
仮校舎などのなんらかの措置が取れるまで、私立リディアン音楽院高等科は休校扱いとなり自宅学習を仰せつかっている。
そら、カ・ディンギルのクソ野郎のせいで校舎は瓦礫の山へジョブチェンジしちまったもんな。
むしろ青空学級にならずに済んでよかったと八幡は思うよ。
ノイズ発生まで、とりあえずはやる事ない俺はこの暇な時を利用して、新居への引越し作業に取りかかる事とした。
都心付近である為、前と同じで地下駐車場有りの希望に叶った物件を指令達が見繕ってくれた。
しかしながら、またコレが一学生が住むには高級すぎるマンションで、初見の際は頬が引きつったんだよね…
あの人達は常識を何処に置き忘れてきたのだろうか?
「ふぁ〜…眠い…。」
「あ、ハチ君おはよう。」
寝室から出るとエプロン姿の未来が、朝から眩い笑顔で挨拶してきたIN俺の部屋。
……え!?
「ふぁッ!?え…何でいんの!?」
「もぅ〜…寝ボケてる?昨日は皆で泊まったでしょ?」
……あ、そうでしたね…。
引越しを手伝ってくれた幼馴染みーズとクリス。姉は…うん、晩ご飯を奢ってくれた。別にコップを3個も割ったから寿司を出前したんじゃ決してないからな?
部屋は二課が借りてくれたものの、肝心の家具がないクリスを我が家に泊めるとなった際に響が喚き出し、未来共々に泊まると言い出したんだったね……。
リビング全体を見てみれば…
元栓全開で涎を垂らす響と姿勢正しくスヤスヤと眠るクリスがいた。
……あれ?1人足らなくね??
「なぁ未来、姉さんは?」
「ん?一緒に朝ご飯作ってるよ?」
「なん……だとッ!?」
ザザァッと慌ててキッチンへ行くと、額に汗をかきながら四苦八苦している姉がいた。
や…やめてくれッ!キッチンが…新居が爆発しちゃうぅぅぅッ!!
「あ、翼さん。次は余った溶き卵を寄せた方とは逆の場所に流し込んで下さい。」
「こ、こうかッ!?」
「そそ…上手です。そのまま弱火で……フライ返しを使って巻いてみましょう。…ゆっくりぃ〜…そうッ!…もう一度……そうです!だし巻き玉子、できました。」
「やったぁ!ありがとう、こひな…た…?」
「……。」
「……。」
「……おはよう。」
「……おはよう。」
「えッ!?今の間はなんだったの??」
……え?アレ、誰??
挨拶したけど……あのキッチンで料理してる人って誰ですか??
キャッキャッと喜び跳ねている姉は防人で…アネモリ??
「……あぁ、夢か。」
「ならば、この包丁で切り裂いても問題ないのだな?」
「いや〜本日も美しくあられますね。朝からお会いできて誠に嬉しゅうございます。」
「気持ち悪いからやめなさい。」
「ひでぇ……。」
心底気持ち悪いっていう顔をしないでください。朝から心がポッキリ折れちまうよ…。
「朝食も出来た事だし……ほら、響。起きて。」
「えへへ…もう食べれないよぉ…あ、それ食べる〜…むにゃむにゃ……」
「食うのかよ。どんな夢見てんだか……クリ〜ス、お前も起きろ〜。」
「んん……んぁ?」
「おはようさん。」
「……おはよう…。」
クシクシと目を擦りながら起きたクリス。起きたからまだいいさ。
チラッと隣りへ視線を移すと未来の呼び声で起きない響が大きく口を開いて、まだ寝ていた。
やれやれ……
「響〜、起きないと朝食なくなっちまうぞ〜。」
「私のご飯!!…あれ?」
はい、簡単に起きました。食い意地張りすぎだ。
俺達3人が顔を洗ったり、歯を磨き勤しんでいる間に未来と姉さんが配膳までしてくれていた。
「明日は嵐だな。」
「もう、翼さんに失礼だよ。」
「良いのだ小日向。…出撃した際に八幡を不可抗力で怪我させてしまうが致し方あるまい。」
「それ故意だよね!?」
やべぇ…斬られちゃうの?八幡、斬られちゃうの?
できれば皮一枚だけにしていただけないだろうか?
