図書委員の奏でる旋律と綴られし恋歌   作:ネム狼

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二週間ぶりの更新です


甘いのかわからないお誘い、準備は万端に

 連休が終わって数日、白金先輩からデート?の誘いを受けたがあれで本当によかったのだろうか……。

 

 先輩に誘われたからには断るわけにはいかない。まずは身だしなみを整えよう。髪は切らない方がいいって前に先輩から言われてるし、そうなると服装辺りか。

 

 服は買いに行かないとまずいが、何にしたらいいんだ?どうすればいいんだ?

 

「駄目だ、どうしたらいいかわからん。というか白金先輩はどんな服装が好きなんだ?」

 

 まぁ服装に関しては誰かに相談するか。うん、そうしよう。それがいい。

 

 気晴らしにピアノを弾くか。本は読もうにも途中で読む気が無くなるからやめておこう。さて、何を弾くか。たまには歌いながら弾くのもいいかもな。

 

 俺は棚から楽譜を取り出し、ピアノが置いてある所へと向かった。ピアノといっても電子ピアノだがな。母さんはあれでもピアノの調律師でもある。

 

 今回弾く曲は「ロミオとシンデレラ」だ。とある電子の歌姫の曲らしく、最近ではあるバンドがカバーしたらしい。

 

 しかしこの曲、歌詞が生々しい部分がある。それを考えると恥ずかしいが、ここは吹っ切れて歌うとしよう。幸い母さんと父さんはいない。

 

 

――よしやるか!

 

 

 五分くらい経って曲を弾き終える。歌いながらやったが、さすがに投稿はしない。そんなことしたらまた白金先輩に聞かれるだろうし、精神的にもきついからやめておこうか。

 

「ふぅ……。心のモヤモヤが取れた感じがするな」

 

 今回は歌ってよかったな。歌詞の意味すら気にしないでやってたけど大丈夫だろうか。気にしてたら負けか。

 

 

▼▼▼▼

 

 

「はぁ……」

 

 溜め息を吐くなんて私は何をしているのだろう。椎名君を誘う、連休での電話の時に椎名君の誘いを断ったから埋め合わせをしようと思ってあんな事を言っちゃったけど、自分でもとんでもない事をしたなと感じている。

 

 上手くいくのか、私にはそれが心配だった。椎名君のことが知りたい、それが今の私の目標だ。知ることができれば内気な自分を変えられるのではないか、そんなことを思っているけれど、まるで椎名君を踏み台にしているんじゃないのかと私はそんなことを思っていた。

 

 

――こんなことが椎名君にバレたら彼はどう思うのだろう。蔑まされるのは当然かな。

 

 

「白金さん、大丈夫ですか?」

「ひ、氷川さん……何がですか?」

「心配だったので声を掛けたのですが、何かありましたか?」

 

 氷川さんにまで心配されるなんて、情けないことをしてるな私は……。椎名君をお出掛けに誘ったことを相談してみようかな?氷川さんに相談してみてどうしたらいいかを聞いてみるのもアリかもしれない。

 

 私は氷川さんに今回の事を相談してみることにした。氷川さんは真剣に話を聞いてくれた。いい答えが聞けるかもしれない。私は藁にも縋る思いで氷川さんの答えに期待をした。

 

「……なるほど。椎名さんをデートに誘った、ということですね」

「デートだなんてそんな……恥ずかしいです……」

「恥ずかしいだなんて、私からしたら白金さんは凄いと思いますよ」

「そうでしょうか?」

「はい、とても素晴らしいことですよ」

 

 氷川さんは私を見守るかのように言った。素晴らしい、そんなことを言われると照れてしまう。ああ、思い出すと恥ずかしくなる。

 

「話を戻しましょう。今回の件は今井さんにも話してみませんか?」

「今井さんにもですか?」

「ええ、彼女ならファッションのことやデートについてのことなら話が聞けるかもしれませんよ?」

「今回の事で話を聞かれたら……どうしたらいいでしょうか……」

 

