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南米で始まった軍拡競争に対し、国際連盟は勿論ながらも
侵略戦争をすればぶん殴る。
ドイツ戦争で
しかも戦争は、ドイツが哀れになる程に一方的に行われ、そしてドイツと言う民族国家は消滅したのだ。
この様な侵略国家の末路を見て、どこのバカが戦争をするというのか。
楽観的な所の強い日本やアメリカは勿論、
国際連盟が能動的に事態に関わろうとしないのも当然であった。
そもそも、戦車を導入しましたと言っても、所詮は
無論、大きな戦争の火種にしない為の協議は、国際連盟安全保障理事会で行ってはいたし、
だが、極論として言えば、その程度の反応であったのだ。
それよりも
言うまでもなく
チャイナの地を支配下に収めたが、
――ボリビア/アルゼンチン 軍事協定
アルゼンチンへの接近は
ボリビア政府にとって重要な事は国家の主敵の設定、即ち
これは現在、ボリビアを統治している軍事政権が国民の信任を失いつつある事が原因であった。
鉱山労働者などとの労働争議が小規模ながらも武力行使に繋がるなどしており、この
ある意味で徹頭徹尾、国内向けの話であった。
又、軍事政権であるが故に、軍事力の拡大は好む所もあった。
パラグアイ軍よりも大兵力を集めたのに敗北したチャコ戦争。
ボリビア政府はアルゼンチンがチリと戦争をする際、自動参戦をする事を対価として戦車を無償供与、乃至は安価に提供する様に要求するのであった。
否、戦車だけではない。
歩兵に機動力を与える為、装甲車両やトラック、そして航空機の提供まで
チリの側面に圧力を掛ける事の出来る位置にあるボリビアが
だからこそ、ボリビアが接触して来た時、喜色を浮かべてアルゼンチンは受け入れた。
だが、基本的な交渉は成立しても、その先 ―― 具体的な装備の売却となった時、ボリビアの要求を見たアルゼンチン政府は頭を抱える事になったのだ。
特に航空機はジェット戦闘機の提供要求が載っていたのだ。
アルゼンチン軍でもまだ、装備の行われていない世界最先端であるのだ。*2
ボリビアとの交渉の席に臨席していたアルゼンチン軍関係者が、ボリビアの正気を疑うのも当然の話と言える。
故に、アルゼンチンはライセンス生産しているレシプロ戦闘機の提供を申し出るのであった。
格安で保守部品まで含めると言う大盤振る舞いであったが、此方はボリビアが反発した。
理屈としては判るが、現実的ではない話であり、アルゼンチン軍関係者はゲンナリとした気分を味わうのであった。
とは言え、ジェット戦闘機を運用する上で必要な経費、用意するインフラを説明した所、ボリビア側の経理担当が顔を真っ青にして軍上層部を説得。
ジェット戦闘機導入の話は流れる事となるのだった。
――ペルー
ペルーは南米が軍拡競争の時代に入った事を好機として理解していた。
国境問題に起因した緊張状態にあるエクアドルとの関係を清算する機会であるとの認識である。
無論、何も無い状況に於いて拳を上げると言う事は国際連盟と
だからこそ注意深く、準備を進めるのであった。
その準備の一つとして、ボリビアのアルゼンチンとの関係強化に協力を申し出たのだ。
戦争とならない為の政策として、ペルーにとっても関係に問題を抱えているチリをアルゼンチン、ボリビア、そしてペルーで包囲してしまえば良い。
そう言う話であった。
実際に戦争状態に入る事を好まないアルゼンチン政府/軍はペルーの提案に好意的反応を示す事となる。
アルゼンチンの反応に気を良くしたペルー政府はそこで本題となる戦力、チリに圧力を掛ける為の力を要求する事となる。
戦車だ。
南米でも上位側に居る国力を持ったペルーは既に戦車自体は保有しているが、チリとエクアドルの両方と対峙する為、より戦力を拡大せねばならないと言うのがその主張理由であった。
判る話ではあった。
問題は、ペルーが要求したのが30t級以下の使い勝手の良い、だがチリが主力とするチャレンジャー巡航戦車を撃破可能な戦車であった事だろう。*3
この点に関してアルゼンチンは主力戦車に関しては将来的な供給と言う事とし、現時点での話としては、ソ連で保管状態にあった軽戦車の売却話とする事で誤魔化していた。
10t級の車体に45mm砲を搭載した軽戦車は偵察部隊向けであり、ペルー政府からすればとてもでは無いが必要十分と言えない車両であった。
不満の強い軽戦車であったが、インフラに負担を与えないと言う意味では実に優秀であり、後方での輸送と言う意味でも、戦場での機動と言う意味でも、必要十分以上の能力を発揮し、訓練も行いやすく、維持コストも手軽い為、ペルー軍は高い評価を与える事となる。
――パラグアイ
南米に吹き荒れる軍拡の嵐の中にあって、局外中立と言う事が出来ないのが多くの国に囲まれたパラグアイと言う国家の状況であった。
但し、問題があった。
国内の治安悪化である。