「お待たせー!」
「朝から元気だな…ふぁ〜…。」
「さ、皆んな揃った所で……いただきます。」
「「「「いただきます。」」」」
わはぁーッ!と響が我先に朝食をかけ込んで行くのを俺はジーッ…と観察する。
白米…クリア。
味噌汁…クリア。
鮭…これもクリアだと!?
だし巻き玉子……クリアぁッ!!?
……なんと…コレが奇跡か…。
オールクリア!比企谷八幡……いざ参る!!
「あむ…むッ!!?……美味い…。」
「ッ!!そうだろ!私だってやればできるんだぞ。」
「え!?コレ、翼さんが作ったんですか!?」
「あ、あぁ…小日向に教えてもらいながらではあるが、私が全て作った。」
「マジで?この間は八幡から戦力外通告受けたのに……やるじゃねぇか。」
「まぁ…小日向の教え方が的確であった故、上手くできたのだが。」
「そんな事ないですよ。翼さんが頑張ったからですよ。」
いやはや、今世紀最大級の衝撃だ。あの片付けだけに留まらず、洗濯も碌に出来ないアネモリのメシを食えるなんて……やべぇよ、涙が出そうだ。
「味噌汁、おかわりあるか?」
「ッ!…私がよそおう。」
ふふん♪と上機嫌でお碗を受け取った姉さんは、ウキウキとしながキッチンへ行った。
あ、ヤバい…マジで泣きそう。
「今日の翼さん、凄く可愛いよね。」
「いつもはクール美人だもんね。よっぽどハチ君に褒められたのが嬉しかったん「あぁッ!?…だ、台拭きは…キャッ!!?」
「「「「……。」」」」
出かけた涙が足裏まで引っ込んだわ。
頑張れ、弦十郎くん!その1
アレから月日が経ち、ノイズの出現も激減し平和な日常が続いていた。
だが、俺の周囲がちぃっとばかり変なのだ。
「おう。翼、八幡。コレから鍛錬か?」
動きやすい、カーゴパンツに黒のTシャツを着た2人と鉢合わせした。緒川はいつも通りでスーツだがな。
ふむ…鍛錬なら俺も参加したいものだ。
「えぇ。僕が怪我の無いよう見守っておきますのでご安心を。」
「お、そうか…。それではな。」
2人に話しかけたが、代わりに側にいた緒川が俺に応えた。
これは昔からであり、なんら変ではない。口下手な2人より、緒川の方が掻い摘んだ説明が上手いからな。
ただ…
先程、翼と八幡に話しかけた際、緒川はスッ…と我々の間に入ってきた。
まるで俺から2人を守るかのようにだ。
なんなんだ、アレは?
しかし、これだけではない。
二課所属となったクリス君に話しかけようとした場合、緒川は忍者の如く突然姿を現しては、なにかとクリス君から俺を遠ざけるのである。
また、響君の修行に同伴したり、緒川が諸用でいない際は他のエージェントが付き添う始末。
もしや、俺嫌われた?と思ったが緒川を呼び出すと至って普通の態度。
一体何が……?
◇◇翌日◇◇
朝から籠りっぱなしだった司令室から出て、休憩所に向かうと八幡と装者3名と未来君が談笑していた。
どれ、最近の若者はどんな会話をしているか聞いてみるか。
ただそう思って5人に近づいていた時だった。
絶対と言い切れる程に、居なかった筈の緒川がやはり間に立っていた。
「緒川……?」
「はい。なんでしょう?」
いや、なんでしょうってお前…。
まさか無自覚なのか?もしくは大して意味がないのか。
試しに緒川の横をすり抜けようとした。
が、
「司令はどちらへ?」
「ッ!?」
肩を掴まれた。
いつもの優しいお兄さん風ではなく、冷たい声色で。
緒川の異常な気配を感じた八幡と翼は、いつでも動ける様に身構えているし……なんだ、コレは?
明らかに俺を装者達と会わせまいとしているよな?
一体何故…何が起きているというのだ?
「…緒川…最近、お前変だぞ?」
「いえ、その様な事はありません。ただ…」
「いーや、変だ。明らかに俺を装者達と接触させない様にしている節がある。」
向き合った俺から気不味そうに視線を外す緒川に首を傾げてしまう。
暫しの間が空いた後に、緒川は一大決心した意気込みで俺と対峙した。
「もはや誤魔化し切れませんね…。確かに僕は彼女達の誰かぎ司令と2人きりにならないように動いていました。」
「あぁ…それは何故だ?」
「とある噂を耳に入れまして…その、司令が特殊な性的嗜好をお持ちであると…」
「…は?」
「ロリータコンプレックス、通称ロリコンであると。」
「…………えッ?」
ザ・ワールド。
今、確かにこの場の時は止まったよ。
「そんな…叔父様が……。」
やめろ、翼。そんな傷ついた顔をするな。
事実無根の冤罪だ!
