バカとテストと召喚獣withグリモア! 〜君と僕で紡ぐ青春(いま)〜   作:ウォーズ -IKUSA-

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「前回のあらすじッ!」

Bクラスの教室に入ると、ミナや綾斗を始めとした友人たちとの再会に顔を綻ばせる。本来の目的である宣戦布告を行うと大文字代門の罵詈雑言で一触即発の空気に。
本当ならあの時点で落とし前を付けたかったけど、恭二のお陰で場が収まった。
「決着はあくまで召喚獣バトルで」。その決意を胸にBクラスを後にするけど……、視線を感じたあの男子生徒は一体……?


第17話 対Bクラス戦、開始(スタート)

恭二side

 

 

明久たちが宣戦布告を終えた後、俺は首脳陣も含めたクラスメイトたちを集合させる。

 

「良いかお前たち。最下級クラスとは言え、Dクラスを破ったFクラスの実力は本物だ。舐めてかかると返り討ちに遭うから絶対に油断するなよ!」

 

『『『『『『おぉーっ!!!』』』』』

 

「だが、勝利に固執し過ぎて手段を選ばないという事態だけは避けてくれ。 一度ついた悪評を覆すのは簡単じゃないし、何よりお前たちに肩身が狭い思いをさせたくないからな」

 

『『『『『代表(根本)……』』』』』

 

「そういう訳だから、変な行動を起こさないように頼むな? 午後1時には開戦する。きっちり準備しておくんだ」

 

『『『『『わかった(わ)!!』』』』』

 

俺の言葉にみんなが応える。一部の連中以外はこう言っておけば大丈夫だろう。

仮に非難されることになっても、自分が責任を取ればそれで済む。そう、これで良い。卑怯者の汚名は俺1人で充分だ。

 

「……と、お主は考えておるじゃろうな。根本よ」

 

南条(なんじょう)か……」

 

爺言葉で話し掛けて来た小柄な少女は南条恋(なんじょうれん)

天文部の副部長で美術部も掛け持ちし、卑怯者を脱却する以前から俺のことを見てくれた数少ない人物であり、アドバイザーの1人だ。

今でこそ慕ってくれる生徒もいるが、偏に南条の働き掛けもあった為、彼女には感謝しかない。

 

「代表として皆を預かる手前、意気込むのも結構じゃが、わっちらもいることを忘れんでおくれ。お主だけが戦う訳ではないからのう」

 

「わかっているさ。……南条。対Fクラス戦の作戦会議をするから、風槍たちを呼んで来てくれ」

 

「了解じゃ、しばし待っておれ」

 

南条にBクラス首脳陣を連れてくるよう頼むと同時に、神山へ目で合図を送る。

 

(おい、神山)

 

(なんでしょうか、根本くん)

 

(今からミーティングを行うから、大文字たちを見張ってて欲しいが……、良いか?)

 

(承知しました、お任せください)

 

神山の方も合図を返した。これでヤツ(大文字)に内容を聞かれることはないだろう。だからといって警戒は解かないが。

 

「待たせたのう根本、連れて来たぞい」

 

「ありがとう」

 

程なくして、南条が風槍を中心とした擁立派の首脳陣、中立の綺羅星、樋上、神楽らを伴って再び俺の周りに集まって来た。

それから部隊編成について説明する。

 

「……と言う訳だが、本陣の守りを固めつつ連中(Fクラス)の進軍を“可能な限り”阻止するんだ」

 

「可能な限り? ボクたちの戦力ならアイツらを一掃することもできるのではないかい?」

 

「……それも一理あるわ。でも樋上くん、代表も言ってたように彼らは多少の損失も覚悟の上で挑んで来る。地の利があるとは言え、保険は掛けておくべきだと思うわ」

 

「ふぅん……。ま、良いや。最終的に根本くんが生き残れたら問題ないだろうから、ボクはデータ取りを優先するかな。……もちろん、向かって来るヤツらは排除させてもらうけどね」

 

樋上の疑問に対して立華が俺の私見を代弁する。それを聞いた主力メンバーたちも一先ず納得してくれたようだ。

 

