あっ、そうだ(唐突)UA2000突破!
─2023年4月20日 血盟騎士団本部─
「君が来たということは、全て思い出したという事でいいのかな?ゼロ…いや、キリト君。それとも和人君と呼んだ方がいいかな?」
「何でもいいさ。久しぶりだな、ヒースクリフ…いや、茅場さん」
「…私を殺すかい?」
「いや、今の俺だとレベルも足りないし第一、面白くない。だが、俺は──────だ。それまでにはあんたを倒すさ。」
「ほう、ではどうしてここに?」
「それは、俺を────」
─2024年2月23日 第35層 迷いの森─
「ピナ!ピナ!ピナァ!」
ピナが死んでしまった。私を庇って。
私の油断と慢心のせいで。
私を囲っていた3体のエネミーが動き出した。
──私死ぬんだ。
そう思った瞬間、3体のエネミーが同時に爆散した。
その跡に立っていたのは黒い髪に虚ろで光の無い黒い右目。黒に赤いラインの入った物に統一された装備、そして左目に眼帯をしている男性だった。
──今更だけど名前だけKoBに入るってのもメンバーに悪いよなぁ…
俺がユウキ達の前から姿を消し、1年が経とうとしていた。
姿を消した後、俺はすぐに茅場の元へ向かい、名前だけ血盟騎士団に入ることとなった。その事を知っているのはアルゴと茅場の二人だけだ。
フレンドはアルゴと茅場以外は全員解除し、攻略以外では出来るだけ知人の目につかないようにした。
理由?そんなの決まってる。仲の良かった人に糾弾され、距離を置かれ、下手すりゃ殺される。
そんなことになるくらいなら自分から離れた方がいい。つまりは、逃げたのだ。
──はは、そんなことされて当然の事をしてるってのに逃げるなんてな…。情けない。
俺が物思いに耽っていると、
『ピナ!ピナ!ピナァ!』
と、叫び声が聞こえてきた。
見ると、12~3歳くらいの女の子が3体のドランクエイプに囲まれていた。
《ヴォーパル・ストライク》を使って一気に葬ると、少女は呆然とした顔でこちらを見ると、手に持っている羽根を見て泣き出してしまった。
「それは?」
「ピナです。私の大事な…」
「君は…ビーストテイマーなのか。ごめん、君の友達助けられなかったな」
ビーストテイマー。ごく稀にだが、敵対モンスターがプレイヤーになつくことがある。
アインクラッドではそのモンスターを使役するプレイヤーのことをビーストテイマーと呼ぶ。
だが、使い魔なら…
「その羽根、アイテム名とか設定されてるか?」
少女が手元の羽根を右人差し指でタップすると、ウィンドウには《ピナの心》と表示された。
それを見て三度少女は泣きそうになってしまった。
「泣かないで、《心》アイテムがあれば蘇生できるかもしれない」
その瞬間、彼女の顔はさっきと一転、キラキラと輝き始めた。
「ほ、ほんとですか!?」
「ああ、47層にある《思い出の丘》というフィールドに《プネウマの花》という使い魔蘇生アイテムがある。実費だけもらえれば俺が取ってきてもいいけど、飼い主がいないとダメらしいんだよな。」
「47層…いまはまだ遠いですけど、いつか…」
「使い魔を蘇生できるのは死んでから3日以内だ。」
そして、今度はまた顔に絶望が浮かんだ。
そこで俺は、アイテムストレージからトレードウィンドウを出して、次々と強力だがいらない武器と防具をトレードウィンドウに出して行く。
「それがあれば5~6レベは底上げできる。MDだから質は保証するよ。」
「…こんなんじゃ足りないかもですが…」
そう言って彼女はほぼ全てのコルをトレードしようとした。
だが俺はそれを止める。
「いいよ。俺がやりたくてやってるんだし、コルはいらない。」
「…どうしてそこまでしてくれるんですか?」
彼女の目には疑いの色が見える。まあ、当然だろう。
ここでは現実では犯罪になることをしても、多少ペナルティが付くだけなのだから。
理由は…そうだな。考えなくても浮かんでくる。
「俺も…何かを失ったときの気持ち、良く分かるからさ…」
「私、シリカって言います!」
「俺の名前は教えられないが…俺もこの後色々やることがあってな。主街地迄は送るけどそこからは別の人に任せる。安心してくれ。女の人だよ。」
そして俺はアルゴにメッセージを飛ばす。
《迷いの森でビーストテイマーのシリカという少女に出会った。
使い魔が死んで、思い出の丘に行きたいらしい。
俺は目立つわけにもいかないし、まずやることがあるからお前に頼みたい。
それにフローリアにはあいつのホームもある。お前が無理ならあいつに頼んでくれ。俺の名前は絶対に出すなよ》
すると、1分程して返信が来た。
《了解ダ。全く、キー坊は人使いが荒いナ~
