平凡な俺の機体がキチガイスペックな件について《完結》   作:賢者

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この話を書いていて思った事…
何が空しくてバレンタインの話を書かにゃーならんのだ…

俺だって男の子だもん…チョコの一つは欲しいさ


番外編 ちょいと未来なバレンタイン

このIS学園にも春がやってきた。

 

これは季節的な春ではなく気分的な春である。

 

まぁ…要するに春もといバレンタインデーがやってきたのだ。

 

この日を待ち望んでいた学生は数知れず、今年も例によって例年並みの…否、例年以上の

盛り上がりを見せていた。

 

それにもちゃんと理由があってこのIS学園…女子生徒が約99・99999999999%占めているのだ。

 

一応男性はいるのだがそれも2人のみと言うすさまじい競争率…彼女たちの熱気は

まぁ言うまでもあるまい。

 

それに敢然と立ち向かった勇者が6人…まぁ言わずもがな篠ノ之 箒、セシリア・オルコット

凰 鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ、更識 簪である。

 

この6人はこの日の為に睡眠時間を削りに削り、出席簿と言う名の兵器を食らうと分かりながらも

睡眠時間を削りに削ってこの日の為の最高のチョコを創り上げた。

 

ここは少しみんなの様子を覗いてみるとしよう‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

篠ノ之 箒の場合

 

「き、今日こそは…ツンを封印してデレを前面に押し出して一夏と…!」

 

堅い決意をしたらしい彼女はあからさまな失敗フラグとは知らずに「今日こそは成功させる!」

と言って自分の頬を叩く。

 

「あ…アレは一夏!」

 

彼女は目的の人物を見つけたのだがやはりと言うべきか多くの女性に囲まれていた。

 

箒は自分のしようとしている事の難度に打ちひしがれそうになるものの何とか持ち直し

悠然と歩を進める。

 

彼の手には沢山の…と言うより凄まじい量のチョコが両手に包まれていた。

 

箒は(これって後で渡した方が…?)みたいな感じに思ったのだが、いつもその後

渡しそびれているので今度こそはという思いで一夏に話しかけようと近づいた。

 

しかし、やはりと言うべきか神様は完全に箒の事を見はなしていた。

 

「ち、ちょt「「「「「一夏く~~ん、私たちのチョコを受け取ってぇ~~」」」」」やっぱり

こうなっちゃうのね…」

 

IS学園の女子生徒の第二波を見て絶望しながら彼女は自身のチョコはかじりながら戻る。

 

その顔には光しずくが一粒流れていた。

 

(明日…市販のものを渡そう…)

 

そう決意しながら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア・オルコットの場合

 

彼女はやっと出来上がったチョコを眺め満足げの笑みを浮かべた。

 

彼女は自分のチョコで作り上げた決して少なくはない死屍累々は簡単に無視できるほど

満足な出来である。

 

まぁ満足げの出来のはずのチョコの失敗作の周りにはそこら辺の害虫の死骸が転がっているが…

 

まぁ、そんなことは気にしない。

 

彼女は思い人に届ける最高傑作のチョコに愛情をたっぷり注ぎ込んだ後綺麗にラッピングして

カバンの中に入れた。

 

そしてこの後、血世粉を食べた一夏は一週間ほど動くことさえできなかったと言うことを

ここに記載する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凰鈴音の場合

 

IS学園の昼食時間…女たちの戦いの第2ラウンド…の前の小休止である。

 

しかし、そんな小休止時にも水面下で動く女性はいるのである。

 

ここにいる凰鈴音もその中に含まれる。

 

彼女はいつも一夏と一緒に食事をとるため(このことを忘れていた1名が泣き崩れるのはご愛嬌)

屋上へ上っている。

 

そこは他の生徒は暗黙のルールで余り立ち入らない(と言うかセシリアの昼ご飯を食べたくない

から)

 

彼女は一夏を連れていつもより早く屋上へと向かった。

 

