だるい…眼が痛い…腕が痺れた…
「起きて、太二くん。もう掃除の邪魔になっちゃうよ?」
「もうなってるからー」
「ぷふっ」
「それな~」
「アハハッ」
顔がカッと熱くなる。眠気を抑え頭を持ち上げ椅子に座り直す。
「ごめん…」
呟きながら椅子を引き、立ち上がる。しまった、帰り支度してないな。
顔を上げると、横に日野さんが立っていて、教室には数人しか残って居ない全員がその奥で固まっている。掃除当番なんてよく真面目にやれるな…
「悪い、直ぐ荷物纏めるから」
「うん、みんな、じゃあね~」
日野さんへ返事の声が重なるがそれはいいとしてもしかして私を待っていたのか?レイプ犯はもう痛めつけただろ?
「じゃな雷木ぃー」
「あ、じゃあ」
あいつなんてったってけ…
教材は仕舞わず軽い鞄を持ち上げ教室の外へと彼女と並んで向かう。
「何の用?」
「待っててアリガトじゃないの?」
開きっ放しの出入口の前で立ち止まり、小首を傾げる彼女を促し、後に続いて廊下に出る。
「待っていてくれてありがと、デートにでも行くかい?」
話の心当たりは全く無い、と思う。
「それでもいいわよ」
勘弁しろよ。
階段は、スカートだし前に行ってもらうか。…もう廊下には人が居ないけど小声で__
「例の話ならもう終わらせたけど、私とでもセックスはしたくないだろう?」
「やめて!」
うおっ…
「ごめん、悪かった」
「…ううん…声あげてわるかったね」
すごく小さい溜息_無神経過ぎたかも。
「あのことはもういいのよ。すっとしたしね?」
「振り返んなくていいよ、段差見て降りなよ」
やっぱり見た目は、特に微笑みは綺麗なんだよなあ。
下駄箱で一時別れ、腕を上げて蓋を開き靴を取る。置いて、上履きを脱ぎ持ち上げて仕舞う。靴に足を入れ、踵部分を直し透明なドアの手前まで早足で進む。取っ手を掴んで引き、日野さんに頷きかける。
「ありがとっ」
続いてドアを通り、隣に追いつく。疎らに他にも制服姿が見える。
「結局何の用なの?」
軽い話なら駅までで終わるかな。
「おおっ雷木ーっ!」
げっカラタさん…校門から入って来たってコトはランニングか。他の面子が居ないし相変わらずぶっちぎりか。
「どーも。引退して受験勉強しなくていいんです?」
「ダイジョブさ。こんちわ日野さん、コイツはフッたんじゃなかったっけか」
野次馬根性丸出しの態度だな?校門まで往復する気かよ…
「喧嘩別れじゃなかったんで、友達ですから」
「遊びに行かないって寄り道する誘いをしよーと思ってたんですよ?」
は、本当か?
「クリスマス前に復縁か?お前らも1年後には受験生だぞ~」
「やだ、違いますよー」
うーん…