「おっ来た。スグルー、道場は通っておけよ、1度しか来てないだろう?」
「ちわーっす。え、なに?」
こいつチャらかったっけ?
「道場だよ、通っておいた方がいいぞって話」
「あー、勉強がやばくてさ。今度教えてくれよ、ラッキー先輩」
それ位ならお前の妹を誘う。
「殺し合いで生き残れなかったら無用の心配だぞ。今回ガトリングガンはお前に貸すけど、油断するな」
「わかってる」
強張るな?死ぬ時の事は覚えていないのではなかったか?
「えー、こっちにも貸して下さいよ、先輩」
混乱する言い方だな。
「ラッキーといってくれ。自分の先輩がいるだろ」
「まだ来てないですよー」
「君達!くっちゃべるなら今直ぐにどういうことか話しなさい!」
五月蝿いな。
「だから、そこの球の中身の言う事に従うんですって」
スグルと同時にビクっとはしたけど”2番手くん”の方が言い返した分マシかな。私達より年上らしいしあれで普通なのかな。
「人が揃うまで待てというから待っていたが、なにが起こっているのかいい加減教えてくれ!その機械といい光といい悪ふざけの域を越えているだろう?」
「そ、そうだぞ、いつまで待てばいいんだよ!?仕事があるんだ、ドアさえ開けてくれればいいからさ…」
2人に面識はあるのだろうか?3人、もうリコも来たしこの光は4人目だな、新人達は今回はバラバラに死んだのではないか。
黒球が音を出し、転送の終わりを告げる。事態の説明か、面倒なんだよな。
白い天井と壁、薄茶の床と2つのドア、10人近くの人々と大きな真っ黒な球は閉塞感を感じる。全身を2回り以上大きくする強化服があって黒球の前まで進み難い。頭部に遠視機能もついていても良さそうなんだが、少なくとも今のところ使えないんだよな。
黒球に近付いていた初参加者達が突然両側が展開したそれからこちらに後退っている。うん、別にあのテキトーな情報は見なくてもいいか。後頭部と背中から伸びたコード群を引き摺りながら追加兵器の部屋に向かう。
「初めとの人達に強化スーツを着る様に言っといて。転送先で1度合流しよう」
ドアノブを左腕を斜め前に出して回転させて引き、腕を入れて巨大な腕を向こうの部屋へ差し込み、横向きになって、中腰になりつつ腕を水平に伸ばしながら横歩きで強化服ごと全身を枠に押し込み、通り抜ける。
「おーい、やっぱ外側のスーツは置いといたほうが良かったんじゃないかー?」
「え、一緒に転送しないんですか?」
「近くに転__」
指を開けば床に届く巨大な腕で前の床を払いつつ兵器選択端末に向かう。左手を出して選択可能な兵器4つ全て選ぶ。足元のノートを見下ろす。結構経つけど、未だ全然薄いな。
振り返って閉まり切っていない扉が目に入る。漏れ聞こえる音は、出来たとしてもするつもりも無いが、頭部の集音機能を強めないと何か良く解らない。転がる三角銃は、以前は一応は携行していたけど、前回からは特に要らないんだよなあ。
瞬きをすると青い残像が残り、ゆっくり瞬きをすると外に転送されていた。右前のコンクリート上に飛行バイクと、ロケットランチャー、ガトリングガン、後丸い爆弾も転がっている。
≪~~~~~ーーー~~~~~≫
会場に明朗に音声が届けられる__
「こちらのグループの映像はライブでございます!ハードスーツを着用しているのは美少年ですが、彼のマスクは当分外れることはないでしょう!何故か?実は暫く彼のいるチームには高配点の星人はあてがわれない予定だからです。特別扱いを認められました!彼に人造人間がつけたあだ名、ラッキーとは、的を射ていたことになりますね!彼は毎回先行して星人を殺して大量得点を目論んでいます!さて、皆さま30分以上に大金を賭ける勇気はおありですか!」
暖房の効いた部屋で寛ぐシックな服装の人々の手元には、15cm四方の液晶が1人1つあり、数人で談笑しながらそれらを見せあっている。
「時間の変更は__「賭ける対象は今からでも__「もう変更はできません、申し訳ありません。来月同様の賭けが再び行われますので…」
「人気アイドルの属するチームと近い扱いかい?」
「申し訳ございません、お答えしかねます」
「はん、大人気の芸能人なんて今いないだろうに」
「私は5から7分に賭けたんだよ?」
「まあ、残り時間がその程度しか残らないなんて予想がお下手なこと」
「はっは、勿論逆だが、君の予想の方がきっと正確なのだろうね?ふふッ」
「まあまあ、そこらへんで…上映時間が長くても構いませんよ、わたしは。愉しい催しですもの」
「__くん、●●●●くん、彼はお気に入りだろう?●●財閥でカタストロフィ対策に囲い込みをかけるのかね」
「あそこのトヨカとかいう代表代理も軽く目をつけていますよ…こちらは今は大阪の生き残りの方に注目しています。連携までした猛者達を殺した中位の100点星人を、1人で殺した岡という男、こっちは本名が分かっていますから。ラッキー君の方は顔の記録もうちでは取れていませんし」
「ならば提供しようか?我々も日本までは手を回さないのでね」
「では、こちらもアメリカのブラックボールの位置を1つ送ります…」
「あららぁ内緒話ですか?」
「…トヨカ嬢、表の取引を止められたいのか?」
「まさか!__でも嬢とは、ね…ボクを馬鹿にするのはよせ__」
あっさりと一方的な戦闘が終わったことが画面上で示され、音声で結果の発表と次回への誘いが告げられる…
会場から離れる集団の内、最も数が少ない5人のものがやや小声で話している。
「30点とはいえ独り占め、とはね。内輪揉めを反省していないようですね」
「候補から外しますか」
「カタストロフの詳細は主催者側でも不明との話です、決定は早計かと」
「まだ学生だろう?就職の世話は早過ぎるし、カタストロフィ直前まで保留してくべきではないか」
「中卒、という言葉もございます」
「え~なにそれ~。…真面目な話、優秀じゃなくとも言葉は通じないと、ね。はは、100点星人にいつ当てられるのかなあ」
「すでに一度戦った事があったと思いますが」
「星人の割り振りは玉の操作者がある程度自由にしているという情報も」
「それくらいドイツの御大に聞けばあっさり教えてくれることだ」
「裏を取れる別筋の__」
「しゃべりすぎー」
「すいません、__」