彼女は用意していたチョコを顔を赤めらながら取り出した。

 

「は、はい!こ、これあげるから感謝しなさいよね‼」

 

どこぞの第3位のような見事なツンデレっぷりである。

 

「お、サンキューな鈴!」

 

ここで「またチョコかよ…」と言わずに笑顔で受け取る彼は心に余裕があるものだけがとれる

『大人な態度』と呼ばれるものを会得しているのだろう。

 

リア充マジ滅べ、と言う作者の私情は一端横に置いておく。

 

「あ、そーだコレお前にやるよ!」

 

彼は自分のカバンの中から取り出したチョコを鈴へと渡す。

 

彼女は平静を装ってチョコをもらうが頭の中はすごいことになっていた。

 

(落ち着け、落ち着け私…これは何だ?チョコだ、うんそれは分かってる…

問題はこれを一夏が自分のカバンから取り出して渡したってことだ。

カバンの中には数えるほどしか入らない…お弁当箱を入れているのならなおさら入らない

このチョコは私のために特別に?いやそれは無い…と思う

コイツの事だから皆のついでってこともあるけど…期待したっていいはず)

 

乙女とは恋に良くも悪くも純粋なのである。

 

「・・・・・お前・だけには手作りで渡したかったんだ・受け取ってくれるかな?」

(本当はみんなに用意したかったんだけど間に合いそうになかったからせめて『お前』達

 『だけには手作りで渡したかったんだ』皆『受け取ってくれるかな?』)

 

乙女の脳内は自分の都合のいい情報だけを取捨選択できる機能があるらしい。

 

この後、顔を真っ赤にした鈴が保健室に運び込まれ自分の勘違いに気付き身悶えることは

言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ・ボーデヴィッヒの場合

 

「これで…クラリッサの言っていた『バレンタイン用のチョコ』の完成だ…」

 

これまで長かった…と自分が歩んできた苦労を少し涙ぐみながら思い出す。

 

本当はこんな『バレンタイン』と言う行事すら知らなかったラウラ

これを教えてくれたのは良き同居人であるシャルロット・デュノアである。

 

彼女は2番目の男性操縦者であり自分の兄(ラウラは彼の事を「にぃに」と呼んでいるが…)

である佐藤太郎にチョコを作っているときに片手間で教えてもらった。

 

この行事は女性の一大イベントであると同時に男性にとっての最大の分岐点との事

 

彼女はすぐさまこの手のイベントには詳しいであろうクラリッサに電話をかけた。

 

本当はシャルロットに教えてほしかったのだがとても大変そうだったし、彼女に教えてもらう

ばかりでは申しわけないとも思ったのである。

 

クラリッサは凄まじい喰いつきっぷりでチョコの事も詳しく教えてくれた。

 

何でも男の子は元来『不器用な子が不器用なりに作った焦げたチョコレート』がお好みらしい

 

焦がしてしまうと癌がどうのこうのと聞いた覚えがあったのだがそれは気にせず材料を調べ

きちんとした手順を踏んで作り始めた。

 

最初のころは綺麗にできてしまいそれを自分で消費する羽目になったのだが今となってはいい

思い出である。

 

彼女は人生初のバレンタインのチョコレートは嫁もとい一夏に渡すと決めている。

 

彼女は勇んで寮を出たがこの後渡せずに枕を涙で濡らすことになるのだがそこはまた別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識 簪の場合

 

更識家のものとして万全で完璧なものを用意したはずだ…

 

後は彼ー織斑一夏ーに渡すだけである。

 

胸にぎゅーっと押し付けられたそれは可愛らしくデコレーションされたまごうことなき

チョコである。

 

これは最近になって仲直りをした姉から作り方をしえてもらい機械しか触れ合ったことのない

自分が初めて作ったチョコレートである。

 

最初はバレンタインなんて…と思っていたのだがここ最近とある噂がこのIS学園に流れ始めた。

 

何でも『一夏は料理のできるしっかりした女性が好み』と言うものだ。

 

これがどうバレンタインに関わっているのだ?と疑問に思うものもいるかもしれない。

 

考えてみてくれ、もしバレンタインと言う聖なる日に市販ではなく自作の…しかも形よし、味よし

のチョコを渡されたものはなんと思うだろうか?

