バカとテストと召喚獣withグリモア! 〜君と僕で紡ぐ青春(いま)〜 作:ウォーズ -IKUSA-
西村先生からのエールを受け取った僕こと明久と智花、晴陽、夏海の4名は最低の設備と噂されるFクラスを前に意を決して突入する。扉の向こうで僕たちを待っていたのは……?
明久side
「じゃあ、行くよ……」
ハルがそう言って僕たちがFクラスの教室に入ろうとする、まさにそのときだった。
「ねぇ、ハル」
「アキ?」
「扉を開けるのは、ちょっと待って欲しい」
「どうしたのよ明久? ここまで来て怖気付いた?」
「いや……。上手く言えないんだけど、嫌な予感がするんだよ」
僕の言葉に夏海は疑問を抱いていたが、ハルは何となく察してくれた。どうやら彼も同じことを考えていたらしい。
「アキも気付くなんて、やるじゃない」
「まあね」
「アキくん、晴陽くん。一体どういうことなの?」
「そうよ。あんたたちだけで完結しないで、あたしたちにもわかるように教えなさい」
状況がよくわからない智花と夏海が、僕たちに問い詰めて来る。教えようと思ったが、ハルとアイコンタクトを取ると、この結論を出す。
「智花、夏海。口で説明するよりも、これから起こることを見た方が早いと思う。2人とも、後ろに下がって」
「何があっても、僕たちから離れないでね」
「「わかったよ(わ)」」
そう言うと智花は僕の後ろに、夏海はハルの後ろに隠れる。これで彼女たちの安全は確保できた。
「じゃあ、今度こそ開けるよ。いいね?」
「うん、わかった」
((コクッ))
もう何が起きても驚かない。覚悟も決まった僕たちは、扉を開けて教室へ入る。
「おはよーございまーす♪」
「総員、狙えぇッ!」
『『『『イェス・マイロード!!』』』』
ハルが挨拶して教室に入ると、黒いフードを被った連中……FFF団が刃を出した状態のカッターを投げつけて来た。
「アキッ!」
「わかってるよ、ハルッ!」
だいたいこうなることを想定していた僕たちは、飛んで来たカッターを鞄を盾にして全て受け止めた。
そして後ろを振り返って、2人にケガがないことを確認する。
((良かったぁ〜……))
『『『『チィ……ッ!』』』』
智花と夏海は突然の出来事に呆然としていたが、そんなリアクションができるのを見て僕たちは心の底から安堵する。
それを見たFFF団は、舌打ちをしていた。
「さて……。君たち、何のマネかな?」
「黙れ異端者! キサマらに発言権はない!」
「異端者には死の鉄槌を!」
「……何ソレ? 意味わかんないんだけど」
僕たちがさっきの行為について問い詰めると、
「わからないか? では諸君に問う、男とはなんだ?」
『『『『愛を捨て哀に生きるもの!!』』』』
「よろしい、それでは諸君! これよりFFF団反逆者、吉井明久と真境名晴陽の処刑を執り行う!」
『『『『イェス・マイロード!!』』』』
「ちょっと待て。なんで“俺”たちが処刑されなきゃならないんだ?」
ハルの一人称が“俺”に変わった。
「知りたいなら教えてやろう。……女子とイチャついているからだ!」
「「……はい?」」
「学園でもトップレベルの美少女、真境名環、南智花、神凪怜、岸田夏海、桃世ももと仲良くしているのが羨ましいんじゃゴラァ!」
((何言ってんの、コイツら))
須川くんの発言には僕もハルも呆れるしかなかった。智花と怜と夏海とももと環は僕たちの幼馴染で大切な人だから、仲良くして当たり前だ。環はハルの妹でもあるしね。
それに反逆者って言ってるけど、僕たちは何も悪いことしてないから、処刑されてやる訳にはいかない。
「なぁ、お前ら。1つ聞いていいか」
「遺言なら聞いてやろう。なんだ?」
「お前ら、俺たちにカッター投げつけただろ? あれは俺たちがガードしたから良かったが、もし後ろの人に当たったらどうするつもりだったんだ?」
