タイムスリップ令和ジャパン   作:◆QgkJwfXtqk

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173 第2次世界大戦-40

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 ドイツ戦争西部戦線。

 フランス陸軍を主力とする戦力集団に於いて、ある意味で助攻的な役割を背負ってドイツ沿海部を担当していたのが日本の遣欧総軍欧州方面第1軍である。*1

 ブリテン軍と協調し、沿岸域からフランス軍の侵出を支えるのが主任務とされていた。

 その前提が崩れる事となりうる。

 無論、原因はドイツ戦争に於ける()()()()()()()である。

 正確に言えば、オランダに対する日本の信用であった。

 一部のオランダ人が有する反日感情に対する対応は、内政不干渉の原則により不可能である。

 だが、日本の本音として、反日感情を唯々諾々と受け入れる積りは無かった。

 日本政府と政府機関に日本連邦統合軍、それに()()()()が、不快感の表明に動いた(しっぺ返しを図った)のだ。

 具体的には、例えば戦災にあったオランダに対する復興支援(ODA)

 それまでは申請すれば通る緩さがあったのが、急に環境アセスメントや地域住民の賛成などと言った21世紀基準での手間(ハラスメント)を要求するようになった。

 民間企業に関して言えば、オランダ領インドシナで行う商業活動に於ける雇用で、現地住人とオランダ人の雇用比率を大きく変える方向に舵を切った。

 現地住人の方が現地情勢に詳しいと言う事が理由とされていた。

 又、雇用する際の思想チェックも重視される事となった。

 そして日本連邦統合軍である。

 遣欧軍第1軍に対して早期にエルベ川流域まで進出し、|北ドイツ平原一帯《ブレーメルハーフェン-ハンブルク-ホルシュタイン》を掌握する様に命じる事となった。

 目的は、大規模港湾の確保であった。

 現在の、オランダの港湾施設使用(使用料と言う特需)を打ち切ろうというのだ。

 この方針にオランダ政府は大きく慌てるが、日本政府から反日的オランダ人によるサボタージュとテロへの対策と言われてしまえば、強く拒否できなかった。

 実際、悪質なテロ行為は発生していないが、反日的オランダ人によるサボタージュ(作業内容の遅延等)が発生していたからだ。

 新しいオランダ領(ドイツ領土の割譲予定)が消えて以降、特に()()()()()()が出ていた。*2

 法に触れない嫌がらせ(不満の表明)

 日本が内政不干渉の原則に基づいて、それらの一部オランダ人に対応する事は無いと思っての行動でもあった。

 そして、だからこそ日本は一律に対応したとも言えた。

 

 

――ドイツ

 政治が四分五裂状態であり、まともな戦争が出来る状態にないドイツ。

 この状況下でヒトラーはハンブルク市及びエルベ川以西での積極的防衛を断念、戦力の再配置と徹底した要塞化防衛ラインの構築を図る事としていた。

 度重なる敗走によって重装備の喪失は深刻な水準に陥りつつあり、その補充はドイツでも随一の重工業地帯であるルール地域が失われた現在、ほぼ不可能と言うのが現実であった。

 戦争が始まれば、国境を接するフランスからの攻撃を受ける恐れありと考えていたドイツ政府は、重要な軍需関連企業のドイツ東部域への疎開を検討していたのだが、戦争の推移が余りにも早過ぎた為に対応できなかったのだ。

 又、日本連邦統合軍やフランス軍、ブリテン軍による徹底した物流インフラの破壊、乃至は混乱を目的とした爆撃も、それを助長する事となった。

 人は兎も角として、生産用の機材を持ち出す事は出来なかったのだ。

 その上で人員の枯渇(将兵の無許可離隊、投降)も大きな影響を与えていた。

 圧倒的な軍事力を誇る敵であるが、降伏すれば命は助かるのだ。

 そもそも政治的混乱によって、まともな軍事作戦すら立たないのが現状なのだ。

 そんな状況で戦意を維持して戦い続けられる程にドイツ軍将兵は人間を捨ててはいなかった(バーサーカーでは無かった)のだ。

 結果、ドイツ政府は守るべき国民 ―― 避難民を老若男女問わず国民突撃隊(Volks Sturm)へと徴兵する事となる。

 1000万と号する、ドイツ民族の試練への最終抵抗部隊(letzte Bataillon)であるとヒトラーは叫んでいた。

 だがそれは狂気では無かった。

 国民の血肉をもって時間を稼ぎ、ドイツ国内の統合を図りドイツの軍事力を再編し、そして抵抗力を示す事で国際連盟との講和を図る積りであった。

 ヒトラーは冷静であった。

 実際、ドイツ軍と親衛隊との対立は決定的であっても血はまだ流れ出していないのだ。

 和解(国内統合)の余地はあった。

 計算外であったのは、ドイツ戦争に於いて主導権を握っているフランスとポーランドは冷静では無いと言う事だろう。

 ドイツの滅亡無くして安堵無し。

 両国はそう、腹を決めているのだった。

 