と言っても、ここ数日は忙しいから、あの娘に頼むとするヨ。》
*
*
*
「ここまでありがとうございました!」
「いや、礼を言われるようなことはしてないよ。じゃあ。」
俺はそう言って、転移門広場へと向かった。
─第55層 血盟騎士団本部─
俺は記憶を取り戻した当時から疑問になっていたことを茅場に問うためにKoBの本部に来ていた。
本当ならもっと早くに聞きに来るべきだったのだが、少し様子を見ることにしたのだ。
「茅場」
「何かね。」
「…MHCPはどうした?」
《
これは俺が依頼を終えた後、暇潰し──もとい、SAOには精神疾患や、病気、怪我などを抱えた人なども来ると思い、心を癒すために作った物だ。
試作1号だけ完成しており、βテストの後2号、3号を作ろうとしたが、あのザマだ。
「……MHCPは初日のみ外部接触禁止命令を出していた。ということはカーディナルが何か…」
「カーディナルが…」
「……君にサブGMの権限を与える。君は一応──────なのだから、簡単に死なれても困るしな。その権限でコンソールを使って、ユイ君を救いたまえ。」
「恩に着るよ。」
俺は団長室を飛び出し、最前線の56層へ向かった。
*
*
*
「頼む!誰か!」
俺が唯一場所を覚えているコンソールに向かおうと59層に来ると、転移門広場で誰かが叫んでいる。
話を聞くと、彼は《シルバー・フラグス》というギルドのリーダーで、とあるオレンジギルドに彼以外のメンバーを皆殺しにされたらしい。
そのオレンジギルドの名前は《タイタンズ・ハンド》。リーダーの名前は《ロザリア》で、こいつだけグリーンカーソルだという。
「これ、俺が全財産叩いて買った回廊結晶だ。出口は黒鉄牢に設定してある。」
「分かった。それで、そのロザリアってやつの特徴は?」
「赤髪で、武器は槍、それで、ちょっと露出の高い格好をしてる」
赤髪で武器は槍で露出の高い格好…確か昨日シリカの近くに…
「シリカたちが危ない!」
俺は転移門に駆け出し、47層に転移した。
*
*
*
ユウキたちは既に出発したようで、フローリアにはいなかった。
ということで、俺は全速力で思い出の丘へ向かう。
しかし途中、橋が見えてきたところで索敵に反応があった。これはプレイヤーだ。
「そこにいるやつ、出てこいよ。」
「あらぁ?私の隠蔽を見破るなんていい索敵スキルしてるじゃない?」
「…あんた、数日前にシルバーフラグスってギルドを襲ったな。リーダー以外の全員が死んだ」
「あぁ、あの貧乏な連中のことね」
「彼はあんたを《殺してくれ》じゃなく、《牢獄に入れてくれ》と言った。あんたに彼の気持ちがわかるか?」
「分かるわけ無いじゃない。なにマジになっちゃってんの?バッカみたい。この世界ではないで死んだからって本当に死ぬ証拠もないし。あんた達、殺っちゃいな」
ロザリアが合図をすると、周りから隠蔽スキルを解いて十人ほどオレンジプレイヤーが出てくる。
そして、彼らは問答無用で襲いかかってきた。
その時だった。左目につけていた眼帯の耐久値が切れてしまい、紅く染まってしまった忌々しい左目が顕となった。
それを見た、オレンジの数人の動きが止まった。
「く、黒ずくめの装備に盾無しの片手剣、それに黒と赤のオッドアイ…まさか、《黒の魔剣士》?」
「ろ、ロザリアさん、ヤバいよ、こいつ、攻略組のトッププレイヤーだ…」
「なにいってんだい!こんなところに攻略組がいるわけないでしょ!?とっとと始末しちゃいな!」
「無理だ…大人しく牢獄に入ろう」
「そうだな。」
「コリドー・オープン」
彼らは素直に門に入っていったが、ロザリアだけは頑なに拒否していた。
だが、剣を突きつけ脅すと、腰を抜かしたので、門に投げ入れた。
そして、門を閉め、剣を背中の鞘にしまってため息をつくと、索敵に2つ反応があった。
これはプレイヤーだ。それも恐らく…
首を左に捻り後ろを見ると、見慣れた黒い長髪の少女が目を見開いて体をぷるぷると震わせ、茶髪をツインテールにした少女は驚いたような顔をしていた。
「かず───」
「ごめんな。」
黒髪の少女──ユウキが俺の名前を呼んで近づいて来ようとした瞬間、俺は彼女に聞こえるかどうかくらいの声で呟き、
そして、転移コマンドを選択し、逃げるように転移した。
自分でも何書いてるか分かんなくなってた。正直言うと、シリカが苦手でアニメ見返すときとか第4話飛ばしたりしてたのでこの回は本当に難しかったです…
そうだ、これどこまでやりましょうか…
フェアリーダンスか、GGOか、キャリバーか…アリシはストーリーも改竄もめんどくさすぎるからやりたくないんだよなぁ…
次回、《感情とプログラム》