杉本たちは谷垣を村へ連れて帰り、フチから金塊の量が実は2万貫あることを聞かされ鶴見中尉の思惑を聞かされて、それでも杉本は金塊を手に入れると改めて決意する。数日後、白石が街からもどってきた
「『ヤン衆』といってな、東北地方などから季節労働者がニシン漁のために雇われて日本海沿岸に集まるんだ。脱獄した囚人が潜伏するにはもってこいなんだがね、最近あちこちの漁場でヤン衆が殺されてるんだ。犯人は辺見に違いない」
「なぜ分かる?」
「死体の背中に文字が刻まれていたのさ」
「ひょっとしてその文字は『目』じゃないか?」
杉本は昼間見た死体を思い出した。
「叔父がその囚人に狙われないか心配だ。叔父たちは今海岸に行っている。ニシンを追って海岸へ来た鯨を捕まえるためだ」
「クジラ?」
「よしっ杉本海に行こう!!クジラを食べに!!」
「アシリパさん?」
そして翌日、4人は海岸に着いた。
「海岸に沿って行けば大規模なニシン漁場が点在している。陸揚げしたニシンをその場で加工するから、漁師以外にも働いている人間がたくさんいる。辺見和雄はそいつらにまぎれて働いているかもしれないな」
「アシリパ!!」
「アチャポ」
「お前たち良い時に来てくれた!!別のコタンの船がクジラを見つけてモリを打ち込んだが昨日からずっと沿岸を引っ張りまわされている。もうすぐこっちに来るから加勢したい」
「いやアチャポ私たちはこれから・・・・」
「急げ急げ、もっと漕ぐんだ杉本!!」
「なんで俺たちが・・・」
「アチャポあの船だ間に合った」
「クジラは?」
「フンぺは潜っている。でもそのうち息をするために上がってくる姿を見せたらこのキテ(銛)を投げ放つ」
銛の投げ方について教えていると、クジラが上がってきた。
「首だ杉本、首の皮膚が柔らかいぞ」
「どこが首か分かんねえよ」
ザッ、ぶしゅ。杉本たちがクジラに銛を刺すとすごい力で引っ張られた
「振り落とされるな!!この時期の海でも死ぬには充分な冷たさだぞ」
「ああやばいッ、
「クジラがあの漁船たちに向かってる。オーイ突っ込むぞ気をつけろ」
「なんか叫んでるぞ、あの坊主」
ドン、ドボン。
「猟師が落ちた!」
「助けよう!!あっちの船はデカイから岸に戻るのに時間掛かる。早く火に当てないと低体温症で死ねぞ」
「分かった、綱を切る」
「白石、れんげ!!頼んだぞクジラの分け前をしっかりもらってこい」
「えええええ」
「わかったのん、うちらでクジラをキャッチングしてくるん」
そういってれんげたちの船は引っ張られていった。
だらだらやって2週間たちました。