 

――日本遣欧軍欧州方面第1軍

 本気となった日本の機械化部隊の攻勢は、ドイツ側の抵抗を許さなかった。

 先頭に立つのは勿論ながらクウェートから移動して来たばかりの第10機甲師団。

 金鯱(きんこ)師団と呼ばれた嘗ての姿を思わせるのは、砂塵に汚れた部隊章(しゃちほこ)だけと言う有様であるが、その様は日本連邦統合軍にあって別格である精鋭 ―― 陸上自衛隊正規部隊(JGF-ナンバーデビジョン)らしい、正に蹂躙であった。

 地上を往く戦闘機とすら評された10式戦車、その有終の美を飾るに相応しい機甲突破であった。

 側面をエチオピア帝国軍に預け、突破後の壊乱したドイツ軍の処理(捕縛と捕虜化)をブリテン軍に任せ、一気にハンブルクまで打通してみせたのだ。

 そして第1目的地たるブレーメルハーフェン市を降伏させた。

 第10機甲師団の進軍が余りにも早かったが為、住人の避難すら出来ない状態であった。

 ブレーメルハーフェン市市長は、ドイツ軍守備隊とよく協議し無血開城を決断する。

 この決断の背景には、海に展開していた、やまとを中心とした日本海上自衛隊の水上砲撃戦部隊の存在が大きかった。

 抵抗すれば処理される(焼かれる)だけ、と誰もが理解していたのだ。

 唯一、武装親衛隊(Waffen-SS)だけは降伏を拒否すると述べていたが、その意見が通る事は無かった。

 多勢に無勢、当然の話であった。

 だがあきらめの悪い武装親衛隊(Waffen-SS)指揮官は姦計を図った。

 ブレーメルハーフェン市とドイツ軍部隊が降伏宣言をするよりも先に、市郊外に展開した第10機甲師団に攻撃を行えば、なし崩しに戦闘状態に入る。

 戦闘状態に入れば、腑抜けたドイツ軍やブレーメルハーフェン市の人間も大ドイツ防衛の為に戦うであろうと考えたのだ。

 幸いな事に、それが為される事は無かったが。

 ドイツ軍部隊が先手を取って武装親衛隊(Waffen-SS)部隊を包囲拘束していたからである。

 ある意味で、ドイツの分断が生んだ幸運(ファインプレー)であった。

 ブレーメルハーフェン市の掌握によって、日本は港を得る事となった。

 補給路を再設定し、その上でゆっくりとハンブルク市及びキール市の制圧 ―― ドイツの海を奪う為に動いていくのだった、

 

 

――オランダ

 日本がオランダと距離を取る動きを示したと言う事は、オランダ経済に非情なまでの被害を与える事となった。

 特に海運(港湾)と物流面での事は甚大であった。

 日本が民心慰撫を兼ねてばら撒いていた高額な港湾使用料や倉庫代、物流に関わる雇用が消滅する事となったからである。

 生鮮食料品などの買い付けは行われていたし、安全な後方と言う事で部隊の休息などで歓楽街などは潤い続けたが、それ以外は一気に景気が悪化する事となる。

 日本と言う巨人の余波、それを存分に思い知ったオランダ人は、愚かな反日的オランダ人に対する強い反発をする人間が生まれたのと同時に、同じように強い反発を日本に向ける人間が生まれ、オランダ政治の強い対立軸となっていくのだった。

 それは、ハンブルク市の陥落に前後して、北ドイツ平原西部域が日本の国際連盟戦時特別信託統治地域となる事で決定的となった。*3

 

 

 

 

 

 

*1

 遣欧総軍欧州方面第1軍は、本ドイツ戦争に於いて日本が動員した20万人近い陸上戦力に於いて3割近い兵力を持った部隊であった。

 司令部(HQ)をオランダの首都アムステルダムに置いてブリテン軍との合同指揮連絡所を開設し、その指揮下には3個師団2個旅団を収めている。

 とは言え、その主任務は助攻 ―― フランス軍の側面支援である為、欧州総軍の数的な中核戦力と言えるシベリア共和国装甲旅団は配置されておらず、エチオピア軍部隊が編入されていた。

 エチオピア帝国から派遣されてきた将兵は現時点で10万人3個師団規模であった。

 これにMLシリーズを含む装備を提供(無償供与)し、装備を整えていた。

 1個が機械化師団。

 2個が自動化師団となっている。

 

 第10機甲師団

 第801機械化師団(義勇エチオピア第1師団)

 第802自動化師団(義勇エチオピア第2師団)

 第2海兵旅団

 第19機械化旅団

 

 