社会主義/国家社会主義的な政策を掲げていた軍事政権に対し、国民は民主主義を求めて活動を繰り広げていた事が理由であった。
国家に安定と繁栄をもたらす国家社会主義と政府が主張し国民の権利権限の抑制を図っていたが、世界で主導的な
特に、知識層はその傾向が強かった。
又、経済的に結びつきの強いアルゼンチンが、パラグアイと敵対的なボリビアと軍事的関係を深めると言うのは誠にもって厄介な問題であった。
正直、混迷と言う言葉が余りにも相応しい状況と言えるだろう。
だからこそパラグアイは、動けないでいた。
現実的な脅威であるボリビアへの対応として軍備を整えようとすれば、国内の政治状況が赦さない ―― 国内の治安維持に軍隊を使用すると批判されかねない状態なのだ。
国民の支持が離れつつあるパラグアイの軍事政権にとってそれは余りにも悪手であり過ぎていた。
この為、具体的な対応として出来たのは、大陸の
南米の混乱は、少しずつ加速していく。
日本からの技術協力もあって行われたブリテン本島の再開発 ―― 再編成と重工業の再興によって、石油を産出する中東の価値はブリテンにとってかなり大きなモノとなっていた。
だからこそ、日本からの未来情報によって知った将来的なイスラム教問題、原理主義の勃興その他による不安定化を許容する事は出来ないのだ。
目的としては政治と宗教の分離であり、ある種、キリスト教の様な姿が目標となった。
とは言え、宗教的権威がその権威を手放す事に否定的であり、そしてイスラム教の教えが生活に根付いている為に簡単に出来る事では無かったが。
結果、ブリテンの外交資本がかなり中東に消費される羽目になるのだった。
アメリカが開発したレシプロ戦闘機をライセンス生産し、3桁単位で配備をする程であるのだ。
立派なモノではあった。
とは言え、ジェット戦闘機となると話は違う。
アメリカは勿論、他の国々もジェットエンジンの技術公開に関しては拒否しており、完成機の輸入のみを認めると言う態度であった。
しかも導入価格はかなり高額であった。
当初、交渉相手と考えていたアメリカやブリテンはそれぞれ護るべき領域の広さから必要数が莫大であり、余剰となる機体は無かった。
日本は言うまでもない。
この為、アルゼンチン政府は食料供給と言う面で関係の深いフランスに泣きつく事となる。
フランスは農業大国でもあるのだが、アフリカその他で軍を動かし続けているが故に安価で大量の食糧を欲していたのだ。
又、背負う事となった
ドイツ戦争でインフラを破壊しつくされた為、食料の生産が十分に行えていなかったのだ。
それでも穀物やイモ類といった主食類は
だからこそ、農業大国でもあるアルゼンチンが重要になるのだ。
フランス政府には義務があった。
旧ドイツ人を
だからこそ、アルゼンチンにとって交渉できる相手であるのだ。
又、状況も良かった。
フランスはドイツ戦争の
結果としてアルゼンチンは、フランスから余剰となっていた第1世代ジェット戦闘機の安価な売却の契約を結ぶ事に成功するのであった。
とは言えボリビアとの交渉を行っている時点では、まだアルゼンチン軍の手にフランス製第1世代ジェット戦闘機は届いておらず、ごく一部のパイロットがフランス本土で訓練を受け始めた状況であった。
ペルーの要望書を読んだアルゼンチン軍関係者は、素で、そんなモノは無いと吐き捨てていた。
当然と言えるだろう。
そういう戦車が欲しいけど無いからこそ、アルゼンチンもT-34系列の戦車導入で誤魔化していたのだから。
余りにもお気楽なペルーの態度に腹を立てるのも当然であった。
だがアルゼンチンの財務関係者は、これは幸いであると言い出した。
ソ連と行っている新型30t級戦車の開発に、ペルーからも金を出させようと言うのだ。
予算が増えれば作れる試作車両が増え、より素晴らしい戦車が作れる。
そう言う話であった。
この財務関係者の声にアルゼンチン政府も乗って、30t級の戦車は開発中なので、欲しければ金を出せとの書類を出す事となる。
これが、最終的には南米標準戦車とも言われる100mm砲搭載の35t級戦車
この話を後から聞いたソ連は、情報保全とか漏洩とかなんだろうと
又、ソ連軍以外の採用先が多くなった事で、より数を作れる事にも繋がり、1両当たりの単価を下げる事も可能になる為、ソ連側は文句を付ける事は無かった。
尚、ソ連は本戦車開発に並行し、西側の標準的50t級
群雄割拠なチャイナの地で面倒事を背負っているアメリカであったが、同時に、他の
美味しい空気を吸ってやがると思われていた為、
そう言う事である。
尚、日本の代表は拍手した後で、がっくりと肩を落として溜息をついていたが。
極東と言う僻地でのんびりと繁栄するだけで良かったのに、何の因果で世界覇権たる
どうしてこうなった、と。
日本とアメリカが面倒事へ嘆息する様に、過労気味のフランスは血走った目で
そして、ブリテン。
楽しいだろ? と
陰謀論者にとって世界を支配する邪悪な