「そ、それは……」
ハルの問いに、須川くんが狼狽える。どうやら僕たちへの嫉妬心から、後先考えずにやったようだ。
「ケガでもされたら、責任取れるの? 取れないよね? だったら軽率な行動は慎むべきだけど……」
『『『『ひ、ヒィッ!!』』』』
一連の行為で僕も頭に来ていたので、こう問い詰めるとFFF団は震え上がった。
「先に仕掛けて来たのは、
「なら、やられるのは本望だよね」
「「お祈りは済ませたか……?」」
『『『『『助けてくれェェェッ!!!』』』』』
〜数分後〜
僕たちによる一方的な虐殺の後、
「うわぁ……。派手にやったわね」
「ねぇアキくん、晴陽くん。この人たち、生きてるよね?」
「大丈夫だよ。死なない程度には本気出したけど」
「それに
気絶している
「久々に見たが、“双龍”は健在だな」
「まったくだぜ」
「その声……、
「2人とも、どうして
声のする方を見て、僕と智花は驚いた。なぜならそこには、僕たちの親友で悪友でもある、
「ああ。
「俺は雄二の考えに乗ったのさ」
「ちなみに、Fクラスの代表は俺だ」
「そうなんだ。霧島さんは、よく許してくれたね?」
「ま、まあ……な」
ハルがこう聞くと、雄二が歯切れの悪い返事をする。
「説得は結構大変だったらしいぜ。な、雄二?」
「それを言うな、龍季……」
「へぇ〜……。それにしても意外ね、龍季。あんたはてっきり、Aクラスに行くもんだと思ってたわよ?」
今度は夏海が龍季に対してこう聞く。龍季は学園内では不良扱いだが意外にも成績優秀な方で、Fクラスに来るハズはないと思っていたからだ。
「逆に聞くぜ。俺がAクラスにいる姿を想像できるか?」
「「「全然?」」」
「少しは悩む素ぶりを見せろよ! ケンカ売ってんのか、テメーらは!」
「落ち着いて、龍季ちゃん!」
僕とハルと夏海の返事で暴れそうになる龍季を、智花と背丈が同じくらいの女の子が止める。あれ? ひょっとしてこの娘は……。
「止めるんじゃねぇ、ノエル!」
「ノエルちゃん? あなたもいるの?」
「うん、そうだよ♪」
この娘は
でもここにいるということは……。
「……ノエル。真面目に試験、受けてなかったでしょ?」
「え? ソ、ソンナコトナイヨ」
「じゃあ、なんで目が泳いでいるのかな?」
「それは……」
僕たちの質問にノエルはかなり動揺している。深呼吸をすると、落ち着きを取り戻してこう言った。
「お姉ちゃんと一緒のクラスになるつもりだったよ? だけど、晴陽くんと明久くんと智ちゃんと夏海ちゃんと同じクラスだったらもっと楽しいと思ったから、わざと点数調整したの♪」
「「そ、そうなんだ……」」
「でも、イヴちゃんに何か言われなかった?」
「最初はすごく怒られたよ……。でも、『これはあなたが決めたことだから、後悔のないようにしっかりやりなさい』って言って、何とか許してもらえたの」
「ふ〜ん……、そうなのね」
「オイオイ……。盛り上がってるところ悪いんだが、俺たちの存在忘れてないかハル、アキ?」
「同感じゃ」
「……以下同文」
「「
ノエルの話を聞いている最中、また聞き慣れた声が聞こえたので視線を移すと、
普通なら彼らもAクラスを狙える学力なので、ここにいるということは、多分雄二と似たような理由だろう。
ただ、1人だけを除いては。
「聞いたよ晴明。通学途中で、交通事故に遭ったんだってね。体の方は大丈夫?」
「大丈夫だアキ。心配掛けさせてすまん」
「どうして晴明もFクラスに来ちゃったの?」
「実はあの日……」
ハルが質問すると晴明はこう言って、振り分け試験当日のことを話して聞かせた。
大まかに纏めると、通学途中で車に轢かれそうになった女の子を庇った結果、自分が車に轢かれる形になってしまったらしい。幸い怪我は大したことなかったが、結局その日以降の試験は全て受けられなくなってしまったようだ。
