バカとテストと召喚獣withグリモア! 〜君と僕で紡ぐ青春(いま)〜 作:ウォーズ -IKUSA-
試召戦争に向けて雄二がクラスメイトへ演説する。
最初は弱気だったヤツらも首脳陣の心強さに触発されたらしく、やる気を起こした。
ワクワクが止まらないね!
時間は少し遡る……。
飛彩side
あの振り分け試験から数週間が過ぎ、今日から新学期が始まる。俺はいつもより早く学校に来ていた。目的はもちろん、どこのクラスに振り分けられたか確認する為である。
「おはよう、唯島。随分と早かったな」
「おはようございます、西村先生。自分がどのクラスに所属しているか気になっていたので、早く来ました」
「うむ。良い心掛けだ、その姿勢こそ大事なものだぞ。そして、コレが振り分け試験の結果だ」
そう言った西村先生から封筒を受け取り、中に入っている紙を見ると、
“唯島 飛彩 Aクラス主席”
こう書かれていた。
「それにしても唯島、お前に何があった? 元から優秀だとわかっていたが……」
「そうですね……。強いて言うなら、みんなの手本になりたいと思ったから……でしょうか」
「なるほど、唯島の男としての矜持という訳か。代表としてクラスメイトたちを纏め上げるのは容易いことではないが、お前には素質があると俺は信じている。頑張れよ」
西村先生から激励の言葉を贈られて、思わず胸が熱くなった。
「はい、西村先生。……ひとつお願いをしても構いませんか?」
「お前が頼みごととは珍しいな。どうした?」
「ハルとアキのフォローをして欲しいんです。『観察処分者』というレッテルの為に、良く思わない生徒もいるので……」
我ながらワガママな頼みごとだと思った。でも西村先生もいてくれたら、こんなに心強いことはないだろう。
「わかった。全ての生徒と平等に向き合うのが俺のポリシーだが、そこまで言うならできる限りのことをしよう。この1年間、全力で楽しむといい」
「ありがとうございます」
そう答えてAクラスの教室へ向かった。
〜Aクラス教室〜
「ここがAクラスの教室か……」
教室に入って、思わず呟く。
唯島家からの資金提供による産物だとはわかっていても、教室内の豪華さを見ればこう思うのは必然だ。……まあ、他にも資金提供している企業はあるのだが。
自分の机を探して席に座り、改めて設備を確認する。椅子はリクライニングシートが使われており、巨大なプラズマディスプレイとノートパソコン、個人エアコンetc……。コレ以外にも希望を出せば、多分導入するだろう。Aクラスとはいえ、ちょっとやりすぎじゃないのか……?
「おはよう、飛彩」
「シドか。おはよう」
そんな風に考えていると、右目を紫の長髪で隠した男子生徒が話し掛けてくる。
彼の名前は
「俺の予想だと、お前が主席だと思うが……どうだ?」
「その通りだ。よくわかったな?」
「お前の努力を知ってるからな。……ところで飛彩、ハルとアキはどうした? あの2人は
「ハルとアキはFクラスだ」
「なに? どういうことだ?」
「実は……」
俺は振り分け試験のときの出来事を教えた。
「なるほど、そんなことがあったのか……」
「聞いたときは驚いたさ。でも心のどこかでは期待してるんだ、
「気が合うな。俺もそう思っているぞ……」
シドとそんな風に話をしていると、幼馴染で友人のももと環と怜が教室に入って来た。
「「「おはよう(おはよっ)。飛彩(くん)(ひーくん)、羽ノ宮(くん)(シドくん)」」」
「おはようもも、環、怜」
「意外に早かったな、3人とも」
「うん。新学期だからいつもより早起きしちゃった♪」
「ああ。途中で晴陽たちと合流してな」
「それでみんなで一緒に来たの♪」
なんとなくだが、ハルは半ば強引に起こされたであろうことを想像した。その前に環が優しく起こそうとしたことも。
「色々あるが、今年はよろしく頼むぞ。みんな」
「「「「よろしく(な) (ねー♪)」」」」
