平凡な俺の機体がキチガイスペックな件について《完結》 作:賢者
でも皆の強化概案がなかなかまとまらなくてねぇ
勿論ISの方ね
取り敢えず無事に着いたIS学園の生徒一同は目の前の海を目一杯楽しむべく水着へと着替えに戻った……の前に先生の有難ーい説明を聞くことになった。
しかし、いくら憧れの先生が目の前にいると言ってもやはり遊びたい盛りの花も
恥じらう乙女たちの巣窟なわけで彼女たちがそわそわと動き始めたころには千冬も
仕方がない、と言った表情で現地解散と言う名の自由時間の延長を生徒全員に聞こ
えるように呟いた。
そこからの展開は早いもので数分後には海水浴を楽しむもの、ビーチバレーを楽し
むもの、スイカ割りを楽しむものなどいろいろなグループに分かれていった。
勿論我らが主人公一夏と脇役佐藤もビーチバレーに飛び入り参戦し、場を大いに
荒らしまくった。
あの謎のIS乱入事件から周りへの配慮をやめた一夏の実力はやはり目を見張るもの
があり足枷である佐藤でさえも「俺って仕事してる」なんて勘違いさせるほどには
点差をつけた。
しかしそんな彼も一人の人間なわけで、照りつける日差しとその照り返しによる
Wの日光攻撃は流石に堪えたようだ。
今は民宿へ帰る為体についた土を落としている途中だ。
「だー、冷たい」
「プールに入る前と後のシャワーって結構苦痛だったなぁ」
「そうだよなぁ……これの何倍もの冷たさを感じた」
「その後目一杯楽しんで授業ほとんど聞いてなかったっけ……」
「俺の担任はそこら辺融通が効いたたから『ぐっすり眠れたか?』なんて
サムズアップしながら起こしに来なかったなぁ」
「俺の場合、結構問題児行動してたからよく注意されたっけか?」
なんて過去の話に花を咲かせながら目の前の光景に巧みに目をそらしていく。
俺たちの目の前には絶対にウサ耳なんておいていない。
何故ここだけ全面ガラス張りで、集音マイクらしきものがついてるんだなんてこ
とはひとまず意識の隅っこに置いておくとしても流石に如何にも『罠ですよ』と
自己主張するウサ耳だけは意識するわけにはいかなかった。
これがたとえ民宿のおばさんの趣味だとしても俺たちはこれを直視するわけには
いかない。
直視すれば何か大切なものを失う気がする。
自分の動物的な直感がそう言っている。
しかし、現実とは非情なもので目の前のウサ耳は次の行動を開始した。
ぴくぴくっと左右に揺れると砂の中に消える。
消えた瞬間俺たちは逃走を開始したがすでにそこはとある女の手中に収まってい
たのである。
「酷いなぁ、二人ともそこにそれとなく置いてるものを無視するのはいくらなん
でも酷いと思うよ?」
大事なことだからにどいったとばかりに首をすくめた女性はかの有名な”天災”
篠ノ之束である。
全てのISのもととなったコアを作った謂わば現代兵器(その兵器が欠陥機かどう
かはさておき)で俺たち二人を女の園にブチ込んだ元凶でもある。
因みに俺とシャルを引き合わせたキューピットでもある。(そこだけは感謝)
「まぁそんな事より君たちの機体調整しに来たから見せてね?ついでにあの子た
ちのも見てあげるよ。君たちだけじゃ不公平だし、面白くない」
そして”天災”と呼ばれる所以である歴代のマッドサイエンティストも顔負けな
程の快楽主義者(自称)である。
彼女、実は面白そうだからと言って各国に1機だけISを提供した後、自国のコア
保持数を決める決闘をさせたのだ。
しかし決闘と言っても所詮は織斑千冬のいる日本の圧勝であったため本質は
各国の重役の悔しがる顔だけが見たかっただけでは?と言う説が現在主流らしい。
因みにこの話は全部先生から聞いたもので自分の国から聞いたものではない。
「ついでにあの子の……え~と更識簪ちゃんの馬鹿機体も見せてほしいな」
「オイオイ、束さんよ。いくら何でも馬鹿機体は失礼だと思うぞ?」
「馬鹿機体は馬鹿機体でしょ?何あの火力?自衛用の件でもあの威力なのに主
武装である12連ミサイルポッドとかサテライトキャノンとかホント既存の機体を
馬鹿にしてるとかしか思えない火力だよ。てかあれで何で競技用って名乗れてい
るのか不思議なくらいなんだけど」
それは俺も同感である。その火力俺にも分けてほしいくらいだ
簪の機体である打鉄改DXは正に火力厨の為だけにある機体と言っても過言では
ない。八坂君だってきっと大喜びだろう
まぁそんなこんなで始まった俺のIS学園初の臨海学校であるが……完全に嫌な
予感しかしないのは俺だけだろうか?
「俺も嫌な予感しかしねぇよ」
デスヨネー……てかナチュラルに思考読まれてもスルーできるようになるって
結構な進歩だな。
「ゲルググ・グスタフ目標を殲滅した」
「こちらも同じく目標を撃破したぜー」
そんなのんきな雰囲気とはかけ離れた予断を許さない状況が発生していた。
「ったく、リーバーもうちょっと綺麗に倒せねぇのか?」
「俺にそんなの求めるな、俺の戦い方がそれと正反対なものであることくらい
アンタにはわかるだろう?」
だがそんな軽口も数秒と持たない。
『お話中悪いけど増援よ、今度はさっきの2倍ね』
2機はやれやれと言うように飛び立っていく。
…………………接触の時は近い…………………
二ムバスさんが予想外にメチャクチャいい人だった件について審議中