バカとテストと召喚獣withグリモア! 〜君と僕で紡ぐ青春(いま)〜   作:ウォーズ -IKUSA-

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「前回のあらすじッ!」

Dクラス本陣を目指す道中、味方の裏切り(?)に遭いピンチになっちゃったけど、ももと環のお陰で僕たちの貞操は守られた!
蝶影ちゃんとも合流後、またしても窮地に。しかし最後はヒーローの如くやって来た晴明の手で勝利を収める……!


第9話 戦後対談

晴陽side

 

 

「戦争終結! 勝者Fクラス!!」

 

『『『『よっしゃああああああッ!!!』』』』

 

西村先生が戦争終結を告げると共に、クラスメイトたちの歓声が上がる。

 

「すげぇ……。俺たちDクラスに勝ったんだ!」

 

「坂本が言ってたことは本当だったな! 吉井と真境名様様だぜ!」

 

「まったくだ!」

 

(調子良いよ君たちは……)

 

(うん。始まる前は、不満言ってたのにね)

 

戦争開始前と今とでは、明らかな手のひら返しっぷりに呆れながらも、褒められていることに悪い気はしなかったので心の中に留めておいた。

 

「やられたよ。まさか蔵馬までFクラスだったなんてな……」

 

「ごめん、源二」

 

「気にするなよ。お前たち以外にも注意を向けなかった俺のせいだから、晴陽が謝ることじゃない」

 

こう答える源二が眩しく見えるよ。連中もこの潔さ、見習って欲しいな。

 

「それじゃあ早速だけど、戦後対談に入ろうか坂本」

 

「構わんぞ」

 

「DクラスはFクラスに設備を明け渡す。でも今日はもう遅いから、明日でも良いか?」

 

「その必要はないぞ平賀。俺たちはDクラスの設備を奪うつもりはないからな」

 

これは戦争前のミーティングで取らないと決めていたことだ。もちろん、僕たちの目当ては設備なんかじゃない。

 

「おい、どういうことだ坂本!」

 

「せっかく苦労したのに、何もなしかよ!」

 

「落ち着け。……良いか、戦争前に言ったことを思い出せ。俺たちの目標はAクラスだ。もしここで設備を手に入れたら、上を目指さなくなる連中が出て来る。それだけは避けたい」

 

この言葉に、Fクラスの生徒たちがはっとする。ここで自分たちの目標を思い出したようだ。

 

「本当に良いのか、坂本?」

 

「そうだな……、それならひとつ条件がある。この戦争を和平による終結にする代わりにFクラスと不可侵条約を結んで欲しい」

 

「不可侵条約を? 何が目的だ?」

 

「必要に応じて、Fクラスの手伝いをしてもらう。安心しろ、悪いようにはしない」

 

「意図がよくわからないが……。……わかった、その条件飲もう」

 

雄二の申し出に源二は訝しげだったけど、少し考えた後納得してこう言った。

 

「交渉成立だな。よろしく頼む」

 

「ありがとう坂本。Aクラスとの試召戦争上手く行くよう、応援してるぞ!」

 

「お世辞でも受け取っとくぜ?」

 

「そんなことないさ。お前の策略と、晴陽と明久を筆頭に戦力が揃っているんだ。きっと勝機はあると思う」

 

「サンキュ、源二。ベストを尽くすよ」

 

「ああ。頑張れよ晴陽、明久」

 

僕たちにエールを送ると、源二はDクラスへ戻った。

 

「お前たち、ご苦労だった! 明日はBクラス戦に向けて補給試験をするから、今日は帰ってゆっくり休め!」

 

雄二がそう言うと、教室にいるFクラス生徒は支度をして帰って行く。それから僕たちFクラス首脳陣がこの場に残った。

 

「さて、改めて礼を言おう。晴陽、明久、晴明、南、宵宮。良くやった」

 

「ここでも双龍が活躍してくれたからな」

 

「そうね。あんたたちのおかげで勝てたって言えるわ」

 

雄二、龍季、夏海の言葉にみんながうんうんと頷いている。なんだかくすぐったい。

 

「ありがとう。だけどみんなが時間稼ぎをしてくれたから、僕たちも思い切って攻めることができたんだよ」

 

「(コクッ) それに思ってた以上にみんな操作が上手かったし、昇瑠とみちるのように手強い生徒もいて、楽とは言えなかったよね」

 

「ああ。何とか勝てたが、次回以降は今回のようにはいかないと思う。他のクラスにもAクラス並みの学力を持った生徒がいると考えた方が良い」

 

「そうか。……わかった、それなら以降の作戦を見直す必要があるな。お前たち、今度のBクラス戦は少し本気を出して臨んでくれ」

 

