タイムスリップ令和ジャパン   作:◆QgkJwfXtqk

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072 日本連邦-3

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 経済力、軍事力のみならず国土の面でも世界的規模となった日本連邦。

 日本政府はそうであるが故に、己の行動に注意していた。

 その上で、世界に対して働きかけ(イニシアティブ)を行わねばならぬ事を理解していた。

 それは世界の流れの中で足掻く側から脱し、世界の流れを作る側(グレートゲーム・プレイヤー)に立たねばならぬと言う決意であった。

 米国の庇護下にあった日本から、多くの国と人とを庇護する日本へと変わったのだという。

 戦争の足音が聞こえるが故に、日本政府は改めて己を定めたのだ。

 最終的に、この決意は日本連邦の繁栄を願う総理大臣談話として発表される事となる。

 

 

――日本連邦の国家戦略

 1940年時点で日本経済は既に回復基調を越えた活力を得ていた。

 その経済の動力源、その最大のものはシベリア開発であった。

 豊富な地下資源や森林資源を持ち、それらを得るためのインフラ投資は日本国内企業の旺盛な生産力に応えていた。

 又、それ以外の邦国群の発展 ―― 国土開発も良好な影響を与えていた。

 円借款と政府開発援助(ODA)は、グアム共和国を除く全ての邦国にとって国家発展への慈雨となっていた。

 同時に、教育に関しても中等教育が熱心に推奨された。

 この教育のツール、或は教育に於ける道徳部分に日本的な内容 ―― 思想が加味されており、日章旗への敬意と、日本連邦に対する帰属意識を植え付ける様に計算されていた。

 これはグアム共和国(在日米軍)のアドバイスが大きかった。

 米国/アメリカと言う移民集団をまとめ上げる為に何が必要であるかとのアドバイスであった。

 50年後、全ての日本連邦邦国群の人々が、等しく我らは日本邦国人(・・・・・・・・)と認識する事を目指すのだ(※1)。

 日本は巨大な円経済圏が持つメリットを良く把握し、手放すつもりは無かった。

 安定した共存共栄の生存圏を維持する事こそが国家の発展と生存に寄与すると認識していた。

 

 

――周辺国家との関係

 民族自決と共に拡大主義を否定し、相互不干渉主義に基づいた応戦戦略(Tit for tat)を標榜する事と成る。

 日本と日本連邦、同盟などを締結した友好国家(G4)による経済関係の強さが、この主張を可能にしていた。

 それ故に、積極的な利益対立のある国家であるソ連とチャイナに対しては強い警戒を持って当たる事となった。

 ソ連に関しては、国境線を接している事による軍備的な側面が重視された(※2)。

 チャイナに対しては、中国が米国に行っていた浸透を受けない様にとの防諜的な側面が重視された。

 但しそれらは1国平和主義的なものではなく、多国家による共同防衛を指向していた。

 敵を孤立させる様に動き、自分は味方を常に増やしていく。

 ある意味でソ連とチャイナを日本は、永劫の敵と定めたのだった。

 そして味方、味方予備軍である周辺の国々に対しては良き隣人外交を行うように定めた。

 

 

――諸外国の植民地対策

 アジア・アフリカの欧州の植民地問題に対しては、日本は内政不干渉の原則に基づいて行動する事を宣言した。

 同時に、過度な人権侵害に繋がる場合には、提案(・・)を行う事も宣言した。

 民族自決と、支配国と植民地との間で人権の平等と尊重が望ましいが、武力による独立運動は一般の人々の平穏な生活と人権を大きく傷つける可能性が高い為、好ましからざると言う立場を宣言したものであった。

 この宣言内容にG4も、それ以外の植民地を抱えた欧州国家も安堵した。

 対してチャイナは、日本の帝国主義的な恥知らずの宣言であり、民族自決に基づくアジアの連帯 ―― 大アジア(グレート・アジア)主義に真っ向から挑戦する悪の宣言であると宣伝する事となる。

 日本とチャイナの政治的対立は深まる事と成った。

 それは或は、東アジアの政治体制 ―― 中華思想に基づくチャイナの中華秩序と、それを真っ向から否定し我が道を征く日本の対立でもあった。

 とは言え、現時点で日本とチャイナは国境線を接しては居ない為、火種に育つ訳では無かったが。

 

 

――外交/クウェート

 日本連邦統合軍が日本連邦外で最大の拠点を設けているのはブリテン連邦のクウェートであった。

 石油の輸入先であり、同時に欧州への軍の展開拠点として1個師団を基幹とする大規模な基地が造成されていた。

 重視されたのはクウェートとの友好関係である。

 地元にも利益が循環する構造を目指して、投資されており、クウェート人の日本連邦統合軍駐屯部隊に対する民意は良好であった。

 この為、反ブリテン武力蜂起が少なからず発生している中東のブリテン連邦参加国の中で、クウェートの治安は安定していた。

 

