「あれが第7師団の兵舎だ30人ほど出入りしている。窓に鉄格子があり、入口に警備の兵が1晩中立っている。あの連中を相手にするのは危険だぜ助けにいったところで手遅れになっているかもよ、不死身の杉本も悪運尽きただろ」
「杉本は絶対生きている、簡単に死ぬようなやつじゃない。あいつの強さは死の恐怖に支配されない心だ。たいてい人間はヒグマに襲われると銃があっても動けない。死の気配につかまって体が硬直する。でも杉本は違った。並外れた度胸で立ち向かったから死ななかった。ヒグマの巣穴に飛び込むような奴は父以外に私は知らない。あいつは死神にギリギリまで近づくことで生き延びる活路を見いだす。だからあいつは不死身の杉本なんだ」
白石は建物に上り、窓を覗いた。
「杉本は生きてるぜ。」
「分かった・・・私は金塊に興味はない。見つけたら杉本と分け合えばいい」
ガッシィと契約を交わした。
「どうやってすっぎーを助けるん?」
相談の結果、作戦として鉄格子に縄をかけて鵜案で引っ張ることになった。
「ところで石鹸持ってねえか?体に塗れば鉄格子を通り抜けやすくなる」
「無い。調理用のひぐまの油ならある」
体に油を塗った白石が窓から入ったところを確認するとアシリパ達は馬小屋に近づいて行った。しかし、馬たちが騒ぎ出した。
「レタラの匂いだ、馬たちに気付かれてしまった」
「めーで、めーでなん。どうするんシリパ?」
「レタラに乗れ宮内、とにかくここを離れるぞ」
アシリパとれんげはレタラに乗って、屋根伝いに逃走していた。アシリパは、杉本を追いかけている馬を見つけると弓を放った。そして杉本と合流した。
「格好つけて出て行ったのに・・・助けられちまった」
杉本が謝ろうとするとれんげは杉本を押し倒し、両腕を上げてついた。
「ぬあああああああああ」
「ちょっとまてなに?なんで鎖骨ついてくるの?」
「もう勝手に行動しないん?」
「しないしない」
「今度やったらまたスソンスする」
「なんだよスソンスって?」
そのあと全員そろったがアシリパと杉本の間の空気が悪く、ギスギスしていた。白石が鍋の材料をそろえて戻ってきても空気が変わらなかった。
「うまい鍋食って仲直りしようぜ」
「肉が桜色になったら食べごろだ」
「溶き卵にからめて・・いただきます!」
「もぐもぐ・・・馬肉おいしいー」
「そうかそうか、うまいかれんげ?」
「やっぱ馬肉にはコクのある味噌が抜群だな」
ピタッ
「杉本ぉ?これにオソマが入っているのか?」
「アシリパさん実は・・・桜鍋には味噌がかかせないんだよ!!」
「アシリパちゃん味噌が嫌いなの?」
「嫌いというかうんこだと思っている」
「アイヌと和人の意外な部分で分かち合えなかったりするんだな」
「アシリパさん肉はまだたくさんある味噌なしで作り直そう」
アシリパは勇気をだして肉を食べようとしていた。
「オソマおいしい」
「ヒンナだぜ」
「ヒンナヒンナ」
「シリパよかったのん」
「オソマおかわり」
予想より早く終わりました。ペースが違いますがよろしくお願いします。