図書委員の奏でる旋律と綴られし恋歌   作:ネム狼

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更新遅くなってホントにごめんなさい



青薔薇との初対面、緊張する後輩

 ライブが終わり、外はまだ明るかった。時間を見ると十二時、もうこんな時間なのか。早いものだ、時間とはこんなにもあっという間なんだなと俺はそう心の中で思った。

 

 しかし、ライブの時の白金先輩は綺麗だったな。つい見惚れてしまった。そう、周りが目に入らないくらいにだ。どうしてあの人はあんなに輝いていたのだろうか。その理由は俺にはわからなかった。

 

 そして俺は今どこにいるのかというと、ライブハウスの隣にある休憩所にいる。Roseliaのライブの後、コーヒーを飲もうと思ってここに来た。うん、落ち着くな。こういう時は読書に限る。どうやら本を持ってきて正解だったな。

 

 読書をして三十分くらいの時間が経った。そろそろ帰るとするか。そう思っていた時、ライブハウスから誰か出てきたようだ。よく見ると、Roseliaの人達だった。え、白金先輩!?

 

「し、椎名君!?」

「あ、白金先輩」

 

 まさかここで会うなんて思わなかった。どうする、何を話せばいいんだ!?

 

「お、お疲れ様です……」

「あ、ありがとう……ございます……」

 

 やばい、なんか気まずい。この雰囲気はどうしたらいいんだ!?どうする、どうする俺!?

 

「あなたは椎名君ですか?」

「紗夜、知っているの?」

 

 そうだ、氷川先輩もいたんだった。ていうか氷川先輩と俺ってどっかで会ってたっけ?どこで会ったんだ?

 

「はい、彼とは同じ学校で後輩なんです。私が本を借りる時に受付をしていたので、そこで知り合いました」

 

 思い出した。いつだったかは忘れたが、本を借りに来た人がいたな。受付をしていた時に申請してて、それでその人が氷川先輩だってわかったんだっけ?

 

「こ、こんにちは!氷川先輩!」

「こんにちは。椎名君。ここにいるなんて珍しいですね」

「ここに来たのはですね、今日Roseliaのライブがあったので、観に来たんですよ」

「観に来た?チケットはどうしたんですか?」

「チケットは白金先輩から頂きました」

 

 燐子やるじゃん!と茶髪でギャル風な人が言った。誰だろう?俺が知っているのは白金先輩と氷川先輩だけだ。他の人は誰なんだ?

 

「自己紹介が遅れたわね。私は湊友希那、ボーカルを担当しているわ。よろしく」

「ベースをやってまーす、今井リサです。よろしくね!」

「我が名は大魔王宇田川あこである!……えっと、ドラムやってまーす!」

 

 湊さんと今井さんか。あと、宇田川さんだったか?この子、キャラがヤバいな。というより、中二病か?大丈夫だろうか、心配だ。

 

「俺は椎名千景です。白金先輩と氷川先輩とは同じ学校で、学年は一年です。よ、よろしくお願いします!」

 

 うわあ、緊張してるよ俺。こんな凄い人達の前なんだ。緊張するに決まってる。俺、どう思われてるかな?変な奴、それとも思い込みの激しい奴?どっちなんだろう。ああもう、不安だらけだ!

 

 

――白金先輩の前でこうなるなんて、俺ってついてないな……。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 椎名君は頭を下げて友希那さん達に挨拶をした。よく見ると緊張してる。椎名君、大丈夫かな?

 

「頭を上げて、椎名さん」

「は、はい!」

「そんなに畏まらなくてもいいわ。あと、こちらこそよろしく」

 

 友希那さんは椎名君によろしくと言った。そして椎名君は頭を上げたけど、驚いていた。もしかして、まだ緊張してるのかな?

