自分で作り出すものなのだ
001 タイムスリップとその経緯
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2025年。
平成37年、日本列島は100年前の時代へとタイムスリップした。
中華人民共和国が開発した次元振動弾の暴発が原因だった。
次元振動弾とは、日米台の軍事的圧力に耐えかねた中華人民共和国が起死回生の戦力として高位次元理論を元にして開発した超兵器であった。
平成30年代の極東アジアは極度の緊張感の下にあった。
平成30年代に入って以降、経済成長の著しく鈍化した中国は軍需をもって経済拡大を図ったが、対して日本もGDP2%枠を投じた積極的平和主義を提唱し、軍拡を推し進めた。
竜虎の対峙。
その上で米国も本気の軍拡を実施。
台湾へは日米が共同でテコ入れをしていた。
そこで発生した朝鮮内戦。
白頭山の噴火により北朝鮮は不安定化し、韓国と世界に支援を要請。
要請を受けた韓国政府は北朝鮮を助けようとした。
韓国軍の予算を削って。
これに韓国軍上層部がガチ切れして軍事クーデターが勃発。
韓国内での混乱に、北朝鮮が乗じて同胞への人道支援の名の下で食料収奪に強襲。
北朝鮮軍の主力が南下した所、北朝鮮国内に残っていた軍の一部が反乱を宣言。
朝鮮半島は四分五裂して、誰も幸せになれない内戦が始まった。
周辺諸国は不干渉条約を策定。
国境線を封鎖した。
それでも国外脱出を図った人間は、人道支援として済州島もしくはカムチャッカ半島の人道的収容施設へと送られた。
当初は不干渉を宣言し遵守していた極東の日米台中露であったが、日米の干渉を求めた親米派政権が正統韓国政府軍の偽装を行ったF-15戦闘機で対馬を爆撃した為に事態が急変する。
難民を乗せた民間航空機を飛ばし、その陰にF-15を潜ませて爆撃を行ったのだ。
対馬の小学校と役場を爆撃。
死傷者が200人近く発生した。
特に死者の多くは子供だった。
小学生だった。
その事に日本国内の世論は沸騰する。
この惨劇を引き起こした親米派政権は情報工作を行い、正統韓国政府のネット公報を偽装して爆撃理由を公表した。
曰く「対馬で国外へと避難した年若い韓国人女性が性奴隷にされていた為、日本の植民地主義へと鉄槌を下した」と。
慌てた正統韓国政府であったが、ネットで国民の支持が集まった為、調子に乗って爆撃を認めてしまった。
その上で日本に対して謝罪と賠償を要求した。
沸騰した世論に後押しされた日本政府は国連安保理を招集、対馬列島と朝鮮半島の間に防空特別圏の設定を認めさせた。
飛ぶものは軍民を問わず叩き落とす宣言する。
又、洋上でも日本領海への韓国籍船舶の進入を、それが無害航行でない可能性が大であるとして、全面拒否すると宣言。
とはいえ戦争に発展した訳では無かった。
日本政府は即時の報復は行わず、被害現場の詳細の公表と世界中のマスコミを呼び込んで正統韓国政府の糾弾を行った。
その上で、正統韓国政府に対して謝罪と原因究明、そして責任者の処罰を要求した。
又、被害者への賠償の為として日本国内の韓国政府資産の凍結を実施した。
ここまでは中国にとっては良い話であった。
中国に正面から逆らう日本の国力が、対朝鮮半島で削れるだろうからだ。
或は対朝鮮半島の為に対中融和政策を行う事を期待した。
その為の外交的接触も行った。
だが、キレた日本は中国の想定の斜め上を行った。
軍拡を開始したのだ。
対中軍備とは別枠で、予算を乗せてきたのだ。
防衛大綱は改訂され人員規模の拡張こそ低調ではあったが装備面の拡張は著しいものがあった。
陸上自衛隊は各種AFV2000両の調達を中心に重機械化が推し進められ、策源地攻撃用の大型ミサイルの整備が決定された。
航空自衛隊はF-3の増産と防空ミサイル群の規模拡張が行われた。
海上自衛隊に至っては計画の進んでいた40000t級多目的母艦がキャンセルされ、70000t級の純然たる空母が建造される事となった。
戦争を行わない代わりとして、朝鮮半島の諸勢力が
血の気の多すぎる日本の行動に慌てた中国は、1枚看板の正規軍や無害化された戦略核ミサイルに代わる兵器を求めた。
それが次元振動弾だった。
大馬力で開発された次元振動弾は威嚇と実験を兼ねて太平洋上空 ―― 宇宙空間で爆破しようとしたら、工作不良であったロケットが上昇途中で落下してしまった。
次元振動弾は太平洋上でさく裂する。
この結果、日本列島やグアム島などが100年の時間をさかのぼる事となった。
時に1925年。
奇しくも大正から昭和へと変わろうとした時代。
昭和では無く令和が始まった。
2019.11.02 文章修正
2022.10.18 構成修正