バカとテストと召喚獣withグリモア! 〜君と僕で紡ぐ青春(いま)〜   作:ウォーズ -IKUSA-

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「前回のあらすじッ!」

Bクラス戦もいよいよ後半戦!
その最中、智花と蝶影ちゃんと篠原さんが大文字くんの策略で無力化されてしまう。
人の気持ちを踏み躙るヤツを叩き潰す為、勝利とは別に大文字代門討伐も目的に駆けていく!


第19話 助っ人参上! 〜風と弾丸と昇り龍〜

明久side

 

 

「「雄二ー!」」

 

「おう。どうした明久、晴陽?」

 

「もしかしてトイレか? まあ、デカいヤツだってんなら考えてやるけどよ……」

 

教室に戻ると、作戦内容が書いてあるメモ帳と睨めっこしている雄二と護衛の名目で傍にいる龍季が残っていた。多分緊張ほぐす為の冗談だろう。

この場にいるのが僕たちだから良いんだけど、その言い方はやめなさい。

女の子なんだからさ、……一応。

 

「おい明久。オメーよ、今めちゃくちゃ失礼なこと考えてただろ?」

 

「え? ううん、それはないって」

 

「やめとけ。いつもならそのままイジってるところだが、生憎そんなことしてる場合じゃねぇ。お前らが来るってことは、何かトラブルがあったってことだろ? 違うか?」

 

流石にふざけている余裕はないので雄二が場を収めると、みんな真剣な顔付きに変わった。

こう言うときの理解の早さは本当に助かる。

 

「その通りだ。単刀直入に言うぞ雄二、智花と蝶影ちゃんと篠原さんを今回の戦闘から外してほしい」

 

「マジ? 正気かよ晴陽! 3人も外れるのはかなりの痛手なんだぜ!?」

 

「気持ちはわかるが落ち着け、龍季。お前たちが思い付きでこんなことを言わないのは理解してるつもりだ。だが、理由もなしにその要望を受けられないのはわかるな? 何故外してほしいか教えてくれ」

 

ハルの言葉に動揺を隠せない龍季を宥めつつも、全体の命運を預かる大将としての正論を説いて続きを促す雄二。

そう、これは僕たちのワガママだ。だけど、そうだとしても通したい道理がある。

 

「大文字くんが智花たちを脅迫したんだ。精神状態が乱れたままの彼女たちを戦わせるなんてこと、僕にはできないよ」

 

「……そうか」

 

「正直ムシの良い話だと思う。 でも、智花たちの『代役』も目星が付いてるんだ。頼む雄二!」

 

顔色1つ変えずに僕の言葉を聞いていた雄二だが、『代役』のワードに一瞬表情を変えると、更に考え込んだ。

そして……、

 

「『代役』か。確かに俺たちはDクラスと同盟を結んでるから、前提条件はクリアしてるな。……ふむ、中々良いこと考えるじゃないか」

 

「ていうか、同盟を結んだ時点でこの作戦を実行に移すつもりでいたよ。ねっ、ハル?」

 

「まあな」

 

僕たちの意図を察した雄二の口角が吊り上がる。この手を使えば大分楽になるだろう。

 

「おーい、何オメーらだけで盛り上がってんだ? 俺にも教えてくれよ、寂しいだろォ!」

 

忘れてた、龍季にもちゃんと言わなきゃ。

一応Fクラスのナンバー2だし、友だちを仲間外れにしたくないもんね。

 

「悪い悪い、今から教えるからさ」

 

「……頼むよ」

 

「いいか龍季、俺たちは同盟を結んでるのはわかるな? そこでだ。明久たちがDクラスから助っ人を呼ぶ……、『支援要請』を発動させるって訳だ!」

 

「『支援要請』を?」

 

 

ここで僭越ながら、支援要請について説明しようと思う。

支援要請とは、試召戦争に於いて他クラスから助っ人を連れて来るシステムだ。さっき雄二が言ってたように、前提として要請対象のクラスと同盟を結んでおくことで初めて使用できるのだ。

