図書委員の奏でる旋律と綴られし恋歌   作:ネム狼

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2話になります
本編どうぞ


それぞれの休日の過ごし方、ライブへのお誘い

 さて、今日は何を弾こうか。この弾くというのは楽器のことだ。

 

 俺にはいくつか趣味がある。そう、読書だけじゃないんだ。ゲームも趣味の一つであり、ゲームに関しては家庭用やアーケード、オンラインゲームもやっている。もう一つはピアノを弾くことだ。

 

 ゲームと読書、ピアノ、これらが俺の趣味だ。ゲームに関しては母さんの影響だ。母さんには何度対戦しても勝てない。母さんはそれほどまでに強い人だ。

 

 そしてピアノだが、これには理由がある。何故弾こうと思ったか。その理由は、音ゲーの曲をピアノで弾いてみたい、というのが弾くようになった理由だ。

 

 中学二年から始めて約二年経つが、俺はそこまで上手くはない。もちろん、コンクールにも出てはいない。ピアノは自己満足で弾いているにすぎない。俺は弾けるようにするために何回も他の人の動画を見たり、原曲も数回聞いた。

 

 俺には絶対音感が無いから弾けるようになるのに相当の時間を掛けた。どのくらい掛かったかは覚えていないが……。

 

 弾く時は大抵動画にアップしている。ただし、顔は出していない。映すのはピアノの鍵盤と手、正確には弾いているところだ。

 

 俺は動画を撮るために機材の準備をした。動画を撮り始めてまだ一年しか経っていない。投稿したのはわずか6件だ。

 

 機材の準備を終え、俺は息を整えた。緊張する。コンクールではないけれど、動画に撮ってるんだ。それはつまり、本番ということだ。

 

 

――練習は本番のように、本番は練習のように。

 

 

 俺は心にそう言い聞かせ、ピアノを弾き始めた。やはり、難しいものだ。練習して2週間近くだが、もう少し練習時間を増やせばよかったと俺は後悔した。

 

 その後、俺はピアノを弾き終えた。はあ、疲れた。やっと終わった、と俺は心の中でそう思った。

 

「はあ、はあ……。難しい曲だったな」

 

 俺は機材の電源を切り、機材を片付けた。さて、あとは本を読むとしよう。ある程度読んだらNFOをやるとしよう。またあの人達は来ているだろうか。確か魔法使いと死霊使い(ネクロマンサー)だったか?

 

 

▼▼▼▼

 

 

 私はヘッドホンを外し、休憩に入ることにした。オンラインゲームは集中すると時間を忘れてしまう。練習をするのと一緒のような気がする。

 

「今日の……クエストは……いつもより……周回が捗ったかな」

 

 あこちゃんも今はお昼にしているかもしれない。私もそろそろお昼にしないと……。

 

「フレンドの……シャドウさん、魔法剣士だよね?あのプレイ……上手だったな」

 

 シャドウさんは他にもタンク系や魔法使い、ヒーラー等様々な職業も担当する時がある。主に高難易度クエストの時はすごくお世話になっている。シャドウさんがいないとクリアできないクエストも何個かあったくらいだ。

 

 今日は練習は休みだけど、私は出掛けたりはしない。あこちゃんは巴さんと出掛けているみたいだから、今日は一日中家に籠ることになるようだ。

 

「そういえば、椎名君は……休日は……どう過ごしてるのかな?」

 

 私は椎名君のことをよく知らない。彼がどういう本が好きなのかとかはまだしも、どう過ごしているのかはわからない。何かできそうなことないかな?

 

 私は考えた。椎名君をもっと知るにはどうしたらいいか、彼は他に何をしているのか等、色々なことを考えた。

 

「……そうだ!ライブに誘う……手があった」

 

 今度椎名君にチケットを渡そうかな。私は早く平日にならないかと待ちきれない気持ちになり、心が躍った。私はどうして椎名君にここまでしようって思ったんだろう。

 

 本当にわからないものだ。きっと私は自分のことを知ってほしいという気持ちになっていたのかもしれない。それなら私はできることをしよう。

 

 

――早く平日にならないかな?

 

 

▼▼▼▼

 

 

 俺は思ったことがある。髪がやけに伸びすぎたと。このまま伸ばしていると腰辺りまで伸びてしまうかもしれない。

 

 多分下手したら風紀委員にも言われるかもな。特に氷川先輩には確実に言われるだろうな。あの人は風紀委員だ。噂で聞いた話だが、ギターをやっている、という話を聞いたことがある。それは本当なのか?