その後も後雑談をしている間に続々と生徒が教室に入って来て、HRの時間になった。
「みなさん進級おめでとうございます。私が2年Aクラスの担任の
そう言って自己紹介したのは、
ハルとアキが『例の事件』に巻き込まれた際に、庇ってくれた教師の1人だ。
後ろのプラズマディスプレイに彼女の名前が大きく写っている。
「設備の確認をします。ノートパソコン、個人エアコン、冷蔵庫、リクライニングシート。その他の施設に不備のある方は挙手をお願いします」
……高橋先生、間違いなく充分だと思う。これで不満がある生徒はまずいない。もしいたら、是非ともそいつの顔を見たいものだ。
「まず始めに自己紹介をしてもらいます。そうですね、出席番号順に始めましょう」
そうして出席番号順に、自己紹介が始まった。
「羽ノ宮紫童。よろしく」
シドはシンプルだな。
「神凪怜だ。風紀委員会に所属している。よろしく頼むぞ」
怜も真面目だ。彼女らしい。
「
優子も同じクラスか。彼女も優等生だから当然だろう。
「……
霧島も相変わらずだな。
「1年の終わりに転入してきた
声を聞いたとき、一瞬夏海かと思ったがテンションと容姿が違うので、別人だとわかる。
「工藤さん……?」
「やだなぁ。冗談だよ?」
女子生徒に窘められつつ、工藤は席に座る。
「
久保もAクラスか。どうやら今年も、友人知人が多そうだ。
「シャロ・マーガトロイドです。よろしくなのであります」
彼女は確か……、宵宮蝶影の従者だったか? 同じクラスになるのは多分初めてだ。
〜以下省略中〜
「
氷川紗妃。彼女も怜と同じ風紀委員会所属の副委員長。風紀委員のメンバーの中では取り締まりが厳しめなことで有名で、さっき工藤を注意したのも彼女だ。
「ビショップ・ニルヴァーナだ。堅くなり過ぎず、気楽に行こうぜ。今年もよろしく〜♪」
ビショップ・ニルヴァーナ。明るくノリが軽いが、医師を目指して頑張る意外な一面も持つ男だ。
今年も頼りにしているぞ?
「
イヴは前に比べたらマシになったとはいえ、まだ遠慮しているのだろうか……。
「
ディセも俺の知り合いの中では静かな方だが、イヴとノエルの為に頑張れる男だとハルとアキから聞いている。
「
環が元気良く自己紹介すると、教室がざわつき始める。
「真境名晴陽って、アイツのことか?」
「俺、知ってるぜ。
「可哀想に。酷いヤツだよな、真境名晴陽と吉井明久は。環ちゃんに迷惑掛けてよ」
「み、みんな……。違うよ……」
次々と2人の悪口を言われて環が顔を曇らせ、泣き出しそうになっていた。
「おい、お前たち……」
「いい加減にしろ、テメェら!!」
見兼ねて注意しようとすると、シドが先に口を挟んだ。語気を強めていて怒りを露わにしている。
「テメェら、ハルとアキのことをクズって言ったか? 何も知らないくせに、勝手なことを言うなッ!!」
普段は物静かで滅多に感情を表に出さないシドだが、友人のこととなれば話は別。今みたいに貶されたら黙ってはいない。
「確かに観察処分者に任命されたのは事実だ。けど、望んでそうなったんじゃねぇ! 特にそこの2人!!」
「「はいッ!」」
「テメェら2人は環の前で堂々と悪口言ってくれたな? 大切な兄と
「「す、すみませんッ!!」」
「そもそもハルとアキはなぁ……!!」
「シド、それくらいでいい」
ヒートアップしそうなシドをここで止める。
「止めるな飛彩、コイツらは言って聞かせなきゃいけねぇ。それともお前は、ハルとアキを貶されて悔しくないのか?」
「悔しいさ。でもこのままじゃ、シドの立場が悪くなる。その気持ちだけでも充分だ」
「あたしも大丈夫だから。お兄ちゃんと明くんの為にシドくんまで印象が悪くなったら、あたしも悲しいよ……」
「……わかった。そこまで言うなら、俺はこれ以上は言わない」
俺と環の言葉に一応納得したシドは席に着いた。