「では、もう一度確認しよう。あちら(Fクラス)の進軍先の中間地点に防衛部隊を展開、向かって来る敵を順次迎撃して行く。首脳陣以外は大したことないだろうが、実戦経験で言えばBクラス(こっち)は遅れを取っているから充分に警戒して臨んでくれ。お前たちの健闘に期待するぞ」

 

『『『『『『『了解(じゃ)(です)(ッス)(だ)(でございます)(だよ)!!』』』』』』』

 

良し、みんなやるべきことを理解してる。やはり、不安があるとすれば反代表派(大文字たち)か。

神山もいるから下手に動くことはない……と思いたいが、それでも実行に移すだろうな。

……何にせよ、精一杯戦い抜く。それだけだ。

 

 

恭二side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

「ただいま、みんな」

 

「おう、ご苦労だったなお前たち。ダチに会ったのは良いとして、Bクラスの連中はどうだ?」

 

「予想通り……と言いたいところだけど、1つだけ不安要素があるんだ」

 

「ほう……」

 

Fクラスに戻った僕たちは、早速宣戦布告時のことを伝えると雄二が興味深げに食い付いた。

 

「それを今から言うよ。康太、今年度の2年生で去年の2学期から文月学園(こっち)に転入して来た生徒は把握してるよね?」

 

「……(コクリ)。Aクラスの工藤愛子に俺たちと同じクラスの歩夢。そして……、神楽誠也(かぐらせいや)だ。これを聞いてくるということは……」

 

「そう。その神楽誠也がBクラスにいるんだよ。実際に見るまでは確信が持てなかったけど……」

 

ハルの言葉にFクラス首脳陣は驚きの表情を見せる。それもそのはず、彼は転入して3ヵ月程度なので、詳細が未知数なのだ。あの康太ですら名前以外の情報を把握してないし。

 

「唯一の救いは、Bクラス側もアユと篠原さんのデータがないということだね」

 

「確かにな。けどよ歩夢、お前Dクラス戦は不参加だったろ。いきなり実戦になるが、大丈夫か?」

 

「平気……と言えば嘘になるけど、召喚獣の操作なら翼たちの“実験”に協力してたからそこは問題ないさ。何せ俺は『天才ゲーマーAYU』だからな」

 

「わぁ〜……、カッコ良いねアユム!」

 

「その自信がどっから来るのか知らねぇけど、期待させてもらうぜ歩夢?」

 

「ふ……。任せなって、龍季」

 

雄二の問いにアユがこう返すとクルトが目を輝かせ、龍季もFクラスNo.2として激励を送る。

それを受け取ったアユは、不敵な笑みを見せてこれに応えた。

 

「データがないのは厄介だが……、まあいい。どの道戦力に差がある以上、やるべきことは変わらねぇさ。今回も頼むぞ、お前たち」

 

『『『『『『OK(だ)(だよ)(です)(よ)!!』』』』』

 

「篠原もやってくれるな?」

 

「はい、頑張りますぅ♪」

 

雄二が頭を下げるとみんなが意気込む。大門寺代門が碌でもないことやるだろうけど……、そのときは目に物見せてやる。

こんな風に考えながら、Bクラス戦へ向けて気持ちを奮い立たせた。

 

 

 

 

PM1:00

 

 

〜キーンコーンカーンコーン♪〜

 

 

「行くぞお前たち! 全軍、進撃開始!!」

 

『『『『『『おおーッ!!!!』』』』』』

 

昼休み終了のベルが鳴り響くと共にBクラス戦が始まる。Dクラス戦の時と同じかそれ以上に、クラスメイトたちはやる気十分である。

 

「アキ。Bクラス(アイツら)、高橋先生を連れているぞ。おそらく文系科目メインで攻めるハズだが……、どうする?」

 

「そうだね。ここは僕とハルが出ても良いんだけど……」

 

進軍先にBクラスの先発部隊の姿が見え始めた為、晴明が尋ねてくる。

高橋先生以外にも英語の遠藤先生、古典の竹中先生の姿を確認した僕はこう告げた。

 

「予定通り正面から行くよ! 総合科目は晴明で、英語はノエルで、古典は秀吉を中心に攻撃を仕掛けて! 他のみんなはアシストをお願い!」

 