学園長が言うには、召喚システムを導入当初から取り入れている下位クラス救済措置であり、最大3人まで助っ人を呼べる。

もちろん、上位クラスも使用可能。

 

だが実際には、運良く助っ人を呼んでも実力差があり過ぎると返り討ちに遭う、そもそも下位クラスは同盟締結を上位クラスからはお断りされる等の理由で、効果的に活用できた例が極めて少ないということらしい。

 

 

「けど俺たちの代は違う。今年の2年生はB〜Fクラス内でAクラス級の実力者が、1クラスに低く見積もっても10人以上はいる黄金世代だ。だから上手いこと同盟を結ぶことができれば、強力な助っ人を連れて来れるのさ」

 

「それはわかったけどよ、さっきの説明じゃ上位クラスも使えるんだろ? 万が一、支援要請をAクラスとかに使われたらヤバいんじゃねぇのか?」

 

龍季の指摘は当然だ。Aクラスでも助っ人を呼ぶことができるのでは、せっかくの救済措置も無意味になってしまう……のだが。

 

「そこは学園長(ババァ)も良く考えててな、クラスのランクに応じて助っ人を呼べる人数が変わってくるんだ。例えば、俺たち(Fクラス)の場合は助っ人を最大3人呼べる。これに対して、Aクラスだと呼べるのは1人だけになるって訳だ」

 

「じゃあ点数調整したのは、支援要請(これ)を使うのを視野に入れてたってことかよ!」

 

「正解だ。双龍(明久と晴陽)も来てくれたのは嬉しい誤算だったがな」

 

「そっか……、そういうことなら納得だぜ」

 

ここまで言うと龍季も納得の表情を浮かべる。

ってか最初から支援要請使うこと想定してたなんて、僕たちだってビックリだよ。

 

「おっと、話が長くなったな。早速で悪いが、南たちでやる予定だったBクラス本陣の奇襲を明久か晴陽の誰かにやってもらいたい。頼めるか?」

 

「俺がやる。それでいいだろ、アキ?」

 

「じゃあ、大文字くんは僕だね。智花の顔を曇らせたアイツはタダじゃ済まさないから」

 

「「お、おう……。わかった(ぜ)」」

 

自分では冷静になってたつもりだったけど、怒りを隠し切れてなかったようで、僕の顔を見た雄二と龍季がちょっと引いてた。

まだまだ修行が足りないね。

 

「雄二。確認なんだけどよ、本陣への奇襲の方法に希望はあるのか?」

 

「うーむ。特にないが……、全てお前に任せるぞ晴陽。できる限り派手に頼むよ」

 

「わかった!」

 

「やることは決まったんだ、あとは行動に移すだけだよ!」

 

「おう、早いとこ行かねーとなアキ!」

 

「頼むぜ、 双龍(お前たち)……」

 

顔を見合わせで頷き合った僕たちは、2人に見送られながらDクラスへと向かうのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

 

晴陽side

 

 

「なあ、アキ」

 

「? どうしたの?」

 

「Dクラスの前に裏Aクラスへ寄らないか?」

 

「そうだね、剣吾先輩に伝えることあるし……。いいよ、行こうか」

 

 

支援要請をする前に昨日の一件を伝えるべく、俺たちは3年裏Aクラスへ向かった。

このことは剣吾先輩はもちろん、アテナ先輩と拳崇先輩も気にしているからな。

 

 

 

 

〜3年裏Aクラス〜

 

 

「やあ。この本によると、君たちは我々『裏Aクラスに来る』と記されていたよ明久くん、晴陽くん」

 

「「は、はあ……」」

 

自動扉が開くと待ってましたとばかりに、魚住圭輔(うおずみけいすけ)先輩が出迎える。

いつも分厚い本を持ち歩いており、そのことについて何度か聞いたことがある。

だけど、毎回「いつか教えてあげるよ」とはぐらかされるので、アキ共々秘密を解き明かそうとしているのはここだけの話だ。

 

