今回は千景と燐子とあこがNFOプレイヤーとして再会します
五月三日、NFOイベント当日。今日はある人と約束をしている日だ。
一昨日白金先輩にどこか出掛けないかと誘おうとしたが見事に撃沈してしまった。まああこちゃんと約束しているなら仕方ないか。
今回の俺の服装は外が暑いため、黒のTシャツにジーパンとシンプルな服装にした。髪はいつも通り一つ縛りにしてある。しかし、この服装でよかっただろうか。Rin -Rinさんとあこ姫さんに会うとはいえ、俺からしたらだらしないとしか言い様がない。もう少しきちんとした服装にすればよかったな。
待ち合わせ場所は確か駅前だったか。特徴としてあこ姫さんが紫髪のツインテール、Rin-Rinさんがストレートの黒髪か。あれ?この特徴ってどこかで見たような気がする。気のせいか?いや、気のせいであってくれ。
歩いて二十分、俺は駅前に到着した。はあ、歩いただけなのに疲れた。ホント俺って体力ないな。運動した方がいいかもしれない。こんな姿白金先輩には見せられないし図書委員として情けない。
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「りんりん、大丈夫?」
「だ、大丈夫……だよ。私は……緊張なんて……してないから」
あこちゃんと合流して駅前に着き、あとはシャドウさんが来るのを待つだけ。待つだけなのに私は緊張していた。シャドウさんはセミロングの黒髪が特徴だって言ってたけど、私の記憶が正しければ、見覚えのある人がいるような気がする。
――あれ?誰だったかな?
そういえば椎名君はどうしてるかな?気になるけど、後で聞けばいいかな。はぁ、外が暑い。あこちゃんの首筋から汗が出てる。なんだろう、中学生なのに色気を感じる。何でかな……。
「どうしたの?りんりん」
「っ!?な、なんでもないよ!」
ヤバい、感づかれたかもしれない!大丈夫かな?気づかれてないよね。気づかれてたらロリコンだって思われちゃう。あこちゃんにはロリコンって言われたくないな。いや、椎名君にロリコンって言われるのはもっと嫌だ!
椎名君にロリコンって思われたらどうしよう。そんなことになったら立ち直れないかもしれない。なるべく気をつけよう。
私はシャドウさんが来ているか周りを見た。あ、あの姿はシャドウさんかな?
――ん?何か見覚えがある。セミロングだよね?
私は記憶を辿り、その髪型に当てはまる人を探した。黒髪で女顔……。あの姿はもしかして椎名君?ということはシャドウさん=椎名君!?
「ねえりんりん、あの人ってチカ兄だよね?」
「え?椎名君かな?記憶にないなぁ」
私はあの人が椎名君であることに気づいている。気づいているけれど知らない人だと惚けて現実逃避することにした。あれは椎名君じゃない、別の人だ。
「あれ、あこちゃん!ここにいるなんて白金先輩と待ち合わせしてるの?」
「おはようチカ兄!りんりんならここにいるよ!」
ちょ、あこちゃん!?なんてことを……。
「あこ姫さんとRin-Rinさん探してるんだけど、どこにいるかわかる?」
「え?その二人ならここにいるよ?」
「え?もしかしてだけどあこ姫さんってあこちゃんのこと?」
「そだよ!それで、Rin- Rinさんがりんりんなんだよ!」
私は気づかれないように椎名君の方に視線を投げた。あの顔は驚いてる。大抵の人ならそんな反応するよね。
「それはマジなの?あこちゃん」
「うん!本当と書いてマジだよ!」
「……マジかぁ。改めておはようごさいます、白金先輩」
「お、おはよう。椎名君、今日はいい天気だね……」
私は何を言ってるの!?余計に緊張しちゃうよ!椎名君にバレちゃった、どうしよう合わせる顔がないよ!どうしたらいいの、教えて神様!
「ね、ねぇ椎名君。聞くけどシャドウさんって……もしかして……椎名君のことかな?」
「……はい、そうです。俺がシャドウです。千景の景から取ってシャドウにしました」
「カッコいい!じゃあチカ兄はあれだね、サウザンドシャドウだね!」
「サウザンドシャドウ!?恥ずかしいからやめてくれ……」
とりあえず休みたい。穴があったら入りたいよ。はぁ、今日はついてないなぁ。椎名君とどう話せばいいのかな?
