コンティニューしますか(復活の呪文か否か)ー1
視界を切り替えてみる。骨格が透けて見え、死人の3人組が現れた様に思える。黒球は、見ても解らないな…
「1月ぶり。もう着替えた?」
「リコ先輩は転送前に着てたんですよ?置いてくって言ってたのに」
骸骨が話しているみたいだが、窪んだ目でも案外怖くないな。視界を戻す。
初参加のサラリーマンらしき男性は強化スーツの入ったケースを抱きしめつつキョロキョロしながら口を開く。
「おっお知り合いでっ、かな?」
黒球が音楽を流し始める__1人だけかな。
鳴りやんでから話し掛ける。
「説明文は一応読んだら?星人の情報も含めそこまで気にしなくていいけど」
「星人…?」
ワイシャツ姿の男性の呟きは流そう。
「2人とも、銃はハンドガン型の小さいやつだけ取ればいいから。私の武器を貸すよ」
「あっ、よかったです。その武器、強かったんですね?」
まあどちらかと言うと__ガシャンと黒球が展開する。
「使い易い、かな。この重力銃1挺と飛行バイク以外は多分いらない」
爆弾は建物ごと潰す用に使えるけど、見せていないし腰巻バックも持って来ていないし、渡さなくていいだろう。
「あの、これ、説明してくれるかい?」
「そこで示されている星人達と殺し合いをさせられるんで、安全の為にそのケースの中の強化スーツに着替えて下さい」
重い足音と共に前に進む__3人ともどいてくれる。
やっぱり下らない情報だな。
「銃を取ってついて来てくれ、転送時に予め接触していれば転送後も一緒にいられる。兵器は私の直ぐ近くに転送されるから、向こうで渡す。ロケットランチャーと、重力銃と、ガトリングガンの3つだ」
コンティニューしますか(復活の呪文か否か)ー2
大通りの歩道で固まって歩く濃色の服の集団を上空から見下ろす。透視すれば骨の繋がった長い尻尾を腰に巻きつけているのが分かる。服は、盛り上がっていないな?厚着なのかな。
飛行バイクを何処に停めるか。
通行人もいるし、降りてこの強化服を実戦で使いたいな。
あの路上駐車してる大型車の上でいいか。
速度を上げて車の真上まで降下し急停止して動力を落とす。やべっ潰れた__ま、いいか。重力銃はバッグから出さずに席から下り、自動車を更に拉げさせ星人達に向かって跳躍する。落下しながら巨大な両腕を振り回す__1体は掴み損ねて潰れて吹っ飛び、2体を鷲掴みにし、1体は肘の刀で斬れた。楽勝だな。
「グブルゥーーッ!!」「グバハァアアアアーー__」
軽く両手を握りしめると太い機械の指が即応__容易くオスラ星人達を握り潰して、頭部や足が路上に落ちる。
少し向こうで残りの4体の星人達が咆哮しだす__尻尾を伸ばし振ってもいる。光弾を撃つか?両手で1度に2発しか撃てない__ガトリングガンみたいに連射するのは難しいしな、それに通行人も危機感が足りてないみたいだし。前へ走り出す__強化スーツだけの時と同じ位でしか走れないのは不満だけど__散開しようと跳ねる星人と向かって来る星人達を巨大な両拳で追う。極めて軽い手応え。通行人達に肉塊は当たってないな、あの2人の長袖には体液の飛沫は付いたみたいだけど…。
左腕を抜き出して顔に寄せる。5分ちょっとでこれか、はは。後1箇所しか無かったよな、移動してるか?右腕も出して機器を操作する。付近には青が1つのみ、で、えーと、さっき見た場所は、あれ?縮尺を小さくしてと。下端の左寄りに青い輝点が赤い輝点と重なる場所がある。ここは後回しで、他に赤はー、無いな。ここに行くか。
コンティニューしますか(復活の呪文か否か)ー3
眼前に腹部まである黒球が鎮座している。戻ってきた。振り返る。2人の先輩後輩はもう戻ってきてる、が。
「初参加の男性は?一緒に行動してたんじゃないのか?」
武器は全部持っているな。
「えっと、死んじゃった」
あー…
「そっか」
体を戻す。
「え、反応うすっ」
黒球が音を出す。
15点?りこうちゃん、って女子の方か。後ろで何か話す2人にも伝える。
「15点取っているぞ、前に来て自分の点位把握しておきなよ」
「あ、はい」「うーっす」
表示が切り替わる。計30点か。結構とられたな。
「お、やった」
「私のもう終わっちゃった」
「何体殺した?」
「こっ…!?」
「あー、1ずつ?ですね。先輩ーしっかりしてよー?」
「ごめ…ぅあ」
48点?1体6点?15点じゃないのか?後でどんなのと闘ったのか聞かせてもらおう。
いってみるぞ__
「3番、滝田 スグルを復活させて」
復活するのが本人と言えるかは知らないけど、恭を抱ければいいしな。嫌われてはいないし兄がいれば口説き落とせるだろう。失踪に関与なんてゾッとしないし…暴行とか器物損壊の方は私だと分からない筈だし、これで真っ白な経歴だ。
こいつは高校進学が難しいかもしれないけど、私だって真面目に考えられないし…まあ生きているだけ得だろ。