「よぉ。お前たちが試召戦争中なのはモニターを通して観てる。わかってるだろうが、俺たちに頼るのはルール違反だぞ?」

 

「やだなぁ。流石の僕たちもそんなズルはしませんよ、京先輩」

 

「冗談はその辺にしておけ、京。それよりもお前たちが来たのは、蒼祐のことで伝言があるのだろう」

 

「せや! そこんとこどうなん? 明久、晴陽?」

 

「あ、そうでした! 剣吾先輩、拳崇先輩。単刀直入に言いますが、蒼祐は多分大丈夫ですよ」

 

「後は本人と話をしてくれたらと思います」

 

 

軽口を言う京先輩を制して、俺たちが来た理由を察した剣吾先輩に昨日のことをざっくりと説明する。

それを聞いた2人は『そうか』と呟くと、安堵の表情を見せた。無理もない、数ヶ月もの間連絡がなかったのだ。

アテナ先輩も含めて内心落ち着かなかっただろう。

 

 

「それから……、加州先輩!」

 

「ん? どうしました、明久くん?」

 

「あなたの加護対象である篠原直美さんに、大文字くんがちょっかいを出して来ました」

 

「そうですか……。(見せしめも兼ねて、彼にヤキを入れるべきか?)」

 

アキがついで……と言うか結構大事なことを加州先輩に伝えると、顎に手を当てて考え込み始めた。

何もしなければ、すぐにでも大文字をぶちのめすだろう。でもこれじゃダメだ。

意図を察したアキが言葉を続ける。

 

「すいません、言葉足らずでしたね。ちょっかいを出したと言いましたが、直接危害は加えていません。彼女のアクセサリーをパクったくらいです」

 

「なので、加州先輩が出張るまでもありません。ここは俺たちに任せてください!」

 

「ですが、情報によると大文字くんは陰険且つ狡猾な男です。君たちで対処できますか?」

 

「「はい、できます!」」

 

問い掛ける際、加州先輩が圧を掛けて来たが、怯むことなく返事をする。それを見て薄く微笑むとこう言った。

 

「……わかりました、そこまで言うなら任せましょう。期待してますよ、2人とも」

 

「「ありがとうございます、やってみせます!」」

 

「よろしい」

 

俺たちの返事に加州先輩は、頼もしさを覚える様な柔らかい表情で応えた。

 

「ところで、村正先輩はどこにいるんですか? いつもなら、アキを見ると飛び付きそうなのに……」

 

「あ、ホントだ。どこなんだろ?」

 

「衣玖ちゃんならあそこですよ〜」

 

「んー! んんー!!」

 

 

ふと村正先輩のことが気になって尋ねると、あやせ先輩が反応する。

彼女の視線の先には、全身を布団に包まれミノムシ状に吊された村正先輩の姿があった。

念には念を入れて鳴子先輩と黒淵御霊(くろぶちみたま)先輩を見張りに配置する徹底ぶりである。

 

「本当は普通に監視するだけでも充分だったけど、衣玖くんの吉井くんに対する執着は尋常ではなくてね……。少々手荒になるけど実力行使させてもらったよ」

 

「驚かせたのならごめんなさいね吉井くん、真境名くん。他のクラスの子だったら即懲罰房行きなんだけど、裏Aクラスの仲間だからこの程度済んでいるの。……ねっ、い・く・ちゃん?」

 

「んー!!」

 

不満げに睨みつける村正先輩を目にしても全く動じる気配のない2人を見て呆気に取られた。文月学園屈指の狂人とされる彼女を無力化しているとは言え、軽くあしらうのはすごいことだ。

まあ、裏Aクラスと一部のAクラスなら造作もないことではあるのだが。

 

「そんなことよりもだ、貴様らはここで油を売っている余裕があるのか。まだ戦争は終わってないだろう? 用が済んだのならさっさと失せろ」

 

