100点?フン、中級者かー1
困った。スグルの妹の様子を見るだけのつもりが、彼女は私を睨み付けながらズンズンと此方に向かって来ている。
「こんにちはっ、雷木さん」
「こんにちは…」
名前何だっけ、というか声明るいな、スグルの妹で合ってるよな、可愛い、胸あるし寒いのに生足だ__
「名前覚えてます?」
げっ。顔を上げる。背、私より高い…
「キョウです。で?」
吹いてる風みたいな寒い声だな、急に…。
「あ、雷木太二です…」
「用を聞いてるんです」
ランドセル背負った相手に情けない…目をしっかり合わせる。
「家まで送らせてくれませんか。スグルの事、その家出してからどうなってます?」
「敬語は止めてください。先輩ですよね」
「……D小じゃなくE小だ。滝田さん、そっちもタメ口でいい。歩きながら話さないか?」
「…中二病?兄貴と同い年でしょ」
口調の事言っているのか?制服だし、髪型も変じゃないよな?私は歩き出しながら聞く。
「口調変かな?」
「いえ、あの、顔です」
スーツの性能調べるときに怪我したんだ。格好つけて包帯巻いてる訳じゃない。
「これは怪我したんだ。こっちで合ってるかい?」
あのパワードスーツは素肌に触れていないと防御が及ばないみたいで、パンツを下に履いた方が強化が高まるか気になり腕とか上半身の下にシャツを着てみたりして石を砕いてみたりの実験で、破片が当たって切れてしまった。言えない。
「はい。…それ痛いですか?」
「気楽に喋って?額は今は痛くないよ」
握り潰した岩の破片が目に入ら無くて冷や汗を流しつつ安堵した事を思い出してしまった。スーツの首元の下にはもう何も入れないぞ…
「じゃあ、兄貴が家出したって父さんは怒り心頭で母さんは落ち込んでる。あいつがソンナコトしたってホント?」
ぶっこんできたな?何て云おう。確かあの夜は、最近何か悩んでいる様子で問い詰めたらどうも家出してしまいました、と説明したんだよな。家族ならスグルの変な行動は気付いてた筈だし不自然じゃ無いよな。
「残念ながら、スグルは本当に家出したみたいだ。学校にも道場にも来てないし、家にも帰って無いみたいだな。止めたんだが。警察には連絡したのか?」
してないといいな。大事には__
「いちおーしたみたい。家出の理由は?いじめられてた?」
「…いじめは無かったと思う。理由は解らない、ごめん」
「そうですか…ベツに。…別に、雷木さんが謝らなくていいよ」
何て返せばいいんだろうか。…。
「に、荷物持とうか?」
「…え?ランドセルですよ、プクッ」
だよな。笑ってくれた隣の滝田 恭さんを盗み見る。
「何年生?」
不自然にならないよう話を接ぐ。
「4年。3コ上ですよね?」
「ああ」
可愛い…。