男でも艦娘になれるって本当ですか!?   作:夜ノ 朱

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力と代償と

 

 

あれからどれくらい経ったんだろう。

 

意識はあるんだけど、身体が動かないな…目も開かない。

 

ガラッ

 

 

誰か入ってきたな

 

「妖精さん、あれからもう3時間ほど経つけれども、結果はどうなったのかな?」

 

司令官か、司令官の言う通りならもおう3時間も経つのか。

 

「せいこうしたけど」

 

「めをさまさないんだー」

 

「どないしましょー」

 

 

「電気でも流してみるかい

一発で起きてくれると思うんだ、どう思う?」

 

 

「いいかんがえですね」

 

「おきたあとおこられるかもですよー」

 

「でもおもしろそうですー」

 

やばい!

培養液の中なのに、汗をかいてるような気がする

意味もないだろうが、汗を拭う動作を入れて再び考える。

 

深海戦艦と戦う前からピンチじゃないか、身体は動かないしどうしようもな…

って、身体が動いてるじゃないか!

 

 

「…!」

 

「このけはいはー」

 

「むらくもがおきたんじゃー!」

 

最後の妖精さんは、キャラが未だに定まってないじゃないか

 

 

ガッ…シュー

 

妖精さんに扉を開けて貰えたようだ。

 

 

「おっ、燕君、いや叢雲君も起きたようだね

気分はどうだい?身体や感覚に違和感はないかい?」

 

 「えぇ、今のところは特に。

電気ショックで起こされることが無くてよかったですよ」

 

司令官は俺の言葉を聞いて、

小言で 聞こえてたんだね、ははは…。

と零している司令官を無視して妖精さんのいる方へ起き上がり、進む。

 

「妖精さんたちも、好き勝手言ってくれたようだね。

聞こえてたんだぞー」

 

 

「き、きのせいじゃないですか」

 

「このふたりがいってましたぞー」

 

「ふぁーーー」

 

 

まあ、許してあげようじゃないの。

…さっきから結構目を擦ってはいるんだけど視界がぼやけたままっていうか…ん~?

 

 

「妖精さん、カプセルの中にいたときからなんだけど、全然視界が回復しないんだよね

俺以外でも同じようなことが起きたとか、何か詳しいこと知らないかな?」

 

 

「め ですかー?」

 

「せつぞくふりょう ですかー?」

 

「ちょっとしつれいしますぞ」

 

最後の妖精さんが、赤い毛むくじゃらの声真似(似てない)をしたかと思うと俺の顔を目掛けて飛翔した。

 

「!?」

 

「たんしょうとう、しょうしゃー!」

 

俺の両の瞼をこじ開け、他の二人(?)の妖精さんに号令を出した。

 

「ほいさー!」

 

「あいさー!」

 

良い返事をすると同時に、いつの間にか持っていた探照灯の灯りを両目に向けて浴びせてくる。

 

(妖精さんって結構力強いんだなぁ…)

一切の抵抗を許すことなく、俺の目を検査?を終了した。

 

______

 

___

 

_

 

 

「けんさけっかはおってれんらくするのだ」

 

「きょうはむりです」

 

「かほうはねてまて!」

 

「目が見えないんじゃ、今日は海上訓練等は難しそうだね。

だから、本日は艦の歴史、艤装の基本情報、深海棲艦の情報等を学んでもらおうと思うよ。その辺は先ほどの入渠ドックで寝ている間に学べるよ、ザックリ言うなら睡眠学習かな。

 

妖精さんたちを待つ間に、済ませておくのもいいみたいだね

あの様子じゃ、しばらく時間もかかりそうだね、最悪の状態も覚悟しておく必要があるかもね。何か状況が変わり次第、此方から連絡するよ

 

とりあえず今日の業務はそれくらいかな、無理せず焦る必要はないからね」

 

司令官って一度話し出すと此方の話を聞かない、マシンガントークが多いね。

入渠ドックと言ったら、さっきのカプセルだろうけど場所がわからんな

 

最悪な状況…失明。

もしそうなった場合は、どうやって戦えばいいのか、それ以前に戦うことが出来るのだろうか…

 

 

 

 

 

 





お疲れ様です。
毎度毎度投稿が午前2時で、そんな時間にも関わらず読んでくれている人がいるというのはすごくうれしくて、モチベーションも高まります。
この場を借りてお礼申し上げま候…

これからも叢雲さんをよろしくお願いします


そういえば私が初期艦に選んだ娘は、電ちゃんでした(笑)

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