 

――外交/オランダ領インドシナ

 石油や生ゴムといった天然資源の産出地帯の為、日本政府はオランダ政府と交渉し物資の輸入と共に資源開発に進出していた。

 オランダとしても植民地の経済活動の活性化は歓迎できる為、日本企業の進出をある程度認めていた。

 只、摩擦が無い訳では無かった。

 進出してた日本企業が雇った現地スタッフで、オランダ人を現地住民より優先する姿勢を見せない事が軋轢を生んでいた。

 職歴や技能だけで優劣をつける日本企業の姿勢は、白人であり支配国の人間であるというオランダ人のプライドをいたく傷つけるものであったのだ。

 

 

――外交/オーストラリア

 天然資源の豊富なオーストラリアへの進出は、日本にとって重要であった。

 白豪主義を標榜するオーストラリアは、ブリテンと日本との間での協定に基づく頭越しに決められた日本企業の進出は、面白い物では無かったが、進出した日本企業の必要性に応じた日本によるオーストラリアのインフラに対する投資 ―― 積み出しに向けた港湾設備や、鉱山からのアクセス路の整備による経済効果は無視しきれるものでは無かった。

 その上で日本企業での雇用は、オーストラリア人の民意を変えた。

 又、インフラ整備に伴って、オーストラリア市場に日本製の工作機械や自動車などが流通する様になり、それらの物資によって生活の利便性が著しく向上した事も、オーストラリア人の日本人への感情が好転する切っ掛けとなった。

 その上で日本人は、民間交流を通じた娯楽面(ソフト・パワー)による親日本派オーストラリア人の育成も図っていた。

 パン()サーカス(娯楽)で、オーストラリア人を骨抜きにしようとしていたのだ。

 この為、何時しかオーストラリアは白豪主義を変更する事無く、だが日本人は非白人層とは別のカテゴリーに入れるという柔軟さを身に着けるのだった。

 

 

 

 

 

(※1)

 日本連邦人の創生を目的とする50年計画が立案されると共に、それまで連邦構成国でありながらも経済支援などは友好的中立国家(・・・・・・・)扱いの範疇に治まっていた朝鮮(コリア)共和国への扱いが変更される。

 インフラ整備や企業の進出などの制限が緩和された。

 この方針変更の背景には、朝鮮(コリア)共和国政府のコリア人の努力とジャパン人の支援の成果があった。

 未来の末裔が起こした事を良く認識し、その事を恨みこそすれど日本人を恨まぬ様にコリア人を統制してきた成果だ。

 ある意味で日本連邦成立からの10と余年で禊を済ませたのだ。

 尚、その禊の中には、朝鮮(コリア)共和国に渡って(日本から強制退去させられて)来た在日韓国人/朝鮮人の事もあった。

 大多数の人々は、ゆっくりと朝鮮(コリア)共和国に馴染んでいった。

 だが一部の、日本で蓄えた莫大な資産を持ち、その資産によって新生した朝鮮(コリア)共和国を自由に操ろうとした人々に対して朝鮮(コリア)共和国政府は一切の躊躇の無い弾圧を行った。

 様々な法律を駆使し、捕縛し、その資産を没収していったのだ。

 慌てた朝鮮人/韓国人は日本政府に対して日本国憲法に朝鮮(コリア)共和国が違反していると訴えたが、日本政府は朝鮮人/韓国人は日本人では無く日本国憲法に寄る保護対象では無いと却下した。

 その上で日本政府は、日本邦国の法律の独立性は、日本連邦への帰属と団結を阻害しない範疇に於いては保たれねばならぬと宣言した。

 即ち、日本連邦所属邦国は日本の植民地では無いと言う事である。

 最終的に、権力指向の強かった朝鮮人や韓国人は1930年代後半までには壊滅する事となる。

 

 

(※2)

 日本の対ソ連戦略もしっぺ返し戦略(TFT)に基づくものであったが、同時に、ソ連の崩壊 ―― 国家滅亡までは行わないものとされていた。

 これは、ソ連が崩壊しシベリア共和国が吸収した場合、新たなるロシア()の誕生に繋がるからである。

 日本は自ら育てた大地を、新たなる敵にする積りは無かった。

 この為、ソ連との戦争は国家の滅亡に直結しない国境紛争の範疇に留める積りであった。

 無論、その範疇には国境線部隊の後方、ソ連の製造業や資源地帯、物流網の粉砕は含まれて居たが。

 政治的制約の制限戦争(越南戦争)を日本は自分がする積りは無かった。

 

 

 

 

 

 

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