勉強すれば点数が上がる…カモ
勉強すれば点数が上がる…カモ-1
師範代の打ち込み__剣を持った男のしょうしょう星人が重なり斬られた感触がする__ぐっ!
「ぼんやりするな!」
「っはい!もう一本お願いしますっ!」
また立ち合い..............突き、中学生相手にかよ___のぞき星人程の寒気も圧迫感もない、矢程の速さもない、優位に立ち回れる筈だ.............
.............
広間から出てシャワー室に向かう。大分暖かくなってきているよな.............
.............
「おつかれ~」
「おう」
「またなー」
「おつかれ」
「じゃあね」
よし帰るか。明日は日野さんを家に連れてくのだ、早く寝よう。姉さん達に言うべきか、まだ決められない…。親には言って、携帯電話買ってくれとゆおう。
勉強すれば点数が上がる…カモ-2
『F橋の修復が終わる前に桜の見頃は終わり、近隣住民の嘆きの声が上がっています。町の人達の反応です。「いやあ残念でしたね。この辺でいろいろ壊れて道がふさがったりして、まだ不便ですよ~」「一晩で台風でも通ったみたいでねー。ぐっすり眠ってたん__」』
その風景、公園ってしょうしょう星人の時の場所、か?明るいから違って見えているのかもしれないが…F橋、か、後で場所を調べよう。前回の駅は何処だったのかな、駅名を見る余裕無かったしなー、海星の時みたいにその内ニュースになるか。
「ほら、できたよ」
焼き上がったか。
「今行く!」
「姉さん、手伝ってくれて有り難う」
「クッキーなんかでいいの?ケーキとか何種類かできるのに」
「自分で作れるやつの方がいいと思ったんだよ」
茶化す姉さんの声を努めて無視して声を被せる。
「駅まで迎えに行って来るよ。鍵は持って行くから、出掛けててもいいから!」
彼女と2人きりだと警戒させてしまうかもだが。
勉強すれば点数が上がる…カモ-3
階段を上がり自室に向かう。
廊下を進み、開いた入口を通り、少しかがんで棚の側の剣道袋に手を掛け、木刀を引き抜く。棚に目を遣る。本来なら中の箱の鍵を開けて、伸びる刀をスーツの強化込みで振った方が実践的だが__いや重力銃の照準を狙い通りに合わせる練習の方が実践的か。
階段を降り、リビングに行って日野さんに声を掛ける。
「お待たせ。小さいけど庭があるんだ、付いてきて」
「わかっていたけど改めて豪邸ね…」
そうかもな。…上手い返しが思いつかない、てきとうに笑っとこう…。
靴を履き、扉を日野さんが通るまで保持する。会話しながら、庭に出る。
「じゃあ、見せるね」
どれくらい真剣か、を。
木刀を構える。しょうしょう星人との丘の周りでの乱戦を思い出しながら、動き出す。あの夜、直剣を持った男性型との、始めは1対1で斬り合い、何とか倒せた。だが2人掛かりで来られると強化が高まっていても私も斬られ、スーツの防御もまともに働いていなかった。まともに戦えなかった女性型を巻き込む様にしないと、最初に殺したヤツと同じ弓を遣う男性型に殺されていた__それでも右肩の筋を射貫かれた。女性型だって男性型と同じく地面から浮く様な動きをして刀を伸ばしては当てられず、隙を作って何度も浅く体を斬られた__
荒い息を整える。日野さんを一瞥すると、固まってしまっている。
木刀を振り上げつつ声を掛ける__切り返しでもしよう。前後にステップを踏みながら木刀を上げ下げする。
「かなり武道に打ち込んでいると信じた?高校入試からの逃避とかじゃない…」
そう、殺し合いに備えて兵器の習熟をしているのだ__あれ、なんだか日野さんを脅してるみたいな__
「…ほんき度は伝わってきたよ」
「ああ、別に人に、というか日野さんに暴力を振るうつもりはないから!」
怖がらせるつもりじゃない__
「もう、そんな心配はしてないってば!雷木クン、紳士的だし!」
明るく笑ってくれると、見惚れそうだ.......