生き抜けば100点!!ー2
怪我が全部治っている事に未だに信じられない思いがする。傷口があったところを何度も触る。痛みが無くなると、制限時間の殆どを地図を見詰めながら蹲っていた自分に嫌気が差してくる。赤い光点が近付いて来ていたら逃げ出していた…はあ。
やまだちゃん60点、動揺し過ぎ?
どういうこと?ヤマダさんも最初しか会わなかったしな…
あ、次私だ。140点。前のめり、まあ、はい…100点メニューへ、か。点数私が多くを取ったんだなあ。
周囲の反応が心苦しい…。
合計、230点、だよな。ふうー、よし。
「両方、より強力な武器を」
「…えっ」
誰かの驚きの声が幾つか重なる。首に力を入れて真っ直ぐ黒球だけを見る。
「今直ぐ出して貰えませんか…」
目線を落として隣の部屋へ向かう。入って扉を閉める。良かった、誰も話し掛けて来なかった。バイクと重力銃が徐々に転送されて来ている。このドーナッツはやっぱり扉を通らず持ち出せそうにないな…あれ、ミナトさんの空飛ぶバイクが無い、それに隅に見慣れない腰上程の高さの一本足の机に乗ったパソコンみたいなものがある。あれも兵器…?場所を取ってないからこの部屋の中で近未来的なバイクを動かすのはやりやすくなっているが…
ガチャ。
空気に粘性を感じる…振り向くと、ミナトさんが入って来ていた。
生き抜けば100点!!ー3
黒球に映る情報を見終わった頃を見計らって、柄の上、続いて下のトリガーを押し刀身を部屋の向かいの壁まで伸ばし、声を上げる。
「黒球の後ろのケースの中に私達と同じスーツがある。死にたくなければそれに着替えてくれ。…ヤマダさん達、後はお願いしますね」
返事、まあ文句もあるが、それらを聞き流しつつ刀を縮め、肩掛けバッグを持った左手で扉を開け、ミナトさんの後を追って追加兵器の部屋に入る。?私の武器は?バイクが無い。あ、重力銃もない。えー_
「そこ。もう1つ端末がある。それで持って行く兵器を選択出来るみたい」
端末?ああ、あれか。
こちらに背を向けるミナトさんの隣に刀を右太腿で留めつつ並ぶ。
「どうも。.....あの、黒球の表示って良く分からないですよね。点数とか、数とか大きさとか」
「…そうね」
凄いな、画面に直接触って操作するのか。重力銃の図を触ると図が光り、図が移動して右に重力銃のアイコンが浮かび、ミナトさんの方は輪っかを触ると重力銃のアイコンの下の光るドーナツ型バイクのアイコンに合体して飛行バイクに変わる。ミナトさんがそのアイコンを触る。え?アイコンが分離して、暗い輪っかのアイコンが明るいドーナツ型バイクのアイコンの下に出た。
「こうやって持って行かない選択も出来るみたいね」
ミナトさんが此方に微笑みかけてくる。
目線が泳ぐ。彼女の顔に戻し、質問する。
「持って行かないんですか?」
「まさか」
ミナトさんは微笑みながら画面に向き直り、彼女が暗いアイコンをほっそりした人差し指で触れると、アイコンが光って上に移動し飛行バイクのアイコンに変わる。
「そろそろ始まるね」
彼女が呟き、私はハッと画面に向き直って__画面上部に下手糞な字でラッキーとある__切り替わっていたドーナツバイクの図を押す。