▼▼▼▼
Rin-Rinさんとあこ姫さんが知っている人だったという衝撃的なサプライズの後、二時間くらいしたイベントを終えて喫茶店に寄ることにした。なんだろう、さっきは無心でいられたけど、今は緊張する。
「まさか白金先輩とあこちゃんがNFOをやってたなんて意外だったな」
「そうかな?あこはりんりんに誘われて始めたよ」
「白金先輩が誘ったんだ。俺は母さんがゲーマーでさ、その影響で始めたんだ」
「むしろ私は……椎名君がシャドウさんだったことに……びっくりだよ」
大丈夫です白金先輩、俺もびっくりだから。まさかフレンドの人が近くにいるなんて思わなかったから俺も同じ気持ちです。
というかどうしよう、話題が思い付かない。何を話せばいいんだ?レイドのことか?本のことか?練習の調子とかか?駄目だ、全く思い付かない。こんなことなら話題を決めればよかった。
「し、椎名君!」
「っ!?どうしましたか白金先輩?」
白金先輩は緊張しているのか、俺に話し掛けてきた。相当震えてる。まぁ無理もないか、さっきあんなサプライズ的なことがあったんだ。緊張しないわけがないか。まぁ、俺も緊張してるけどな。
「椎名君はその……残りの連休はどう……するの?」
「残りですか?残りは空いてますよ。暇な時はイベント周回してますが……」
「そう……なんだ。じゃあ来週は……どうかな?」
来週か。来週は父さんに司書の手伝い頼まれてるから二十日なら空いてるな、その頃なら予定はないから大丈夫だ。何かあるのかもしれない、念のため聞いてみるか。
「二十日の土曜でしたら空いてますよ。何か予定でもありますか?」
「……よかった。その日なんだけど……もしよかったらどこかに出掛けない?行けたらで……いいんだけど……」
出掛けないか?それってもしかしてデートなのか!?まさか白金先輩から誘われるなんて思ってなかった。でもこれはチャンスかもしれない。確かに俺は白金先輩のことが気になる、もっと知ることができるかもしれない。そう考えると行かないという選択肢はない。
「わかりました。そのお誘い、是非とも行かせて下さい。俺も一昨日白金先輩をお誘いできなかったので……」
――そのお出掛け、ご一緒させて下さい!
俺は微笑んで白金先輩に言った。あれ?俺何をしてるんだ!?ヤバい、無意識にやっちまったかも!?しかもあこちゃんがいる前で!
「な、なに!?もしかしてりんりんとチカ兄デートするの!?」
違うよ!と俺と白金先輩は声を揃えて言った。声が揃っていたことに気づき、俺と白金先輩は互いに見つめ合い、顔を赤くしてしまった。これを見たあこちゃんは「いいなぁ、あこもこんな青春したいなあ」とニヤニヤしながら言った。そうだった、あこちゃんいたんだった!
――中学生の前で何をやってるんだ俺は!
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はぁ、私はなんてことをしてのだろう。椎名君を誘うなんて、私らしくないや。
――そのお出掛け、ご一緒させて下さい!
あの時の椎名君、カッコよかったなぁ。私はあの声を聞いた途端に耳を赤くしてしまった。椎名君には気づかれていないと思うけど、あこちゃんには気づかれてしまった。しかもあこちゃんからは「チカ兄のこと好きなの?」と聞かれた。
そんなことないよ?と私は否定したけど、どうだろう。あこちゃんはまた聞いて来るかもしれないし、今井さんなら確実に追求してくるかもしれない。あの人は乙女な部分があるから、恋愛になってくるとそういう所が怖い。
「私、大丈夫かな?椎名君に嫌われてないよね?」
こんなことを言っても仕方ない。誘ったからには頑張らなきゃ!でも、初めてのことだから今井さんに相談しようかな?
相談するということは椎名君のことは聞かれる、それは避けられないことだ。その時はその時、こうなったら当たって砕けろだ。頑張ろう!
久しぶりに書いたとはいえ、激寒レベルでつまらなかったかもです
読者の皆様、ホントに申し訳ないです