「「すいません、庵先輩ッ!」」

 

「謝る必要はない。少しでも申し訳ないと思うのなら、必ず勝て。俺が貴様らに望むのはそれだけだ」

 

「そーだぜ。八神の野郎も言ってんだ、『勝てば官軍』ってよ。しっかりやんな!」

 

庵先輩のぶっきらぼうな言葉に反射的に謝る。が、次の言葉はこれまた不器用ながらもエールを送り、京先輩も続いた。

きっと他の先輩方も同じように思うだろう。

 

「はい! ありがとうございます!」

 

「あ、そうだ! エレン先輩、1ついいですか?」

 

「私にか?」

 

「もうしばらくで、美波とクルトがこっちに来るハズです。そしたら、『立会人として』2人に着いてあげてください」

 

「……わかった。それくらいはいいだろう」

 

最後にエレン先輩に託けをしておく。こうしておけば、美波たちも本領発揮できるハズだ。

 

「では先輩方!」

 

「もう行きますね!」

 

裏Aクラスの面々に見送られながら、俺たちはその場を後にした。

 

 

 

 

〜2年Dクラス〜

 

 

「源二ー、いるかー?」

 

「早速だけど、そっちから3人借りるよ」

 

Dクラスへ向かった俺たちは、源二に支援要請を発動させることを伝えた。選定メンバーにも抜かりはない。

 

「へぇ、あのルールを発動させるって訳か……。それは構わないけど、誰にするんだい?」

 

「ふふっ、まあ見てなよ。……昇瑠ー、真吾ー、真理佳! ちょっと僕らに力を貸して!」

 

「えっ、僕?」

 

「ようやく出番ッスね?」

 

「来たか……」

 

それぞれの反応を見せながら、呼ばれた3人が近くに寄って来る。今回は彼らと共に行くのだ。

 

「明久、晴陽。今、戦争中だから俺たちを選んだだろう。真吾と真理佳は経験させるためだとわかるが、俺が必要な理由は聞かせてもらうぞ」

 

「おう、それだけどよ昇瑠。実は大文字代門が智花と篠原さん、そして……、蝶影ちゃんを泣かせた。お前を呼ぶ理由としては充分だと思うぜ?」

 

「……そうか、あのクソ野郎が蝶影様を……。わかった、力を貸そう。蝶影様を傷付けようとするヤツは誰であろうと……、許さん……!!

 

最後の一言にドスを効かせて昇瑠は了承の意思を示す。そんな彼の様子を見た一部を除くクラスメイトたちは、相当怯えてしまっていた。

 

「あちゃー。昇瑠くん、怒ってるッス……」

 

「大文字くんは地雷に触れちゃったみたいだね。……ご愁傷様って感じ」

 

「……と言うわけで行くぜお前ら! 勝つために!」

 

「「「「おう(うん)!!」」」」

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

「俺を忘れてないか?」

 

「り、リト……?」

 

掛け合うと同時に、誰かの声が聞こえた方角を向くとやや天パ気味の茶髪に眼鏡を掛けた長身の男子……紗倉李斗(さくらりと)が近付いて来た。

見た目こそ眼鏡を外すと不良に見えるがそんなことは一切なく、気の利いたジョークを言える剽軽者で、彼もまた俺たちの友人である。

なのだが……。

 

「聞いたぞ、楽しそうな祭りの真っ最中ってな。元気が有り余ってるから混ぜろ」

 

「こらリト、お前は先日ケガから復帰したばかりの病み上がりだろ? もう先客がいるから、今回は大人しくしてくれ」

 

「ふん、つまらないな……。まあいい、頼むから今度は俺を連れてってくれよ」

 

「そのうち……、ねっ」

 

こんな風に争いごとを『祭り』に例えて楽しむ悪癖がある。

それが仇となり、数週間前に隣町のヤンキーに因縁を付けられて乱闘騒ぎの末、治療のために入院していたらしい。

源二が言った通り、退院したばかりなのに闘争心が健在なのを見ると、相当手を焼いてるみたいだ。

自分と同等以上の強さか、性根の腐ったクズにしかケンカを売らないのは救いだが。

 

「……と言うわけで、Dクラス最強戦力とエース級2人を貸すんだ。必ず勝てよ……!」

 

「うん。朗報、期待しててね」

 

源二のエールに明久が応えると、返事代わりに笑顔で頷いた。さて、急がなきゃあな!

