真壁瑞希のお兄さん   作:黒村白夜

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前回からの続き。(続きを書くとは思ってもなかったので割と雑かもしれません)

こちらは、瑞希がアイドルデビューしてからのお話となります。
また今回は多少のオリジナル設定があったりします。ご注意ください。

少しの時間お付き合い下さい。


瑞希のアイドルデビューその1

 太陽がさんさんと照らす快晴の日。瑞人は自転車を走らせ、とある建物へと向かっていた。

 

「ふう、やっと着いた」

 

 着いたのは海沿いにある、まだ建って間もない新鮮さを感じる建物。近くで見ると圧倒されそうな大きさを誇り、屋根の上には『765 LIVE THEATER』というネオンが設けられている。

 

 此処こそが芸能事務所「765プロダクション」に所属するアイドル達がステージに立つ場所であり、そして俺の妹ー真壁瑞希がアイドルとして今日アイドルデビューする場所である。

 

 

「ついに瑞希が此処に立つのか……。楽しみだな⋯⋯」

 

 

 

 

 アイドルになりたい。

 その話を瑞希本人から聞いた両親の反応は、意外にも良好なものだった。

 

「瑞希がやりたいものをやればいい。瑞希の人生は瑞希が決めるべきことだからな」

「瑞希がアイドルにねえ⋯⋯。なんだかお母さん、ウキウキしてきちゃったわ~」

 

 和やかにこれからのことを話す二人に俺たち兄妹は少し面を食らったが、ともかく瑞希がアイドルになることを受け入れてもらえて安心したのだった。

 

「そのうち瑞希がトップアイドルになって武道館でソロライブとかをやるのか⋯⋯」

「あら、海外進出もあり得るわねえ~」

 

「なんだか、知らない内にハードルが上がっているぞ。⋯⋯これは頑張らねば。⋯⋯メラメラ」

 

 

 隣で鼻息を荒くしてやる気マンマンの妹を横目で見ながら、「流石に二人とも気が早すぎるだろ⋯⋯」と思ったが、野暮なツッコミなので心のうちにとどめたのは内緒である。

 

 

 数分で終了した家族会議から数日後、瑞希は765プロが総力を挙げて行う『39プロジェクト』——そのオーディションへ行き、既にスカウトされていたこともあってか無事合格した。

 

 それからというもの、瑞希は学校の放課後の時間や休日等の時間に宣材写真の撮影やダンスレッスン、歌のレッスンに勤しんでいた。元々学校で生徒会の役員をやっていることもあってそれなりに忙しく、俺も大学の講義があるため会えない日が続いたらが、それでもたまに送られてくるメールで近況を報告しあっていた。

 

『39プロジェクトの皆さん、とても個性的で素晴らしい人たちです。⋯⋯負けないぞ』

 

 ライバルもできたようで、より一層アイドル活動に励んでいるみたいだ。文面からも楽しいという思いが伝わってきて、こっちも思わず笑みを浮かべずにはいられなかった。

 

 そんな忙しい準備の期間を経てようやく今日、瑞希は『39プロジェクト』の内の一人としてアイドルデビューするのだった。

 

 

 

 

「おおー、凄い人ざかりだな」

 

 

 自転車を置き場に止め、中に入っていくとロビーは既に多くの人で賑わっている。それもそのはず、今回の公演では、あの765プロダクションから39人のアイドルが新たにデビューするのだ。楽しみでしょうがないという人が多いはずである。

 かくゆう俺も楽しみで仕方がなかったりする。瑞希がデビューするというのもあるが、他の38人がどんなアイドルなのか、少しワクワクしているのだ。

 

「うん?メールか⋯⋯。瑞希から?」

 

 劇場内を見ながら開始時間まで待っていると、瑞希からのメールが来た。

 開始まであと一時間ほどになるのでメールしていて良いのだろうかと思うが、とりあえず内容を見てみる。

 

 

『⋯⋯もうすぐ始まると思うと緊張してきました。何か緊張をほぐす方法は知りませんか』

 

 

「緊張か⋯⋯。まあ大舞台だからそりゃするか」

 

 