「アンタさんたち落ち着いてくだせー。真境名兄と吉井が観察処分者なのは事実でごぜーますが、羽ノ宮が言おうとしたように、事件に巻き込まれて不本意ながら任命されてしまったんです。決して学業や生活態度が原因ではありませんよ」
状況を静観していた
「ウチら風紀委員も1年間2人を見て来ましたが、学園生活上で問題はありませんでした。決して噂を鵜呑みにしてはいけねーですよ」
「個人的には優良かどうかはともかく、少なくとも問題児ではないと私も思います」
「私も彼らと親交がありますが、『馬鹿の代名詞』などと言われる程ではありません」
「私も義兄さんと同意見です」
風子に続いて、氷川とイヴとディセも弁護するのを見て嬉しくなる。俺たち以外にも風子を筆頭に、ちゃんと見てくれている人がいることに。
「「「わ、わかりました……」」」
説明に納得した生徒たちはこう答えて、重々しかった空気が和らいだ。
「ありがとう、水無月」
「構いませんよ唯島。これはウチらの意志ですから」
(貸し1つですよ? 飛彩……)
(わかってるさ、風子……)
風子にお礼を言って、中断していた自己紹介を再開させる。
「水無月風子。ご存知かと思いますが、風紀委員長です。お見知り置きくだせー」
一見やる気のなさそうな言動をしている風子だが、校則違反を見つけると素早く拘束し、処罰を与える仕事人だ。
もちろん厳しいだけが彼女の全てではないが、多くの生徒はもう1つの顔を知らない。
「桃世ももです! 購買部に所属してます。ご利用の際は、是非ご贔屓にお願いしますね♪」
ももは相変わらず愛らしい笑顔を振りまいてくる。彼女に告白する男子は数知れず、しかしその全てを断っているという。理由はハルの為だと知っているのは一部の人間だけだ。
「
瑠璃川は素っ気なく挨拶する。彼女に関しては、ハルとアキからも重度のシスコンとしか聞いてない。
これから共にするクラスメイトである以上、彼女とも親交を深めないといけないな……。
「では、クラス代表を紹介します。唯島くん、お願いします」
「わかりました、高橋先生」
高橋先生に指名されて、教卓の上に立つ。
「Aクラス代表の唯島飛彩だ。代表になったからには、みんなの学園生活が良いものになるよう全力を尽くそう。1年間よろしくな」
“パチパチ……”
自己紹介を終えた俺は、クラスメイトたちからの拍手を受けて自分の席へと戻る。
そして着席すると、制服の上に白衣を着た男子生徒が教室に入って来た。
「……すいません、遅れました」
「待っていました、
「はい、高橋先生。……
少し長めの赤い髪と赤い瞳の少年……白岩翼が自己紹介した。
詳しいことは知らないが、試験召喚システム関連の調整を行なっている数少ない生徒の1人。
それ故に多くの生徒たちは彼のことを『召喚獣博士』とか、『バレットドクター』などと呼んでいる。
「揃いましたね。みなさん、唯島くんを代表にこれから1年間互いに協力し高め合い、全てのクラスの手本として恥じぬよう、頑張ってください」
『『『『『はいッ!!』』』』』
高橋先生の言葉に、みんなが奮い立った。
俺にはわかる、お前たちは必ず
See you next stage……
「第5.5話は以上だ。楽しんでもらえたかい?」
「投稿に時間が掛かって、本当にごめんね。作者に代わってお詫びするよ」
「FクラスとAクラス勢のメインは殆ど登場した訳だけど、まだ登場してないキャラたちもいるから楽しみにしてね♪ (Bクラスとか、Cクラスとか)」
「今回はこんなとこかな」
「じゃ、次回も楽しみにしててね。今回よりは時間掛からない……ハズ!」
「うーん? ちょっと不安だけど、気長に待ってくれるといいな☆」
「「シーユー!」」
明久「Dクラスへ宣戦布告したその日の午後。束の間の休息を経て、今年初の試召戦争が幕を開ける! 行くよハル! みんなで勝利を掴み取ろう!」
明久「次回ッ!『バカとテストと召喚獣withグリモア!』、『初陣』。 Let's go……fight!!」