「「了解だ(じゃ)!」」

 

「任せて!」

 

 

『『『『『『試獣召喚(サモン)ッ!!!』』』』』』

 

 

 

総合科目

 

 

Fクラス

 

蔵馬 晴明:4467点

 

 

Bクラス

 

黒木 貴洋:3239点

 

 

 

英語

 

 

Fクラス

 

冬樹 ノエル:426点

 

 

Bクラス

 

里崎 理佳:322点

 

 

 

古典

 

 

Fクラス

 

木下 秀吉:401点

 

 

Bクラス

 

落合 宏伸:289点

 

 

 

FクラスとBクラスの双方が召喚獣を呼び寄せて戦闘開始となる。確かにあちらはDクラス戦の時よりも点数は上だ。でも……、

 

 

「な、何だありゃあ?!」

 

「Fクラスなのにどうして?」

 

それ以上に高い点数を見た黒木くんと里崎さんが「信じられない」と言わんばかりの表情になっている。他の生徒たちも同じだ。

 

「これがあたしたちの実力だよ♪」

 

「じゃが、これでも手加減しておるし、得意科目以外ではここまではいかん。……尤も、わしとノエルに限った話ではないがの」

 

「秀吉、ノエル。おしゃべりはその辺で行くぞ。良いな?」

 

「「OK!(うむ)」」

 

「という訳だから、ここは任せてくれ2人とも(アキ、ハル)

 

「「わかったよ(ああ)」」

 

そう言って晴明たちは目の前の相手へ攻めて行く。とりあえず、晴明たちが戦線を張るのなら大丈夫かな。

まずは戦況を見守ることにしよう。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

瑞希side

 

 

「そ〜ば〜レインッ!」

 

「行きますッ、ここで倒れてくださいッ!」

 

 

『『『『『『うわあああ(きゃあああ)ッ!!!』』』』』

 

 

私とチーちゃんが率いる別働隊は、岩下さんと菊入さんを中心とした部隊と交戦しています。

今回は主導権を握る為に、最初から全力です。

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:457点

 

宵宮 蝶影:439点

 

Fクラスモブ×6:平均97点

 

 

 

Bクラス

 

岩下 律子:271点

 

菊入 真由美:263点

 

Bクラスモブ×6:0点

 

 

 

「戦死者は補習ッ!!」

 

『『『『『『やめてぇッ、許してぇぇぇッ!!!!』』』』』』

 

 

どこからともなく現れた西村先生が戦死した生徒たちを連行して行きました。纏めて担いでいけるなんて……、最早人間なのか疑わしくなって来ます。

 

「どうしよう、もう私たちだけになっちゃったよ!」

 

「多勢に無勢な上に、姫路さんと宵宮さんは健在だなんて……。これって詰みよね……?」

 

「でもここで諦めたらみんなに申し訳ないわ。どこまでやれるかわからないけど、行きましょう真由美!」

 

「わかったよ、律子!」

 

不利な状況でも互いを鼓舞して私たちの方に視線を向ける岩下さんと菊入さん。この切り替えの早さは見習いたいと思いました。

 

「瑞希ちゃん。ここはちかげに任せて欲しいの〜」

 

「構いませんが……。大丈夫ですか、チーちゃん?」

 

「のーぷろぶれむ〜」

 

チーちゃんの申し出が少し心配でしたが、いつもの間延びした返事の中に自信を感じたので任せてみることにします。

 

「それじゃあ……、腕輪発動〜」

 

「来るわ。構えて!」

 

「ええ!」

 

腕輪を発動させるのを見て、一層警戒する2人。

そう言えばチーちゃんの能力ってどんなものでしょうか? 私も初めて見るかもしれないです。

 

「行くよ〜、スゥ……」

 

深呼吸をした次の瞬間私は……。いえ、私たちの目に飛び込んで来たのは、

 

 

「いただきますなの〜。……あーむっ」

 

『『『『『『ええぇぇぇッ??!!』』』』』』

 

 

口を大きく開けたチーちゃんの召喚獣が、岩下さんと菊入さんの召喚獣を吸い込む光景でした。

 