「でも、晴明のやったことは勇気のいる行動だと思う。中々できることじゃないから、自分を褒めてあげて? 少なくとも僕とアキは晴明のこと、尊敬するよ」
「ハル……、ありがとな」
「どういたしまして」
「それで、ハルとアキが
「じゃあ、今度は僕たちの番だね」
晴明の次は、僕たちの事情を説明した。
「そうか……。でもハル、アキ。お前たちは
「後悔してないって言ったら、嘘になるかな。だけど、あのとき智花を助けなかったらもっと後悔してた。今はこれで良かったんだって思ってる」
「僕は半分勢いだったところもあるけど、自分が納得する選択をしたつもりだよ」
「なるほど……、お前たちらしいな。Fクラスになったことは残念だけど、おかげで元気出たぜ」
「礼には及ばないよ、晴明」
僕たちの話を聞いて、晴明も笑顔になる。さっきまでの浮かない顔が、嘘のようだ。
「あ! そう言えば雄二、龍季! さっきのFFF団見てたのなら、助けて欲しかったよ!」
「うん! 結構面倒だったんだからね!」
「助けたいのは山々だったが、
「ああ。思い出すだけで、腹立つぜ……」
「……もしかして雄二も?」
「俺も襲撃された。まあ、龍季も一緒だったから苦労はしなかったけどな」
まったく……、雄二も狙ってたのか。2人がそれぞれ『悪鬼羅刹』、『おてんば姫』って呼ばれたの知っててやったのなら、愚かとしか言いようがない。
「じゃあ、康太と晴明は?」
「俺と康太は秀吉とノエルの護衛をしていた。2人を
「……(コクリ)」
この発言で、僕とハルは何となく察した。女の子に飢えているFFF団のことだ。ノエルだけでは飽き足らず、(男なのに)秀吉まで狙おうとするほど節操のない集団だからね。改めて、智花と夏海を下がらせて正解だと思ったよ。
「秀吉、ノエル。災難だったね」
「明久よ。そう言ってくれると助かるのじゃ……」
「うん、あたしも。みんなのことは大好きだけど
これから2人に訪れるであろう苦難を想像した僕たちは、智花と夏海共々守ろうと心に誓った。
「ところで、僕たちの席はどこかな?」
座席のことが気になっていたハルが質問する。
「ああ、それなんだが……。特に決まってないから自由に座って良いぜ」
「そ、そうなんだ……」
改めて教室内を見回すと、床の代わりに畳(しかもかなり古い)、机と椅子の代わりに卓袱台と座布団(これも古いのが多い)が置いてある。
いくら何でもこんなことがあっていいのか?
「とりあえず、座ろうか」
「「「うん」」」
ハルがこう言うと、僕たちは窓際あたりの席を確保した。窓際から1番後ろの席は智花、その隣は僕、そして僕の前はハル、智花の前は夏海が座った。
その後ハルを先頭に、みんなが自己紹介していった。
「また、みんな一緒だね。何はともあれ、今年もよろしく」
『『『『『ああ(ええ)(うん)、よろしく(なのじゃ)(ね)』』』』』
ハルの呼びかけにみんなが笑顔で答えた。まあ、
僕とハルはそう考えていた。
See you next stage……
「以上、第2話でした!」
「今作はこんな風に、早い段階からオリキャラも絡めたストーリー展開になるけど、楽しめるものになるように頑張るよ(主に作者が)」
「あまり作者のハードルを上げないようにね、アキ」
「わかってるよハル。それじゃあまた次回にお会いしましょー♪」
「じゃぁねー!」
明久「親友兼悪友の坂本雄二を筆頭に、去年の顔馴染みたちがFクラスに集う。
教室はボロボロ、それ以外のクラスメイトはやる気がないと前途多難な状況下で、新たな救いの手が舞い降りる!」
明久「次回ッ!『バカとテストと召喚獣withグリモア!』、『自己紹介! 〜in Fクラス〜』。 Let's go……fight!!」