『『『『わかった(ぜ)(わ)(よ)(の〜)』』』』

 

僕とアキと晴明の言葉を聞いた雄二がBクラス戦の方針を告げると、みんな決意を新たに頷いた。

 

「随分と調子が良さそうだね」

 

すると声が聞こえたのでその方向を向くと、Fクラス教室の前に誰かがいるのが見える。

 

「君は……、誰だい?」

 

「通りすがりのAクラス生徒……、とでも言っておこうかな」

 

アキの問いに彼は淡々と答えた。

 

「君たちの目標は、僕たちAクラスだろう?」

 

「ほう……、なぜそう思う?」

 

「Dクラスとの試召戦争からおかしいと思ってたんだ。何せ試召戦争の後、設備の交換が行われていなかったからね」

 

「だったらどうする?」

 

「君たちが挑むのなら、そのときは僕が相手しよう。……Aクラスの生徒として!」

 

雄二との問答を経て、彼は僕たちに戦意を向けた。その発言に思わず何人か身構えたけど、

 

「安心してくれ、今戦う気はないよ。あくまで“戦う意思”があることを伝えに来ただけだからね」

 

こう言って彼は振り返ると教室に戻ろうとした、そのときだった。

 

「「まーくん(真志)ッ!」」

 

姫路さんと和希くんが彼を呼び止める。すると再び振り返ってこう言った。

 

「ああ。忘れる所だったよ瑞希、和希。Fクラス(そっち)に来たって聞いたけど、大丈夫かい?」

 

「はい! ここにいるみなさん、良い人ばかりですよ♪ 蝶影ちゃんもいますし」

 

「ボクも同じだぞ、真志ぃ」

 

「そう、それなら良かった……」

 

姫路さんと和希くんがこう言うと、さっきまでの態度とは打って変わって優しそうな表情を見せた。

 

「だが戦争となれば話は別。たとえ君たちが相手でも、手加減はしないからそのつもりでいてくれ。……それから、蔵馬くん」

 

「……なんだ、七島」

 

「失望したよ、君はこうなる前に止めるべきだった。なのに加担する側になるとは……。やはり僕たちは戦うべき運命(さだめ)か……」

 

「七島……ッ!!」

 

「せいぜい無様な姿を見せないようにすることだね。君たちと戦うときを待っているよ」

 

そう言って七島くんはFクラスを出て行った。彼が去った後は何とも言えない空気が漂っている。

 

「ねぇ瑞希ちゃん、和希くん。さっきの七島くんって人は知り合いなの?」

 

「はい、中学生の頃からの友達です」

 

「ボクと瑞希に対して優しいんだぞー」

 

ノエルの質問に対して、姫路さんと和希くんはこう答えた。なるほど、さっきの2人に対する態度を見れば納得がいく。

 

「でもみなさんには厳しそうでした。どうしてでしょうか?」

 

「……ハル、アキ」

 

「「晴明?」」

 

「悪い、風紀委員の活動があるから先行くわ。じゃあな、みんな」

 

姫路さんの言葉を耳に、晴明は荷物を纏めて教室を出て行った。

 

「「「「…………」」」」

 

「あー、うん……。じゃあ明日は予定通り補給試験だから、今日のところはもう帰って良いぞ」

 

雄二は帰るように伝えると、みんなも荷物を纏める。夏海は部活が同じ康太と一緒に出て行き(ついでにノエルと美波とクルトもついて行った)、僕はアキと智花と一緒に行って、飛彩とももと環を待つことにした。

 

 

晴陽side out

 

 

 

 

 

〜召喚システム制御兼実験室〜

 

 

???side

 

 

「Fクラスが勝ったようね、天」

 

「ええ。でも前例があるとはいえ、今年のFクラスは例年より強くないかしら?」

 

「でもそれはFクラスに限った話じゃないわ。DクラスにもAクラス並みの生徒がいたし、他のクラスも同じことよ」

 

「それもそうね、結希」

 

俺の隣で宍戸さんと如月さんがこのような会話をしている。本来ならFクラスに振り分けられた俺も試召戦争に参戦するハズだったが、「実験(テスト)」に協力して欲しいということで、今回は見送っていた。当然ながら教室にも来てないが、学園長からの了承は得ているので大丈夫だ。……多分。

 

「お疲れ様宍戸、如月。僕の方も終わったよ」

 

「ありがとう樋上(ひがみ)くん、―――くん。あなたたちが取ってくれたデータが新開発の腕輪の実用化に一歩近づくわ」

 

「礼に及ばないよ宍戸さん。俺も自分の召喚獣を操作することができて、お互い一石二鳥だろ?」

 

「そうね」

 