「ッ! 逃げるのよ、真由美!」

 

「ダメ! 間に合わないよ!」

 

態勢を立て直そうとしましたが、逃れる術はありません。吸引力を維持したまま丸呑みされていきます。

 

 

 

……ごくんっ。

 

 

「ふぅ……、ごちそうさま〜♪」

 

「た、食べちゃった……」

 

「ウソでしょう……?」

 

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

宵宮 蝶影:379点

 

 

 

 

Bクラス

 

岩下 律子:0点

 

菊入 真由美:0点

 

 

 

岩下さんと菊入さんは目の前の光景が信じられず、只々呆然するばかりですがその間に、

 

「戦死者は補習よ!」

 

「「そんなぁ〜!!」」

 

今度は我妻先生が2人を担いで補習室へ行ってしまいました。西村先生の教え子の1人だと聞いてなかったら、驚いたままだったでしょう。

 

 

「よっしゃああッ!」

 

「ヘンテコな能力だったけどすげぇぞ!」

 

「蝶影ちゃん最高だー!」

 

「頑張りましたね、チーちゃん」

 

「うん♪ 瑞希ちゃん、みんな、ありがとうなの〜」

 

クラスメイトたちから歓声が上がり、私も労いの言葉を掛けるとチーちゃんは笑顔で応えました。

とりあえず、最初の目的は達成です。

 

 

「流石ですね」

 

「きゅぅ!」

 

 

すると、まるでタイミングを計ったかのように向こう側からBクラスの女子生徒が彼女の召喚獣と共にこちらへ近付いて来ました。

再び緊迫した空気が広がりますが、ここを凌げるでしょうか……。

 

 

瑞希side out

 

 

 

 

日和side

 

 

本陣で護衛を務めていた私は根本くんの指令を受け、召喚獣と共に岩下さんと菊入さんが率いる部隊の救援へ向かっていた。

 

『戦死者は補習よ!』

 

「「そんなぁ〜!!」」

 

その道中で我妻先生に連行されてしまったようだ。

 

 

「間に合いませんでしたか……」

 

 

私がもっと早く着くことができれば、助けられたのだろうか。たらればで考えても結果は覆らないことを苦々しく思いながらも、もうひとつの目的である戦力半減を遂行するべく気持ちを切り替える。

 

 

(岩下さん、菊入さん。あなたたちの仇……、取りますよ)

 

 

こんなことを考えている内に、姫路瑞希さんと宵宮蝶影さんが率いる部隊の下へ辿り着いた。

 

 

「流石ですね」

 

「きゅぅ!」

 

実際に見ることは不可能だが、あちら側が私の姿を確認し身構えているのが想像できる。

 

「あ、あなたは……」

 

「ご機嫌よう、みなさん。綺羅星日和と申します。気配から察するに、8人くらいでしょうか? 今度はわたくしがお相手いたしますわ」

 

「きゅぅ……」

 

私の言葉に合わせて召喚獣(相棒)も左側の日本刀を1本抜き、戦闘準備は万端だ。

 

「ちっ、新手が出やがったぜ」

 

「怯むなよ、たかが1人だ。さっき戦った岩下や菊入も点数が高い方だったけど多人数で仕掛けりゃ大丈夫だ」

 

「おう、そうだな。姫路さんや蝶影ちゃんが頑張ってたんだ。俺たちだって!」

 

『『『『行くぜぇぇぇッ!!!!』』』』

 

 

誰かの掛け声と共に、私へ向かって特攻して行く。足音から察すると数は4人か。

……なるほど、良い判断だと思う。だが……。

 

 

「ッ! 待ってください、みなさん!」

 

「もう遅いですよ」

 

私の実力に気付いていた姫路さんが呼び止めたが、それよりも先に召喚獣を高速移動させ、すれ違いざまに斬って行った。

そして……。

 

 

「み、見えなかっ……」

 

 

言い終わるよりも先に日本刀を納刀すると、4体の召喚獣が全身から血を吹き出しながら倒れた後、消滅する。

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

Fクラスモブ×4:0点

 

 

 

Bクラス

 