 瑞希は中学生の時にバトントワリングをやっていて、大会にも出たことがある。生徒会選挙にも出るくらいだから、人前に立つというのはある程度慣れているだろう。

 だが、今回はアイドルとして、しかも以前よりも多くの人の前でダンスしたり、歌ったりするのだ。前とは状況も、規模も大きく違う。瑞希が緊張するのは当然のことであろう。

 

 大方、いつも瑞希の相談に乗るから俺にメールしてきたのだろうが、あいにく俺は人前に立つという経験があまりない。つまり、瑞希の緊張をほぐす方法は残念ながら答えれそうにない。

 だが妹が兄を頼ってきたのだから、なんとかしてあげたいという気持ちもある。どうすればいいか、悩みに悩んだ挙げ句、なんとか答えはでたのですぐさまメールする。

 

 

 

『そうだな⋯⋯、とりあえずプロデューサーに聞いてみればいいんじゃないか』

 

『プロデューサーさんに、ですか?』

 

『ああ、普段から瑞希を見ているプロデューサーなら、瑞希の緊張をほぐす方法も分かるんじゃないかなって。俺はアイドルの舞台とかよく知らないから、下手にアドバイスして余計緊張するかもしれないだろ?だけど、プロデューサーはアイドルとしての瑞希をよく見ている。アイドルでの心配事はプロデューサーに聞くのが一番だと俺は思うな』

 

『なるほど⋯⋯。これは盲点でした。いつも瑞人兄さんに相談してもらっていたので、その選択肢が浮かびませんでした。早速聞いてみます』

 

『おう、頑張れよ。俺も初公演応援しているから』

 

『はい。瑞希頑張ります。⋯⋯いくぞー。えいえい、おー』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「よし⋯⋯。早速、プロデューサーさんのところに行ってみましょう」

 

「よう、ミズキ。どうしたんだ?ケータイいじったりして。あと一時間くらいで本番だぞ」

 

「こんにちは、ジュリアさん。今は瑞人兄さんと連絡をとっていました」

 

「へえ⋯⋯、ミズキに兄がいたんなんて知らなかったな。どんな兄さんなんだ?」

 

「はい。瑞人兄さんはいつも相談に乗ってくれる良いお兄さんです。アイドルになる時も、背中を押してくれたのは瑞人兄さんでした。あとトランプゲームが強いです。いつも負けてしまいます。⋯⋯⋯次こそ負けないぞ」

 

「あたしらの中でもミズキは強いのにそれよりも強いのかよ⋯⋯。すごいな⋯⋯」

 

「はい。自慢のお兄さんです。⋯⋯いえい」

 

「兄さん、今日の公演は見に来るのか?」

 

「いいえ。今日は確か、大学の講義があるので来ないです。⋯⋯⋯初舞台を見られるのは緊張するので、むしろ安心します」

 

「ふ——ん⋯⋯」

 

「あ。そういえば、プロデューサーさんに用事がありました。少し行ってきます」

 

「おう。ミズキ、お互い頑張ろうぜ」

 

「はい、ジュリアさん。……頑張るぞ、瑞希」

 

 

そういって足早に去る瑞希。その後ろ姿を見送りながら、ふと朝の光景を思い出した。

 

 

(シアターに来る途中、瑞希の髪色に似た男が自転車で走っていたけど⋯⋯、まあ気のせいか⋯⋯)

 

余計だった考え事を捨て、自分も集中しなければと思いながら、ダンスの確認をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 




 いかがだったでしょうか。

 瑞希の家族は、父親が弁護士で多忙なため家族全員が揃うことは少ないのですが、特にそれで悩んでいる様子は見られません。(ミリシタでは確認できませんでした。グリーだったらもしかしたらあったかもしれない⋯⋯。間違ってたらすいません)
 なので家族仲は良い方だと思い、両親はこんなキャラ設定となりました。

 父親は弁護士なので真面目な人ですが、娘の行動には口出しせず好きなことをさせて、将来の自由度を広げようとする、割と甘々な父。
 母親はおっとり系の少し天然な人で、料理が趣味の専業主婦。 

 瑞希の両親がこんな風だったらなーと思いながら書いてみました。

 あと瑞人は見ればわかる通り、大学さぼってます。シスコンですね。

 今回は前半部分であり、後半も出すつもりですが、いつになるかは未定です。
 とりあえず令和になる前に続きをあげたかった、というのが本音だったりします。

 ではまた、令和にまた会いましょう。
 
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