俺と一緒に実験室から出て来た色白の男子生徒は樋上夏彦(ひがみなつひこ)。爽やかそうな名前とは程遠い容姿で、周囲の印象もイマイチ(らしい)だが人当たりは割と普通で、意外と負けず嫌いな男だ。

 

「ねぇ、新型の腕輪ってなんだい? 俺の召喚獣を実験に使ったのと関係あるだろ?」

 

「それはまだ言えないわ、―――。でも近いうちに披露する……とだけ言っておくわよ」

 

「そうか、それならこれ以上は聞かないでおくよ。お披露目、期待しとくぜ」

 

「ええ、楽しみにしてて。それから、実験も今日でとりあえず修了よ」

 

如月さんの言葉に思わず顔が綻ぶ。

 

「じゃあ、次の試召戦争は参戦して良いってことだよな?」

 

「構わないわ」

 

確認の為に聞くと、宍戸さんはこう答えた。

 

「良し! Dクラス戦は出られなかった分、次の戦争は思い切り暴れるぞ!」

 

「今度戦争するときは僕たちのうち、誰かと戦うことになるだろう。まあ、僕は負けるつもりはないから覚悟しておくんだね、―――」

 

「私もよ」

 

「挑まれたら勝つ気で行くわ!」

 

「お手柔らかに頼むぜ?」

 

俺が奮い立つと樋上、宍戸さん、如月さんも戦意をみせる。待っててくれよハル、アキ。俺もそこへ行くからな!

 

 

???side out

 

 

 

 

 

同時刻 〜文月学園某所〜

 

 

???side

 

 

「Fクラスが勝ったッスね」

 

「俺っちは予想してたっすよ服部。あれだけ戦力が揃ってて、代表は坂本と来た。これで負けるのがおかしいっす」

 

「ボクも同意見だよ、―――。中でも真境名と吉井は連中のジョーカーだしな」

 

Fクラス対Dクラスの戦争を見届けていた俺っちは、恋人の楯野望(たてののぞみ)とクラスメイトの服部梓(はっとりあずさ)とこんな会話をしていた。真境名や吉井たちといずれ戦うかもしれないというのに、気持ちが高揚してるのを感じる。

 

「多分、Fクラスの次のターゲットはBクラスッス。自分はだいひょーに報告しますけど、お2人はどうするッスか?」

 

「それなら俺っちも行かせてもらうっす。良いだろ、望ん?」

 

「―――と一緒ならボクは別に構わないぞ」

 

「んじゃ、行くッスよ♪」

 

こうして俺っちたちはその場を離れた。君たちと戦うの楽しみにしてるっすよ真境名、吉井。

 

 

???side out

 

 

 

 

 

さらに同時刻 〜文月学園某所〜

 

 

???side

 

 

今回の試召戦争はFクラスが勝ったのね。これまでにも下位クラスが上位クラスに勝利するというのは前例はあったけど、今年は例年以上に戦力が充実しているわね。……わたくしの所属しているBクラスも充実度合いで言えば、Aクラスにも劣らないと言えるけど。

 

「きゅぅ!」

 

「あら、どうしたの?」

 

そばにいたわたくしの分身……召喚獣が立ち上がる。普通、召喚獣は教師の承認がなければ召喚できないが、わたくしの場合は、諸事情で学園内にいる場合に限って常時召喚できる特別仕様だ。もちろん、観察処分者の召喚獣と同様に物理干渉能力を持っている。

 

「きゅぅ!」

 

「そう……。あなたも感じているの? わたくしたちがFクラスと戦うことを」

 

(コクッ)

 

こう尋ねると召喚獣は頷く。基本的に召喚獣は召喚者の分身という側面を持つが、わたくしの召喚獣は他の生徒とは違って自我を持っているかのように行動している。これについては前例がないそうだ。

 

「行きましょう、相棒。為すべきことを成す為に」

 

「きゅぅ!」

 

Fクラスが攻めて来るのなら、この状況を利用するまで。そう考えたわたくしは行動を開始した。

 

 

???side out

 

 

 

 

 

飛彩side

 

 

Fクラス対Dクラス戦の結果は俺たちAクラスにも情報が届いた。首脳陣以外のクラスメイトたちからは驚きの声が上がっている。

 

「やはりFクラスが勝ったよーですね。戦力と坂本の策略が合わされば当然とも言えますが」

 

「……それで唯島、これからどうするの?」

 

「下位クラスとは言え、舐めてかかると足元を掬われる。操作技術の向上も兼ねて俺たちも試召戦争を仕掛けよう」

 

風子と霧島がこう言うと、今後の方針をみんなに伝えた。

 