 

 

晴陽side out

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻〜

 

 

歩夢side

 

 

「くっ、随分減ったな……。須川、横溝! そっちは大丈夫か?」

 

「ああ、まだ行けるぞ……!」

 

「簡単に戦死してたまるか……!」

 

「そんだけ元気なら安心だ。残りは……、大丈夫じゃなさそうだな……」

 

『『『旦那〜、もう限界です〜……』』』

 

アキとハルから前線を任された俺たちは須川と横溝を除いて壊滅状態、残ったのは福村と武藤と原田だったが、この3人も戦死寸前という酷い有様だ。

 

「みなさん、お待たせしました。ここからは、わたくしたちも戦います!!」

 

「きゅう!!」

 

「綺羅星さんたちが来たぞ!」

 

「良かった……。これなら負ける気がしないわ!」

 

そしてタイミング悪く、あちらの援軍に四英傑(グレート・フォー)候補の綺羅星日和さんが参戦してしまった。他にもBクラス副代表の南条恋、エース級の風花真実、楯野望、御剣綾斗、立華卯衣らが脇を固めている。

 

「皆の者、良く踏み止まったのう。わっちらが来たからにはもう大丈夫じゃ!」

 

「クズはクズらしく、負けを認めなよ」

 

「なんだこれだけか。 ボクが来なくても良かったんじゃない?」

 

「まあそう言うなって望ん。俺っちとしては『あの』AYUと戦えるかもだからウキウキしてるっす。尤も、この圧倒的不利な状況を覆すのは厳しそうっすけどね♪」

 

「だから降伏をお勧めするわ、……叢雲くん」

 

錚々たる顔ぶれに一気に戦意を削がれていく福村たち。須川と横溝も心なしか震えているようだ。

だが……。

 

「ご忠告感謝するぜ、立華。けど俺たちは降参しねぇぞ?」

 

「お、おい叢雲。大丈夫かよ……」

 

「どうした須川? 俺は至って冷静だ」

 

少し笑みを浮かべて返事をすると、須川含めた全員が不安気で見ているのがわかった。しかしそれでも俺は余裕の態度を崩さない。

なぜなら……。

 

「こっちにも救援が来るからな!」

 

「本当か!?」

 

その直後、晴明とノエルと秀吉と和希がこちらの援軍として参戦して来る。地獄に仏と言わんばかりの状況に、須川たちは涙が出る程喜んでいた。

 

「間に合わなかったの……?」

 

「すまぬ歩夢よ。わしらがもっと早く来ていれば、戦死者も抑えられたんじゃが……」

 

「気にすんなってノエル、秀吉。戦力差を考慮すれば、死にかけが多いとはいえ6人も生き残っていれば上出来さ」

 

「そう言うことだアユ。悪かったな、遅れてしまって。その分補給はバッチリ済ませた。回復役で和希も来てくれてるぞ」

 

「う、うん……」

 

「サンキュー晴明、みんな! 正直ダメかもと思ってたけどこれなら何とかなりそうだ。この戦い、絶対勝つぜ!!」

 

「「「「おう((うん))(うむ)!!」」」」

 

みんなの気合が一気に入り、須川たちも何とか奮い立った。さあ……、反撃開始だ……!