 

少なくとも不快感を示す者などいないだろう。

 

彼女はこれからの恋をいい方向へ向かわせるために彼女は更識家の現当主である更識楯無に頭を

下げ生徒会の仕事の合間を縫って手伝わせていたのである。

 

自分だって大変だと言うのに、だ。

 

自分はこれを失敗してはならない!と言う使命感さえ覚えてしまったほどだ。

 

彼女はチョコを抱きしめたまま彼のもとへ走る。

 

「あ、あの…!ちょっと…いい?」

 

「いいけど…どうした簪?息が上がってるけど」

 

彼女は大丈夫と言って深呼吸を二三回行った後彼に胸に抱いていたチョコを渡す。

 

「これは?」

 

「開けてみて、自信作だから」

 

明けてみるとそこには少し溶けかかったチョコレートがあった。

 

ずっと胸に押し当てていたため体温で溶けてしまったのだろう。

 

彼女はそのことを後悔し涙を流そうとするが

 

「ありがとう、簪うまいよ」

 

この一言で目にたまった涙が一瞬で乾ききった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルロット・デュノアの場合

 

彼女は彼ー佐藤太郎ーと夕焼けの中校内を歩いていた。

 

何故か?と言われればチョコを渡すためと答えよう。

 

彼女は初めて恋をした男の人に自分の最高傑作のチョコを渡したかった。

 

これまで自分の親に作ったことはあったが他の男性には作ったことなんて一度もなかった。

 

初めての作業は何事も気合の入りようが違う。

 

しかし、今回は特別凄かった。

 

カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したもの…まぁ俗に言うカカオマスなのだがそれを

作るために態々専門店にまで伺ったところから彼女の今年のバレンタインへの熱意が伺える。

 

そして、彼女は数種類のチョコを試作し自分だけではなく友達や隣人、はてや上司であるマリュー

にチョコを送り付け感想を聞いて回った。

 

それほどの気合いが込められたチョコレートは今彼女のカバンの中に眠っている。

 

やはりと言うべきか、渡す直前となってタイミングが分からなくなったのだ。

 

そんなこんなで放課後になったがいまだ彼女は渡せずにいた。

 

「なぁシャル、渡したいもんがあるんだ」

 

佐藤はおもむろにそう言うとカバンの中から何かを取り出した。

 

「ほれ、プレゼント」

 

渡されたものは…

 

「ナニコレ?」

 

「小説、結構面白いぞ?」

 

私は他のものが欲しかったんだが…と彼女は渡された小説に目を落とす。

 

そこでシャルロットは気付いた。

 

この空気に乗じれば気負いなく渡せるのでは?と言うことに

 

決意を固め顔を上げた瞬間、息が止まった。

 

シャルロットは目の前にある彼の顔を見つめながら何があったのかを思考する。

 

(え~っと、これってもしかしなくても…)

 

瞬間顔がお湯をかぶったように真っ赤になる。

 

彼も負けず劣らずで何も言わず走り去っていった。

 

シャルロットは自分の唇を抑えながらさっきまで感じていた好ましい感触の余韻に浸っていた。

 

そして気付く…チョコを渡せていないことに

 

「しまったァァァァァァァァァァァ‼」

 

高い声がIS学園中に響き『夕焼け…謎の女の声!』と言う都市伝説が出来ることをシャルロット

はまだ知らない。




この話の中でチョコをちゃんと渡せた人はたった3名
そしてその中の一人は相手をノックダウンさせると言う始末…
もしかしなくてもやりすぎた?




~追記~
お気に入りがいつの間にか3ケタ越えていてお兄さんマジびっくりしましたよ…
心臓止まるかと思っちゃった
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