綺羅星 日和:472点

 

 

 

「戦死者は補習ッ!!」

 

『『『『勘弁してぇぇぇッ!!!!』』』』

 

 

 

戦死者を嗅ぎ付けた西村先生の手によって、私と戦った男子たちが補習室へ連行されて行った。

……ところで、西村先生はどうやって戦死者を感知しているのだろうか? もしや私のように、聴力を使って? あるいは第六感を? 謎である……。

 

 

「さあ……、次はどなたが来ますか?」

 

「きゅぅ!」

 

西村先生を見送った後、直ぐに姫路さんたちの方へ向き直ってこう告げた。

先程の戦闘を目の当たりにした彼女たちは、各々が動揺しているのが感じられる。

 

「私が行きます……」

 

「瑞希ちゃん?」

 

姫路さんが前へ出て来た。召喚獣も武器を構えているのを音で確認したから……、次の相手は彼女か。

 

 

「どう考えても戦いは避けられそうにないです……。チーちゃんはみなさんを連れて後退してください」

 

「綺羅星さんに勝てるの?」

 

「……わかりません。ですが、このままだと全滅してしまいます。なので行ってください、私は大丈夫です」

 

「瑞希ちゃん……、わかったよ。ちかげ、みんなと一緒に明久くんのところに行くの〜」

 

「ここは任せてくださいね」

 

「ぐっどらっく〜♪」

 

宵宮さんはそう答えると、残った男子たちと共に撤退した。この場にいるのは私と姫路さんの2人だけ。

 

「ひとつ聞かせてください」

 

「あら?」

 

「なぜチーちゃんたちを行かせたんですか?」

 

戦闘の前に姫路さんが質問して来た。彼女としては私が部隊を殲滅できるのは容易いと思うが故に聞いたのだろう。

 

「個人的な目的になりますが……。指令とは別であなたと戦ってみたいと思ったのです、姫路瑞希さん」

 

「私と……?」

 

「はい。……実のところ、吉井くんか真境名くんのどちらかと戦ってみたかったのですが、あなたも注目生徒の1人ですから……」

 

「そうですか……」

 

一言呟くと、彼女の召喚獣が武器を構えるのがわかる。恐らくは大型の剣だろうか。私の方も再び日本刀を抜刀する。

 

「これ程の力を見せた以上、見過ごすことはできません。ここであなたを倒します、綺羅星日和さん!」

 

「望むところです……!」

 

こうして姫路さんとの一騎討ちが幕を開ける。

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:434点

 

 

 

Bクラス

 

綺羅星 日和:456点

 

 

 

それぞれ日本刀と大剣で斬り結んでいるが、姫路さんの方がやや優勢なようだ。

調整や訓練等で召喚獣を動かす機会があるとはいえ、一度実戦を経験しているかそうでないかでは随分違って来る。

 

「わたくしが思っていた以上にやりますね。流石、今年の成績優秀者トップ10以内にいるだけのことはあります」

 

「あ、ありがとうございます。だからと言って容赦する訳ではありませんよ!」

 

「はい。ですから、わたくしも少々本気を出させて頂きましょうか。……腕輪発動」

 

「きゅぅ!」

 

「花、ですか……!?」

 

私は自身の能力“命短シ乙女ヨ咲キ誇レ”を発動し、攻めの勢いを更に増して行く。今回は三分咲きだ。

 

「受けなさい!」

 

「くぅッ!」

 

スペック向上の副次効果による斬撃を飛ばし、翻弄する。一般的な生徒なら回避にも苦労する程の攻撃なのだがそこは成績優秀者、簡単にことは運ばない。

 

「これくらい……、“紅の光弾・扇撃(スカーレットフラッシュ・ピーコック)”!」

 

姫路さんの腕輪(ちから)だろうか。拡散ビームと思わしき光線を放って、こちらの斬撃を全て撃ち落として行く。

そのような状態を繰り返し、いつの間にか互いの点数は残り僅かになっていた。

 

「「はぁ、はぁ……」」

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:24点

 

 

 

Bクラス

 

綺羅星 日和:38点

 

 

 

「すごいですね、姫路さん。まさかこれ程のものとは思いませんでしたよ……」

 

「私もです、綺羅星さん……」

 

「では……、これで終わりにしましょう……!」

 

「はい……!」

 

互いに得物を構え直し、トドメの一撃を加えようとする正にそのときだった。

 

 

 

“バァンッ!!”

