次の日の朝、アシリパがストゥをパンパンと叩きながら杉本を探していた。
「杉本のやつ許せん・・・黙って出ていくなんて勝手すぎる。私にも理由があるから一緒に行動してたのに」
「シリパ、すっぎー見つかったん?」
「いや、とにかくほかのところも探そう」
アシリパとれんげはさらに山の方へ探していった。
「狩猟小屋はすべて見て回ったのに使われた形跡は無い。私が追ってくるのを予想してのことか?街へ行ったきり山へ戻ってないのか?」
「どうするん?シリパ」
「あの大きな街で歩き回って見つけ出すのはとても難しい、どうすればいい・・・なにか方法は無いだろうか?」
「そうなん、110、110なん!!」
「なっ!何言ってるんだ宮内?」
「けーさつへ連絡するん」
「落ち着け宮内、方法はある」
「そうなん、110、110なん!!」
「なっ!何言ってるんだ宮内?」
「けーさつへ連絡するん」
「落ち着け宮内、方法はある」
林の中でアシリパは鹿笛を吹いた。
ワイヨ~、ワイヨ~
「鹿の通り道を回って、鹿笛を鳴らせば鹿がいると勘違いしてアイツがくるかも知れない」
「誰が来るん?」
アシリパたちが待っていると遠吠えが聞こえてきた。
ウォーン
「な!いっ今の鳴き声はなんな?」
「来た」
少し待つと白くて大きな狼がやってきた。
「お~、おっきい犬なん、なにを食べればこんなに大きくなるん?」
「レタラは狼だ。いくぞ宮内」
そうしてれんげとアシリパはレタラに乗って小樽の街を目指した。街が見渡せる丘に来るとれんげたちは少し止まった。
「杉本のかたっぽ靴下ちゃんだ。かわうそを食べた後に出て行ったからやっぱり忘れ物をしていた。レタラ、このにおいだ」
スンスンスン、カッとレタラは靴下のにおいを拒否していた。
「レタラは目立つから夜まで待とう」
夜になり、アシリパとれんげはレタラに乗って小樽の街を探し回っていた。そして一軒の家を見つけてレタラはにおいをかいでいた。
「どうした?この中にいるのか?」
「でかしたぞ、ついに見つけたか。よし行けッ」
「え?うわああ妖怪!?」
ゴッ、とアシリパがストゥでなぐりつけた。
「痛だ」
明かりをつけると杉本ではなく剥げて、紫の上着を着た男がいた。
「杉本じゃないおまえは『脱糞王』」の・・・「俺は『脱獄王』の白石由竹だ」
「なんだおめえはこのあいだのアイヌのガキじゃねえか?」
「いだだだだだだだッ」
「食べちゃダメ」
「レタラがにおいを間違うはずがない、杉本はどこにいる?」
「いるわけねえだろ俺ひとりだ」
「おかしい?杉本の靴下のニオイなのに、なんで白石の所へ?」
「靴下?まさかあのときに靴下を取り換えたんだ!」
アシリパは気持ち悪いといやな顔をした。そのあと白石が杉本が第7師団につかまったと知らされた。
「そこへ案内しろ。この毒矢はヒグマなら十歩だが、おまえなら一歩も動けずに死ぬ」
「わかったよ、まったく物騒なガキだぜ。ちょっと待ってろ目覚ましに顔を洗ってくる」
そういって台所へでると白石はすごい勢いで逃げ出した。しかし、雪から出てきたところをレタラに捕まった。
「何度でも逃げてみろ脱獄王、ホロケウカムイの追跡からは決して逃げられないぞ」
2週間に1度のペースを目指して書きます。