「飛彩、どのクラスに戦争を仕掛けるんだ?」

 

「Cクラスだ。坂本は次にBクラスに仕掛けるだろう。確定じゃないが、どちらかが他のクラスと連携を取る可能性もある。それを封じるのと、Aクラス(俺たち)の実力を示す機会だからな」

 

「なるほど……」

 

「だからみんな、準備を怠らないでくれ」

 

怜の質問にこう答えると、みんなが頷いた。

 

「代表。僭越だけど僕の考えを聞いてくれないかな?」

 

「七島か。わかった、仲間の意見を聞くことも上の義務だ。それで、どうした?」

 

クラスメイトの男子、七島真志(ななしままさし)が話し掛けて来る。

 

「今試召戦争をするって話だけど、個人的にFクラスと戦うべきだよ」

 

「なぜそう思う?」

 

「新学期初日から試召戦争をする連中は、自分の欲の為に行動する迷惑なヤツらだからね。早いうちに抑え込むのが得策だと思うんだ」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

七島の発言を聞いて、ももと怜とイヴと優子は顔を顰め、環とシドと霧島とディセに至っては怒りを露わにしている。

 

「おい七島! テメェ、俺や水無月が言ったことをもう忘れたのか!?」

 

「それにその口振りでは、真境名くんと吉井くんだけでなく、ノエルや他の訳あってFクラスになった生徒を貶しているように聞こえますが……?」

 

「……雄二や吉井たちはそんな人じゃない」

 

「そうだよ七島くん! 流石に今のは許せないよ!!」

 

シドが七島の胸ぐらを掴んで掛かり、ディセと霧島と環も続けて言う。 Aクラス内に不穏な空気が漂い始める。

 

「でも僕は、間違ったことを言ったとは思ってない。たとえ理由があったとしても、Fクラスに行ったということは、その程度の生徒ってことだろ?」

 

「良いだろう。試召戦争の前にまずテメェを斃す、七島真志ッ!!」

 

「やる気かい? 僕は代表や霧島さんと水無月さんには及ばないが、君よりは強い自信がある。勝てると思うのかな、羽ノ宮くん」

 

「上から人を見る態度……。テメェのその口振りが鼻に付くんだよ……!!」

 

「羽ノ宮くん、私も手を貸します! ……さて、いくら強いと言えど先程の発言で反感を持っている生徒も戦うでしょう。そうなると君に勝機はありませんよ、七島くん」

 

「言うじゃないか冬樹くん。なら……、試してみるかい?」

 

一触即発の状況にクラスメイトたちがざわついている。これでは収集がつかない。

 

 

「静かにしろ」

 

 

怒りとも悲しみとも言えない調子で一喝すると、みんな静かになった。

 

「俺たちがこれからすることは仲間割れじゃないだろう。シド、ディセ、それにみんな。お前たちの気持ちはわかる。だからこそ抑えて欲しい、売り言葉に買い言葉はいけない。七島の言い分も理解はできるが、言葉に気を付けてくれ。何度も言うが、Fクラスには望まない形で振り分けられた生徒もいるし、何よりA(この)クラスにはFクラスに身内や友人がいる生徒が多数在籍しているからな」

 

「「「「「「飛彩(代表)……」」」」」」

 

「そして逆の立場になって考えてみろ七島。お前の身内や友人がFクラスにいたとする。そこにさっきのお前の言葉を掛けられたら、どう思う?」

 

こう言うと七島はハッとして俯く。とりあえずはわかってくれただろうか。

 

「わかってくれたのなら、もうこんなことはしないでくれ。頼む」

 

そして全員が頷いた。

 

「良し……。試召戦争についてはさっき言った通りだ。今日は休んで明日に備えてくれ」

 

『『『『了解ッ!!』』』』

 

号令を掛けて、一先ずは解散となった。ハルやアキたちは全力で向かって来るだろう。俺たちも全力で応えないとな……。

そう考えながら、目の前のCクラス戦に向けて思案を巡らせるのだった。

 

 

See you next stage……




「次回以降のCクラス戦(予定)につながる回だけど、どうだった?」

「ここからCクラスのキャラを出して行くつもりだから、その辺りは楽しみにして欲しい」

「……以上かな? 特に言うことがないけど、気長に待っててね♪」

「それじゃあ、また会おう!」

「シーユー♪」



晴陽「七島真志の挑発を受けた僕たちは、Aクラスとの戦いに決意を新たにする中、Dクラスの面々が敗北の現実を思い知る。更に時を同じくして、とある女子生徒が康太たちと接触して来た……!」


晴陽「次回ッ!『バカとテストと召喚獣withグリモア!』、『動き出す者たち Part①』。 Let's go……fight!!」
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