 

 

歩夢side out

 

 

 

 

 

明久side

 

 

一旦ハルたちと別れた僕は、昇瑠と一緒に蒼祐に指定された場所に彼が来るのを待っていた。昨日の件は昇瑠も把握済みである。

 

「なぁ明久。蒼祐のヤツ、本当に来るか?」

 

「絶対に来るよ。昇瑠だってわかるでしょ、蒼祐の義理堅さを」

 

「そう言えばそうだったな」

 

こんな何気ない雑談をしていると、ようやく彼が現れた。……横に大文字くんも付いている。

 

「やあ明久、遅くなった。そっちにいるということは、昇瑠も知ってるんだな?」

 

「ああ」

 

蒼祐の問いに昇瑠はそう返事し、僕も軽く頷いた。大文字くんは何のことかわからずに首を捻っていたけど、それもすぐに戻って口を開いた。

 

「オイ青空ァ、おしゃべりしに来た訳じゃねぇだろォ。そこにいる吉井(ザコ)ともう1人をブチのめすんだろうが。冷泉の野郎がいるのは想定外だが関係ねェ、俺様たちが勝つんだからなァ……キーキッキッキッキッ!!」

 

「そう。だから俺と戦ってもらうぞ明久、昇瑠」

 

「やっぱりこうなるよね……」

 

「蒼祐。お前が相手でも容赦はしない……」

 

 

こうして僕たちは互いに睨み合う。時間にしてみれば1分にも満たないが、長い時間に感じていた。

 

 

「だが、その前に片付けるべき相手がいる」

 

「? 一体何を言い出すんだ、青空ァ……?」

 

 

大文字くんがまたしても意味がわからないというリアクションをした直後だった。蒼祐が行動を起こすのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青空蒼祐! 大文字代門に現代社会で勝負を申し込む!試獣召喚(サモン)!!」

 

 

 

 

現代社会

 

 

Bクラス

 

青空 蒼祐:429点

 

 

 

 

展開された蒼い魔法陣から蒼祐の召喚獣が姿を現す。白をベースに青いラインが入ったパワードスーツを身に纏い、胸部に十字状のプロテクターが装備された、アユとはデザイン違いのヒーローのような出立ちをしている。

 

 

「青空……、テメェ……!」

 

「どうした? 早く召喚獣を出せ。お前に拒否権はない、わかっているハズだ」

 

「……大文字のヤツ、終わったな」

 

「うん。終わりだよ……」

 

今起きている状況に理解が追い付かず狼狽える大文字くんに対して冷淡に言い放つ蒼祐を、僕たちは冷静に見つめる。

その図はまるで、散々やりたい放題した罪人に裁きを与えようとする処刑人のようだった。

 

 

「俺はずっとこのときを待っていたぞ、大文字代門。その命、神に返しなさい……!!」

 

名○○介の決め台詞とともに、大文字くんとの一戦が始まろうとしていた……!

 

 

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

晴陽side

 

 

アキたちと別れた俺と真吾と真理佳は奇襲を掛けるべく、Bクラス本陣を目前としていた。

で、どこにいるのかというと……。

 

 

(……狭いっス)

 

(真吾くん、もう少し寄って欲しいな。なんて言うかその……、手に当たってるから。……おっぱいが)

 

(!? ご、ごめんっス!)

 

(静かにしろ2人とも。狭いのは申し訳ないと思うけど、もうちょい我慢してくれ)

 

(うん……) (わかったっス……)

 

Bクラスの天井裏で身を潜めていた(……ルートは俺が教えた。by康太)。さっき真理佳が言ってたように3人が固まるのはかなりギリギリだ。

 

(さて、戦況の方は……っと。……マズイな。世界史のフィールドで龍季が孤軍奮闘してるけど、このままじゃ持たないぞ)

 

(それじゃあ、負けるってことっスか?)

 

(嘘、それはないよ晴陽くん! 早く龍季ちゃん助けなきゃいけないのに、なんで天井裏(こんなところ)に……)

 

龍季が不利な状況に陥っているのを目の当たりにした2人が文句を言って来たので、ここで奇襲の内容を教えてあげなきゃな。

 

(なぁ真吾、真理佳。俺はアキと共に観察処分者になった訳だが、観察処分者の召喚獣の特徴は知っているか?)