「師匠…。」
拳を構えるのはよせ。
あと信じないでくれ、大人でも……いや大人だからこそ傷つく。
「響、逃げよ?」
なるほど…ゴミを見るような目とは、こう言う目の事を言うのか……納得した。
「「うッわぁ〜……」」
おい、なんだその反応は?息ピッタリなのが少し腹立つ。
……って違うな。まずは誤解を解くことが先決だ!
最速で、且つ最短でな!
「緒川、その噂は誤解だ。」
「残念ながら、証拠もあります。」
そう言って緒川の懐から出されたのは2枚の写真だった。
1枚目はクリス君を抱きしめている俺。
2枚目は殺意の篭った目で俺に白雪ノ華を向ける八幡が写っていた。
『こンのロリコンがぁぁあ!』
『なんだその誤解は!!?』
『オッさん…ロリコンなのかよ。普通に引く。』
あの日の事がフラッシュバックする。
鮮明に蘇ったのは嫌な記憶だった。
いや……え?
そうきたか……!?
俺が固まっている間に2枚の写真を緒川から翼が受け取る。
写真を見て、あからさまにショックを受ける翼と響君と未来君。
それとは別に、ウヘェって顔のクリス君。
そして元凶はと言うと……
「〜ッ!!」
笑わぬように口を手で押さえて俯いていた。
そんな八幡を見た緒川は、キッと俺を睨む。
大方、八幡がショックを受けて口を塞いだと思っているのだろうが……元凶は其奴だぞ!!?
視界の端で、翼がゆらりと不気味に立ち上がるのが見えた。
スッ…と伸ばす手中にはギアペンダント。おい、まさか……な?
仮にも叔父である俺に、ソイツはダメだろ!!
「Imyuteus ameno「待て翼。一から説明するからギアを起動するな。」
「…風鳴の者が犯した不逞を拭うは同じ風鳴の者の務めです。」
「だから誤解だと言っている!いいから俺の話しを聞け!」
そうして始まった弁論に皆が黙って聴いてくれたのが幸いし、案外早くに誤解は解けた。
…あぁ、必死だった。焦る気持ちがあったが、それを面に出して仕舞えば逆に疑いが深まる可能性があるからな…なんとか堪えた。
「そうでしたか……分かりました。調査部で再度、裏を取ります。すいませんが八幡さんとクリスさんに協力していただきたいのですが……。」
「緒川さんの頼みなら無碍にはできませんね。」
「借りもあるし、これでチャラなぁ。」
いやいや、お前さん等の所為で在らぬ誤解が生まれたのに、何故その態度を取れるんだ??
八幡に関しては、俺の無罪を晴らす為ではなくて緒川の為になってるし……可笑しいぞ。
「まぁ、誤解でよかったですよ〜。…じゃないと師匠の特訓が怖いですもん。」
「八幡の勘違いしてしまう状況を作ってしまった、おじ様にも落ち度があります。」
「お前、日に日に八幡に甘くなってないか?」
こうして誤解は解け、翌日には調査部から晴れて冤罪であったと報告を受けたのだが……よくよく考えてみれば調査部がこんな事案で動くってダメだろ?
ともあれ、こうしてロリコン疑惑は晴れたのだった。
アレから数週間が経った今日。
また周囲の連中が変なのだ。
何処に行っても、俺を見たヤツは慌てて正面を見てくる。藤尭にいたっては小さな悲鳴付きである。極め付けは、皆が自身のケツを守る様に手で押さえている。
……嫌な予感がしやがる。そう思い、緒川を司令室に呼び出すと……
「司令、お呼びでしょうか?」
「あぁ…。最近、俺の周辺が変でな。調べてくれないか?」
あと、お前さん離れすぎじゃないのか?若干なんてレベルじゃなくて、普通に距離があり過ぎないか?
「大変申し上げ難いのですが……司令のとある噂が流れています。」
「噂…だと?」
「はい。その…同性愛者で……所謂ホモであると。」
勘弁してくれ…。