 そうだ、今井さんなら必ず聞くだろう。今井さんは乙女な部分が大きい。聞かれたら相談するつもりで答えよう。うん、そうしよう。

 

「その時は私も側にいますので何とかします。私としても白金さんが恥ずかしがる所は見た……。間違えた、見てはいられませんからね」

「氷川さん……何か聞いてはいけないことを……聞いたのですが……」

「いいえ、何も言ってませんよ?」

 

 本当かな?氷川さん、何かおかしいところが一瞬見えるけど大丈夫かな?

 

 

▼▼▼▼

 

 

 母さんに聞いてみたが、全く参考にならなかった。それどころか自分で何とかしろと言われた。あんまりだ。

 

 まぁしょうがない、ネットで調べて何とかするしかないか。白金先輩を上手くリードできるように頑張ろう。後輩である俺がリードしないと!

 

「とは言ったものの、どうしたらいいか……」

 

 正直言うと不安しかない。白金先輩はどんな服装で来るのか、どんな一日になるのか、期待してしまうがどうなるかはわからない。ご想像にお任せしますなんてなったら妄想になってしまう。

 

 気晴らしに図書館に行くか。本とネット、この二つで調べてみるか。こんなこと白金先輩には恥ずかしくて言えないな。

 

 俺は家を出て図書館に向かうことにした。図書館に行くのは久しぶりだな。今回は本を借りない。それにしても思ったが……。

 

 

――図書館にデートに関する本ってあるのか?

 

 

 今更こんなことを思うなんて、気づくのが遅すぎた。何をしているんだ俺は……。

 

 まあいいや、ダメ元で探してみよう。無ければ本屋に行って買うしかない。多分図書館には無いかもしれない。今日は調子悪いな。

 

 図書館で探してみたものの、案の定無かった。そりゃそうだ、あるはずがない。あったら奇跡としか言い様がないし、何で置いてあるんだよって聞きたいものだ。

 

 本屋に行くか、もはやそれしかないな。本屋だったら置いてある筈だ。

 

 本屋に入り、目的の本を探すことに一時間掛かった。よし、何とか買えたな。あとはどうするかを調べつつ計画を立てる。上手くいくといいのだが、なんか不安しかないな。

 

「今日はNFOやる時間はなさそうだな。よし、ログインだけにするか」

 

 白金先輩とのデートのためだけにここまで熱心になるなんて……。確かに先輩のことは気になるが、知りたいという一心、しかも本を買うということまでするっておかしいな。母さんだったら笑ってるに違いない。

 

 読んで調べてみよう、何が書いてあるかは読んでからのお楽しみだ。あくまでもこれは参考にするためだ。間違って本のようにするなんてことはしないようにしよう。読んで自分なりにやる、その方がやり易いだろうな。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 今井さんから色々と聞かれてしまった。その時の氷川さんの表情が怖かったけれど、何なのかは聞かないでおこう。

 

 今井さんや氷川さんから意見をもらったけれど、途中から友希那さんとあこちゃんも話に入った。結果、みんなから袋叩きの如く聞かれてしまった。あこちゃんが全部言ったことが原因だ。

 

「あこちゃんが言うなんて……全く想定してなかったなぁ」

 

 言ったのは私だ。計画に関しては今井さんと相談して何とかなったけど、問題は実行に移せるかだ。昨日は椎名君とは会えなかった。はぁ、会えなかったのが残念だ。

 

 でも明日は椎名君に会える。会えるだけなのにドキドキするんだろう。それだけなのに、どうして……。

 

 

――どうして……どうしてこんなにも、顔が熱くなるんだろう。

 

 

 その理由はわからない。わからないけれど、いつかわかる時が来るかもしれない。それは自分で探そう。

 

 

 




紗夜がまたしてもキャラ崩壊してますがお許しを
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