 尚、ポーランド方面に配置されている第2軍はシベリア共和国軍1個師団4個旅団と台湾(タイワン)民国軍1個師団で編成されているが、その悉くが完全充足の機械化部隊であり、ドイツ戦争東部戦線に於いて最も突破力を誇る戦力集団であった。

 とは言え、問題も抱えている。

 重装備部隊である為、燃料などの消費が莫大であり、その燃料の手配で連続した作戦の実施が難しいのだ。

 これは、補給段列の細さが原因では無い。

 整備部隊は勿論、トラックやタンクローリー車もふんだんに用意されていたが、ドイツ軍によるインフラ破壊が酷い為、通常の装輪車での行動に制限が掛かっている為であった。

 又、一部のドイツ軍部隊による後方かく乱作戦も実施されていた事も、その状況に拍車を掛けていた。

 

 第702機械化師団

 第711装甲旅団

 第713装甲旅団

 第715装甲旅団

 第717装甲旅団

 第301機械化師団

 

 

 余談ではあるが、第3軍も編成されており、ユーゴスラヴィア方面での作戦が行われていた。

 主力となるのはイタリア軍であるが、情報収集やかく乱、現地武装組織への支援などを担っている。

 イタリアから進出した第13機械化旅団は、予備的戦力の扱いとなっている。

 

 第1空挺団

 第13機械化旅団

 第111特務団

 第101ヘリコプター旅団

 

 

 解体され増派された部隊を基に3個軍として再編成された欧州方面隊とは別に、中東方面隊が維持されている。

 クウェート政府と折衝し臨時に広大な土地を借り受け、訓練や休息を目的とした役割を担っていた。

 第2空挺団

 第712装甲旅団

 第714装甲旅団

 第716装甲旅団

 第718装甲旅団

 第803機械化師団(義勇エチオピア第3師団)

 

 

*2

 日本政府はブリテン政府と相談し、国連安全保障理事会に対して両国軍が占拠したドイツ領の管理に関し、オランダへの委託を打ち切り、日本が行う事と変更していた。

 日本は当初、ブリテンとの共同統治を考えていたのだが、ブリテンが辞退した為に日本単独で行う事となっていた。

 

 ブリテンは余力が無いと言う事を理由として説明していたが、本音としては、これを足がかりに日本にヨーロッパ亜大陸での領土を持たせ、フランスを牽制しようと言う狙いがあった。

 自国(ブリテン本土)に近い場所に、巨大な存在が生まれるのはブリテンにとって不快極まりない ―― そういう話であった。

 無論、イタリアやポーランドへの様々な支援も、この国家戦略に基づくものである。

 G4(ジャパンアングロ)と言う括りに於いてブリテンはフランスを友好国と捉えてはいた。

 貿易相手として、そして世界中のブリテン連邦加盟国として隣国(フランス海外県)が安定している事は重要であるからだ。

 だが、その利益とは別の所にブリテンが持つ理屈(国防戦略)であった。

 

 

*3

 通常の軍政が敷かれない理由は、建前としては多数の戦争難民を保護する為に権限が必要であると言う事であり、フランス軍やイタリア軍による占領下のドイツ地域のモデルケースであると言うものであった。

 実際、余りにも多い戦争難民や、戦場に遺棄されていた高齢の現地住民などの保護と言う意味では、強大な権限が必要というのも事実であった。

 占領軍としての、日本連邦統合軍の武威を以て命令する事は簡単である。

 だが、日本は法治国家であるのだ。

 この為、法的な体裁を整える事は決して軽視するべき事ではないのだ。

 国際連盟安全保障理事会でこの事が決定した際、日本代表は重荷(面倒)を背負う事に非常にげんなりとした表情をしていた。

 尚、日本に苦労させられているイタリアとソ連の代表は、満面の笑み(ザマーみろの気分)を隠す事にかなりの労力を使う事となっていた。

 

 余談ではあるが、この事の真相としては、ブリテンによる政治工作であった。

 そして、後に真相を知った日本は、戦時特別信託統治領で必要とする生鮮物資などの政府購入に関してブリテン企業を外すと言う、小さな(手痛い)しっぺ返しを敢行するのであった。

 慌てたブリテン政府関係者に、日本の外交代表はシレッとした顔で「Jellied eelsが口に合わなかったのです(ブリテンの加工食品ノーサンキュー)」と答えたのだった。

 とは言え、日本はそれ以上の追撃は行わず、ブリテンも日本の反撃(しっぺ返し)を受け入れた為、それ以上の大事になる事は無かった。

 正に魔獣のじゃれ合い(リヴァイアサン・ゲーム)であった。

 尚、この際に動いた金額を見たイタリア ―― ブリテンに代わる仕入先となって棚ぼた的に得た利益(商取引額)を知ったムッソリーニは、G4(ジャパンアングロ)に与して正解であったとしみじみ思って酒を飲むのであった。

 

 

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