 

(えっと確か……。物理干渉で物を触れられること、召喚者本人に対するダメージフィードバック……だったよね?)

 

(そうだ。これを踏まえれば俺が何をしようとしてるか……、わかるだろ?)

 

(晴陽くん……、まさか……)

 

(そのまさかだ。天井裏をブチ抜いて、こっから奇襲を掛ける。……俺の召喚獣の一撃でな!)

 

方法を聞いて唖然とした表情になる2人。そりゃそうだ。もしこんなことがバレたら『普通は』良くて停学、最悪は退学なのだから。

 

(今からそれをやる。危ないから少し下がってろよ2人とも。……試獣召喚(サモン))

 

フィールドが展開されていたら、こんな場所でも召喚できるのが観察処分者の強みだ。今ばかりはこの特性に感謝するよ。

 

(いいか? 天井裏をブチ抜くと同時に俺が降りる。そのあとは合図を送るから、それを見たら来るんだ真吾、真理佳!)

 

(りょーかいっス!) (わかったよ、晴陽くん!)

 

(当たり前だけど、絶対マネするなよ?)

 

((いやいや、普通に無理だから……))

 

2人の返事と真っ当なツッコミをもらい、俺は右手に全神経を集中させる。頑丈なものを生身で数発殴るだけでも激痛が走るが、今は一撃でそれをやろうとしている訳で冷や汗をかく。

……でもここでやる以外の道はない。

 

 

(よし。待ってろよ雄二、龍季。今行くぞ……!)

 

「ふぅん!!」

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン!!!!

 

 

 

「な、なんだぁ!?」

 

「天井から来たの!?」

 

轟音を響かせて崩れ落ちる天井から召喚獣と共に降りていく。その光景に何人かの生徒が驚いていたが、それはあとだ。まず天井の方は……、殴った箇所だけが崩れているからとりあえずはOKか。

問題は雄二と龍季だ。

 

「雄二、龍季! すまん、遅くなった!」

 

「お前といい明久といい……。俺の予想と斜め上のことをしてくるが……、今回はナイスタイミングだ!」

 

「やっとかよ……。けど、来てくれてサンキューな、晴陽」

 

2人が無事なのを確認し、恭二に視線を移す。

 

「どこかで奇襲するとは思っていたが、まさか天井裏から来るとはな……」

 

「なかなかのサプライズだったろ? つー訳だからよ……。ここで決着(ケリ)着けようぜ、恭二!!」

 

その言葉と同時に召喚獣も武器を構えた。アユたちから託された想い……、形にさせる……!!

 

 

 

See you next stage……




「第19話でした♪ 楽しんでくれたかな?」

「とりあえず言いたいこといっぱいあるけど……」

「みなさま!」

「「ただいま戻って参りました!」」

「今回投稿するまで相当時間掛かったね?」

「うん。なんでも『休止期間が長いからリスタートしようかな?』って悩んでたみたいだよ」

「その間リアルがゴタゴタしてたっても言ってたね」

「そんなこんなで何度目かの投稿再開な訳だけど、新年度開始に合わせる形でやったみたい」

「少し遅れているのは突っ込まないであげて!」

「相変わらず投稿頻度が不安定だけど、今後も応援してくれると嬉しいな♪」

「最後に新年度始まったみなさまへ」

「「進級・進学おめでとうございます! 社会人の方々は今年度も頑張りましょう!」」

「それじゃあ、また会おう!」

「シーユー!」



美波「クライマックスを迎える対Bクラス戦。坂本からの指示で、ウチは補給を受けて参戦の機会を伺っていた。行きましょうクルト! ウチらの真価、見せるわよ!」

クルト「次回ッ!『バカとテストと召喚獣withグリモア!』、『隠された実力』」

美波・クルト「 Let's go……fight!!」
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