 

 

 

「な……ッ!」

 

「きゅぅ……?!」

 

一瞬何が起きたのかわからなかったが、姫路さんの召喚獣が風穴を開けられたこと、私の後ろから聴こえてきた声が教えてくれた。

 

 

「え……、嘘……」

 

「ありがとよ綺羅星。お前が点数削ってくれたお陰で、楽に姫路を倒すことができたぜぇッ!!」

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:0点

 

 

 

Bクラス

 

綺羅星 日和:38点

 

大門寺 代門:399点

 

 

 

どうやら私が攻撃を行うより先に予め召喚し、姫路さんを銃撃したようだ。

……こちらをダシに使って。

 

 

「戦死者は補習!!」

 

「悔しいです……」

 

再び現れた西村先生が、涙目になっているであろう姫路さんを担いで連行して行く。

が、その途中で大門寺くんの姿を確認し、

 

 

「大門寺。貴様、どのような手を使った? 俺が知る限りではそこまで点数を取れるとは思えんが……」

 

「人聞きの悪いことを言わないでください、西村センセ。俺だってこれくらいはできますよ。それに、あの点数で人体急所を狙えば仕留めることは造作もないですって」

 

「……そうか、とりあえずそういうことにしておいてやろう。だがもし敗北したら……、そのときは覚悟しておけ」

 

 

西村先生は何となく勘付いていたけれど、とりあえずその場は収まった。

私は大門寺くんに問い詰める。

 

「大門寺くん、どういうつもりです。なぜわたくしの邪魔をしたのですか」

 

「おいおい、そう言うなって。俺は助けに来てやったんだ、寧ろ感謝して欲しいくらいじゃねーか」

 

「姫路さんは確かに強かったです。ですが、わたくし自身の手で倒すつもりでした。そもそもあなたは、代表の指示以外で動いてはいけなかったハズでしょう?」

 

「ケッ、偶々持ち場を離れていたらお前が苦戦してるっぽかったから、助けてやったと言えば納得するだろ? 理由は後からどうとでもなるぜぇ」

 

「あなたという人は……!!」

 

憤りを感じると共に、彼には私の……いえ、私や根本くんを含めた他人の言葉は届かないのだろう。

 

「おっと、俺はもう行くからな? 後から戦死しないよう精々点数を補給しておくことだ、キーキキキキキキッ!!」

 

大門寺くんはそう言ってまた何処かへ去って行く。私は一緒に残された召喚獣(相棒)としばらく立ち尽くしたままだった。

 

「きゅぅ……」

 

「大丈夫、私は気にしてないから。……そろそろ動くときが来ているわ……」

 

あくまでも中立の立場を貫いていたが、今後の為に私は……。とりあえずはこの戦争を戦い抜くことが先決。

そう考えた私は回復試験を受けに行くのだった。

 

 

See you next stage……




「第17話でした♪ 楽しんでくれたかな?」

「実は今回と次回でBクラス戦を終わらせる予定だったんだけど、3話〜4話くらい消費するらしいよ」

「え、マジ?」

「うん。試しに2話分下書きしたら1話分が相当長くて読みづらいと思ってまた書き直したってさ」

「それでもまだ長いと言うね……」

「とは言え着地点は決まっているから、気長に待っててね」

「それじゃあ、18話もお楽しみに!」

「「グッバイッ☆」」



歩夢「姫路さんが倒されてBクラス優勢に傾きかけたそのとき、俺は篠原さんと共に満を持して参戦! 戦局は膠着状態のまま翌日に持ち越すことに。勝利に向けて作戦を遂行する中、大文字代門が卑劣な罠を仕掛ける! ……上等だ。不利な状況でも戦い抜いてやるぜ!」


歩夢「次回ッ!『バカとテストと召喚獣withグリモア!』、『忍び寄る魔の手』。 Let's go……fight!!」
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