 

「髪どうしようかな。白金先輩に聞いてみようかな?」

 

 今は肩甲骨辺りまでだけど、少し切った方がいい。切れば少しは首元辺りがスッキリするだろう。俺は迷っていたのだ。

 

 髪を切った方がいいのかを母さん達に聞くか、又は白金先輩に聞こうか。なんで迷うのか、自分で思い切って決めるのも手の一つだ。どうしたらいいのやら……。

 

 俺はさっき撮った弾いてみたの動画を見た。やっぱり練習が必要だ。再生回数なんて100件程か、こんな動画に100行くなんて、おかしいものだ。コメントには「素晴らしい!」だの「指が変態」とかが書かれてる。変態は余計だ。

 

「全く、碌なコメントがない。まあいいか、いつものことだし……」

 

 俺はそう思いながらコメント一覧をマウスでスクロールした。ん?なんだこのコメントは?

 

「ピアノがとても上手です。表現も素晴らしくて聞き惚れてしまいました?誰だろ?このコメントを送ったの」

 

 名前を見ると「Rin」という人だった。そういえばNFOのフレンドに聖堕天使あこ姫やRinRinがいるけど、そのうちのRinRinっていう人とは別人だよな?そうであってほしい。

 

 でも、正直言うと嬉しかった。俺の心はこんなコメントを送ってくれたことに感動した。思わず泣きそうになった。

 

「なに泣いてんだ。こんなことで泣きそうになるなんて、俺って涙脆かったかな?」

 

 いつからだろうか、こんなに涙脆くなったのは。本を読んで感動してマジ泣きしてたんだからまあ当たり前か。

 

 よし、決めた。髪については白金先輩に聞こう。きっといい意見をくれるに違いない。

 

 次の日、白金先輩に聞いてみた。

 

「髪を……切ろうかについて?」

「はい、長くなったので、切ろうかなって迷ってるんですよ」

 

 俺は図書室で白金先輩と受付をしながら話をした。今日は白金先輩と受付だからちょうどよかった。しかし、隣にいると気まずくなるな。なんでだろう......。

 

「私は……今のままが……いいかな」

「今のままってことは、長い方ですよね。なんでですか?」

 

 俺は白金先輩に何故今のままがいいのかを聞いた。悪いことを言われたら泣くかもしれない。白金先輩の意見なんだ。受け止めないといけない。

 

「うーん……。なんて言うんだろう。長い方が……椎名君らしい……かな?」

「俺らしいですか?」

「うん。短いとなんか……アレ?って感じになるから、私は今のままが……好きかな」

 

 

――今のままが好きかな。

 

 

 俺は思わずドキッとしてしまった。白金先輩にそんなことを言われるなんて思わなかった。ああもう!なんでこんな時にドキドキしちゃうんだよ!

 

「そ、そうですか!ありがとございます!」

「……どうしたの?」

「な、なんでもないです!」

「?」

 

 なんか隠しきれてないような気がする。大丈夫かな?早く昼休み終わってくれないかな?

 

「あ、そうだ。椎名君に……渡したいものが……あるんだけど……」

「渡したいもの?」

「うん、これ……なんだけど」

 

 白金先輩に渡されたのはチケットだった。それもRoseliaのチケットだった。なんでこんな物を持ってるんだ?

 

「実は私……Roseliaで……キーボードを……やってるんだ」

「そうなんですか!?」

 

 俺は驚いた。しまった!図書室は大きい声は駄目だったんだ。マズかったな、今のは。

 

「そ、そうだよ。それで……もしよかったら……ライブ観にきて……ほしいかなって……思ってね」

「観に行きますよ。白金先輩の演奏、聞いてみたいです」

「ありがとう!ライブ、来週だから……観に来てね!」

 

 白金先輩は笑顔でそう言った。その笑顔は俺にとって眩しい笑顔だった。この笑顔を見るだけで明日も頑張ろうって思ってしまう。どうしてそう思うんだろうな、不思議なものだ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 よかった。来てくれる!勇気を出してよかった。さあ、ライブに向けて頑張ろう!

 

 

――椎名君に私を、白金燐子を見てもらわないと!

 

 

 私は笑顔で微笑んでそう心の中で誓った。椎名君、どう思うかな?きっと驚くだろうな。私の心はどんなことになるかを待ちきれない気持ちになりながらそう思った。

 




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