 

「こ、こちらこそ!」

「あ、アタシもよろしくね!」

 

 それからは友希那さんや今井さん、あこちゃんからも握手をした。けれど、椎名君はヘトヘトのようだった。私達はいつも通りファミレスで今回のライブの反省会をすることになった。もちろん、椎名君も一緒だった。どうやら、今井さんが一緒にどう?と誘ったようだ。

 

 私達が反省会をしているところを椎名君はじっと見ていた。あまり見られると恥ずかしいけど、私はそんなことは全く気にしていなかった。

 

 反省会が終わってからの椎名君は今井さんやあこちゃんから色々と聞かれたようだ。学校ではどう過ごしているのかを聞かれたり、趣味は何なのか等も聞かれた。

 

「そうかそうか、椎名君はそんな人かあ」

「まあそんなところです。ていうか聞いてどうするんですか?」

「椎名君がどんな人なのか気になってね」

 

 今井さんは笑顔で椎名君に言った。今井さんとあこちゃん、凄いな。初対面なのに、どうしてこんなに聞けるのかな?それに引き換え、私は椎名君に質問なんて一つもできていない。

 

 私は椎名君に聞こうにも、そんな勇気が湧かなかった。私は今井さんとあこちゃんが椎名君にここまで聞けることに羨ましいと思ったと同時に、どうして私はここまで積極的になれないのかと、心の中で後悔した。

 

「ところで、椎名さん」

「何ですか?湊さん」

「会って間もないのに言えることではないのだけれど、椎名さんのこと名前で呼んでもいいかしら?」

「湊さんがよければよろしいですよ。下の名前は千景です」

「ありがとう。じゃあよろしく、千景」

 

 ズルいよ!と今井さんが言った。どうやら今井さんも椎名君のことを名前で呼びたいようだ。椎名君は構わないですよ、と言った。

 

「じゃあ、あこはチカ兄って呼んでいい?」

「いいですよ、宇田川さん」

「やった!ありがとう!」

 

 あこちゃん、嬉しそう。私と氷川さんはさすがに申し出なかった。氷川さんも会って間もないのに、名前で呼ぶのは早すぎるのでは?と疑問に感じたようだ。私は名字のままでいいかな。まだ、椎名君を名前で呼ぶのは早いと感じた。

 

 

――どうしてかはわからないけど、そんな気がした。

 

 

「それにしても氷川先輩」

「どうしたのですか?」

「テーブルにポテトが大量にあるのは気のせいでしょうか?」

「き、気のせいですよ!何方か注文したのかもしれません!」

 

 氷川さん、隠せてないような気がする。氷川さんがポテト好きなのは本人は隠せているつもりだけど、友希那さん達にはバレバレだ。口に出していないだけだから隠せているのかもしれない。

 

「そういえばさあ、りんりんとチカ兄ってどうやって知り合ったの?」

「っ!?」

 

 あこちゃんに聞かれた瞬間、私はビクッとしてしまった。どうしよう、何て言ったらいいんだろう。今井さんは興味津々で私と椎名君を見ている。しかも意外なことに友希那さんと氷川さんもだ。

 

「どうします?白金先輩」

「どうするって?」

「俺と白金先輩がどうやって出会ったかですよ。湊さん達が興味津々ですけど、話します?」

「話に入る所悪いけど千景。私とリサは学年は二年よ」

「嘘!?すいません湊先輩。気づきませんでした」

 

 話していなかった私が悪いわ、と友希那さんは微笑んで言った。それはいいとして、これは話すしかないよね。でも、下手をしたら私が椎名君のことが気になっていることがバレてしまう。なるべく気づかれないようにしないと!

 

 私と椎名君はお互いの出会いを話すことにした。椎名君が本を借りる時に受付をしたのが私であること、それだけを言った。

 

「そうなんだ!なんかロマンチック!」

「ロ、ロマンチック?」

「そうだよ!なんかこう、お互いが気になってるとかはないの?」

「それは……ありません……」

「さすがにそれはありませんよ。今井先輩が期待しているようなことはありません」

 

 なーんだ、と今井さんは残念そうに言った。よかった、なんとか誤魔化せたようだ。でも、椎名君がそれはありませんって言ったけど、ちょっと傷ついてしまったのはここだけの話。

 

 やっぱり、今日のライブを見てどう思ったかを聞くのはまた今度にしよう。今ここで聞いたら誤魔化した意味がない。受付で一緒になって時間が空いたら聞いてみようかな。

 

 私は思った。もう少し椎名君のことを知ることができたらよかったなと、椎名君に何か聞けばよかったなと思った。今回は聞けなかったけど、今度趣味とか聞いてみようかな。




燐子セリフ全くありませんでしたが、燐子視点でほぼ喋ったから許して!
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